Dragon Quest 9 感想

Last Updated:Dec 28, 2019

この文書は Dragon Quest 7 Memo(PS版) の一部なのである。DQ9 は DQ8 と違い、そして DQ7 と似て語るべきことが抱負なのだが、その体力もないので、シンプルに DQ7~DQ9 までの比較的な感想だけは書いてみたいと思った。

どんくらい遊んだか?

本編は3周したかな? 違ったっけ? 2周は確実。そして一周は魔王の地図の(通信機能なしで出来る全部の) LV40 代前半だったか中盤だったかまでやった。

製作者の狙い通りに、かなり長時間遊んでた。さすがに「高レベル魔王」に至る前に飽きてやめたけど、それでもプレイ時間総数としては、ナンバリング作品の 9 までの中では(最初から始めるのを何周もするパターンでない)最長。DQ7 だって神様4ターン撃破で飽きた。

DQ9 はセーブがひとつしか出来ない関係で、「何周も」遊ぶ遊び方には向いてないんで、2周目に入る際はかなり勇気がいったわ。これも DQ9 の個性か。

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ひとさまの感想には興味はない

サンディが賛否両論なのだそうだ。うーんどうでもいい。ステレオタイプっぷりに若干ひくものの、エンディング後ぬしさま撃破直後のデレは素直にカワイイと思ったし、「知ーらないっと」は、サンディの役割からはそう驚くものでもないと思ったし、やっぱね、エンディングでのサンディはちょっとは感動的と思ったよ。「あ…ネ…」は気になったし。

「バックダンサー呼び」の言われようもなかなかヒドいみたいだが、女キャラでやらせたパンチラなんかは、萌えるでしょう、あたしゃ嫌いじゃねーぞ。(キャラメイクでおチビに作ったときほどカワイイと思うんだけど、無論意見には個人差があります。)

それと後で書くけど、「プレイヤーの自由度」がこれは従来作とは比較にならないほど大きいため、断定的な言い回しが従来作よりずっといいにくい作品でもある。それこそ遊び方によって感想はかなりバラバラだろう。ので、ワタシのここで書く感想は、「特定の遊び方でのたった2、3周で言えること」に過ぎない。

また、マルチプレイ、通信機能なしの完全一人プレイだったので、この有無も多分大きいと思う。一人プレイな範囲でも十分楽しめる作品と思うが、マルチプレイはきっとまったく別の楽しさがあるに違いないとは思う。

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本編シナリオについて

シナリオの「美しさ」という点については、ファンタジーとしては 9 までのナンバリング作品では、ワタシの中では一位。DQ7 が「人間くさく泥臭くて欝」で良く練られたシナリオでこれはこれで非常に味わい深いのに対し、DQ9 は一気に「王道ファンタジー」になり、世界に浸りやすい。どのサブシナリオでもちょっと泣ける要素もあり、逆にドラクエらしくないのかもしれない。

オープニング・エンディングもキレイだが、なんというかどっちかというと FF のノリなんじゃないのか、あるいは宮沢賢治とでも言うか。ほりいゆうじが書いたと思うとちょっと信じられないほど「ほんとに超がたくさん付く王道」。7 からのドラクエの流れからはかえって異色で、DQ6 までの流れに戻ったという感じか。

DQ8 のシナリオが「あんまりな」内容だったので、なんというか DQ9 のシナリオで DQ8 な 3D で遊びたいと思うくらい。

DQ7 は大好き過ぎるサブシナリオもある一方で「大嫌いな」サブシナリオもあるのは散々書いた通り。DQ8 はサザンビークに入ってからほんとにシナリオ的には何一つ共感要素が持てないまま進行していった。ゆえ DQ8 はシナリオ的には楽しいのはせいぜい船入手まで、ゲームとしてもゼシカ再合流直後まで、不思議なタンバリンが錬金出来てしまうともはや「ゲームではなくなってしまう」くらい軟弱化してしまうので、初回はともかく二周目以降はレティス攻略したら途端にやる気をなくしてしまう。対して、DQ9 はどのサブシナリオもいちいち納得・共感しながら進められた。

ただ…、いかんせん DQ9 は「クリア後」に非常に重きを置いている都合、本編のボリュームはいくらなんでも少なすぎるんじゃないのかなぁ、とは思った。あまりにあっけなく7つ目の女神の果実を入手できてしまって、あれれ、もう終盤か、と、ほんとに思った。まぁ DQ8 のボリュームも似た感じだったので、そういう意味では DQ7 の方があまりに異例だったのか。あるいはこの短いシナリオだからこそ、あまり目立った破綻なく「美しくいられた」のかもしらんね。

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BGM について

DQ7 が音楽でノレないことは書いた。DQ8 の印象がとても良かったことも書いた。DQ9 は、どれも好きだ。特にラスボスの堕天使エルギオス戦、いやぁ、これは戦闘の緊張感も相俟って、とにかく盛り上がった。

いい曲、盛り上がる、というのとは違うんだけれど、天の箱舟のそれは、なんというかこれ、「天の箱舟としか言えない」。スゴいよな、これ、このゲームを知らずに聴いても、あるいは外国人でさえおそらくすぐに蒸気機関車を連想すると思う。なんでだろう?

比較的 DQ8 からの印象を引き継いだ楽曲が多いね。天使界のも落ち着いてて好き。

当然ながら宝の地図の「ダンジョン」はさすがにとてつもなく懐かしく、そしてやはりいい曲だ。これもまさしく「ダンジョン」としか言いようがない曲だよね。

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グラフィックについて

DS なのでプレイステーションからの「進化」は当然難しいわけだけれど、DQ8 と同じレベルファイブなので、戦闘のグラフィック(とアクション)は DQ8 とほとんど遜色なく、違いは等身でないことくらいで、不満は全くない。

フィールド・町や城についてはこれはちょうど DQ7 の水準に「退化」した感じの趣で、DQ7 に感じた「出入りや高低差の識別しにくさ」が舞い戻ってきてしまった感じ。つまり DQ8 とは違った種類でなおかつ DQ7 と同質の迷子になる。つい先日二周目を終えたばかりなんだけれど、序盤のルディアノ城では正解の昇り階段が見つけられずに、2時間以上徘徊した。絶望と憎悪の迷宮も、構造の複雑さだけでなくこの「識別しにくさ」が原因で迷子になった。

味方キャラのアクション、モンスターのアクションは本当に良く出来てる。特にモンスターが倒れるアクションがどれも秀逸で大好き。(DQ5 リメイクで最も嫌いだったのがこのアクションなので、ほんと爪の垢を煎じて飲ませてやりたいわ。)あとマグマロンが身を守るのがめっちゃカワイイ。氷の宝の地図で「ひょうがまじん」が沸いてくるアクションも非常に凝ってて、ほんとに「氷から生まれました」ってふうに沸いてくる。そもそも氷の宝の地図は、プレイしてて気持ちがいいよね。(敵もエグいし。)

だけれども「竜王」はなんかヒドいと思う。DQ1 の 2D をそのまんま 3D にした感じで妙に立体感がなく、アクションも貧弱過ぎる。何より鳥山明の書いた二次元絵が紙芝居的にオマケのアクションが付いただけで、あの「首をかしげた」まんまで動くさまは、「かっちょ悪い」の一言に尽きる。あーぁ、これなら動かない方がマシだってば。だって DQ1 の竜王、かっこよかったじゃないか。

個別のモンスターに関してなのだが、「ヘルクラウダー」の一味、これは「DQ7 からの完全劣化」で滅茶苦茶かっちょ悪い。DQ7 の 3DS リメイクではまさにこの「劣化版ヘルクラウダー」の方が採用されてしまっているらしい。残念。オリジナルの PS 版ヘルクラウダーってさぁ、とってもかっこいいんだよなぁ…。これはほんと、毎度闘うたびに残念な気分になる。ほんとこの子たちだけなんだよなぁ、気になるのは。ほかはとにかく「カワイイ」し「カッコイイ」し「オソロシイ」し。ピンクモーモンがただただかわいいのに、マポレーナの「たたかいのうた」の表情のコワさったらない(しかも強烈にカワイイ)し、ナイトキング系のさぁ、あの刀、何度みてもビビるわ。痛そうじゃんあれで殴られたら。「かまっち」系列も痛そうだよね。「アサシンドール」はヘタするとほんとに痛いし、「メフィストフェレス」は本当に結構痛い。

ほかのサイトに書かれてることなので、あえて書くことでもないのだけれどもね、DQ8 で初参加のレベルファイブ、鳥山明作品を徹底的に研究したんだって。だから鳥山明色の再現率が非常に高いし、とにかく「わかってる」のだよね。「ドラクエらしさ」に関してもほんと「わかってる」。どこまでも満足な出来で、この件での不満はほんと少なくて、その「竜王」、「ヘルクラウダー(系列)」と、あとは「みのがす」で満足して去るのアクションが結構欠けてることくらい。「ドラクエらしさ」ってさ、例えば DQ7 の「つきとばし」時みたいな「全然重要じゃないところに妙に凝っている」ことだったりすると思うのだが、まさにそれ。レベルファイブ、また戻ってきてくんないかなぁ。

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ゲーム性について(本編)

「やり過ぎればゲームバランス崩壊」するが、そうすること自体が苦痛だった DQ7、「やり過ぎて絶望的にゲームバランス崩壊」が非常に達成しやすいがために驚異的に発生しやすかった DQ8、という流れからの DQ9。DQ7 と DQ8 に感じた不満が、個人的には「完全に」解消されていて、遊んでいて非常に楽しかった。

一つには、例によって必要以上に早期に頑張ってしまうと、具体的には

  1. 職関係のクエストをどれも頑張ってこなす(特に秘伝書)
  2. 武器スキルなどのクエストも可能な限りこなす(同じく秘伝書まで頑張る)
  3. パッシブスキルも欲しさに転職を繰り返す
  4. 出来る限り最強錬金を目指す

という全てを「やり過ぎ」れば、本編水準を大きく上回ってしまう点については、DQ7、DQ8 と完全に共通。ただ特に DQ7 と大きく違うのは、「こなすクエストがどれもやりがいがあって達成感が高く満足感を得やすい」という点。なので、DQ7 と違い、ほんとに楽しいままついついやり過ぎてしまう。

実際、エルシオン学院の特技系クエストのいずれも「スキル30以上」からしか受けられないし、職業クエストは最初の LV15 の次は LV40 で、実際2周した結論から言えば「LV40」そのものは比較的適正でも、2.、3. の「両方」にこだわるならば、実は「武器スキル 30」は非常に遠く、とくに DQ9 で最も重要な基本スキルの「盾スキル」にある程度振るならエルシオン学院エピソード攻略時点で(3. をやらない限り)30 に到達していることは、ストーリー優先なら絶望的に難しい。これもつい頑張りすぎてしまう要因だ。強くなりすぎてしまう要因の一番大きなものが「フィールド・ダンジョンで迷子になる」ことだった DQ8 とはこの点については随分違って、つまり「能動的にやり過ぎてしまう」構造が満載なわけである。

たとえば僧侶を使っているとして、「しんこう」と「盾」と武器全てをバランス良く振っていこうとすると、必ずどれかを諦めるか、一時的に転職してスキルポイントを稼ぐかの二択、そうしない場合はレベルを上げ続けるしかなく、この場合は LV40 どころか LV50 でさえ望みの育成にならない。2、3周した経験上 LV40~44 がやはりラスボスには適正で、これを大きく超えるようなら、「くそつまんねーラスボス」になる。(ちなみに LV40 は「ラスボス撃破時」の話で、絶望と憎悪の迷宮そのものに入る際には LV37 くらいだった。ワタシの場合。)

だからといって「やり過ぎをまったくやらない」というミニマリストには非常にキツいゲームバランスになっていて、DQ7 のように「本当に最小限しかやらない」と、棺おけの量産をすることになるほど骨のある子ボス戦が大変多い。実際「全滅経験」が、これまでのドラクエ以上に多かった。

先日やり直して終えたばかりのヤツだと、まずアユルダーマ編のジャダーマに全滅させられ、エルシオン学院編の魔教師エルシオンに全滅させられ、呪幻師シャルマナに壊滅状態に追い込まれ、ギュメイ将軍の大まじん斬りの餌食となり全滅。カデスのろうごくからの脱出イベントで間違って「一人のまま裸で」キラーアーマーに見つかってしまって意図せず自殺ルーラしてしまった一回も含めると、本編ボス戦で4回全滅した。特定の一体だけが強烈に強かったりした従来作と違い、DQ9 本編には何度も全滅ポイントがあり、とにかく緊張感があって楽しかった。(追記: その後またやり直してみたら、ルディアノ城エピソードの妖女イシュダルもエゲつないことに気付いた。「魔女のまなざし」で全員マヒさせられ全滅した。)

どういうわけか DQ9 は、素の HP がかなり低く抑えられており、スキルで増強しない限りは、LV40 付近でさえ戦士が HP 240 をようやく超える程度で、魔法使いに至っては 180 にすら届かない(参考までに言えば DQ7 のメルビンは加入時点 LV19 で既に HP176 ある)。だからギュメイ将軍の大まじん斬りがヒットすれば魔法使いは絶対に生き残れないが、主人公のデフォルトの旅芸人も僧侶もどちらも「一撃」で、(ガナン帝国城のほうの)初戦は確か LV33 をちょっと超えたくらいだったか、この LV のなおかつ HP 等の補強なしで挑んだら、なんと「大まじん斬り」がことごとく成功し、僧侶、主人公、魔法使いの順にどれも一撃で沈み、戦士だけ辛うじて生き残ったが、無論ここからリカバリするはずもなく、最後には「同じく大まじん斬り」がヒットして、戦士も死亡、全滅。なんたる命中率。2戦目で2つほどレベルを上げつつ、「ゆうかん」スキルなどで HP を大幅に増強して挑んだら、今度は大まじん斬りそのものの頻度がなぜかとても減り、なおかつ全然成功せずに拍子抜け。かなり運も絡むんだろうなぁ、とは思ったが、ただ「斬りあげ」の行動封じがあるので、闘いにくい相手であることには変わりはない。(特にワタシの場合、ボス戦であるなしに関わらずテンション上げで闘うスタイルだったので、行動封じ系はほんとに闘いにくい。)

要するにこれはどういうことかといえば、DQ7 の一番大きな不満、「育てるのがかったるかったのに、やってみたら育て過ぎってなんだよ」ということがなく、どちらかといえば「若干やり過ぎと思うくらいで丁度いい」。無論やりすぎが最初に例にしたほどの「やり過ぎ」は本当にやり過ぎだが、やらなすぎると本当に「まったく手も足も出ない」ほど敵は強い、ので、安心して「多少育て過ぎる」ことが出来ると言える。このバランスが絶妙だな、と思った。

ただ…、「早期になんでもやり過ぎることが出来る」のだけは確かで、DQ8 のタンバリンほどではないものの、色んな最強装備や特技を「これでもか」というほどに予め準備出来てしまう。この点は DQ8 にやっぱり似ている。実際最初の回はまさにこれをしてしまい、ギュメイ将軍には印象はあったものの、堕天使エルギオス戦は拍子抜け過ぎてかなり残念感が残った。というわけで二周目でなるべくやり過ぎないようにしたわけだ。二周目は2度の壊滅状態、確か延べ4人死亡かな、しかも一回は二人死亡状態の残る二人も瀕死、という状態からリカバリして勝った。楽しかったぁ。(ちなみに対戦時、主人公(旅芸人) LV39、チームは、僧侶・魔法使い・戦士(LV38)。)

闇竜バルボロスは結構瀕死に近い状態には追い込まれはしたけれど、あまり強いとは思わなかったかな。なんというか「想定」しやすいのね、戦略を立てやすいというかさ。あと「暗黒皇帝ガナサダイ」は正直初回も二周目も「よえーっ」と思った。(これもなんというか戦略の立てやすさ、リカバリの容易さ、かな、弱く感じるのは。)

もう一つ、DQ7、DQ8 でおおいに不満を持った「必要のないスポイル」が、DQ9 では徹底的に排除されていて、「RPG の楽しさ」を再び味わうことが出来た。つまり、「脈絡のないボス戦直前の完全回復」。絶望と憎悪の迷宮はドラクエ(本編)史上最も複雑で深くてなおかつ「ボス戦が異様に多い」ダンジョン(※)と思うが、(ガナン帝国城には一つだけあるが)絶望と憎悪の迷宮には回復ポイントが文字通り「一つも」ない。そう、こうでないと。あの種のスポイルは、たとえば「女神の指輪」の嬉しさを台無しにしてしまうわけであり、あるいは特技などによっては「育て損」を感じる一番の原因となるので、まさに「余計なお世話」でしかなく、これを排除したのは本当に正解。「ゲーム」なんだし、それ以前に、「なんで敵がこしらえた罠ダンジョンに、主人公たちに有利になるシカケがあるのだっ」というツッコミにもなるわけだからさ、やったらダメなんだってば。

絶望と憎悪の迷宮攻略はどんだけかかったっけかなぁ? 一度もリレミトせずに攻略出来たんだけど、2時間だったか4時間だったか。かくも深く、長い。なんたる達成感。実際「さびついた剣」の存在もあることだから、攻略優先ならリレミトして錬金するなどする方がいいんだけれど、緊迫感を楽しみたいなら一度も脱出せずに最後まで攻略するのが楽しいと思うわ。「うげぇ、この子、第二形態もあるの?」みたいな驚きをいちいちしながら闘うのも楽しいし。(うあぁ、まだ続くのか、の感覚はマゾヒスティックに楽しい。)

最後に、フィールド・ダンジョンそのものについて。「見にくさが迷いやすさ」とは書いたけれど、ただ DQ7 と決定的に違うのは、常時地図が見えている点。DQ8 もこれに近いといえば近いんだけど、DQ8 の場合は序盤は世界地図なしだし、ダンジョンの地図も宝箱から入手しなければならないので、地図入手まではまぁ迷う。ので DQ9 は基本的には迷子になりにくく、なので非常にテンポ良く進む。これがまぁ若干物足りなさにもなったりはするし、DQ7 とやや共通する、「気づいたら結構レベル上がっちゃってた」ということが発生しにくい、すなわち「ちゃんと育成しようと思わないと育たない」の一因ともなる。要するに「ストーリーだけ進める」ことだけやってると、ラストダンジョンは猛烈に難関、手も足も出ない。なので…、もうちょっと迷子要素があっても良かったんじゃないかなぁ、とは思った。ただまぁ DQ7 みたいにバカみたいにフィールドが狭いわけではないのでね、言うほど大きな文句ではないんだけれども。

※追記: DQ8 の「暗黒魔城」をさっきやり直してみたのだけれど、「複雑さと深さ」は(3D なことも手伝って)「暗黒魔城」の方が凄まじいわ、まぁ迷子になる。これと「絶望と憎悪の迷宮」の印象は随分と違うのだが、それは何かと言えば、DQ8 は「ザコが絶望的に強いのに対して、プチソーン始めボス戦が(不思議なタンバリンのせいで)チョロ過ぎる」のに対して、DQ9 はザコは若干これより弱く、中ボスがどれも(本質的に弱いのは一体のみで)結構強いという点。なので DQ8 のほうの「暗黒魔城」はとにかく「たどり着く前に相当精神疲労」してようやっと辿りつくとボスが拍子抜け、というかなり残念な印象になるのに対して、DQ9 の「絶望と憎悪の迷宮」の方はザコ戦・ボス戦のバランスがいいというかね、なので「やったぁ」という充実感が高い、という感じ。

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クリア後について

宝の地図そのものは本編攻略中でも出来るけれど、基本的には本編クリア後要素だと思う。

DQ7 の神様、DQ8 の竜神王がそうだったように、この種のクリア後のオマケはまさしく「育て過ぎることを遊ぶ」ためにあるわけである。そして DQ9 はまさしく「DQ9 の本番は本編クリア後から」と言われる通り、確かにクリア後要素の方が「戦闘型 RPG としては」面白かったかもしんない。無論「ストーリー」はあってないようなものなんで、(その他オマケクエストを除けば)純粋に戦闘を楽しむ場なんだけれど、DQ7・8 と違って「多彩で膨大」なので、まさしくいつまでも遊んでいられる。

魔王戦に関して、面白いこと考えるものだよなと思った。魔王に勝ったら経験値を自分のものにするか魔王に与えて魔王のレベルを上げることが出来る、と。従来は敵が少しずつ強くなる場合であってもいわば「どちらも同時に育つ」ことしか出来なかったわけだ。というか敵が「育つ」という概念そのものがなかった。魔王戦は逆に「自分も魔王も同時に育つ」選択肢だけはないものの、こちらが一方的に弱いなら経験値を受け取り、魔王に拮抗してきたら魔王に与えて…、という具合に、緊張感をキープしながら魔王のレベルを上げていける。これがまぁ楽しい。本質は DQ8 の竜神王戦とそう大差ないはずなんだけれど、LV1~99 という非常に長時間「みるみる強くなっていく魔王」を楽しめる。正直 LV1 ドルマゲスはどうしようもなく拍子抜け(おそらく全魔王 LV1 の中でも最弱)だがみるみる強くなっていき、LV41 超えるとなかなかの鬼畜ぶりになるのがまぁ楽しい。

さすがに「LV99 魔王」まで挑戦するほどまでは続かなかったけれど、それでも「通信要素なしで挑戦できる全魔王」の、世界が変わると言われる三回行動を始めるレベルからちょっと先まではやったわけで、当然本編の時間の何倍も遊んだわけである。

高レベル魔王もそうだが、高レベル宝の地図もなかなかに楽しく、特にヴァルハラーの鬼畜っぷりにはシビれた。そもそも「全モンスターコンプリート」が本気で楽しかったのは、さすがに DQ9 が初。(無論「みやぶる」のおかげでもある。)

なお、「錬金大成功」は、半分くらいやったかなぁ、確か。2% 防具そのものは確か(通信要素なしの範囲内で)コンプリートは出来て、銀河の剣だったかで錬金大成功しなかったのを覚えてる。こういうサブ要素も楽しいんだよね、DQ9。

とはいえ、不満が全くなかったかといえばそうでもなくて、通信要素なしの場合に、地図入手があまりにも果てしないという点。竜王の地図、というかその前のグレイナルにたどり着かなくて、ほんととてつもなく時間がかかったし、ランクA・ランクS宝箱のある地図も全然手に入らず、「錬金相手のいないしんかのひせきだけが溜まる」という事態がずっと続いた。まぁ通信要素がウリなのはわかるけどさぁ、ワタシのように部屋で一人で遊ぶ人にももうちっと優しくして欲しいなぁ、と思った、ほんとに。

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遊び方の自由度について

「職システム」があり、なおかつ、主人公以外はシナリオと無関係の作品はどれもプレイヤーの自由度が高いのは共通。つまり、ルイーダの酒場とダーマ神殿の両方がある作品は、どれもプレイヤーの自由度が非常に高いというわけだ。

それだけでなく、DQ9 のスキルシステムはかなり DQ8 を引き継いではいるものの、決定的に違うのが「職そのものはほぼテンプレートに過ぎない」という点だと思う。すなわち、僧侶の「しんこう」スキルを戦士だろうが魔法使いだろうが自由に割り振ることが出来る。

このことが、従来作では結構確定的に説明することが出来た「推奨レベル」の類を、この自由度のためにかなり断定しづらい。そしてそれこそが DQ9 の面白さでもある。上でワタシの例を書いたけれど、この「LV39 で堕天使エルギオス制覇」は、スキルで HP 底上げしたからこその LV39 なのであって、あるいは僧侶は「しんこう100」、魔法使いは「まほう100」という、ちょっと信じがたいような強烈なステータスだからこその LV39 であって、普通に武器スキルだけに頼って LV39 は鬼畜レベルの難関なんじゃないかと思う。(なお、LV39 というのはつまり、一つとして職スキルの秘伝書を持たなかったという意味。ほかの職で裏で極めたなんてこともしてない。そして盾の秘伝書すら持たずに挑んだ。ギュメイ将軍が厳しかったのはこれも理由。)

「堕天使エルギオス制覇」の適正レベルは、底上げなしだとおそらく LV45 程度、のはず。そしてわかると思うがもっと徹底すれば、「LV30 でも楽に制覇」出来るほどにも強く出来てしまう。すなわち、「ゆうき」「ゆうかん」「しんこう」「まほう」「おたから」…などあらゆる職固有スキルを極める。上級職への道を一つも開いていないと難しいが、上級職も使えば、恐ろしく低いレベルのまま強烈に強いキャラを作れる。つまり本編のゲームバランスは、これをどの程度やるか、にかかっている。少しもやらない上に低レベルだとラスダンが相当鬼畜なのには違いはないが、無論従来作と同じノリで「単にレベル上げで挑む」ことも相変わらず可能なわけだから、かくも自由度が高いわけである。

色んな遊び方が出来る、ということこそが RPG の一つの楽しみであって、DQ8 は実は(その見掛けとは裏腹に)この点に非常に欠けていて、つまり DQ8 は極端か普通かの二択でその中間がない。(具体的には「素手スキル縛り」みたいな縛りプレイの楽しみは可能だが、凡人プレイヤーにはあまり自由度がない。)

ワタシ個人の好みは「凡人がギリギリ制覇出来るスレスレ」の緊張感なので、そうしたければ単に「ほどほどに、だけれども少しだけやり過ぎ」な育成をすればいいが、もっと緊張感が欲しければ、つまり「真のつわもの」が好みなら、「やり過ぎ」要素を徹底的に排除してストーリー進行だけに集中すれば自然とそうなる。DQ7 とは対照的ね、DQ7 は「ストーリー進行に集中すると適正」だったのだから。そして、「ボコ殴り、きもちーっ」したいなら当たり前だがやり過ぎればいい。どれも個人の好みだし、まさに好きにすればいいが、この「好きに出来る」ことこそが大事なことで、従来作、特に DQ7・DQ8 はこれが難しかったわけである(つまりちょっとやり過ぎただけで即超絶ヌルゲー化する)。

結局のところ DQ9 の好印象は、このゲームバランスの良さなんだろうなと思う。多少ならやり過ぎてもゲームバランス崩壊しない、というのがやっぱり一番大事なんでしょうな。だって本来「育てるのが楽しい」ことこそが RPG の本質なのであるから。

装備の自由度が高まったのも大きい。DQ10 以降(右手・左手など)更に進化したようであるが、少なくとも DQ9 の「防具(上半身)」「防具(下半身)」「足」「腕」に分化したことで、組み合わせを考える楽しみも増えたし、もちろん推奨レベルの話と同じように、「これが鉄板」というような話は従来作よりしにくい。例えば「うーん、僧侶だから回復魔力を優先しつつ呪文耐性が欲しいからげんま装備が嬉しいよなぁ、ブレス耐性はどこで補おうか、レッドタイツかなぁ、デイン系はゴームのながぐつかなぁ」などなど、考え方はそれこそ千差万別で、プレイヤーによってかなり個性が出るんじゃないのか。

「防御力か回避率か軽減か」の三択だったものが、「盾ガード」によって自由度がさらに高まったのも本当に楽しい。つまり、これまでは「みかわしの服 or 耐性防具 or 高い防御力」という3つしかなかったものが、「盾ガード率」も検討要素として増えたというわけだ。さらに言うなら「これほどまでに盾が重要」な作品なのに、初期状態で盾を装備出来ない職があるのも、考えることが多くて面白い。武闘家・バトルマスターが初期状態で盾を持てないことで、育て方や使い方にかなりプレイヤーによって違いが出る。

そういえば武闘家についてはまぁ装備が弱いのは装備が職依存となるどの作品でも共通だけれど、個人的には武闘家は「最初に仲間にするけれどダーマ編攻略後即座に戦士かバトルマスターに転職」という使い道が唯一の正解なんじゃないかな、という気がしている。ドラクエ wiki でも近いことを言ってるし、「いっそ素早さを活かして補助役に」も一つの正解とは思うけれど、防具の弱さを考えると、そこまでして武闘家使わなくてもいいんじゃないかな、と思う。この話は DQ9 で「比較的断言的な言い方が出来る数少ない例」かなと思う。

実際ドラクエ wiki はじめ多くの攻略サイトで「旅芸人」が不人気だけれど、ワタシは旅芸人の器用貧乏ぶりはむしろ「おうえん」が可能な唯一のキャラである主人公に一番向いていると思っていて、なによりまがりなりにもベホイミ・ザオラルが使えるので、「おうえん専念」しつつ「回復・蘇生要員」にもなれるし、まぁまぁ素早くてまぁまぁ器用で、武器・防具はかなり優秀なので、とりわけレンジャーの「まもりのきり」など習得して「とにかく自分は死なない」ことに集中すれば、二人のアタッカーと一人の回復蘇生要員の能力をフルに活用出来る。実際例にした二周目ではなくて一周目は、「主人公旅芸人 + 僧侶 + 魔法使い + バトルマスター」で LV45 くらいの魔王戦まで格段の不満なく闘えた。(パラディンガードがないと勝てない、なんてことはないよ、このくらいなら。無論これを超えてくるとさすがにパラディンガード不可欠論には同意するけれども。) すなわち、かくも自由度があり、色んな闘い方が出来る。

魔法使いについても似たような話が出来るかな。魔王のレベルが高くなるとキビシイし、みたいなことなんだろうと思うけれど、いやぁ、魔法使いのダメージソースっぷりはなかなかに気持ちがええぞ。この点についてはドラクエ wiki も指摘してるが、だいたいさぁ、メラで100近くのダメージ、スーパーハイテンションなら 600 叩き出すんだから尋常ではないわ。打たれ弱いのは確かだけれど、上で書いた通りスキルで底上げ出来るので、そこそこ打たれ強く出来る。要はそこまでして魔法使いを使いたいか、ということだが、ワタシは魔法使いがダメージソースになる作品が好き(たとえば DQ4 のマーニャ)なので、ワタシは「そこまでして使う」。なお、「賢者のさとり」を使ってでも使う、ほどの「そこまでして」である。まぁ人それぞれ、でしょ。(そしてこの気持ちよさのために主人公の「おうえん」が重要で、なので主人公は「おうえん」が向く職がいい、というわけである。)

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補足:「本編ボスに平均Lv40以上で挑む時点でゲームバランスもへったくれもない」のかどうかについて

ドラクエ wiki の【テンションキープ】(ぶとうかの秘伝書)の解説に見出しのような主張がある。これがワタシの感覚とはかなり乖離しているので、一応言っとく。

なんというかまさしく「プレイヤーの自由度」依存でしかないのだ、こんなのは。ワタシの主張「「堕天使エルギオス制覇」の適正レベルは、底上げなしだとおそらく LV45 程度、のはず」は、そう、「底上げなしで」を前提にしている。事実「きゃー、盾、すてきーっ」と盾に優先して振っていってしまうと、「転職を繰り返してスキルポイントを大量に稼ぐ」という行為をしない限りは、LV40 では絶対に「武器の秘伝書」なんか取れないし、ましてや「スキルによる HP や身の守りの補強」なんてほとんど出来ない。この場合「ゲームバランスもへったくれもない」になるのはむしろ頭がオカシイ。対して、「盾は持ててるだけで十分」として盾スキルに一切振らないならば、同じく「スキルポイントを稼ぎまくることをしない Lv40」では武器の秘伝書は同じく取れないにしても「スキルによる HP や身の守りの補強」はかなり可能。だとしても「へったくれもない」ほどになるのは同じく頭がオカシく、どれだけ盛りに盛った LV40 なんだい、と邪推したくなる。(あるいは「パラディンガード不可欠」論者ならこの主張をしたくなる可能性もあるか。「パラディンガード」こそ本編では最大のゲームバランス崩壊要素ぞ、LV40 が云々以前の問題。これは DQ8 のチーム呼びや不思議なタンバリンに匹敵するほどゲームバランス崩壊する。)

何が言いたいかというと、「スキルポイントを稼ぎまくってパンプアップしまくるのはスーパーウルトラハイパー常識過ぎて言うまでもなくて泣けてくる」という前提をしかない限りは、「本編ボスに平均Lv40以上で挑む時点でゲームバランスもへったくれもない」なんてことにはなるはずがない。すなわち、「頭おかしい」。というか好意的な言い方をするなら「説明不足に過ぎる」てこと。実際チーム構成の説明もなくレベルだけで議論しようとしているのが間違いだし。魔法使いを是が非でも使いたいワタシのようなプレイヤーにとっては、底上げなしの LV39 は超絶にキツかった。

感覚的にはまさしく「少しスキルポイントを裏で稼いで HP 等底上げして LV40 で挑みなはれ」というくらいの調整なんだろうなと思う。なので底上げなしならやはり LV45 程度がまさに「ザ・妥当」(楽勝圏内に足を踏み入れる寸前くらいか)。

事実、もうひとつの大御所 wiki の「 ドラゴンクエスト9攻略Wiki 」では堕天使エルギオス(第2形態)の「攻略目安」を LV44 としており、ワタシの感覚にかなり近い。こちらの感覚の方が間違いなく「一般的」と思うぞ。

参考までに言っておくと、戦士スキルの「ゆうかん」に90ポイント振ると、身の守り+60、HP+60 の底上げになるのだが、なんと、これで被物理ダメージ換算で75。レベルアップのみの換算では魔法使いくらいだとせいぜいレベル一つで HP+3、身の守り+1 しか手に入らないので、レベル差の換算では少なく見積もっても 15 ほどの差があることになる。これこそが「ゲームバランスもへったくれもない」の真相である。つまりラスボスの適正レベルは LV25 だ! という主張。ドラクエ wiki のほかの箇所を読むとなかば「ゆうかんスキルは全キャラが全て取得して当然」論が展開されている(「はくあい」も同じ)ので、同一人物による主張だとするならばはっきり言って「一貫している」。問題は、LV40 に至るまでに「転職を繰り返すことなく」、「ゆうかん」も「はくあい」も両方取りまくることが可能なのか、というただ一点で、無論これは「不可能」。つまりは、本当に主張すべきは、「本編水準ならば、ゆうかんやはくあいを取りまくるのはそもそも大間違い(ザ・へったくれもない)」ということなのだ。LV40 が問題なのとちゃう。

はくあいの解説に辛うじて「ただ、早目に覚えさせすぎると攻略が簡単になってしまうかもしれない。これがなくても充分エンディング到達はできるのだ」と補足しているが、「かもしれない」なんて甘いものではない。「はくあい」では身の守り+90、HP+80 なので、レベル差換算で最低でも20、すなわち「はくあい」マスターなら「ラスボスの適正レベルは20だ! 当然だ、20に決まってる」となる。論外。すなわち「ゆうかん」+「はくあい」により、「本編ラスボスの適正レベルは LV5」となる。凄い主張だ。どんだけ一般プレイヤーとかけ離れた感覚であろうか。(スキル解説は「短剣」あたりを除くとどれについても「全キャラで取りやがれ」論で概ね一貫していて、かなり頭おかしい。職業解説では時期別評価がけっこう正確でまともな感性で書かれてるので、おそらくスキル解説と職業解説の執筆者は別人だろう。)

言うまでもないことだが、「ゆうかん」+「はくあい」+「とうこん」+「きあい」+「おたから」で、「本編ラスボスの適正レベルは1だ! それ以外の主張はクズだ、死ねやヲラ」の巻。めでたしめでたし。

なんというか望んで「へったくれもない」状況に持ち込んで準備万端を前提にしておきながら「へったくれもない」と文句を言っているようにしか見えなくて、そりゃ筋違いってもんでしょう、としか言いようがないというか。ドラクエのシステムにある程度詳しいなら、「はくあい」が強烈過ぎるのはすぐにわかるので、そうしたプレイヤーならば、ストーリー進行に支障が出ない限りは「はくあい」(や「ゆうかん」)を封印するくらいのガードはすぐに思い付くハズ。そうでなくても、「まともな」考え方を持っているなら、「はくあい」の有無でどれだけ違うのかについて、少なくとも「後から気付く」くらいのことは絶対に出来る。ゆえ、「へったくれもない状態に追い込んだ主犯は「はくあい」だ」ということはすぐにわかるはず。そして「はくあいもゆうかんも両方取りまくる」ことが転職を繰り返さない限り不可能なことなぞ、やってみればすぐにわかる。そういうわけで、そもそも論述として「なっとらん」というハナシ。そりゃ「はくあいマスター」で LV40 なんぞ論外レベルの「へったくれもない」のは事実だよ。逆に言えば、こういう強烈なパンプアップが簡単に出来ちゃう DQ9 ってどーなのよ、という不満にもなる、てことでもあったりはするのだけれどもね。

元々最初に書き始めた Dragon Quest 7 Memo(PS版) にも、続いて書いた DQ8 の話でも書いたことなのだが、「推奨レベル」であるとか「ゲームバランス」を論ずる際に最も基礎におかなければならないのは、「ストーリー優先で、かつ、標準的な程度に迷子になったのを基準とした標準戦闘回数」である。つまり「過剰なレベル上げ行為」や「過度の戦闘回避」といったものを「前提」とはしない、ということである。(特に「過度の戦闘回避」の方、つまり「普通に歩いてたらこうなっちゃった」を否定する論述は、そもそも論理がおかしいだけでなく、一般プレイヤーの反感を買うだろう。)まずはこれをベースに、各イベント難易度で必要不可欠と考えられるレベル上げを加味し、これが「推奨レベル」論や「ゲームバランス」論の基礎となる。

もう少しわかりやすい言い方をするなら、1000人のプレイヤーの平均攻略レベルみたいなものが基礎であり、その分布の外れ値を前提とする論述を正とするのはトチ狂っている、てことさ。無論そういう意見は少数意見としてあってもいいが、あたかも多数派の当然の意見のつもりで言うなら「まずはデータを示せっ」と総スカンにあうことになる。気をつけようね。

この考えに基づくならば、ワタシの数回の周回経験によれば、エルギオス戦は概ね Lv38~41 程度が標準と考えられる。ワタシは結構ミニマリストに近いスタイルである。そしてこのレベルは当然「楽勝」圏内ではない。(まぁ確かに全滅はしないレベルにはなってはいるのでその水準を「強過ぎ」とする考え方なら、ちょっと話は違ってはくるんだけどね。)

もしもワタシと同じ考えに基づいていてそれでもなお「へったくれもない」論を展開しているのであれば、「Lv39 なら標準だが Lv40 に到達した途端、音を立ててゲームバランスが崩壊する」論者ということになる。すごいゲームだね。Lv40 になると HP が倍増するんでしたっけ? あー、そういえば身の守りがカンストするんだったね。そうかそうか。すなわち、この論者はワタシと同じ基礎に立ってない。

ドラクエは伝統的には、「到達・攻略レベル」のプレイヤーによるバラつきは、概ね「ラスボス以外は5以内、ラスボスは10以内」に収まるようなゲームバランスになっている。ので、これを超えるようなものは、やり込みかやり過ぎのどちらかである。当然「Lv39 から Lv40 になった途端激変」することもこれまでなかった。それとも DQ9 は特別にそうなってるとでも? なってないでしょう、そんなことには。

ゆえ、この立場から言えば「ラスボス Lv40 が適正かどうか」の判断のばらつきは「Lv35~45」帯をどう捉えているかの差である。であればこの論者は「Lv35 がへったくれもある最大」と捉えている、ということだ。しかも「へったくれもない」という言い回しから、「Lv35 すら論外圏内」と言いたげだ、ということ。これに同意するやつ、手あげろ。いねーよそんなヤツ。

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テンションシステムの「退化」について

DQ4 からの「ちからため」が多分テンションシステムの最初のものなのかな。DQ8 がこれを「段階的に5段階まで上げられる」という形で進化させたわけであるね。

そして DQ9 はこれを「退化」させたわけだが、無論これは「正解」である。ヌルゲーが好みならこの退化は歓迎すべきものではないが、DQ8 の最大の失敗は、この「テンションシステムが強すぎた」ことにあったわけだ。不思議なタンバリンは、従来作のどのゲームバランス崩壊要素よりも遥かに強烈で、これを手にしたら最後、もはやゲームがゲームでなくなってしまう。原則「普通の RPG の緊張感」を損ないたくないなら、不思議なタンバリンは少なくとも本編中は封印しないとダメ。

まず「全員が最初から使える」のではなくスキルによる獲得に「降格」させたのが大正解。これこそが、ゲームの戦略性の楽しみを増やすわけだ。もちろん育成の楽しみともなる。

さらに「おうえん」の対象が全員でないことも無論「大正解」。これを全員にしたら不思議なタンバリンの悲劇の再現だ。頭を使って誰のテンションを上げるか、いつどういう場合に「おうえん」を使うかの選択も楽しい。

例えばワタシの場合は、まず魔法使いよりも素早い状態を常に維持しておいて、ザコが多い場合は魔法使いをおうえんして「イオラ」などする。こうすればテンションが 5 でさえ、主人公自身が攻撃に加わるよりも敵への全体ダメージは大きくなる。テンション 5 でさえ、だよ。また、戦士など物理アタッカーの攻撃力が主人公を大きく上回っている場合も、テンション 5 でも「おうえん」することがある。

無論「おうえん」の真価は普通はボス戦にて、対象者も「ためる」を使って2ターンでスーパーハイテンションに持っていけることだが、行動封じや状態異常の搦め手がうまいボスだとスーパーハイテンションに持ち込むことが難しいので、そうした場合はボス戦でさえテンション 5、20 程度でやめて中ダメージを蓄積していく方が良いことが多いが、いずれにせよこういった戦略性を楽しむことが出来るのも、対象者が一人だからであって、全員を対象に出来たらまさにクソゲーと呼ぶに相応しいほどにクソつまらない。(事実 DQ8 の不思議なタンバリンがそうだった。)

ただ…、「主人公だけの固有スキル」という自由度のなさだけが唯一不満。「おうえん出来る主人公に相応しい職」なんてことを考えないといけないのも、当然「主人公しか出来ないから」。これも職で獲得するスキルにしたらもっと良かったんじゃないのかな、とは思う。(そうはいっても「おうえん出来る」職業ってなんだよ、てことならちょっとイメージに合致するものが限られる、という点で難しいのかもしれないけれど。)

なお、「おうえん」はマルチプレイでは全然印象が違うらしい。未経験なのでわからんけど。

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シンボルエンカウントについて

リメイク作品と DQ8 のスカウトモンスターを除けば、ナンバリング作品としては初のシンボルエンカウントである。

遊ぶ前は正直いい印象を持っていなかった。一つに「戦闘する相手を取捨選択出来てしまうのは緊迫感を損なうのでは」、という点と、もちろん「闘わずに逃げ回れるじゃん、それってどーなのよ」の二点。無論これはどちらも杞憂だったわけだ。

「戦闘する相手を取捨選択出来てしまう」に関しては結局お供の存在があるので、見掛けほどは選べない。狙いたい相手ほどお供が嫌らしいなんて「サービス」は無論過剰だ、素晴らしい。(この件は宝の地図内の方が顕著かな。本編ではほぼ選べた。)まぁ確かに相手を選べるからこそ「ぬすむ」が捗るわけで、これが DQ7 のドロップ狙いが果てしなかった理由の一つでもあるので、よしあしは五分五分かな。けどやっぱしこの面からは基本的にはランダムエンカウントが好みだ。

もう一方の「闘わずに逃げ回れる」については、これは本当にキサゴナ遺跡に入る前だけの限定だったのが面白かった。むむ、やるな。つまり、

  1. シンボルがこちらに気付くと追いかけて来る
  2. 半数以上はこちらより圧倒的に足が速く、体感で9割以上逃げられない
  3. 追いかけ方が賢く「諦めない」タイプの種がおり、この場合絶対逃げられない
  4. ダンジョンなどでは道を完全に塞いでしまうシンボルの場合もまず戦闘回避出来ない
  5. 当たり判定がやたらに大きいシンボルが多い (じごくのメンドーサを始めとするスネーク系がヒドい)
  6. こちらの状態によらずシンボルの方が動き続けるので、宝取得やら回復呪文使用などの行為も接触を誘発しやすい

2つ目以降はやる前は想像もしてなかった。「せいすい」「トヘロス」などについては考え方が変わったのも、これも戦闘回避しにくさに拍車をかけている。つまり、従来作では「聖なる力によってモンスターが周囲によりつかない」という考え方だったのに対し、DQ9 は基本的に味方にのみ作用し、つまり「ステルス」(相手から見えなくなる)という考え方になってしまった。なので特に 4.~6. のタイプで結局シンボルとの接触を回避出来ない。辛うじて「コマンドウィンドウを開く」とシンボルがすり抜けることのみが、唯一戦闘を極力避ける手段であり、高レベル宝の地図ではこのテクニックを駆使しないとなかなかボスに辿り着けない。

基本的には今でも「緊張感があるのでランダムエンカウントが好み」ではあるのだけれど、でもシンボルエンカウントも悪くないなと思った。少なくとも「相手を選べる」以外は、「むしろ戦闘回避しにくい」のがある意味楽しいのかなぁと。ほかのリメイク作品や 10 以降はどうなんだろうか? 10 は知らないが 11 がシンボルエンカウントなのは知ってる。11 の場合フィールドが 3D (を選べる)だが、この場合のシンボルエンカウントはどんな具合なんだろうね? (まぁ DQ8 のスカウトモンスターで「諦めずに追いかけて来る」のは経験済みだし、気付いたら背後から現れた、なんてのもあったので想像は付くけど。序盤から出会えるドランゴには驚くよね。)

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錬金について

DQ8 とそう大差ない、と言えばそうなんだけれど、初出のオリジナル DQ8 との大きな違いは 5 つ:

  1. ストーリーのほぼ最初(ルディアノ攻略後)から錬金出来、なおかつ最初から複雑な錬金が出来る。
  2. レシビから自動で錬金出来る。
  3. 錬金が一瞬で終わる。
  4. リッカの宿屋でしか錬金出来ない。
  • つまりフィールドやダンジョンで錬金で出来たものを取り出すなんてことは出来ない。
  1. 「宝」の概念が色々変わったので云々。

この 1. ~3. はなかなかにお気軽になってまぁいいのだが、4. がなにげに不便だなとは思った。DQ8 では「ダンジョン制覇がてら錬金して、制覇途中で出来たものをすぐに使う」みたいなことが出来るダンジョンもあった気がするし、フィールドならそれが常に可能なわけで。

で、最後の 5. と 1.~3. の関係と、DQ8 との関係。オリジナルの方の DQ8 の錬金の仕様は、とにかく「錬金には時間がかかる」ということが、「プレイヤーが錬金ばかりにとらわれることがないように」するための配慮だったそうだが、まぁ個人的にはこれには共感している。だからリメイクでこの仕様をなくした意味がわかんなかったりする。対して DQ9 では…。

まず、宝「箱」。重要錬金のいくつもが、「中身が変化し、何度でもお宝ゲット出来る青宝箱」(とツボやタンスの宝)に依存している、という点。これが(ホイミテーブルみたいな裏技に頼らないなら)大層果てしなく、「欲しいものを作れない」という時間が長い、ということになる。「プレイヤーが錬金ばかりにとらわれることがないように」の別解なのかもなぁ、とも思う。

そして、フィールドの「宝」。これも、拾えるものこそ毎度同じなものの、これも「何度でも沸き、何度でも拾える」わけだが、当然これかドロップでしか拾えなかったりするものに依存する重要錬金がとても多く、そして、「需要が多くて重要なもの」ほど、次回沸いてくるまでの時間が長い、というわけだ。代表的なのは「まりょくの土」、「かぜきりのはね」、「こおりのけっしょう」、「ひかりの石」、「よるのとばり」、「いかづちのたま」。ほかにも「きよめの水」「花のみつ」「めざめの花」「ゆめみの花」。

いずれも 1. にも関係するが「複雑な錬金」とは、DQ8 での「3つ放り込む」以上の複雑さで、文字通り「何個も同時に放り込む」必要があって、例えば「ほしのカケラ」を作りたいなら「ひかりの石 x 3 + よるのとばり x 3」必要で、これがまぁ一回フィールドから取ってくるだけでは、大抵1~2個作れる量しか揃わない。拾える量も一定ではないので、ヒドいときには一個しか沸いてないことも多くて。(なので、「寝て待つ」以外の場合は、よるのとばりなら「かまっち」から盗み、ひかりの石なら「おどる宝石」から盗むことで補ったりすることになるわけだ。もしくはセーブしてリセット後再開して、青宝箱やツボ・タンスに期待するとか。)

なので結局 DQ8 並に、あるいは DQ8 以上に「錬金に時間がかかる」わけよね。「せいれいせき」「げんませき」「ほしのカケラ」の需要がとにかく多いわけだが、一、二個作るだけでも丸一日かかるんだよね、これが。だからとにかく「しんかのひせき」を作るのがとてつもなく大変。

これはどうなんだろうねぇ? DQ9 は「とにかく長い時間遊んで欲しい」というポリシーで作られたそうだから、その想いには合致しているのはわかるんだけれど、ただいくらなんでも「数時間待ってようやくひかりの石が沸く」って、長過ぎやしないかしら、と思ったのは事実。「のんびり毎日遊んでね」てことだったのかなぁ? まぁ確かに「少しずつ少しずつ」てのも悪くはないとは思うのだけれど、せっかちさんには相当鬱陶しい仕様だったんじゃないかなと想像する(し、アタシもそう)。

まぁでも「毎日」(というか毎回プレイの時間ということか)フィールドから採集する楽しみがある、ということでもあった、とも思う。せっかちなアタシですら。そう悪くもなかったかな。

もう一つの「大」不満。それは、「日常的に使いたい有用なアイテムほど重要な錬金素材として大量に必要になる」こと。最も顕著なのが「けんじゃのせいすい」で、本編ラスダンや高レベル宝の地図などでは本当に「いくらあっても足りない」というほどに使いたくなるし、結構量産可能なのだが、それ以上に「重要なアイテムの素材」としてそれこそ100やら200やら必要となるシロモノで、正直「勿体無くて使えない」。それでも少しは使うのだが、使うのに手持ちが10やら20あってさえも「うぅ…もったいない」という気分になるのが非常に困る。

やくそうから作るものについても同様で、「いやしそう」(ばんのうやく→超ばんのうやく→げんませき、と錬金連鎖していく)を AI が好んでガンガン浪費しようとするので、勝手に使われるとかなりイラっとする。というか AI には本来罪はなく「ナイスっ!」と本当なら叫ぶシチュエーションなはずなのだが…。

ごうけつの腕輪だとかほしふる腕輪もそうだが、個人的には「ラッキーペンダント」が一番弱った。ある程度のレベルのドルマゲス戦のために「ラッキーペンダント」を全員分欲しいくらいだが、これを素材とする重要アイテムも非常に多い上に、「しにがみの首飾り」「せいじゃの灰」ともに手軽に手に入るシロモノではないので。(これが楽に手に入るのはマルチプレイやすれ違い通信が駆使できる場合だけ。完全一人プレイでは絶望的に入手困難、特に高レベル宝の地図入手前は。)

まぁこの不満も結局のところは「長時間楽しむ」ための一要素にもなってるとは思うので、なんというか許してあげようか、という気分もないではないのだけれども。

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AI について

AI は作品ごとに進化してきたり退化もしてみたり色々で、初出の DQ4 (FC版) の「アホさ」は有名だが実際はシステム的には現在の「相手を最初から熟知している」のとは違って「学習」タイプだから、というのが真相なんだそうな。

DQ7 で感じる AI のアホさはいくつか書いた。DQ8 は DQ7 で一番感じたストレスは多くはなかったが別種のストレスがあった。

DQ9 で感じたもののうち DQ7・DQ8 と共通する不満は、「とどめをさせると判断できる場合は出来るだけ威力の低い攻撃を採用する」という仕様に関するもの。まぁお馴染みちゃぁお馴染み。なので主人公が魔法使いに先行出来て「おうえん」するとガッカリすることが結構多い。つまり「一撃で殲滅して欲しい」からテンションを上げたのに、そうすると魔法使いは節約しようとわざわざ威力の低い呪文を選択してしまうわけね。素早い主人公と魔法使いで殲滅出来ないと結構「喰らう」ような相手では、結局皆が消耗するハメになって、魔法使いが呪文を節約した意味がまったくなくなってしまうということもあるし、終盤は色んな理由で MP をケチる意味がそもそもまったくなかったりする(女神の指輪やら杖スキルやらで)ので、「プレイヤーの気持ちをわかってくれない…」と感じる構造は、、、そ、お馴染みね。

「とどめをさせるかどうか」という基準依存がもたらす DQ8 から続く不満は、言うまでもなく(たとえば)「とどめにかぶと割りしたって意味ねーじゃん」だが、これは「かぶと割」以外はあまり改善していない。というかなぜか「かぶと割」だけ改善してる(という印象になる)。これは後述。

「いのちだいじに」がとてつもなく頭が悪くなっている気がする。自分の身が危なくなった場合に「ぼうぎょ」を選択する行動はいいのだが、「死にそうなキャラ二人がどちらも防御」していたり、あるいは瀕死キャラを「めいれいさせろ」で「だいぼうぎょ」して僧侶に回復を期待する場合も、どちらのケースでも AI は「ピンチキャラはいない」としてなぜか「大喜びで攻撃」する。なんなのそれ。DQ8 もだっけか? DQ7 はどうだったっけか? 全体的に「いのちだいじに」で攻撃を選択するパターンが(とどめをさせるケースでもないのに)やたらに多い。やることがないからとりあえずビール、と攻撃するパターンも結構イラっとするわけね。「スカラしろやっ」みたいなケースは、まさしく「そうしてくれたりしてくれなかったり」と振る舞いが安定せず、安心して任せられない。

それと、どういうわけか「特やくそう」を絶対に使おうとしない。「いやしそう」「特どくけしそう」あたりのものならばんばん使うくせに。なので「特やくそう」ばかりを手持ちした状態で「いのちだいじに」すると、「中ピンチ」では攻撃を試み、「大ピンチ」ではせいぜい「かばう」を試みるのみ。なので普通は「かばう」を真っ先に習得していることはない僧侶が MP 枯渇状態の場合、誰が HP 1 だろうが、「大喜びで」通常攻撃ばかりする。なんでそーなる。確認できたのは「特やくそう」のみだが、AI の知識が欠けていて「特やくそう」を「回復グッズ」と認識していない模様。この手のはほかにもあるかもしれない。

ベホマラーが使える場合の判断基準もどうも腑に落ちなくて、これは DQ8 と完全に共通なのだが、少なくともプレイヤーとしては、(無論戦闘時の話ね)2人もしくは3人が HP 50% 近くになっていれば「一人の完全回復」よりはベホマラーで全体回復を(MP 消費の観点によらず)優先して欲しいのだが、なぜか AI は常にベホマで一人を完全回復する行動を選択する。それだけならまだ良くて、無論「打たれ弱い本当にピンチなキャラ」の方をこそ優先して欲しいわけだ。つまり HP 残量が同じなら、主人公の回復よりも魔法使いの回復を優先して欲しいわけなのだ。でも AI はこの場合なぜか主人公にベホマするだけで満足し、あろうことが、次のターンでは「通常攻撃」しやがる。なんてことがかなり頻発する。ベホマラーばかり連発されても困るのは確かだが、いくらなんでもベホマラー発動条件が厳しくなりすぎてる気がした。(おそらく「全員が 50% 未満」くらいでないとベホマラー使ってくれない。)

「スカラ」などの補助呪文の優先順位もおかしい。これも「打たれ弱い方」を優先して欲しいが、どうも「ご丁寧に前から順に」かけてる気がする。ただまぁ「打たれ弱い方」優先するよりは「まずは僧侶自身が危険にならないように自分にスカラ」とする方が正解のこともあるから、本当にこうした補助が必要な戦闘では、はなから AI 任せにはしないことを選択するから、現実に問題になることはそんなには多くはないのだけれども。

「いのちだいじに」の不可解な行動についてはもう一つあって、(しゅくふくの杖なしの)魔法使いにこれを使うと、どういうわけか攻撃呪文をほとんど使ってくれなくなる。つまり通常攻撃ばかりするようになる。この行動と「いのちだいじに」がどう結びつくのががさっぱりわからない。それこそとっとととどめをさしちゃったほうが「いのちだいじに」出来るはずなんだけどなぁ。(記憶曖昧だがこれは DQ8 のゼシカもそうだったような気もする。)

「いのちだいじに」に限らず、ピンチ時の回復行動の優先度が高過ぎるのが非常に鬱陶しい。たとえば主人公と魔法使いキャラの2キャラの素早さが非常に高く、主人公はハッスルダンス、魔法使いは「しゅくふくのつえ」が使えるとして、そしてここが肝要だが「今のターンか次のターンで確実にノーダメージで殲滅できる」状態にあるとする。このようなケースで、「人間なら」どれだけ大ピンチのキャラがいようとも、絶対にいちいち回復行動を優先しようなんて考えない。けれどもここで戦士系のアタッカーキャラが偶然「いやしそう」なんて手持ちだった場合(やとうぞくみたいにホイミだけは出来る場合)が最悪で、この場合どんなであっても「いやしそう」を最優先する。あのなぁ、あと一撃で倒せるのに何やってんだよ。これは「ガンガン行こうぜ」だろうが変わらず、とにかくオレンジ状態になったら最後、何が何でも「いやしそう」てくれる。いや、ほんとにオレンジ状態だけならいいんだよ、相手を考えれば「全く危機的でない」状態だろうが是が非でも「いやしそう」るし、ヘコいホイミるのだ。たとえ僧侶の行動がまだでベホイム出来る状態だろうが、何がなんでもいやしそうるしホイミるのだ。そこまででないならここまで文句言わない。けれどもいくらなんでもこれは…。(最も怒り心頭になるのは無論、「その回復行動優先のために、続くターンでさらに壊滅状態に追い込まれた場合」である。何度も言うが「あと一撃で殲滅できた」ケースである。ザキ・ザラキ野郎が混じってる相手だとまさにこんなことが起こる。だって一撃で壊滅させられうるんだから。何度「お前は攻撃しろっ!」と叫んだかわからんわ、ほんと。)

この振る舞いに関する問題はもう一つあって、自分以外を全て AI 任せにしたケースで「早く動いた方がやくそう」して「(微)大ピンチ脱出っっっ」というめでたいことが起こった場合、これが「(AI が思う)「大」ピンチ」の閾値を下回ってしまうことが多いことである。すなわち、最大 HP が 400 あり、「(微)ピンチの HP 90 を超えたっ、めでてーなっ」として、次の行動順のキャラがさらにベホイミするというような判断を阻害するわけだ。最大 400 が 60 に追い込まれるような戦闘で「90 だからピンチ脱出だっ!」なんて、人間なら絶対に思わない(し、実際現実にピンチのままである)わけだが、AI は状況判断が下手くそなわけである。絶対に追加ベホイミしないというわけではなく、あくまでも閾値を超えるかどうかだけのことだが、すなわち「そのやくそう(やホイミやいやしそう)が余計だった」となるパターンが非常に多いわけである。

「ピンチ時の回復行動の優先度が高過ぎる」の過剰っぷりは、おそらく未プレイのプレイヤーには想像もつかないほどに過剰である。例えば「イデアラゴン」にパーティの平均レベルが75の状態で挑んでいることを想像してみて欲しい。当然こういうことをするのは 2% 防具欲しさなどの特別な理由がある場合であり、この水準なら「ボタン連打」でも勝てるほどヌルい。パーティの平均 HP は 500 程度、なので、HP ゲージが黄色くなるのはだいたい 140 くらいである。この戦闘においては、「スーパーハイテンションに持ち込まれてイオナズン」なんてことにならない限りは、HP が 150 であってもほぼ安全圏内である(し、ゲージは白いまま)。そもそもこんなレベルになってもなお「先行出来ないしいてつく波動も持ってない」なんてことは普通はあるはずはなく、「スーパーハイテンションに持ち込まれ」る事態そのものが起こりえない、起こっても「100% 解除出来る」。が、AI は「MP つかうな」なら確実に HP が 150 を切るあたりでは(例によってよりによって戦士が)「賢者の石」(等)の回復行動を優先しようとする。「ガンガンいこうぜ」で試したことはないが、おそらくほとんどの作戦でこうであろう。(そのくせ頑なにベホマラー行動を選択しなかったり、HP が 12 (ゲージは当然オレンジ)にまで追い込まれても回復行動を取らなかったりもするんだから、その行動原理はほんとに意味不明。)

この件があるために、「錬金」の際に気をつけなければならない、なんてヘンテコなことが起こる。「錬金」ではまさしく「いやしそう」「ばんのうやく」を作る機会が非常に多くて、そして「行動中や戦闘時に使えるアイテム」は「ふくろ」ではなく、キャラの空きにガシガシ放り込まれてしまうため、意図せず「戦士系キャラが大量にいやしそう、ばんのうやくを持っている」状態になりやすい。普通戦士系キャラは二番目に配置しているであろうからなおさら。だから「錬金」し終わったら「どうぐせいり」をする癖がつく。そしてほんとうに「いやしそう、ばんのうやく、ナイスっ!」な機会を自ら失ってしまうという悪循環。駄天使エルギオス戦で回復アイテムを何も持たずに挑んで泣きそうになった。無論「錬金」だけでなく、宝箱やらでアイテム取得した際も同じ。

この「閾値を超えたからもういいや」に関するイラつく振る舞いは、きっとほとんどのプレイヤーにはお馴染みだろう。つまり最大 HP が全キャラ 400 近くあるとして、3人が黄色状態に近い状態にあるとする。このケースで僧侶・賢者「いのちだいじに」がベホマラーを選択する確率は非常に低く、まず十中八九一人のベホイムを選択する。そしてこの回復後に、全キャラが AI にとっての閾値を超えれば、「次にややピンチ」のキャラへの回復は決して回ってこない。一度だけとんでもない経験をした。3人が黄色状態(うち一人は僧侶)にあり、もう一人も安全圏内とは言えない状態にあった。この結構なピンチに僧侶はなんと(MP は有り余ってるのに)たった一人にベホイミして「ほぼ全快」し、めでたく僧侶が死亡しやがった。なんというかあまりにもバカで、「ざまーみろ」とすら思った。殺意。

若干話はズレるのだが、個人的に最も嫌いな戦闘は「ゴールデントーテム」戦である。(紛らわしいが「ゴールデンスライム」ではない。) 遺跡・自然タイプの比較的高いレベル宝の地図に登場するヤツである。何がイヤなのか? まさしく AI 関連。どうにも DQ9 の AI は「報酬大好き」寄りに調整されているらしく、メタル系やゴールデンほにゃらら系を最優先で処理しようとする傾向が非常に高いようなのだが、それがメタル系ならばそれほど怒りマックスというほどでもなくて、相手が「ゴールデントーテム」戦だからこそ大問題。そもそもそういった高レベル宝の地図に挑戦できるような水準になってまで「ゴールデントーテム」程度の「高報酬」が嬉しいわけがなく、まさに「労多くして功少なし」の典型で、どれだけ特技が充実してレベルが高かろうが相変わらず「一ターンで簡単に倒せる」相手ではない上に、そういった高いレベルに到達しているプレイヤーにとっては「報酬はあまりにショボい」わけなのだ。だって 1万ゴールド獲得出来るわけじゃないんだぞ? (1130G。) 撃破に必要なターン数まで含めて考えれば、周りにいる他のモンスターを相手にしてたほうがよっぽどカネがたまる。だけでなく、そうした時期はむしろ「オカネ余ってしょうがない」時期でしょうに。そして比較的高いレベルの宝の地図なわけだから、当然「危険なお供」を「ほったらかしで一生懸命ゴールデントーテム相手にミスを繰り返す」ことで、一気にパーティが窮地に陥るのだ。なんでそーなる。DQ6 でもみられた「無害な敵から順にさばこうとする」にも少し通ずる話だが、お供が100やら200やら(なんならラストテンツクの助けも込みで300やら400やら500やら)のダメージを与えてくるその時期に、多くても2桁ダメージしか与えてこないこやつを「最優先」で叩いて、いいことなんかあるはずがないのだ。

なお、非常に似たパターンでメタルブラザーズ戦があって、こちらも結構話は似ている。サンマロウ北の洞窟でザキ野郎の「オーシャンクロー」がお供に登場しやすいという点も似ている。ただこちらは言うても「経験値」の方の報酬だし、出会う時期的にも十分に「メタル系にしてはショボいけれども少しはありがたい程度の高報酬」である点は随分違う。まぁ結局イラっとはするんだけどね。労力に見合うほどの高報酬ではないわけなんだから。

ちなみに「AI に任せるとヒドい目に逢う同じパターンの別物」の例は、スライムマデュラとはぐれメタルの組み合わせ。AI は頑なにはぐれメタルばかり狙うが、当たり前だがスライムマデュラのベホマラーで一瞬で台無しになる。ただこのパターンの場合は普通プレイヤーの目の色も違うわけであって AI 戦闘になんかしないのでイラつきようがない。つまりはゴールデントーテムのケースとは本質的には全く別の話。

「まんたん」は初出の作品以外はDQ9までずっとアホなんだそうだが、そもそもアホであろうがなかろうが、よほど無頓着に考えても大丈夫な場合にしか使わないスタイルだったので、これまでそんなに気になったことはなかった。今回 DQ9 二周目の直前に DQ8 を途中まで(聖地ゴルド崩壊まで)やってたことがあって、DQ8 で気付いた「まんたん」に対する不満から、DQ9 では「まんたん」の使用そのものを従来よりもさらに徹底して避けてた。なにかというと、回復呪文使用者の選択がおかしい、という点。主人公とククールの二人がベホイミを使えるとして、主人公は「消費MP 3/4」がまだ使えないとして、ククールは「妖精の矢」を使えるとして、そしていずれにしてもククールの方がかしこさが高いので、プレイヤーとしては「ククールがベホイミを唱えて欲しい」のだが、AI は「それを考慮しないばかりか」 MP 残量のこともお構いなしに延々主人公のベホイミばかりを使う。というイヤな記憶があったわけね。というわけで DQ9 では「まんたん」そのものをほとんど使わなかった。この振る舞いについてはドラクエ wiki でも指摘されてない。(ドラクエ wiki は MP 効率と回復効率・回復対象者の選択についての指摘のみ。)

改めて「まんたん」してみると、これは「とてつもなくバカ」だった。まず回復対象者はご丁寧に「前から順」だし、どうも回復魔力・じゅもんせつやくの考慮も中途半端に思える。確かに飛びぬけて高い回復魔力のキャラがいる場合はそのキャラの回復呪文を使うのだが、そうでない場合で例えば「さとり」スキルをマスター済みのキャラがいてもこれを考慮しているようには思えない。というかなんだ、「不可解」と言ったほうがいい。どうにも一貫した振る舞いはしてないようなのだ。

杖持ちの魔法使いが MP 枯渇した場合はなんというか「笑える」行動を繰り返す。人間なら「枯渇したらしばらく貯める」とか「枯渇しないように適宜殴る」と考えるところだが、AI は「枯れるまで無駄遣いし続け、完全に枯れてから殴って補充し、以後「補充→メラ→補充→メラ→…」の無限ループ。愛くるしいっつーかなんつーか。

DQ9 に限らないが、特に2周目以降は「AI の鬱陶しさの大小で武器・特技を決める」なんてことになりがちである。最近気づいたのは「弓矢」スキルで「ガンガンいこうぜ」と指示する場合のアホさに関して。秘伝書を持たせてしまえば MP が枯れるまで「ガンガン」行き過ぎる点については他の武器スキルとまったく同じなのだが、これをもたせなかった場合がひたすらに阿呆である。これ、とにかく「普段は通常攻撃しかしない」なんてことになる。そして「とどめにさみだれうち」。アホか…。DQ9 の AI 全体に共通なのだが、とにかくその思考パターンには「とどめ」という考えしかほぼなくて、「戦闘を早く終わらせたい」という思考が希薄であるかもしくは「極端」である。要するに「さみだれうちの期待ダメージは「最大」ではないので「ガンガン」には該当しない」って発想か? というか「MP 大量消費 = ガンガン」てことかもしれん。

最近ではなく前から嫌いなのが、ヤリスキルの「しっぷう突き」を AI が大好きな点。これがあるためにヤリを持たせっぱなしにしたくない。つまり「戦闘終了時に全快に近い状態で終わらせたいから最後にハッスルダンスでしめたい(MP 無消費であることが重要)」とか、あるいは「あわよくばぬすみたい」際に非常に邪魔なのだ、「しっぷう突き」。大きなお世話でとっとと戦闘を終わらせて「くれた」がために MP を消費して回復行動を取らねばならんのがイラつく原因となるし、ぬすみのチャンスを毎度阻害されるのは相当にストレスである。思うのだが「行動順に影響する行動」と「アイテム消費」に関してはもっと慎重に設計して欲しかった。

敵の数を減らそうとする思考と全体ダメージを大きくする思考の両方を持っているようなのであるが、これが時としてアンバランスでおバカな攻撃をすることが多い。たとえば二人がかりのグループ攻撃(かまいたちなど)で一ターンキル出来る2体ずつの2グループの敵がいるとする。この場合に、AI はほぼ確実に、とどめをささずに2グループに満遍なくダメージを与える行動を取る。これが一方のグループが全体攻撃に長ける相手で他方がそうでない場合にかなり鬱陶しいことになって、有害な方の2体に攻撃してくれて「ナイスっ!」と思った直後にドヤ顔で無害な2体に攻撃するものだから、あとはお察し、めでたく全員がダメージをありがたく頂戴するハメになる。

かと思えば、2ターン目あたり、グループ攻撃すればそのグループを殲滅出来るパターンなのに、どういうわけかおそろしく高確率で単体に攻撃する。「チームワーク」のロジックが多少ありそうなのだが、それがあんまし賢く作られてないんじゃないだろうかと思う。つまりそのイラっとするケースのほとんどが、「そのグループの一体だけを殺してくれてありがとう、のおかげで、残り3人で全ての敵を倒せないハメになる」ケースだから。「なんでその一体を残した?」と、とにかく不可解で謎なのである。

この敵の数を減らそうとする思考が一番問題になるのが、ザオリクなどの蘇生能力を持つ敵とそうでない敵の組み合わせの場合だ。とりわけ印象的なのは「うみうしひめ」で、こやつは攻撃力もバカ高い上に体力も非常にあるので滅茶苦茶しぶとく全然死なないわけなのだが、AI はお供のすぐ死ぬマジックアーマーなどを、ザオリクされてもザオリクされても何度も何度も最優先で総力戦で叩こうとする。ので「うみうしひめ」へのダメージが一向に蓄積されず、まったく戦闘が終わらない。ザオリクされた瞬間に AI 解除したいと思うところなのだが、大抵「最速で動ける主人公が動いた後にザオリクされて、残るキャラが総力でマジックアーマーを殺し終わ」ってしまうのでもう常にアフターカーニバル。なんというか「うみうしひめ」が混ざってたら最初からマニュアル戦闘にした方がいいかもなぁ、と毎度思う。そして「うみうしひめ x 2」でヘコむ。これはもう…。どうしようもないパターン。

AI は「いてつく波動」が大好きである。物理アタッカーに覚えさせてしまったら最後、マジックバリアやらマホカンタに逐一反応してチマチマ解除してまわる。例えば戦士がこれが出来る場合が最悪で、戦士は大抵最後の行動順になるため、「味方3人行動済み→敵がマジックバリア」のパターンではほぼ100%「いてつ」きやがる。「MP つかうな」でない限り。こういうのがあるから「余計な特技を覚えさせたくない」ということにもなり、これも他で述べている「欲しいスキルの前に欲しくないスキルが配置されている」の例。そう、戦士系の MP の少なさを補いたいと思うからこそ「さとり」スキルが「欲しいが欲しくない」というジレンマが生じるわけである。のみならず、これが非常にストレスとなるのは、「こちらのパーティの状態」を全く考慮しない点である。「マジックバリア」「マホカンタ」と言った。そう、「誰一人攻撃呪文を唱えられる能力を持っていない」(=マジックバリア・マホカンタは無害)ことには AI は無関心なのだ。ましてや「攻撃呪文を唱えようとしていない」ことにも無関心なのは言うまでもない。もっとシンプルに「こちらへの被害」への考慮だけしてくれればいいと思うのだが、「相手が補助呪文をかけたので解除しなければならない」という特殊判定をしてるのがそもそも間違いなのでは。

また、同じく戦士系のアタッカー職に「おたけび」を覚えさせた場合も大問題で、「足が遅くて攻撃力が高いのにおたけぶ」という滅茶苦茶バカなことを頻繁にしでかす。どうやら「自分でとどめをさせる」という閾値に引っかからない場合(で「MP つかうな」の場合)にやたらに「おたけび」を使おうとするようだ。確かに敵よりも早く行動出来た場合しか「おたけび」することはなさそうではあるものの、行動封じは素早さが高くて攻撃力が低いキャラが遂行してこそ価値があるのであって、「お前は攻撃しろっ!」。(被害ベースで考えた場合に結果オーライになることも皆無ではないが、9割以上は続くターンで余計にダメージを喰らうハメになる。)

全体的に言えばおそらく「相手への与ダメージばかり考える」癖がよろしくないんだろうなと思う。どうにも味方への被害をベースに考える癖は持っていないようなのだ。もしくは補助呪文への過剰な反応を見る限り、「被害ベースでの思考が下手くそ」ということかもしれない。それと、基本的に AI の思考は常に刹那的で、戦闘全体を考えることが出来ない。たとえば「次のターンのことを考えて」ということが出来ない。まぁ結構複雑なロジックになるだろうから致し方ないかなぁとは思うところではあるけれど、でももうちっと賢く出来るはずだと思うぞ。

それとこの AI、果たして博打好きなんだろうか嫌いなんだろうか。顕著なのがまさに力の弱いスーパースターに「MP つかうな」する例。このキャラに「ソウルブレイカー」を持たせているとする。これは Lv80代でさえ「デスタランチュラ」に「キラーブーン」で一桁~ 30 未満のダメージしか与えられない。だから AI は「一か八かでおたけび」を、体感では 9割以上選択する。けれどもまずは「ソウルブレイカーを持たせていること」、かつ、「スーパースターなのできようさが高い」ことを考えれば、人間なら「あわよくば攻撃力を奪ってくれろ、あわよくば会心が出るろ」と思うわけだ。けれども AI は「攻撃力剥奪発生率」「会心発生率」の方の博打には賭けようとはしてくれず、専ら「行動封じ」の確率に賭けようとする。当たり前だが「ゼロかイチか」の博打(おたけび)よりは、「失敗してもゼロではない」の博打(ソウルブレイカー、会心)の方がほとんどのケースでお得である。

「いてつく波動」「おたけび」だけではない。「戦士キャラには決してフォースを覚えさせてはならない」と言いたくもなるほど、これはウザい。パンプアップだけが目的のつもりだと「フォース」スキルはやたらに魅力的にみえ、「ちから+10、みのまもり+20、HP+30」欲しさに戦士キャラについつい振ってしまうわけだ。これをすると AI はやたらに「せっせと主人公だけにフォース」したがる。「主人公に」がプレイスタイルによっては大問題だが、これが仮にありがたいパターンだった場合ですら大迷惑だ。なぜなら「魔法戦士の秘伝書」は戦士が持っているわけはなく、普通は戦略的には「フォースかけ係」は魔法使いあたりの後衛職に任せるであろう。もっと言えば「エースアタッカー」、つまりその「やたらに主人公にフォースかけてくる貴様」に個別フォースをかけるのはそのまさに「主人公」であることも多いわけだ。無論「てめぇは攻撃しろっ」と言うのみならず、「いや、主人公への個別フォースそのものが無駄なんだってば」てことだ。「主人公だけに」が鬱陶しくて問題なのは僧侶のスカラなどの補助呪文全般であり、イラつきの頂点がこの「戦士が主人公にフォース」パターンである。(おそらくプログラムのロジック的には主人公を特別扱いしているつもりはなく、あらゆるものが「前から順に」になっている、というおバカなロジックなんだろうと思う。)

「パーティ全体の状態」をもっと見渡すような AI であって欲しいと思うわけだ。上で例にした「足が遅くて攻撃力が高いのにおたけび」なんてのは、「パーティにおける戦士の役割」を考慮に入れていないから起こるわけである。プレイヤーは「戦士は戦士らしく振舞って欲しい」と思うのであって、たとえ「おたけび」出来るように育てたって、使って欲しくて覚えさせたわけではないのだ。なんなら職業ごとに AI の思考が違う、なんてことをしてくれたら、もっと気分良くプレイ出来るような気はする。思わない?

ついでにいえば、「主人公(とマニュアル入力キャラ)」の行動との協調性がないのが本当に気になる。たとえば主人公がゴールドシャワーを使えるとして、これを選択した場合は、ゴールドシャワーで即死する相手を狙わないで欲しいわけだ。けれど AI は原則自分本位なので、「自分がとどめをさせるかどうか、もしくは自分が攻撃することで今のターン内でパーティがそのモンスターを殺せるか」にしか興味がなく、絶対に「ほかのキャラが殺してくれる」とは考えない。

あとこれはもう「バグ」のレベルではないかと思うような、とんでもない振る舞いも経験出来る。ドラクエの AI というのはつまり「敵を熟知している」というのが最大の特徴であり利点なのである。だから「物理攻撃を一切してこない完全魔法使いタイプ」を相手にするのにスクルトをかけるのは「純然たるバカ」であって、よほどのロジックの誤りでもない限りは起こらないし、普通は経験出来ない。が、「アウルート戦でスクルト」しやがった…。アウルートは、魔法使いタイプの「ロードコープス」あたりとは違って「杖打撃で MP を奪いにくる」ような行動は絶対にせず、つまりは「非接触型の攻撃しかしない」のだ。だから絶対に物理攻撃が飛んでくることはなく、スクルトは完全に無駄撃ちである。なんでこうなった? と思っていたら、ドラクエ wiki にその答えが書かれていた。「ちなみに通常攻撃を一切行わないが、実はデータ上の攻撃力は【怪力軍曹イボイノス】より高い」だとさ。あらまぁそんな裏事情までご存知なのね、賢いわぁ、DQ9 の AI。

そうは言ってもまぁ、これは(初出の FC 版 DQ4 を除く)全作品に共通することだけれど、不満ならいつでも「めいれいさせろ」に切り替えるだけのことだし、問題になるのは基本的には「なんであれ AI 戦闘を避けたいボス戦」なのでね、気にはなるけど大不満というほどのものではない。

悪いところばかり強調してきたけれど、無論「全てが改悪」だとか「まったく改善されてない」てことではなくて、はっきりと進化と思えるものもある:

  • 「かぶと割」を賢く使ってくれるようになった。
  • DQ6 でみられた「無害化した相手から順に器用に選んで叩く」バカさはない(皆無ではないが)。

前者は本質的には「かぶと割」だけの話ではなく、(少なくとも DQ8 よりは)補助の使い方が上手になった、ということなのだが、どれも「かぶと割」ほどには感じないのは、これは「使い方が過剰」だからだったりする。特技を覚えれば覚えるほど最適からほど遠い行動を取りやすくなるのはこの作品に限ったことではないが、DQ9 は個々の補助の使い方が上手になったからこそ余計に気になったりする。ほかの場所で書いているが「ソウルブレイカー」装備時の「スキャンダル」など。

相変わらずだなぁの多分一番早く目にすることになるのは「ミラクルソード」。弓の「天使の弓」もそうだが、相変わらずこういう「追加効果」の使い方がへたくそなままで、なのでなにゆえ「かぶと割」だけが改善したのかが良くわからない。AI の思考パターンを改善したというよりは本当に「かぶと割」だけ特別に改善したかのようだ。

後者は DQ7、8 では見られないものなので別に DQ9 での改善というわけではないものの、個人的に直近の DQ9 プレイの直前に DQ6 をやってたので、やはり印象はいい。ただ、「乱数要素」があるために常にではないことと、もう一つが「そのターン内で倒せる相手を優先する」癖は変わってないので、そういう意味では本質的には「無害な相手から叩く」ままなのだ、という見方も出来たりする。ほかの場所でタフなザオリク野郎の例を書いてる。そういうのもそうだし、あと結局「眠ってるから無害」よりも「とどめ」は優先してしまう。確かに賢いちゃぁ賢いのだが、これが理由で「無害化してないターン内で倒せるヤツと無害化したターン内で倒せるヤツ」というパターンで、行動順の関係で「無害化してない方」からダメージを頂戴することも多いので、こういうのが続くと「相変わらずだなぁ」とは思う。

って…結局文句になってしまった。

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「「MP つかうな」は心の友」

他作品では「じゅもん使うな」「じゅもんせつやく」あたりもそうだが、これが「心の友」になる理由が「本来の意義であるまさしく MP 節約」だけだったなら、取り立てて何か言うようなことはなかったわけだ。

オリジナルの DQ7 あたりからかなぁ? 「MP 消費量に比例してエフェクトがハデ(冗長)でウザい」になったのは。グランドクロスがヒドいが、この DQ7 に基づいたリメイク版 DQ4 のメラゾーマなんかはむしろ「滅茶苦茶かっこよくて気持ちいい」からねぇ、演出のよしあしってことなんだろうなぁ。

DQ9 でもこれは相当なもので。

実際本編のみならずクリア後ですら「最優先武器は剣」でいいのは、「はやぶさの剣改 + はやぶさ斬り」が、単体へのダメージ期待値としてはほとんどのケースで最大だからなわけだが、まさしくその「隼隼」を使って欲しくて「バッチリがんばれ」や「ガンガン行こうぜ」すると、まず間違いなく最初に「とどめにミラクルソード」という役に立たない特技連発にストレスの花満開になれて、ギガスラッシュ習得させたら最後、MP が枯れるまで「弱い相手に」ギガスラッシュを連発し続ける。「隼隼」を使う確率は極めて低い。ゆえ、剣を持たせるキャラなら、AI 戦闘任せにしたいザコ戦では「MP つかうな一択」となってしまう。(剣の秘伝書なんか持たせたら最後である。特に戦士系職のバカみたいに低い最大 MP の場合。)

素手の「MP 使うな」が滅茶苦茶使えるのは上述の通り。同じく「ツメ」の「MP 使うな」も強いが、いかんせん「かっちょ悪い」のでワタシは好きじゃない。弓使いに MP を使わせるとストレスしか溜まらないのは書いたが、ただ弓の秘伝書の「シャイニングボウ」はテンポが良いので、「枯れるまで使い続ける」ことが気にならない状況にあるなら、問題にならないこともあるのかもしれない。

多くのプレイヤーが少なくとも一人には剣を採用するだろうから、剣技のウザさはほとんどのプレイヤーに共感されるだろうが、ムチの「地這い大蛇」も相当にウザい。そして何より「かっちょ悪い」。(土属性の攻撃はどれもなんかかっちょ悪く、アトラスあたりが使う(ハンマー特技でもある)「ランドインパクト」のかっこ悪さはもう、「痛い」以上の鬱陶しさがある。)

この意味では実は「短剣」の特技は「短」の名の通り(?)コンパクトでテンポが良いのが非常に印象が良かったりする。「ヒュプノスハント」がどれだけアホで使えなくても、「短剣」使いに対しては「MP つかうな」を固辞しなくても良いのがありがたい。(だからこそ「弓」使い AI の残念っぷりが際立つのだ。弓の MP 消費技はどれもコンパクトで小気味良いのだ。)

オオカミアタックは覚えさせてしまうと AI が連発してしまう代表的なものだが、これはエフェクトがコンパクトなので、個人的にはストレスは感じない。MP 消費が問題にならない状況なら「このためだけのつもりなら」、「MP つかうな」にしないことも多いが、そこは持たせてる武器やほかの特技次第。「バッチリ頑張れ」「ガンガン行こうぜ」がほかの鬱陶しい特技のトリガーになりがちなので、結局やっぱり「「MP つかうな」は心の友」。

秘伝書技が冗長でウザイやつらは、なんというかな、どれも「ドヤ顔」感がやたらにムカつく。特に「ギガブレイク」がヒドいが、「ジゴスパーク」、「グランドネビュラ」のウザさも相当だ。秘伝書技でないものなら「ギガスラッシュ」も結構冗長で、ヘボいザコ戦で連発されると相当イラつく。無論あの「バックダンサー呼び」も、AI に連発されればさすがのワタシもイヤになる。個人的には「エロ装備時のバックダンサー呼び」は好きだけれど、マニュアルで使うからこそエロいんであって、不意の「ラッキーエロ」は別に望んでない、無駄に時間喰うし。

ハンマーはこれを採用するプレイヤー自体かなり稀だろう。が、「ラストバッター」は、「いや、そうじゃねーだろ」ってツッコミが毎度入る。要するに「確実に最後に行動する」のがラストバッターであって、「ゆっくりふりかぶってミートポイントまでじっくり時間をかける」のは違うだろう。ともすればこのエフェクト、「ダメージにならないようにそーっと攻撃」しているかのように見える。いつでもツッコミどころ満載のドラクエらしいちゃぁらしいが、それでもさすがにこのノンビリ感はやってらんない感満載。

つまりは「「MP つかうな」に頼るしかないからイヤだ」とかそんな理由で優先武器・特技が決まりがちである、って話。

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並び順、とか

AI の仕様に対する文句のひとつから思い出した。

戦士系キャラを二番目に配置したくなるのはこれは無論、従来からのドラクエの慣例「並び順が前のキャラほどダメージを受けやすい」からだ。けれども「アイテムが放り込まれる順番」から言って、もしかしたら僧侶系キャラを二番目に配置する方が吉なのか? と思った…けれども、って話。

言うまでもなく DQ9 はナンバリング作品では初めて「キャラの並び順は狙われやすさには関係しない」というシステムを採用しているわけだ。「ぜんれつ」「こうれつ」だけでコントロールしなはれや、てわけだね。

けどさぁ、これ、ヒドくない? このことが特に問題になるのは「竜王」戦。「なぎはらい」などの特技の仕様は、従来のドラクエのシステムのままなんだよ。つまり「並び順の前ほどダメージが大きく、後ろにいくほど減衰する」わけだね。だから「戦士系キャラはやっぱり二番目」が正しい、のだけれど、「だったら主人公はどーすりゃいいの」。つまり竜王戦ではいつでも主人公が最もダメージを喰らうのである。竜王の地図が手に入るタイミングの関係上、これは「レベル1竜王ですら強烈」で、つうこんが飛んでこなくても楽に死ねます、主人公。

主人公だけの特殊仕様は多分以下で全部:

  • 「おうえん」「ルーラ」
  • HP1 の状態で自動的に蘇生することがある
  • 「宝の地図」取得のためのレベル・転生回数参照
  • 「錬金大成功」のためのステータス参照
  • 並び順が常に先頭
  • ルイーダの酒場に預けられない

最初以外は全部腑に落ちない。2つめはワタシが好きでない「脈絡のないスポイル」。宝の地図は「全キャラのうち最大レベル・最大転生回数」でよかったんではないの、て思うし、「錬金大成功」の件はほかの場所で文句を書いた。

「ルイーダの酒場に預けられない」に関しては、「全キャラ仲良く育てたい」と思うと結構な制約で、やり方によっては主人公だけ飛びぬけて育つこともある。特に、使用キャラの特技を増やさずにクエストをこなしたいケースでこれが起こりがち。例えば本編水準では「短剣スキル」なんか欲しくないわけだ。こんなのにふるくらいなら、ほかに優先すべきスキルはいくらでもある。なのでルイーダの酒場で新キャラを作って「レンジャーのためのクエスト」をこなす、なんてことをするわけだね。それだけでなくてこれらクエストは「ひ弱なキャラでないと簡単にはこなせない」という特徴があることが多く、「新キャラを作るか転職して弱いキャラになる」しかなかったりもする。そして「新キャラを作ってこなす」という選択をした場合でも、「作った新キャラだけで挑む」ことが出来ず、絶対に主人公は同行しなければならない、てわけだわな。こういうことを繰り返してると、主人公の経験値・スキルポイントはやはり必然的に他キャラより多くなりがち。まぁ「みんな仲良く」にこだわる理由なんて正直「わかりやすさ」くらいしかないので、気にしないのが吉、ではあるんだけどね。

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職業について

やはり DQ7 での一番大きな不満、「上級職はええけどさぁ、下級職のスペックがひど過ぎんぞ、下級職時間はすべからくストーリーを止めろってか」でなくなった、ということが一番大きいでしょう、そりゃぁ。

DQ7 までの「下級職」は「上級職の下積み」という位置づけだったがために、「目指す上級職にしか欲しいものがない」だったわけだ。下級職単独で本当にまともに「あらゆる意味で強い」のは船乗りだけで、船乗りは続く上級職が一般プレイヤーにとってはスルー確定なのが致命傷、と、とかく下級職という存在がヒドい扱いだったわけだ。DQ4 のマーニャあたりのイメージで「魔法使い」をイメージしてしまうととんでもない罠にハマるなんて、遊ぶ前は想像すら出来ない。

DQ9 はこの点が全く違っていて、そもそも「下級」という概念がない。「一般職」と「上級職」という区別となり、すなわち「下級なのでヘボ」なんてことがなく、安心して「魔法使い」を好きになれる。それこそ「マーニャ」だ。僧侶こそ DQ7 でもまともだったけれど、武闘家ですら DQ9 品質から言えば DQ7 のはかなりのヘボなので、とかく「下級」であることに苦戦を強いられたことから考えれば、とかく職業でストレスを感じにくい作品。

上級職はクエストをこなさなければ転職できない、という縛りがあり、なおかつ「一般職では得られないちょっと異色の特技が使えたりする代わりに一般職よりやや成長が遅い」という差別化なわけだね。

そんなわけで、DQ9 の職システムは総じて印象が良いのだけれど、3つばかり不満がある:

  1. 取りたいスキルの前に取りたくないスキルが配置されてるパターン多過ぎ
  2. 「種」によるドーピングの効果は、使用した職業にしか適用されない
  3. 主人公の職業だけについての特別扱いがいくつかあって、正直キツい

最初のはまぁ言っちゃえば「いつもの」なわけで、DQ7 までの特技だってそうだったし、DQ8 のスキルもそうだったわけなのだが、とりわけ DQ9 では「ステータス底上げ」で強くなり過ぎてしまうのを嫌うと、その先にある欲しいスキルが得られない、というのがかなり顕著で、たとえば「主人公に「みやぶる」を習得させたい」と思っても、そこに至る前に器用さ+80、HP+20 がくっついてきてしまい、本編でのゲームバランス崩壊要素を避けたくてもなかなか避けるのが難しい、というようなことが起こる。正直言ってこうしたステータス上昇についてはクリア後要素にして欲しかった。こんなん本編では強過ぎる。(ここらへんの事情については「補足:「本編ボスに平均Lv40以上で挑む時点でゲームバランスもへったくれもない」のかどうかについて」に書いた通り。ちなみに主人公が旅芸人かとうぞくかレンジャーの場合、この器用さ上昇は「かいしんの一撃」率の大幅な上昇に繋がり、想像以上に強化されてしまう。)

二つ目のはまさに知らずにやってて後悔したヤツ。種やきのみが一部を除いて入手しにくい作品なので、気分的には相当落ち込むよね、これ。(結構入手しやすいのは、「まりょくのたね」くらい。「しんこうのたね」も結構盗めるか? 「きようさのたね」はかなり盗みにくい。「まもりのたね」は(ラリホーマのせいで)滅茶苦茶盗むの大変。「いのちのきのみ」は比較的手に入るが、これはあんまりいらんし。)

最後のは要するに「錬金大成功」と「高レベル宝の地図入手のための転生回数」。「錬金大成功」するかどうかは、「主人公の」特定のステータスが高いほど大成功しやすくなる、ということなわけだが、「なんで主人公だけなのよ」て思ってしまうわけよ。例えば主人公を「アタッカーとしては考えない」スタイルの場合だと、「ちからのたね」は戦士かバトルマスターのキャラに注ぎ込みたいであろう。けれども「錬金大成功」確率を上げたければ、たとえ主人公を魔法使いとするスタイルであろうが、「主人公に」注ぎ込む必要があるわけだ。無論「魔王戦で主人公をバトルマスターにする気なんか少しもない」のに、主人公を LV99 バトルマスターに鍛え上げた上でちからのたねの注ぎ込め、というのが「セオリー」なわけだ。ダルいよ…。まぁ所詮は「確率が上がる」だけの話なので、リアル運でさくっと錬金大成功してしまうなんかザラなので、そこまでこだわらなきゃいいだけの話、てことではあるのだけれど。

というわけで、大満足と大不満の両者競演、て感じね。まぁいつものことだ…。

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取りたいスキルの前に取りたくないスキルが配置されてる、の詳細例

「ゆうかん」に、欲しい特技「ロストアタック」と「やいばくだき」がある、とする。欲しいと思ってみて欲しい。

  • 「ロストアタック」が欲しい場合:
    • 「ちから+40」「みのまもり+20」がくっついてくる。
    • これは与ダメージ+20、被物理ダメージ-5 の差
  • さらに「やいばくだき」が欲しい場合:
    • さらに「みのまもり+40」「HP+60」がくっついてくる。
    • これは被物理ダメージ-70 の差

本編内でロストアタックが有用とすればこれは多分「エルシオン卿」戦であろうが、「ロストアタック + 与ダメージ+20 + 被物理ダメージ-5」ということならそこそこなオーバースペックとも言える。だからこのためだけに「ロストアタックが欲しい」と思うくらいなら、戦士なら剣スキルを優先してラスボス戦に「はやぶさ斬り」を間に合わせることを考えた方が多分いい。というか、「スキル稼ぎカーニバル」を遂行しない限り両方は取れないよ。「やいばくだき」を本編で必要とすることはまずないだろう。あって困るものではなくても、ないと困るものではないため、これも剣スキルや盾スキルを優先する方が吉である。問題となるのはともにクリア後なわけである。本編では「どっちもいらん」確定でよろしい。(特技だけでなく「ちから+40、みのまもり+60、HP+60」も明らかにやり過ぎ。本編では一切必要ない。)

じゃぁクリア後であればバンバン取っちゃえや、てことかと言うと、これもなかなかそうでもなくて。

クリア後にすることといえば、通常の宝の地図と魔王の地図ということになるのだが、そもそも通信要素を駆使して「身の丈に合わない高レベル地図」をいきなり入手するのでない限りは、普通は「クリア前水準のヘボいザコ・ボスしか出現しないショボい地図」を繰り返すハメにはるのが普通。強いて言うならバラモスの地図だけは早々に手に入るので、バラモス戦向けに検討するということはあるにしても(もう少し言うなら「ぬしさま」戦のために、というのはあるのかもしれない)、そうでない場合は「そこまで強くする理由が見つからない」という状態が長く続くのが普通。

で、「ロストアタック」「やいばくだき」のどちらについても、「高レベル宝の地図」(目安としては Lv70 代あたりの地図から(※))では「是非とも欲しい」と言えるものなのだが、ただここまでの地図を手にしている時点になれば、ともに代替となるものを既に手にしていることも多い:

  • 相手のテンションを下げるのならば:
    • 「サバイバル」スキルの「なだめる」
    • 「さとり」スキルの「いてつくはどう」
    • 扇の「風林火山」
    • オノの「グレートアックス(とその上位のギガントアックス)」
  • 攻撃力を下げるのならば:
    • 「ヘナトス」
    • 魔法使いの秘伝書の「つきのはどう」
    • 短剣の「ソウルブレイカー」。

だいたいにして Lv70 代の地図を「自力で」入手するためには主人公のレベルは 60 を大きく超えている必要があるわけで、ここまでになってもなお「スキルポイントが絶対的に欠けていて全然欲しいスキルに辿り着けない」なんてことにはあんましならない、ので、上に挙げたライバルのどれも獲得してない、てことはあんまり考えられない。(さすがに「風林火山」、「グレートアックス」は宝の地図のランクB(前者)、ランクS(後者)青宝箱なのでまずこうした動機が発生する時期では手にしてる可能性は低いとは思うけれども。)

という状況にあるとして、今「アイアンブルドー」とかそこらの「攻撃力剥奪」が役に立つ相手が多発しているとして、不幸にも「やいばくだきが欲しい」と思ったとすると、「みのまもり+60、HP+60」のオーバースペックっぷりにどうしても怯んでしまうわけである。だってさ、「喰らうと痛いから攻撃力を下げたい」わけなんだから、「喰らっても痛くなくしたい」というのと「同時に」獲得しちゃうのってさ、「そりゃやり過ぎ」と思うし、なんとも「先にやいばくだきのありがたさを知りたいのになぁ」感満載なわけですよ。もちろん「やいばくだき」習得者以外のために「も」使うものだから、いいっちゃぁいいんだけれど、欲しい順から言えばやっぱり普通に「そりゃ逆でしょ」と思って当然。そして今「ソウルブレイカーを既にお持ち」ならば、「うーん、やっぱ「みのまもり+60、HP+60」がどうしても必要な状況になってからでいいや」と考えてしまうハメになる。

特に「ソウルブレイカー」の存在なのだが、これはクリア前でも作れてしまう(強化前のソードブレイカーはドミールの里で買える)ため、クリア後に「つきのはどうより確実な攻撃力剥奪能力が欲しい」という局面に初めてなった場合に非常に手軽なのが大きい。魔法使いなんぞスキルを振らなくても短剣装備出来るのだから。(無論「戦士」「盗賊」もだが、戦士に短剣持たせるのは普通はもったいないだろう。)

※一応正確なところの補足。実際は Lv40 代の地図でさえエグいモンスターに出会えるチャンスはある。「放たれし、けだかき、わななく」「残された」「見えざる、あらぶる、とどろく、大いなる」を冠する(最初の階層のモンスターレベルに影響)もので、なおかつ階層が深い(最低でも13F以上)もの。ただ「あらぶる花の氷河Lv40」みたいなアンバランスな地図は滅多に手に入らず、普通は地図レベルが高くないと「あらぶる」なことはまずないし、普通は地図レベルが高いほど階層が深い。なので標準的に手に入る Lv40 代、50代の地図は最下層でもせいぜいクリアレベルを少し超えるくらいのモンスターが出るだけ、Lv60 代でやっとクリアレベルを少し超えるモンスターが「当たり前のように」出る、くらいのもの。クリアレベルを大きく超えるモンスターばかりになるのはやはり Lv70 代から。ただ例にしているスライムマデュラやアイアンブルドーは(それが遺跡タイプで出現する都合)かなり早い時期から出会える可能性は高い。どちらもおそらく「クリアレベルを結構超えたモンスターのうち最初に出会うヤツら」で、特に「スライムマデュラx3」なんてのに出会うとクリア直後の Lv40 代パーティで挑むと(パンプアップが穏健なら)あっという間に壊滅もしくは全滅出来る。

「はくあい」スキルのオーバースペックっぷりについてはほかの場所で書いた通りなのだが、この「ゆうかん」で手にする「みのまもり+60」もなかなかのもので、たとえば「アトラス」を例にすると非常にわかりやすい。アトラスの二回行動は結構な確率で「同一キャラに2度とも通常攻撃」することになり、これはコンボになるので、「125 + 150 = 275」くらいのイキオイのダメージを喰らう。「みのまもり+60」を手にするとこれが「110 + 125 = 235」くらいのダメージになり、Lv40 代ならば即死するか完全に余裕があるかてくらいの劇的な差になる。なんなら「スカラ(スクルト)要否」の差にさえなるわけである。無論「それこそが欲しいものである」場合はそれでいいわけだが、「やいばくだきが欲しい」にくっついてくるオプションとしてなら、あまりにも大き過ぎる差となってあらわれてしまい、緊張感を大きく損なう原因となる、てわけだ。

つまり「無双プレイ大好き」なプレイヤー以外の、ふつうに「常に緊張感を保った状態で遊びたい」プレイヤー向けじゃないんだよね、スキル獲得の順番。

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取りたくないスキルの前に取りたくないスキルが配置されてる、の例

ナニソレ。

「おたから」で、「みやぶる」までは既に習得済み、とする。ここに至って「おたからさがしが欲しいのに、素早さ+40はオーバースペックだっ」…、なんてことには万が一にもならない。なんだそりゃ。

なぜなら「素早さ+40こそが欲しいものならそれが最終ゴール、おたからさがしは、シンプルに、『いらない』」。

「他の作品だったらお役立ちだったのにっ!」みたいに悔しい特技ってのは例えば DQ7 の「うみどりのめ」「おどりふうじ」なんぞが印象的。この DQ9 盗賊の「おたから」は、なんというか特技は「ぬすむ」「みやぶる」の2つが DQ9 を象徴する、人によっては「最も重要なもの2つ」となる一方で、他3つは「単なるネタもしくは使えない」:

  • おとしあな:
    • 基本的にはマルチプレイでのイタズラ用であろう。
    • 同じネタ特技でも、「みやぶる」がいつまでも楽しいのとはまさに対照的。
    • 「役に立たせてみせるっ」と気合を入れて初めて「役に立たせることも出来る」。
    • つまり「役に立たせてみせるっ」と思わない限り「くちぶえ」で(たぶん)同じ目的のことが出来る。
  • とうぞくのはな:
    • (従来作の仕様をそのまま引継ぎ)赤宝箱にしか反応しない。
    • ゆえ、ほぼ本編でしか使えない。
    • クリア直後なら赤宝箱はまだあるが、仮に使えても「アルマの塔」だけ。けど「見えてるし」。
  • おたからさがし:
    • やったー、青宝箱に反応するっ! …とは残念ながらならない。
    • ドラクエ wiki の表現が非常に的を射ている。「階段さがし」。

無双大好きタイプでなおかつ「自力派」ならば、本編で 100 まで一気に振ってしまえば、「おたからさがし」の活用機会もあるはず。このタイプのプレイヤーが「本編では器用さ+60、素早さ+60、HP+20 はオーバースペックだ」なんて思うはずがない。「オーバースペックだっ」と思うタイプなら「みやぶる」さえも躊躇するはずなので、本編内で「おたからさがし」まで習得するはずがない。ゆえ、このタイプのプレイヤーは、「階段探しなら別にいらんし」のまま永遠に習得しないことも多かろう。

「階段探しでも初回地図潜り時は少しは嬉しいかぁ」とようやく思うのは階層が深い地図を手にしてからだろう。高レベル宝の地図にガンガン潜る時点であれば、「器用さ+60、素早さ+60、HP+20」にも説得力が出てくるので、「まぁスキルポイントも余ってるし、使ってみっか」とやっと思う、てわけだ。

ただ、これを実際手にした後使ってみれば、(無論初回潜り限定で)存外使える:

  • そもそも宝のない 1~2F で階段になかなか辿り着けないのはいつもストレスだったのだっ。
  • 3F 以降も、「全宝箱網羅」を目指す場合には「まだ1つしか見つけてない」のに階段を見つけてしまうと、わざわざ戻ってたよなっ。

ドラクエ wiki の表現にはまさに共感出来る:

有用な宝の地図を自力で見つけようとするプレイヤーにとっては、【ステルス】と並んで頻繁に使う特技になることだろう

そうそう、それな。

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僧侶で使えなくなった重要呪文2つ

言うまでもなく「スクルト」と「ザオリク」。これがどの程度「大問題」なのかに関して、なんというか「受け入れてしまえば別になんてことない」てことには尽きるのだけれどもね、一応一言。

まず「スクルト」については、「いつ覚えるんだろう…」と思ってて、覚えないと知った日のショックといったらなかったさ、てことではある。ただねぇ、実際やってみるとこうなのだわ:

  • 本編ではスカラすら別になくてもいい感じかもしれん
  • クリア後は結構欲しくはなるのだが:
    • 一ターン目のスカラ相手の一人以外一人は「まもりのきり」、以外は「ビッグシールドなど」、なんて工夫の余地が結構豊富。
    • それこそほかの場所で書いた「ソウルブレイカー」などの攻撃力剥奪という選択肢もあるし。

なので「スクルトがないという理由だけでスクルトが使える職業のキャラを入れたり、僧侶じゃなく賢者がいいと思ったり」ってほどにはならなかったりする。ほんとは他ナンバリング作品と違って「スクルトはスカラの完全上位互換」なので、「本来は是が非でも欲しい」と言いたいくらいなのだけれどもね、けどそういう理由で「実際はそうでもなかった」という感じ。

ザオリクは「めっちゃ困る」と言うところなのだが、ただこちらについても:

  • ザオラル習得出来る職業が結構多く、また「杖の秘伝書」もあるので、「蘇生は僧侶任せ」率が低め。
  • 回復魔力が高ければ、このザオラルは従来作のザオラルよりは少し強い。
    • 最大75%の成功率。
    • ただし、回復魔力が低い場合は従来作より遥かに弱い。(最小で成功率25%、HP回復量も25%。)
  • DQ9 のザオリクは従来作より劣化している。
    • 復活時に全快しない。
    • 復活時のHPが最大値の50%、回復魔力も(テンションも)影響しない。
  • DQ9 は「せかいじゅのは」を大量に入手出来る。しかも「せかいじゅのは」は全快する。

最後のが無論決定的で、これは DQ7 と比較すると良くわかる。DQ7 も結構入手しやすいほうだが、それでも「大量」となればスロットやラッキーパネルを繰り返す必要があって、結構な手間。けれど DQ9 は船が入手出来さえすれば「ほぼ毎日雨の島で採集出来る」し、青宝箱(A ランク)からは、少なくとも「しにがみの首飾り」よりは遥かに高確率で入手出来る。ので、特に意識的に収集せずとも(クリア後は)10枚程度は常に手持ちでいられたりするわけだね。

というわけでどちらの呪文欠落も「だから賢者がいい」というほどのものでもなくって、多分「僧侶か賢者か」の二択と考えるならば、その基準となるのは「攻撃能力を期待するかどうか」、で決めるべきなんだよね。(ドラクエ wiki で詳細に論述されているように、「高レベル魔王」におけるベホマズンのために僧侶、てのが決定的なんだとは思う。けどそこに至る前の段階では、純粋にプレイスタイルの好みでいいと思う。)

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転生について

遊び始める前は、きっと転生なんかしないまんま終わるんだろうなぁ、と思ったが、やってみたら高レベル宝の地図やらレベル高めの魔王戦を繰り返すにあたり、結果的に「何度も転生」した。なんというかこれのために「メタル狩り」を随分やるハメになったが、従来作では全く興味がなかったのよ、メタル狩り。ゲームが軟弱化する一方だからね、不適切にレベル上げていくだけの行為なんだから。けど転生を絡めると話は別。

転生のゲーム本来の「意義」は:

  1. スキルポイントを稼ぐ目的で使う
  2. 「証」
  3. 高レベル宝の地図の(自力)取得のため

の3つであり、特に「証」はものによっては非常に魔王戦・高レベル宝の地図では有効。

なんだけれど、1. は個人的にはあまり興味がなかった。結局これも「やり過ぎて拍子抜けまっしぐら」の要因でもあり、なおかつ「全キャラが全スキルを極める」とキャラの個性がどんどんなくなっていって、すなわち「自分で育てた」感よりも、テンプレートとしての職のステータス差のみが際立つようになってしまい、こうなった場合、「誰がやってもおんなじ」の道に突き進むだけのような気がしてね。これは例えば DQ1 で LV99 なんてのは「誰がやってもなんの個性もないただ誰にとっても同じタイプの強さしかない」てのと一緒。つまり上述の「自由度から来る面白さ」はもはやここにはないわけだ。

むしろ転生の「良さ」は少なくともワタシにとっては、「弱い状態に戻せる」ことにあると思う。当然「もとの LV1 より遥かに強烈に強い LV1」ではあるが、だとしても呪文は一切忘れているし、底上げなしぶんのステータスはまっさらに戻せる。つまり例えば魔王戦の緊迫感がなくなってきた場合に取れる行動には2つあって、「魔王を強くする」か、逆に自分のほうを転生で弱くすることが出来るわけね。例えば「ベホマラーなしで闘ってみたい」なんてことが出来る。これがまぁ楽しい。

ドラクエ wiki ではワタシが「良さ」と呼ぶ呪文を忘れてしまう点について否定的な意見だが、これは緊張感を保ち続けたいというスタンスではないからだろう。ヌルゲーが好みなのかな、執筆者は。(おっさん呼びを諦める云々を例にしてるが、だってこういう「制約」を遊ぶからこその「戦略」ゲームなんじゃないの、って思うんだよ、ワタシは。)

不満は…、やっぱ「果てしない」ことね。一回の転生くらいなら何とも思わなかったんだけど、後から転生したくなってからがまぁ時間がかかることかかること。特にワタシはある時期まで「LV43 付近からレベルを出来るだけ上げない」(魔王と均衡を保つため)ことに拘り続けたので、つまり「LV43 → LV99 → 転生 → LV43」のサイクルが、まぁキツい。こういう場合仕方がないので、経験値配分型であることを活用し、「転生させたいキャラと主人公以外死亡させるなりルイーダ酒場に預けるなり」して二人旅(対象が主人公なら一人旅)してメタルキングが出没する宝の地図で稼いだ。これでも何時間もかかるんだわ、果てしないよ。

実際問題、通信要素なしで、つまり地図交換を活用せずに自力で宝の地図を集めていく場合、高レベル宝の地図は転生回数に応じてチャンスが増える仕様になっているので、なかなか手に入らないがゆえに転生を繰り返すハメになるんだけれど、この「作業ゲー」感が、果てしなく感じる一番の原因ね。ワタシの主目的な「弱く出来る」のためだけならそんなに感じなかったんだろうなぁとは思う。

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必殺技、超必殺技について

(主人公に限るが)旅芸人が嫌いじゃないことはほかで書いたが、「必殺技」に関して言えば嫌い。「アクロバットスター」は数ある必殺技の中でもとりわけ使えない。というか使いどころに乏しい。魔王戦で使えそうに思うが、正直レンジャースキルの「まもりのきり」の方が大抵助かる。もしくは扇スキルの「風姿花伝」。

AI がチャージするとここぞと使いたがるのも非常に鬱陶しく、とりわけ魔法使いの「ミラクルゾーン」が大迷惑。長期戦となる魔王戦でさえ微妙なのに、短期決戦のザコ戦ですら平気でガンガン使おうとする。そもそも「深いダンジョン」の対策でプレイヤーは「女神の指輪」「しあわせのぼうし」や「天使の弓」などなど、MP 回復手段を「それが本当に困る状況では」かなり用意しているのが普通なので、いちいちザコ戦でミラクルゾーンしてもらったところで、正直その1ターンが勿体無いことがほとんどである。

「AI がチャージするとここぞと使いたがる」ものが戦闘が有利に運ぶものなら、怒りは「半分で済む」のだが、これがとうぞくの「お宝ゲット」でさえホイホイ使おうとするのがかなり救いようがない。そういうのはプレイヤー自身でやらせてくれ、AI が勝手に消費しないで欲しい…。

「AI がダメージの期待値計算に基いて行動を選択する」という事実に関して「ほんとか?」と疑いたくなるようなものもいくつかある。剣で「はやぶさ斬り」が使えるとして、「はやぶさの剣改」を装備しているとして、なおかつバイキルト + おうえんによるテンションアップ状態にあるとして。この際に「会心必中」チャージすると AI がここぞと「会心必中」するのだが、よーわからんが「隼隼」の方がダメージでかくないかい? どうにも「必殺技」が不適切に AI に優遇されてる気がしてならない。

別の場所で書いたが、「パラディンガード」はあまりにゲームバランス崩壊し過ぎてて大嫌いである。簡単に手に出来ない、たとえば秘伝書の類だったならまだ救いがあるが、「職に就く」だけで使えてしまうのはヌル過ぎる。ほかで書いた通り、「LV45 程度の魔王」でさえ、「パラディンガードは不可欠」なんてことは全然言えない。かなりの高レベル魔王(おそらくワタシが未経験の LV45 を大きく超えてから)になって初めて「ないと厳しい」となるのであって、そうでない戦闘では「あれば楽」どころか、「ゲームになってない」ほどゲームバランス崩壊する。こういうのはさ、簡単に手に出来たらダメよ、苦労して苦労してようやく手に入るようなものにしないと。

超必殺技については、少なくともワタシは本編内では一度も経験がない。宝の地図をやりこむようになってから、意図して「スーパールーレット」する以外は、ほんとに一回くらいしか成功出来てないと思う。「こういうのはさ、簡単に手に出来たらダメよ」には適合するので、文句はない。ただ「スーパールーレット」以外の超必殺技は、「わざわざやるほどのものか?」という微妙なのが多いので…。(「精霊の守り」はパラディンガードに対する不満と同じ。強烈過ぎる。が、発動しにくいのでパラディンガードそのものよりは不満はない。)

頻繁に使ってうれしいのは僧侶の「ゴスペルソング」、武闘家の「一喝」というところだが、前者が嬉しいのもクリア直後くらいまでで、以降宝の地図のレベルが上がっていくにつれ力不足になってくるのが問題で、そして僧侶はベホマラーして欲しいケースですら「ゴスペルソング」を優先する。一つも状態異常がないのに。「一喝」はテンションがあがる方はそう大喜びするほどのものでもないのだが、敵が使う「超おたけび」や味方の「おたけびがパワーアップ」(要するにクリティカル)と同じく、必中なのが助かることが多い。のだが…、何せ2回行動するボスが多い上に「3回行動さえ始める魔王戦」の場合、行動を封じれるのはそのうちの一回分だけなので、大ピンチが「中ピンチ」になるくらいの効果しかないのは困るちゃぁ困る。それでもまぁかなり使える必殺技と思うけれど…、まぁ一番のこやつの問題は、「武闘家」がどんどん使えなくなっていくことね。防具に限らず装備全般弱過ぎて、最終的にはスーパースターと並び最も死にやすいキャラに落ち着く。(下手すれば魔法使いの方が遥かに頑丈になる。)ので結局はあまり活用出来ない。これがバトルマスターだったらなぁ、とほんと思うよ。

賢者の「神の息吹」も AI は喜んで使うので、勝手にやられるとイラっとはするのだけれど、まぁ別に役に立たないわけではなくて、長期戦で本当に MP がピンチの場合に非常に助かることもある。結構ありがちなのが、「賢者の MP もそろそろ切れかけて、アタッカーの MP はとっくに枯れている」場合にこの必殺技を発動出来ると、「MP パサー」出来ることね。これキッカケで戦闘終盤の攻撃が加速出来ることがままある。

レンジャーの「妖精たちのポルカ」は、マニュアルで使うつもりなら全く価値がないというほどではないのだけれど、やはり AI に勝手に使われてイラっとする代表。また、正直レンジャーを一次であれ二次であれ「物理アタッカー」としてチームを組んでいることはまずほとんどないので、「攻撃力上昇」が余計。大抵ほとんどのターンを補助に費やしているか、あるいは「オオカミアタック」連発してることがほとんどなので、攻撃力が上がっても全然嬉しくないことがほとんど。ブレス耐性でさえ、フバーハやらフォースに頼ることが多いので、それらを使えるようになってからは「いらんよそんなん」になりがち。そういう意味では「ふとうふくつ」に似ているか。

「EXPルーレット」はそうしたい場合は嬉しいこともあるのだが、経験値を稼ぎたくないケースがワタシの場合は多いので、ほとんどの時間ではこれがチャージされると毎度微妙な気分になる。

「テンションブースト」は本当に使いたいケースでほど使えないので、毎度嬉しくない。一ターンでテンション上げと攻撃が揃わないと効果を発揮出来ないような「いてつく波動」や行動封じが巧みなボス戦ではほとんど無駄になるからね。一定レベルを超えたドルマゲスなんかが典型。いてつかれなくても、超おたけびで台無しにされるなんぞ日常茶飯事。いやん。まぁこれの発動は博打よね、運良く無効化されなければラッキー、てくらいのもの。そうだった場合は確かに凄まじく快感。

そういうわけで、必殺技に関しては概ね「ほとんどのケースではさほど興味がない」というところなのだが、ただ「高レベル魔王戦」では無視できないことはさすがに認める。なんだかんだ「時期別に見れば不満でも、全体通すと腑に落ちる」というところなんだよね、この作品。

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「アクロバットスター」についての補足

補足というよりは蛇足なのかも。

マニュアル戦闘で「アクロバットスター」を使うのをほとんどの場合躊躇するのはこれは「ほかにやることがある」「もっと確実に役に立つことが出来る」と人間なら考えるから、である。

けれども AI は違う。散々文句を言った通り AI は「必殺技大好き」なので、主人公以外を旅芸人にすると「アクロバットスター」発動を頻繁に目にすることになる。無論主人公以外を旅芸人にするなんてスキルポイント稼ぎみたいな用事がない限りしないであろうから、人によってはまったく経験しないだろう。

発動された瞬間は常にイラっとするし、これを封印したい理由だけでチャージした瞬間に「めいれいさせろ」にしたいほど鬱陶しいのだが、実際「発動してしまえば」思ったより遥かに全然強い。宝の地図ボス程度なら、これのオートカウンターがとどめになって驚くことも多い。「あれ? このキャラにオートカウンターの秘伝書なんて持たせてたっけ?」と一瞬悩んでしまうほど。

つまりマニュアル(というか主人公)の場合でも、「ほかにやることがない」場合に試しに使ってみると、思わず使える、という感想は持つに違いないと思う。

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「ひっさつのおうぎx4」+「やまびこのさとり」+「風林火山x4」+「スペクタクルショー」

「スペクタクルショー」は旅芸人かスーパースターがパーティにいる場合に、ボス戦以外でのみ発動できる超必殺技である。

これ、要するに敵を全部メタル系:

  • メタルスライムx4
  • メタルスライムx3 + はぐれメタルx2
  • はぐれメタルx2 + メタルキングx2
  • メタルキングx2 + プラチナキングx1

に変身させてしまうので、莫大な経験値を稼げる、てことなわけだ。ただ…、そもそも「経験値を稼がなければならない」という状況にある時点で、そもそもが:

  • 簡単に超必殺技を発動出来る状態にある
  • どんなメタル系でも確実に一体以上を仕留められる

なんて幸運なこと、あるのか? ないでしょうよ。見出しにした「ひっさつのおうぎ」(とその強化版)は、たった一つ手にするだけでも、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も最高レベルの宝の地図に潜らなければ入手出来ない。ましてや人数分となれば…。「風林火山」人数分も同じく何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度もランクB宝箱を開け続けなければ揃わない。

つまりは、こんな「ひっさつのおうぎx4」+「風林火山x4」なんて素晴らしい状態にあるならば、普通は「経験値を稼がねばならぬ」なんて状態からは、たぶんとっくに抜け出しているんだろうと思う。

「ひっさつのおうぎx4」+「やまびこのさとり」のいずれかが欠けている場合、まぁよくあるのが待てども待てども4人目だけがチャージしない、てやつだ。そうでなくても、誰も「ひっさつのおうぎ」を持ってないなら、二人以上チャージする機会すら ザコ戦では めったに起こらない。ので…、まぁ要するに「ひっさつのおうぎx3以上」くらいにならない限りは、「スペクタクルショー」を狙って起こそうなんて、まず思わないわけである。「やまびこのさとり」も重要で、「ひっさつのおうぎx4」ですら最後の一人がなかなかチャージしないことは起こるので、やまびこチャージ出来るかどうかで、「狙って起こそうと思う」かどうかに格段の差が出る。ゆえ、これらが揃ってないなら、メタルキングやプラチナキングの出る地図で稼ぐ方が圧倒的に効率的。

「ひっさつのおうぎx4」+「やまびこのさとり」があっても、今度は「確実に一体以上を仕留められる」ことが出来ないなら、これは効率よりは「精神衛生」的によろしくない。せっかく発動したのに逃げられまくるようでは、ストレスばかり溜まって仕方ないだろう。「風林火山x4」(で「おうぎのまい」)以外の手段で仕留めるには「メタルキングのヤリ」での「さみだれ突き」が二番目に良いが、「風林火山」と違って先制は出来ないので、やはり逃げられる確率は高い。「風林火山x4」がやはりベストだ。

「ひっさつのおうぎx4」+「やまびこのさとり」+「風林火山x4」なんて凄まじい状態に持ち込めていてもなお経験値がまだ欲しいのか? ワタシの場合、間違って転生してしまって、意図せず経験値稼ぎが必要になってしまった。「みりょく」が影響する錬金大成功のために、主人公のスーパースターは Lv99 が理想なわけだが、証欲しさで間違って主人公スーパースターを転生させてしまった。てわけで「スペクタクルショー」の出番。

DQ9 は特に「何か複数の目的を兼ねる」ように進行するようにすると「飽きない」で済むわけなのだが、「メタルキング出没地図」に潜る目的が「メタルキングのため」だけになると、かなり飽きる。特に一番楽な火山のメタキン出没地図だと、メタキン出没階層での錬金素材ドロップはせいぜい「まりょくの土」くらいなので、ほんとに「ただただ経験値だけ」稼ぎにしかならない。

「スペクタクルショー」を自在に(確実に短時間で)発動出来て、なおかつ確実に仕留められるんであれば、どんな「盗み祭り」でも使える:

  • 「うつくしそう」目当てで「レッドサイクロン」を狩るついで
  • 「ちからのたね」目当てで「ブラウニー」を狩るついで
  • 「すばやさのたね」目当てで「キラーマシン」を狩るついで
  • 「かぜきりのはね」目当てで「デッドペッカー」を狩るついで

などなど。なんというか経験値をたくさん落としてくれるモンスターが重要な錬金素材やらドーピングアイテムを落としてくれることはないので、「スペクタクルショー」を使わない限りは「盗みフェスティバル中は経験値稼ぎは出来ない」なんてことになりがちで、これがまぁ時間がかかる原因でもあったりするわけよね。

なお、似た話に「 ザコ戦 で「ひっさつのおうぎx4」+「やまびこのさとり」+「スーパールーレット」」がある。基本的にスーパールーレットは 2% 防具狙いのために使うもんではあるが、なんだかんだドーピングアイテムの確率は高くないので、このように毎戦闘のたびに発動出来るほどならザコ戦でのスーパールーレットも荒唐無稽ではない。(ただし、さすがに「レアお宝ゲット」が出るまで粘るのはザコ戦ではかえって非効率。)

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クエスト、秘伝書

そもそも「クエスト」はドラクエの歴史でもなかなかに重要な発明よね。「ただただかったるい作業ゲー」に陥りやすかった「レベル上げ」行為に、モチベーションを付加したようなものである。つまり「何かのついでに」トライ出来ることが多い。

ただし…、職業クエスト・スキルクエストの半分くらいがまさしく「作業ゲー」化するのはさすがに「ええ加減にせぃ」とは思った。案の定。どのクエストが評判がよろしくないかはドラクエ wiki なんかでも相当酷評されてたりするが、なんだろうか、ドラクエの開発者たちは「忍耐」が信条なのだろうか、この手のは「ただひたすらに耐える」ものばかりだ。「怒らせて通常攻撃の会心を5回」でさえ泣きそうになるが、クエストを遂行するキャラの職を選び間違えると「かいしんのボケ5匹」も何時間もかかる。笑えない。

「秘伝書」は一つも持たなくても本編クリアには言うほど支障がないことは前述のワタシのクリア例の通り。とはいえ、全体通して最重要なのはやはり「盾の秘伝書」だろう。「クリア後すぐに不可欠になる」のは、真っ先には「盗賊の秘伝書」ね。これがあるのとないのとでは、宝の地図の楽しみがまったく違ってくるので、どれを優先すべきか問われれば、ワタシは真っ先にコレ。

「テンションシステムの退化」と同じ議論はここでも。「証」もそうだが、「全員が使える」としていないことがゲームとして大正解。誰もが使えたらクソつまらん。キャラに個性を持たせられることが、戦略性の楽しみなわけなのだから。

ワタシのプレイスタイルの場合は、「おうぎの秘伝書」は不可欠。つまり、「まだチョロい段階の宝の地図」やら、いろんなクエストをこなすのに、MP 無消費で手軽に回復出来るのがありがたく、特に「魔王戦のための本命でない裏チーム」育てで、非常にレベルが低い段階では滅茶苦茶助かるのね、これ。ドラクエ wiki ではこのスタンスに立脚したことが一つも書かれてないのでやたらに否定的だけれど、実際はかなり使える。あるいはワタシの場合「主人公: 旅芸人かレンジャー / 仲間: 戦士かバトルマスター + 僧侶 + 魔法使い」というチームが本命なので、僧侶のベホマラーするほどでもないような HP の減り方だった場合に主人公が頻繁にハッスルダンスする、なんて戦い方をしてる。つまり回復量が小さいことは全然問題じゃなくて、要するに「満遍なく少しだけ HP が減っている」状態を避けたい(出来るだけ全快状態にしたい)場合に良く使ってる。低めのレベルのフィールドで経験値稼ぎをする際の頻出パターンよね、たとえば。あるいは僧侶の回復魔力がまだそこそこの段階ではまさに「僧侶のベホマラーで欠けるぶんの回復」を期待して使う。(なお、主人公と扇の相性はそもそも良いので、ハッスルダンスや扇そのものに興味がなくともクリア後スキルポイントが余ってるなら、振って損はないよ。)

ドラクエ wiki だったかしらね、「旅芸人の秘伝書」(たたかいのうた)が「必須」と言ってたのには反論しときたい。「脳筋パーティ」もしくはサンディが「暑苦しい」と呼ぶ条件に合致する肉体派パーティに限り、だよ、「たたかいのうた」が必須だなんて。場合によってはせいぜい「あるにこしたことはない」と言える程度のおいしさしかないし、パーティ構成次第では「完全に無用の長物」とさえ言えるほど、その評価にはもとより開きが出る類のシロモノである。

実際バイキルトが使えるパーティなら、「隼隼出来るバトルマスター」にバイキルトすれば大抵事足りるのであって、たたかいのうた二回かけてもバトルマスターの素の攻撃力にようやく追い付くかあるいは及ばない程度の僧侶が「攻撃力が倍になった、わーい」て、それでも「必須」言うなら相当アタマ悪い。実際ほんとうに「たたかいのうた」が嬉しいほどの戦闘になると僧侶はほとんどのターンを回復に専念しているのが普通であって、例えば4回に一回しか攻撃機会がないのだとしたら、バトルマスターの1/4程度の攻撃力しかない僧侶の場合はたたかいのうたを2回かけたところでトータルでは「バトルマスターの通常攻撃によるダメージの蓄積」の1/8しかダメージを与えられない。一回で済むバイキルト状態のバトルマスター相手なら1/16だ。繰り返すがたたかいのうたを2回でようやく1/16なのだ。つまり僧侶の場合、「物理攻撃力」でダメージを稼ごうとするよりは、ほかの特技に頼ったほうが普通はいい(代表的なのはグランドネビュラやあるいはジゴスパーク)。

そしてこれも繰り返すが「僧侶はそんなことしてる暇がない」。わかると思うが「魔法使い」はそもそも通常攻撃はほとんどあてにならず、倍になったところで蚊がさす程度だ。要するに「必須かどうかはパーティ次第」でしかない。物理アタッカーを2人以上擁するパーティで、なおかつバイキルト未修得パーティならかなり有用だろう。ワタシがこのパターンのチームを組むことはないけれど。物理アタッカーが二人の場合でも、バイキルト持ってるなら二人に二ターンで各々バイキルトすればいいじゃん。さらに悪いことに、「おうえん」「ためる」も得てしてライバルになってしまう。正直「たたかいのうた x 2 + おうえん + ためる」はアホ。それが可能なボスは非常に限られてる。

「脳筋パーティ」の例としては、たとえば主人公とうぞく + バトルマスター + 魔法戦士 + 僧侶、とかだろうか。魔法戦士はバイキルト覚えるので少々微妙だが、力も強いので、十分にアタッカーになる。この場合「僧侶が秘伝書を持つのが最善」となるのがまぁ言っちゃえば「サイアク」で、「二回たたかいのうたをうたいたいが出来ない」になる可能性が高いだろう。うまくいけば 3ターンかけてバイキルトより1ターン少なく3人の攻撃力を倍に出来るので、うまくいけば「いつでもすんげー使えるっす、必須っす」と言いたくもなるのも少しは理解出来ないこともないか? どうみてもこのケースは「楽観的過ぎる」と思うが、それが効くボス戦が皆無とはさすがに言わない。(つまり僧侶に余力があるほどチョロいボス戦。)

「たたかいのうた必須論」に肯定要素があるとするならば、魔王戦を含むボス戦よりはむしろ宝の地図のザコ戦での価値である。ボス戦ほどの長期戦にはならないがやたらに打たれ強いザコが多い高レベル宝の地図では、たとえば「4ターンかけるよりは2ターンで終える」くらいを狙って、僧侶であろうが総力で叩きたいことが結構頻発する。この場合、バトルマスターにバイキルトだけで済ますよりは全員攻撃狙いでたたかいのうた一回が効くこともある。まぁそんな程度。これを理由に「必須」言うのはやっぱりどうかと思う。使えないという意味ではなくて。

当たり前のことだが「あるに越したことがない」ということなら無論話は別で、大活躍させるアイディアなんぞいっくらでもある。魔法使いをパーティに入れている場合、魔法使いの呪文ダメージも最大限にしたいというのと「バイキルト」の二つのニーズが衝突するわけであり、出来るだけ最短で極大ダメージに到達させたいならば、「魔法使い以外がたたかいのうたしている間に魔法使いは魔力かくせい」みたいにすれば、物理アタッカーと呪文アタッカーによるダメージを二ターン目にはかなり大きく出来る。「やまびこのさとり」も併用出来るパーティならばさらに大ダメージを与えることが出来るようになるだろう。ゆえ、むろん「とてつもなくお役立ち」という点について否定しているわけではない。それこそ「つきのはどう」や「やいばくだき」を帳消しにするのにも使えるわけだし。単に「とりわけ最重要な3つのうち一つ」と主張されると、「それほどのもんか?」と思うだけの話。使えるよ、めっちゃ使える。

そういえば「フォースマスター」はいいとして、そもそもの「フォース」はどうなんだ、てのはある。宝の地図のボス戦・魔王戦ともに、フォース有無でかなり世界が違うので、これは「バランスブレイカー」ではないんか…とも思ったりもするのだが、ただまぁパラディンガードみたいに反則レベルの強化ではないし、「頭脳ゲーム」としての戦略性を楽しむのには面白い要素だよね、てことで…許す。で、「フォースマスター」。正直「たたかいのうた」よりも遥かに「必須」でしょう、これ。ただし本編では封印しちゃった方がいい。本編ではオーバースペック。スライムジェネラルよりも強い宝の地図ボス以降からが、「使うと面白くなる」。

同じく「たたかいのうたよりも遥かに(クリア後に)必須」は、僧侶の秘伝書(ひかりのはどう)ね。やたらにルカナンをかけてきてなおかつ攻撃力が高いムドー戦なんかではそれこそ3ターンに一回使いたくなるほど。本編でさえ非常に有用で、それこそ「呪幻師シャルマナ」でこれがあったなら、と後悔したくなるほどだろう。ちょっと強過ぎるという気もしないでもない。

「棍の秘伝書」(天地のかまえ)は好み。そもそも「棍」はビジュアルがかっこいいので好き、というのもあるのだが、「棍」そのものが盾の秘伝書を持った僧侶との相性が抜群によくて、まずスキルにより回避率が上がり、そして「ボス戦ではたまにしか攻撃できない」という僧侶の性質上、「たたかいのうた」での話で書いた通りバイキルト状態にあることもあまりオイシくない僧侶にまさに「天地のかまえ」はうってつけなのよね。「とりあえずビール」。要するに僧侶って、「攻撃しかすることがない」手持ち無沙汰になった場合の攻撃手段に素では相当欠けているので、「天地のかまえ」か「グランドネビュラ」のどちらかが候補になるわけね。

というわけで「グランドネビュラ」。回復魔力依存なので、僧侶が使うのが最も向いている、というわけだ。ただねぇ…、確かに「僧侶とは思えないほどのダメージ」には違いないのだけれど、光属性な点から「ここぞ」が案外少ないのと、肝心のボス戦では「聖なる祈り」や「おうえん」が無駄になることが多いから…、どうしても他職の最強技より見劣りするのが残念といえば残念。なので「ここぞ」以外で日常使いにする気にはなれない。MP 30 は小さくないし。

けんじゃの秘伝書(やまびこのさとり)は、不可欠とは思わないけれど、「「魔法使い」使い」のワタシには、気持ちよさを得るために不可欠な秘伝書。無論これの道のりはかなり遠い。特にアトラスの地図入手がしんどい「一人プレイ」では。ので、入手時期が早ければ早いほど結構なバランスブレイカーとなりがちなこれも、普通はそうならない、ので許す。魔王戦での「やまびこのさとり + 魔力かくせい + おうえん」で、「バトルマスターの隼隼 + バイキルト + おうえん」を完全に喰ってしまうことも多いのは内緒である。

秘伝書入手の手間が労力に全く釣り合ってないのが結構あるのは、まぁドラクエらしいちゃぁらしいのかもしれない。正直「剣の秘伝書」以外はどの道のりも無駄に険しい(というか大抵「かったるい」)が、ただどんだけかったるかろうが、これをこなす行為そのものの「達成感」はやはり楽しくて、これは従来作にはなかったわけだ。DQ7 の「移民集め」に達成感を感じる人はかなりイカれてる。けれど DQ9 のクエストは「多彩」なので、一個一個では飽きてもおかしくはないけれど、全体ではそう飽きることもあるまい。

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その他特技に関して

「オオカミアタック」「キラージャグリング」「バックダンサー呼び」を駆使しないとキツいほどの高レベル地図になってくるとより楽しくなってくる、というところだよね。これらはどいつも本編ではオーバーキル以外のナニモノでもなくて、せいぜい「キラージャグリング」がメタル狩りで活用出来るかしら、くらいのものなんだけれど、「スライムマデュラ」あたりが出だすあたりから、それこそありとあらゆることを駆使しないと、なかなか先に進めなくなってくるのよね。

ゆえ、「特技についての本当の評価は宝の地図を本格的に始めてから」ということになるわけだ。(スーパースターの秘伝書の「ゴールドシャワー」なんかもまさしく。正直 Lv90 代の「水」の地図は毎回ゴールドシャワーを使いたいくらい。)

このような、「使おうと思えば本編でも全然無理せず育成でも使えるが、本編では総じて牛刀」というものがとにかく多いのがこの作品の個性かもしれない。武器スキル・盾スキル以外で身につく職固有スキルの1/3~半分がそれで、「HP + 30」のようなもの以外の身につく特技の多くが、「クリア後に光る(というか本編では使うまでもないてこと)」。たとえば「まもりのたて」なんかまさに非常に容易に習得できてしまうが、こんなもん本編ではまず使わない。「やいばくだき」も、高レベル宝の地図でようやく日の目を見る。本編水準なら相手の攻撃力を下げてる暇があったらそれこそピンチキャラは「だいぼうぎょ」にでも頼って凌げば事足りたり、などなど。

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アイテム使い分けが本当に面白い作品だ

本編の範囲内で手に入る最強クラス武器防具、宝の地図の青宝箱から手に入る最強クラス武器防具、宝の地図ボスの2%防具、この3つを比較した場合、当然青宝箱のランクが高いほどレアだし、2% 防具は本当に入手が大変でましてやこれを最強錬金にまで持っていこうものなら、その道は果てしない。

だったら「2% 防具の最強錬金と宝の地図青宝箱ランクS武器防具で身を固めれば万事オッケー」なのかといえば、まさしくそうじゃないのが面白く。

別に「最もレアだから最も強い」「最も終盤に手に入るものだから最も強い」に該当しないものなんか、従来作でもたくさんあったわけである。まさに「使い分け」の面白さ、ということだが、この度合いが、従来作とは比較にならないほどバリエーション豊富で本当に面白い。

武器で言うと、棍、扇、短剣、弓の話が非常に面白い。

弓の場合、ランクF で「ゆうわくの弓」、ランクD で「じごくの弓(→オーディンボウ)」が手に入るわけだが、攻撃力が遥かに高い後者が「圧倒的に遥かに良い」かといえば必ずしもそうとも言えなくて、混乱耐性に穴のあるザコは高レベル宝の地図にさえたくさんいるので、与ダメージよりも被ダメージで考えた方が結果的に良いと考えられる場合は「ゆうわくの弓」の方が宝の地図探索に向いていることも多い。

棍はさらに顕著で、「オリハルこん」の攻撃力よりも「ゆめみのこん(またはその元のまどろみのこん)」の方が良いケースはこれは「滅茶苦茶多い」。「うみうしひめ」あたりは完封出来ることも多く、運が良ければアトラスすら完封出来るし、フォロボス戦もとんでもなく楽出来る。

短剣ならば、本編でさえ作れてしまう「ソウルブレイカー」のお役立ちぶりは、宝の地図のレベルが高くなるほど顕著で、そのボス戦ですら役に立つことも多い。これもアトラス、フォロボス戦でかなり楽になる。

というわけで、まぁスキルポイントにかなりの余裕が出来てからの話にはなるけれど、「ゆめみのこんx2 (で「氷結らんげき」)、ソウルブレイカーx2」なんて装備のパーティを作ると、「フォロボス戦さえも完封出来てしまう夢を見れる」ほどに、反則級に楽出来たりする。そして大事な点、「攻撃力では最強クラスのメタルキングの剣」は宝の地図青宝箱ランクA から取得出来るわけだが、攻撃力が高い(のとメタル系に強い)だけでは同じような夢は見れない、という点。(何より剣の場合は「はやぶさの剣(改)」が強すぎる。)

扇についても話は似ているが、こちらは「どちらのランクの扇も優れているが、使い道がまるで違う」ということ:

  • ランクB で手に入る「風林火山」は、「最も早く行動できて、テンションを下げれる」。
  • ランクS で手に入る「ひっさつのおうぎ(→むそうおうぎ→さいしゅうおうぎ)」は、ひっさつチャージ率が上がる。

ランクB だからヘボくてランクS だから超絶にいい、というものではなくて、正直通常戦闘なら「風林火山」の方が圧倒的にいい。そしてランクBだから「風林火山」が圧倒的に簡単に手に入る、とはなってないのもニクいというかなんというか。はっきりいって「メタスラブーツ」の方が遥かに入手難易度は低い。(ランクB だと「メガトンハンマー」あたりばかり何個も何個も入手できてしまって間違いなく辟易することになる。多分ランクBの中では「風林火山」が一番出ない。)

というわけで、軽くなぞっただけでも武器だけでもこれだけの話が出来るが、防具に関しても全く同じである。最も顕著かつ有名なのが「げんまのこて」だろう。これは最速ならグビアナに辿り着いた時点で錬金出来てしまうほど早期に手に入るが、「なのでレアなメタルキングのこての方が数億倍良い」なんてことにならないのが DQ9 的。これも使い分けであるし、そもそも「これほどまでに早期に手に入るのに、クリア後もずっとこれを全ての点で上回るものはない」。(実際問題として、「普通に強い」だけのランクA 装備(メタスラ装備)よりも、「特殊な意味で強い」ランクB アイテムの方がよっぽど活用期間が長い優れものだったりする。)

盾だって、「りんねの盾(→えいえんの盾→ウロボロスの盾)」が「どどレア」かつ「本当に強い」けれど、もちろん場合によっては本編で手に入ってしまう「みかがみの盾」が遥かに良い戦闘もある。「メタルキングの盾」についても話は同じ。レア度が高いものだけ身に着けてれば常に万全だ、なんてことにはならない。

性能差のバランスが絶妙に調整されてるよなぁと思うんだよね。

例えば2つの武器の攻撃力に、100の差があるとする。これは与ダメージで50の差になるので、よほど魅力的な特殊効果がない限りは下位の武器は選びにくいであろう。これは従来作であれば例えば「きせきのつるぎ」を採用し続けるかどうか、なんて形であらわれてた。この場合、「最大 HP 500 のキャラの一回攻撃での回復量が 12」なんて、相対的に考えて「んな回復なんぞいらん」と判断出来、逆に「最大 HP 300 のキャラの一回攻撃での回復量が 50 にもなりうる」なら、これは「きせきのつるぎより攻撃力が100高い武器」を選択しない理由にもなるだろう。

なんで DQ9 でこのバリエーションが豊富かと言うと、やはり出会う相手が多いという点と、武器の特殊効果に相性がいい特技がある、ということよね。「ゆめみのこん」であれば「氷結らんげき」、「風林火山」なら「おうぎのまい」、「ゆうわくの弓」なら「さみだれうち」、あるいは、これまでヤリの話をしなかったけれど、「デーモンスピア」と「さみだれづき」の相性はもちろん抜群。(なので実は「ソウルブレイカー」と相性のいい特技がないのだけが残念だったりする。)

宝の地図青宝箱のランクA としては「ハズレ」の「しにがみの首飾り」も、使い道がある間は滅茶苦茶大当たりで、これで作れるラッキーペンダントそのもの、あるいは「女王のてぶくろ」は、「しにがみの首飾り」が本編でも入手できることから考えると「本編水準」であるにも関わらず、まさに「未来永劫使える」ほどに役立つというのも非常に DQ9 的。

「あぶないビスチェ」はこれは、宝の地図青宝箱のランクE なので、これが出る宝の地図はかなり簡単に入手できる。普通にやってればこれをゲット出来るチャンスのある地図は、クリア後すぐにでも手に入る。「だからレアでなくてヘボい」かというと全然そんなことはなく、「風林火山」の入手難易度が高いのと同じくこれも非常に入手困難なシロモノで、なおかつこれで作れる「しんぴのビスチェ」はなんなら魔王戦でも採用出来るほど役に立つ。魔王戦とまで行かずとも、アトラスやイボイノスみたいな脳筋系のボスなら、これ以上のものはない、てほどに使える。そもそも装備可能者を選ばないのがいい。(あ、でも女尊男卑なのでご注意。)

「進めるほど、高いほどどんどん良くなる」のでないなら、このゲームのゴールってなんなんだろう、と時として思ったりもするのだけれど、ただ DQ9 はやはりこのプレイ時間の長さこそが DQ9 らしさであって、「進めるほど、高いほど選択肢が増えていく」という過程を楽しむゲームなんだろうなと思う。だって、スキルポイントが余るくらいまで進めない限り「ゆめみのこんx2 (で「氷結らんげき」)、ソウルブレイカーx2」なんて出来ないわけだしさ。

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トータルでみれば地雷が少ない作品なのかしらね

先に「時期別に見れば不満でも、全体通すと腑に落ちる」という言い方をした。これを「地雷」という見方からちょっとだけ詳しく。

無論「地雷」が皆無な作品ではなくて、「製作者が意図した地雷」としては例えば「きんのオノから始まる地雷錬金連鎖」。製作者が意図したのかどうかはわからないが結果的には完全なる地雷特技の「テンションキープ」、などなど。

まず、従来作には少なからず必ずあった、「それに就くことそのものが地雷な職業」、これは DQ9 でも「本編に限れば」ある。

個人的にはレンジャーがそうで、レンジャーに転職できるようにしてそのスキルを獲得することは非常に有意義で「全然地雷じゃない」のに、これに就いたままだとあまりの装備のヘボさで「武道家並みに」打たれ弱い。けれども、そのレンジャーでさえ、「2% 防具」だとか、宝の地図のランクC以上の防具が手に入り始めると、だんだん装備面での弱さが小さくなってくる。もちろんそこに至るまでの時間と労力は凄まじく膨大で、気分的には相当に「地雷時間が長い」という点は揺るがないのだけれども。特に頭部防具がヒドくて、なんなら「ヘッドドレス」やら「うさみみ/ねこみみ」が最強、という時間が滅茶苦茶長い。ということなのであるが、そうはいっても、である。思い出して欲しいのだが、「DQ7 魔法使いの地雷っぷり」ほどの救いのなさは、このレンジャーにすらなくて、当然本編で問題なく投入出来てストーリー進行に甚大な支障をきたすなんてことはない。「武道家」の装備の弱さも同程度にヒドいけれど、同じく「これに就いたら最後、ストーリーを止めないと危険なので…」なんてことはない。

スーパースターでさえ「旅芸人の一部上位互換、一部下位互換」という性質上、「思ったほど使えないもんではない」。特に装備が結構優秀なのが大きい。たまーにバギクロスも役に立たないでもなくて、ヘコい相手ばかりの宝の地図では結構ありがたかったりもする。

魔法戦士はスキルの「フォース」以外には用はないのでは、というくらいに、その職に就き続けることそのものがさして嬉しい職ではないものの、同じく「地雷と言えるほどにヒドい」と言えるようなものではなく、実際「物理アタッカー」として結構頼りになる。力も結構強いし MP も高いので、高威力の特技を結構連発出来るからである。なんなら「常に「MP つかうな」にしてないと使い物にならんバトルマスター」なんぞよりも、時期によっては遥かにダメージソースとしてデカくもなる。

同じく職について言えば、「本編、低レベル宝の地図、高レベル宝の地図、低レベル魔王、高レベル魔王」の5つのフェーズ各々で職の評価が刻々と変わる、というのが大変興味深いところ。たとえば上で例にしたレンジャーだが、その異様な器用さの高さから、実際宝の地図探索に大変適している。反面やはり魔王戦では「旅芸人と同程度の器用貧乏さと旅芸人より遥かに劣る装備」な面から、「ベホイムがあるので旅芸人よりマシ」と思うかどうかだけにかかっている。普通は「ベホイムだけのために」が理由で魔王戦で「旅芸人より遥かに良い」ということにはならない。

DQ8 からの理解から入ると「地雷に決まっているさ」と思いがちなのは間違いなく以下2つがトップツー:

  • 短剣スキル
  • 素手スキル

短剣スキルは本編では確かに「間違いなくほぼ地雷」と言っても良いほどに地雷なのである。これは従来作での地雷理由と概ね共通で、「攻撃力が高い武器が少なく、特技もショボい」からだ。特技がショボいというのは要するに「使い道があまりに限定的」なものばかりだ、てことだったり、あるいは「威力があまりにショボい」てこと。「もうどく」の仕様が DQ7 のものからは大幅に劣化しているので、敵から喰らっても「措置する必要性をまったく感じない」ほどなので、味方が使う場合もご察し。もうどくだけで死ぬには一体何ターンかかる? (DQ7 では措置しなければ5ターン以内に確実に死ねた。DQ9 は多分 10 ターンかけても死なない。) ゆえに「ポイズンダガー」はまったく使い物にならない。「タナトスハント」「ヒュプノスハント」も、使いどころに乏しいというよりは、「普通はそれとは逆の発想をする」がゆえに使「わ」ない。あれだよ、「なんで無害な相手から先に倒そうとすんのさ」てことよ。これが嬉しいケースは相当に限られていて、なので「AI 任せで自由にやらせる」際にようやくお目にかかる程度のもので、そしてそれをされたら間違いなくイラっとすることだろう。「そっちじゃねーだろ」と。(寝てる相手を真っ先に大ダメージでぶっ殺すということはまず考えないのであって、考えるとすれば「相手が全員寝てる」とか「その寝てる一体しか残ってない」という幸運過ぎるケースだけ。) そしてキラーブーンだが「そもそも虫系が少ない」てことですわ、本編は。(サンマロウ編だけですわね、使えるのは。)

ということなのだが、これが上述の「ソウルブレイカー(あるいはその下位のソードブレイカー)が役に立つほどの相手が多発する」時期になると話が全く違ってくる。これは非常に頼りにもなるし、高ランクの宝の地図宝箱から入手出来る「こがらしのタガー」「サウザンドダガー」が手に入った日には、これはもうはっきりと「地雷返上」確定となる。また、虫系の意外なものとしてはテンツク系がいて、お供が危険だとめっちゃヤバい「ラストテンツク」相手にキラーブーンを使うといいかもしれない(AI は勝手に使ってくれる)。見た目どおりなのはもちろん「ボーンスパイダ」「デスタランチュラ」。ヒュプノスハントも、一部宝の地図ボスが眠りに弱いなど、実は使いどころは探せば結構ある。「うみうしひめ」「クラウンヘッド」あたりなら、「ゆめみのこん + 氷結らんげき + ヒュプノスハント」も結構有効。とはいえ「うみうしひめ」「クラウンヘッド」の場合は他に大ダメージを与える術があるならそちらを優先するわけで、なので「ソウルブレイカーを持ちっぱなし」にしたいような地図でないなら、「あえて短剣に持ち替えて」までするようなことではなかろう。

素手スキルは、実際は特技は非常に魅力的なのだが、だからといって「本編水準で最強」とは絶対になりえないのはもちろん「武器を持ってないから」だ。そらそーだ。ゆえに、「本編で強いパーティ」を作る際には普通は選択肢に入れない。

けれどもこの素手スキルも、「比較的高めの宝の地図探索」で、「主人公以外」に習得させておくと滅茶苦茶楽出来る。つまり「ある意味では「MP つかうな」における最強」だから。階層が深くなるほど超絶に厳しくなるような宝の地図において、浅い階で「素手の AI 「MP つかうな」任せ」にしておくと、消耗することなく MP を大量に使いがちな深い階層に辿り着ける。そもそもが「ばくれつけん」も「かまいたち」も消費 MP0 なのはこれは「反則」レベル。なんかズルい。さすがに「最強レベル」の宝の地図ザコ(やボス)を相手にするのに「素手しばり」にこだわる理由は全然なくて、そこでは武器を持ったほうがいいことが多い。ゆえ、「スキルポイントが余る」くらいやり込んでからはじめてこれに振るのが吉だし、なので他の武器でも存分に強い、わけであろう。(例えばワタシは戦士キャラと魔法使いキャラに習得させたが、前者なら当然「メインは剣」、後者なら「メインは杖(と余裕があればムチも)」、これに対する「プラスアルファ」としての素手、に過ぎない、てこと。)

ハンマーは上級者向けというかね。地雷というよりは。

わかりにくいのはブーメランで、従来作からの流れで考えれば「序盤でのみ光る」というのがブーメランなのだが、DQ9 の場合はまさにその「序盤は誰もブーメランを装備出来ない」がために、レンジャーに転職出来るようになる中盤は既に「弓矢でええんちゃうかぁ」となっちゃってて、まぁまさしく「序盤から中盤ですら本編では地雷」という点で、ちょっとだけ従来作とは違う。(弓矢はそもそも非常に優秀なので、二択なら弓矢を選ぶべき、本編では。秘伝書もなかなか凄まじいので。) そして、結局のところは短剣スキルなんかと同じで、高ランクの宝の地図宝箱から最強ブーメランが入手出来たらこれはもう全然地雷じゃないわけなのだわよ。(ペンタグラム系は悪魔系に特効。) 魔法使いを採用しないスタイルの場合、高レベル宝の地図探索時に結構全体攻撃に困ることが多く、例えば魔法使いならマヒャドだのメラガイアーだので一気に殲滅出来るところを、弓使いが「仕方なくシャイニングボウ」するなんてことが多くなったりするのね。そうしたスタイルでのプレイならば、ブーメランも「二つ目以降の武器スキル」として全然悪くないし、そうした「最強ブーメラン」が手に入ればなおさら。

ツメは全然地雷じゃないと思うよ。個人的に「ビジュアルがかっちょ悪い」ので嫌い(特にドリル系)だけど、「「MP つかうな」は心の友」であるタイプのプレイヤーなら特に。

武器スキルに関しては概ねこんな感じで、あとは装備や錬金か。

錬金有無に関わらず「地雷装備」は無論「相当多い」。「きんのオノ」に限らず。「きんのオノ」は「買えるものをわざわざ貴重過ぎる素材で作るのけ?」という意味合いが強い地雷なのだが、そうではなく「時間の無駄」というタイプの錬金は例えば「たまはがねの~」を「出来るだけ全部作る」と考えるならば「時間の無駄」ということは、最低でも一回クリアまでこなしてみればわかる。特に「盾」以外の防具はリアルタイムで活用するつもりなら全部無駄。盾さえももっと良い防具にすぐに更新出来てしまうこともあるが、そもそも盾以外は「少し硬くなるだけな上に硬いだけ」だから。つまり強化がショボいという点だけでなく「元となる素材が元から持っている耐性」だけの価値の差。すなわち「てつの盾そのものに価値を見出していて、なおかつ素材が余っているならば、たまはがねの盾くらいは「作っても良い」」という結構消極的な理由により「盾だけ」で、基本的には「たまはがね~」は武器優先で考えたほうが良い、ということは色んな場所で説明されている。実際素材が貴重というよりかはまさに「時間が本当にもったいない」。(「もうぎゅうヘルム」まで見据えるなら「たまはがねのかぶと」は有用だけれど、別に「もうぎゅうヘルム」を作れる時点になってから慌てて作るのでも全然問題ない。)

「女神の盾」は人によっては地雷に感じるかもしれない。かなりのリアル運、もしくは「すれ違い通信の大活用」如何によっては、「うがぁ、女神の指輪がもったいなかったぁ」となりかねない。オーガシールド、ロトの盾の2つが早々(といってもクリア前後)に手に入っており、残りが「みかがみの盾」ならば、あとは「メタルキングの盾」なんぞが手に入っちゃったらおそらく「女神の盾」は「うぅ、なんかもういらなくないか?」。「りんねの盾」系は非常に入手しづらいけれど、それでもリアル運さえ発揮できればさくっと手に入ってしまうこともある。こうなるとほんとに「女神の盾」は早々にお役ご免になる。

「女神の盾」の一番の問題は、その素材となる「はめつの盾」が、確実に手に入る一つ以外は宝の地図のランクC 宝箱からしか手に入らず、これが「ランクA のメタスラの盾」よりも遥かに出現確率が低い、ということだったりする。なぜなら「はめつの盾」はランクC 宝箱のおそらく「最上級」に設定されていて、「ランクA のメタスラの盾」はそうではないため。ランクC ならきっとあなたは「しわよせのくつ」コレクターになれる。ランクA の場合は、これは個人的には滅茶苦茶嬉しいことだが「しにがみの首かざり」コレクターになれる確率が高いが、メタスラ系は経験的には確率は同程度なんじゃなかろうかという気がしている。(「しにがみの首かざり」以外はほぼ同確率なのでは、てこと。) もちろんパンドラボックスと闘うのはミミックと闘うのとはわけが違うし、ランクA 宝箱が出現するのはかなりの高レベル地図なので、ランクA 宝箱が出現しない時間が長くて延々トライしてればきっと「はめつの盾」は手に入るのだろうけれど、個人的に「メタスラの盾」よりも先にランク C から「はめつの盾」を入手出来たためしがない。(人数分メタルキングの盾を錬金出来たあと何週間も経ってからやっと出た、みたいな残念な経験ばかりである。)

「錬金」で忘れないようにしないとと毎度思うのが、紛らわしい「ドクロの指輪 vs しにがみの首飾り」「サタンヘルム vs ドクロのかぶと」に関するもので、特に本編クリア前は「せいじゃのはい」が滅茶苦茶貴重なので、これらを間違うと非常にもったいないことになる。どれも有用なものにはなるのだけれど、優先度は全く違って、「ソーサリーリングよりはラッキーペンダント」だし、「グレートヘルムよりは太陽のかんむり(→アポロンのかんむり)」である。

そういうわけで「時間と素材とゴールドの無駄遣いになる」という意味から考えた場合の地雷は非常に多いわけなのだけれども、これらに関する救いは実は意外なところにあったりする。というのも、DQ9 装備・装飾品の効果は「わかりやすい」のだ、比較的。従来作のような曖昧な表現ばかりで攻略サイトやらの情報を参照しないと得したのか損したのかが捉えにくいのからは結構進化していて、「軽減率」系の数値以外はちゃんと「見ただけでわかる」ようになっているので、「装備してみたら思ったほど効果がなかった」みたいなことはそんなには多くはないので、錬金であれば「時間損したっ!」以上のものではあんまりないし、購入の際も「買ってみないとわからない」わけではないので。全く価値がないことに気がつかないまま装備し続けるということが、従来作よりは少し少なかろう、てこと。それに結局はこの作品はあんまり金欠にはならない(※)ので、多少なら無駄な買い物をしても割とすぐにリカバリ出来ちゃう、ということでもある。また、素材を無駄にしてしまった場合でも、相当な時間と根気さえかければほぼ全てにおいて必ずリカバリは出来るというのも、まぁ救いだと思う。一品ものが結構少ないのよね。(ロト系装備くらいか、はっきりと一品ものは。)

結局のところは DQ9 の本質的には地雷が少ない理由は、「本編、低レベル宝の地図、高レベル宝の地図、低レベル魔王、高レベル魔王」という、長時間かつ全く性質の異なる5つのフェーズを遊ぶから、なのだろうなぁと思う。「設計に含まれる地雷」であるところの「きんのオノ」だって、やり込んでくうちに素材が腐るほど手に入るので「レシピコンプリート」を平気でやりたくなるし出来るもん。(ちなみにワタシの魔王 Lv40 代中盤まで遊んだ周回のプレイ時間は 400 時間以上。)

※念のため。「あまり金欠にならない」かどうかはプレイスタイルにもよる。やたらに金欠になるプレイヤーは、「すれ違い通信」(と「中断即開けなどの裏技」)を活用し過ぎているプレイヤー。そうではなく全部自力でやりたい(or やらなければならない)プレイヤーはとかく必要なものを揃えるために経る戦闘回数が多いので、金欠どころか「超金満」に自然になる。

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ヘンタイパーティが強かったり弱かったり

上で

「本編、低レベル宝の地図、高レベル宝の地図、低レベル魔王、高レベル魔王」の5つのフェーズ各々で職の評価が刻々と変わる

という言い方をしたので、その一例。

ワタシの魔王戦向け本命パーティは「旅芸人(主人公)、戦士(or バトルマスター)、僧侶、魔法使い」なのだが、スキルポイント稼ぎ等々のための裏パーティでこんなヘンタイパーティになった:

  • 主人公の裏の「ぶとうか」Lv59
  • 戦士本命キャラの裏の「そうりょ」Lv56
  • 僧侶本命キャラの裏の「とうぞく」Lv59
  • 魔法使い本命キャラの裏の「スーパースター」Lv56

肉弾系としても呪文系としても中途半端というかヘボい構成なのは見ただけでわかると思うけれど、ワタシのスタイルの場合でこれがとりわけ問題なのは、「戦士キャラの回復魔力・MPをあげるなんて、高レベル魔王戦になるまでは必要なハズないじゃん」、つまり「必要と思うまでは過激なパンプアップを避けている」「本命職の役割にそぐわないスキル取得を控えている」ために:

  • ぶとうかなのに力底上げは穏健
    • 「きあい」にくっついてきたヤツくらい。
    • 主人公をサポートに立ち回らせるスタイルなので素早さを重視している、ので。
  • 僧侶なのに回復魔力・MP底上げは皆無
    • これ、皆無は皆無。本当にゼロ。
  • スーパースターはそもそもがアレだ

なんてことになっているわけである。で、この裏パーティのゴールは「錬金大成功関連で主人公ぶとうかを Lv99 にすること」「スーパールーレット専門パーティのためにとうぞくLv99を育てること」(ほかの2キャラは付き合い)なので、とにかくレベルを上げたいわけだ。

こんなにヘンタイパーティなのに、高レベル宝の地図ですら「はくあいマスターなんか全然お呼びじゃない」ほどにランクSモンスターにも苦もなく勝てる。ボスもグレイナル以外なら「正統派パーティ」と格段に差がつくわけでもなく、さしたるストレスは感じない。これは武器スキルはとりまくっているし、別に「一切のパンプアップをしていない」わけではなく、地図のレベルが上がってきて必要に感じたら少しずつムキムキにはしてきているから。無論「理想ではない」というのは常に感じるのではあるけれども。だから宝の地図探索については、「全員とうぞく」みたいに本当にヘンチクリンなパーティにならない限り、つまりは「パンプアップなしの素の僧侶でさえ、いれば十分」なわけだ。

ゆえ、「この裏パーティのレベル上げ」は宝の地図探索そのものを活用できるわけなのだが、同じように「魔王戦を繰り返してオーブを集める(がてらレベル上げ)」作業にまでこのヘンタイパーティを使おうとするととんでもないことになる。魔王にもよるが少なくともドルマゲス Lv16 なんて「正統派パーティ」にとってみれば相当チョロいレベルだが、この「レベルだけはそこそこ」なヘンタイパーティ、Lv16 ドルマゲス相手に高確率で全滅する。Lv16 に育てたワタシの魔王戦向け本命パーティのレベルは平均49だと言うのに。無論その本命パーティはドルマゲスLv16に育てる過程で一度も全滅していない(最大でも戦闘内でのべ2人死亡)。

実際敗因を検討すると:

  • 「主人公をサポートに立ち回らせるスタイル」と「主人公ぶとうかがエースアタッカー職(しかも事実上唯一の本職物理アタッカー)」という構成が完全にミスマッチ。
  • 僧侶の回復魔力の低さのせいで、エグい全体攻撃後のリカバリが不十分に終わる。

というのが主なものかなと思うが、ほかに秘伝書だとか装備だとかを(転職を繰り返す際に手間になって面倒だからという理由で)「本命パーティ」での最適に合わせたままにしてる、ってのも多少ある。

なんというかこういうパーティ構成による格差をとっかえひっかえ簡単に切り替えて楽しむことが出来る、ってのもこの作品の魅力の一つ、てことなのかなと思う。ほんと、余りに違ってビックリする。(こういう格差を楽しむ場合「周回プレイ」でしか出来ない作品も多いし、転職出来る作品でもここまで出会う相手は多彩じゃない。)

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結論

総じて不満の少ない作品。無論「一つしかセーブデータを持てない」という致命的な不満はあるけれど、一人で遊ぶならまぁ許容出来なくもないしね。

そしてとても好きな作品。7~9 をそれぞれ一言で表すなら:

  • DQ7 は「大嫌い + 大好き = 大好き」(大嫌いを大きく上回る大好き)
  • DQ8 は「そうでもない + 好き = どうでもいい」(物足りなさの致命傷、シナリオのあんまりさ)
  • DQ9 は「好き + 大好き = 大好き」(システム・バランスの良さとシナリオのキレイさ)

こんな感じね。

DQ7 と DQ9 のどっちが好きか、という問いは難しい。いわばタイプとして正反対の作品なので、各々全く異なる魅力があって、単純比較は出来ないわけであるし。「同じくらい大好き」とでも言っとく?

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Dragon Quest 9 小ネタ

個人的なメモがてら。

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反射か軽減か

DQ7 までの「反射」はとにかくほぼ地雷で、特に呪文反射系は「味方の回復・補助呪文まで反射してしまう」のが問題すぎて、ほとんど使いどころがなかったし、物理ダメージ反射も反射率がヘボ過ぎて、戦闘時間短縮に一切貢献してこなかったわけだね。

物理ダメージ反射系は防具も特技もともに「相変わらず」で全く使い物にならない点については DQ9 でも踏襲されている。けれども「マホカンタ」の仕様が変更されて味方の呪文を跳ね返さなくなり、呪文反射系防具もこれに準拠するようになったため、検討する余地が大幅に増えた、というわけだ。

じゃぁそれなら使えるのか、て話。

個人的には DQ9 での「光のドレス」「リフレクトアーマー」を装備した戦闘が好きで、主に以下で使える:

  • こちらがある程度強くなってからの「イデアラゴン」戦。
  • 「邪眼皇帝アウルート」戦。
  • ある程度のレベルまでの「バラモス」戦。

判断力が高い敵は「マホカンタ」「ミラーシールド」に対しては個別の反応をするのに、「反射防具」については無頓着なようで、呪文攻撃しか出来ないアウルートを除いても、こうした装備で呪文を控えたりはしないらしい。

いずれのケースでも誰か一人だけ装備して挑むのでは全然面白くはなくて、これをする場合は「全員が」装備して挑む。反射「確率」がそう高くはないので、最善でも3人が反射する程度のものでしかないのだが、アウルート戦なら暴走バギマ3人反射で400くらいのダメージを与えることが可能で、なにせ「寝てても戦力になる」。バラモスも「メラガイアー」を反射出来れば超絶に爽快だけれども、このクラスになったらさすがに軽減(もしくは本物のマホカンタやミラーシールド)を考慮した方がいいだろうね。

リアル運によるので、全然反射せずに戦闘時間がほとんど短くならないケースも多い一方で、非常に運がいいと3倍以上早く戦闘終了出来たりもする。呪文攻撃しかないアウルート戦が最も顕著。「イデアラゴン」は初めて出会う頃なら(クリア直後くらいに出会えたなら)多分これはやめたほうがよくて、この場合は普通に軽減を考えたほうがいい。こいつは呪文だけではないし、結構頻繁に「テンション20、50からのイオナズン、マヒャド」なんてのにお目にかかるので。こんなエグいパターンへの対抗措置(テンション下げ手段とか)を手にしてからにしよう。

いずれにせよ反射出来なかった場合にフルダメージを喰らうことになるので、一定以上の HP は必要だし、アウルートの暴走バギマみたいなのから容易に回復出来るだけの手段(確実なのは僧侶・賢者のベホマラー)は不可欠。

なお、ある程度こちらが強くなっちゃってからなら、装備替えが面倒だからとそのまま反射装備身に着けたまま「スライムジェネラル」と戦闘しちゃうにもまぁ効かないこともない。「スライムジェネラルのために」やるようなことではないんだけれど、「ほしのかけら」つまり「呪力のもと」ゲットがルーティンワークになる期間が人によっては結構長いと思うので、こうした場合に、「アウルート戦から帰ってきた直後」に「いつものように」スライムジェネラルを叩く、なんて際にいちいち装備し直すのも面倒だったりするわけで。ハヌマーンの「はげしいほのお」みたいに毎ターン「イオナズン」してくるようなヤツじゃないから「効果的」なんてことは当然ないんだけれど、それこそ「運よく全員反射」なんて幸運が起こると戦闘がいつもより圧倒的に早く終わる。

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経験値稼ぎ場所

クリア後

豊富に宝の地図が手に入っている時期はこんなネタは必要ない。こういうことを考える必要があるのは主としてクリア直後で、なおかつ「すれ違い通信を活用できないプレイヤー」であろう。

また、「なぜ経験値を稼ぐ必要があるのか」についても、これは本編とは多分性質が異なるものだろうという点は留意しておく必要がある。従来作のノリだとこれは「裏ダン・裏ボスに対抗するために強くなる」というだけのことだったろうし、そうでないなら「単に無双好き」ということだが、DQ9 の場合は上述したことも含め:

  • 魔王の地図のため (これは従来作までのノリと同じ)
  • レベルの高い宝の地図をゲットする確率を増やすため (これが従来作と違う)

ということであり、とりわけ後者がワタシには大問題で。すなわち「かったるいヘボくてチョロくて弱過ぎるザコ戦を延々繰り返すなんて飽きるに決まってるじゃないか」と。「相手が強いから自分も強くなりたい」というのが自然だし面白いが、「強い相手に出会うために弱い相手戦を繰り返して強くなる」という作業ゲー感がたまらなくキツいのだね。

こうしたネタではほとんどの安直な攻略サイトが「スライムの森」を薦めるわけだが、いろんな理由でこれはお奨め出来ないし個人的にこれは大嫌いである。まず普通のプレイヤー向けにお奨め出来ない理由としては「メタル系のお供が最悪」という点だ。はぐれメタルのシンボルに苦労して接触した挙句に、お供がベホマスライムの大群で…、つまりこの状況に十分措置出来るほど強くなっていない限り、まず経験値を効率よく稼ぐ場所になんかなりえない。のみならず、「スキルポイントを稼ぐために裏パーティを作って低いレベルでスライムの森で稼ぐ」なんてことを試みてみれば、まず間違いなくベホマスライムの大群に全滅させられる。こちらの身の守りが低いとベホマスライムは強烈に強い。

それだけではない。これは DQ7 の世界封印後のクレージュにも共通することだが、「メタル系以外もすべてスライム系である」ことこそが大問題なわけだ。つまり「まさに博打」であって、「一気に莫大な経験値 or (ほぼ)ナッシング」なのだ。メタル系にエンカウント出来なければ、一回戦闘あたり「経験値+4を獲得したっっっ! おめでとう!」祭りなわけである。そもそもそういう「効率よく大量に稼ぎたい」時期に「通常メタルスライムx5」で「わーいわーい」言ってるならよっぽど頭イカれてる。こんな経験値くらいなら、後述のあの場所…、の方が遥かに効率良く稼げる。

原則としてスライムの森は、「一定以上強くなってから」使う場所、と考えた方がいいし、そうだとしても決して最適な場所ではない、ということは言っておく。最低でも「メタスラx5」を1ターンキル出来るくらい強くないと全然効率良くない。唯一ここがお勧め出来るケースは、クリア後に職業クエスト・武器クエストのいくつかをこなしたい場合である。魔法戦士のクエストをいまさらのクリア後にこなすつもりならば、ここは通常メタスラならかなり出没し、「ふういんのほこら」の何十倍(何百倍?)も効率がいい。通常メタスラが出没する宝の地図はないため、はっきりいってここしかない。(対して、「扇」のクエストではぐれメタルを相手にしたい場合は微妙で、こちらは「一回でいい」のが救いなものの、かなり運が悪いと2時間以上これをこなすのにかかることがある。1時間あたりたった5回しか出会えず、9度失敗して10度目で、という具合。運がいいと一瞬なんだけどねぇ、こればっかりは…。出没率を考えたら「扇」のコレもスライムの森は最善の場所ではない。)

となれば次の候補は言うまでもなく「バラモス」だ。だ? と言いたいところだが「クリア直後」という状況を踏まえるならばこれは非常に大変で、ワタシは Lv1 バラモスを48 ターンかけて撃破した。しかも最後の20ターン以上を主人公と僧侶だけが生き残って「天地のかまえ」だけで勝つ、という。到底「効率良く経験値を稼ぐ」という目的にそぐうわけがなく。ゆえにこれも多少強くなってからの選択肢であろう。

実際エンカウントする確率も込みで考えた場合、メタルスライムならば一人あたり200以上の経験値をもらえる戦闘が出来るなら「メタスラいらない」のはわかるね? (エンカウント出来る確率がほかの1/5だとした(最良過ぎる楽観的な計算の)場合。) なのでこれはまさに「ほとんどどこでもいい」。はぐメタの場合、一人当たり一回戦闘で1000以上もらえる場所なら普通は「はぐメタいらない」。メタルキングでも1000程度。確かに「たった1回の戦闘と30回以上の戦闘の経験値が同じ」ということなら「一回戦闘で」がうれしいに決まってる、と言うのは事実だが、宝の地図がほとんど手に入っていない状態で「30回に1回はメタルキングに出会える」場所なんかどこにもなく、はぐれメタルですら「15回に一回出会えるなら十二分に大幸運」である。まさにこれは「スライムの森」に行って闘ってみればわかる。

最初の「メタスラいらない」を満足する場所はそれこそ「エルシオン学院」周辺が既にそうで、なので「スキルポイントを稼ぐための裏パーティ」の最初の稼ぎ場所候補は大抵ここになる。パーティ構成によっては Lv1 はここは危険なので「ベクセリア < ダーマ < サンマロウ」あたりを使う必要があることもあるが。「エルシオン学院」が物足りなくなってきたら、「ドミール火山」に行けばいい。このルーティンは「メタスラ、はぐメタ」狙いでスライムの森に行くより遥かに効率的で「安全」だ。

対して、「本命パーティ」(つまり本編クリアパーティもしくは魔王戦の本命パーティ)が既にクリアレベルに到達しているならば、これは当然「ドミール火山」ではあまりにも物足りないので、普通は以下3つを繰り返す:

  • 閉ざされた牢獄
  • 絶望と憎悪の迷宮
  • アルマの塔

ただ「アルマの塔」以外は基本的に「まさにクリア時レベル」なので、下手すれば「既に飽きている」し物足りないので、どうしても「アルマの塔」中心になるんじゃないだろうか。「絶望と憎悪の迷宮」では堕天使エルギオスと再戦出来、経験値ももらえるけれど、効率は良くないだろう。

アルマの塔はクリア直後や「まだ弱い裏パーティ」向けには厳し過ぎる。凶悪なのは「強化版突げきホーン、ライノキング」で、本命以外のパーティで安直に挑むとこいつらに全滅させられることも多い。(ギガントドラゴン強化版も強いがライノキング集団ほどは印象は強くない。)が、まさにこの「ライノキング集団」そのものこそが「効率的に経験値を稼ぐ」まさにカモで、こいつらを簡単に倒せるくらいになってくると、「一回戦闘あたり一人+3000」くらいゲット出来てしまうのが滅茶苦茶オイシイ。こうなってくるともう「苦労してメタキンに接触する苦労」なんてかける気がしなくなる。

なので基本的に「アルマの塔ばかり使う」ということになる…、のだが、リセット後再開してランクA 宝箱も狙う初回はいいのだが、さすがに「ずっと長居して稼ぎ続ける」ならば、もちろん猛烈に飽きるし、一定レベルを超えてくるとここですら物足りなくなってくるだろう。「ヘルバトラー」から「あくまのタトゥー」を狙う、「ヘルクラウダー」から「まりょくのたね」を狙う、という目的がある場合はいいのだが、ほかに目的がなくなると、さすがにあまり長居する気はなくなる。

それら3つ以外で結果的によく使うことになるのは「魔獣の洞窟」で、無論ランクA宝箱狙いと(けんじゃのせいすいが欠けている場合の)「シスターのざんげ」が目的で、はぐれメタルも少なくともスライムの森よりは出会えるので、「ついでに稼ぐ」場所としては比較的効率は悪くない。はぐメタ以外の経験値は大したことはない場所だけれど、ここは「ひかりの石」狙いで「おどる宝石」も狩れるし、「シスターのざんげ」のためには結果的に「よごれたほうたい」もたまるし、狙って取れるものではないが「ギガントヒルズ」は「きんかい」をドロップし、個人的に3度経験がある(どれも一切粘ってない)。「あやかしそう」が不足しているならリビングスタチューから狙うのもアリ。というわけで、「魔獣の洞窟」にはワタシは結構長居していることが多い。

裏パーティ育て時にもうひとつ候補になりがちなのは「グビアナ地下水道」で、ここはランクB青宝箱と、「悪魔のタトゥー」「よごれたほうたい」収集がてら、という目的で利用しやすい。経験値は全然だが、「魔獣の洞窟」にまだ行ける実力がないパーティの場合に候補にしてる、ワタシは。

実際これでも存分に飽きるので、ほかに考えるのは:

  • 「お願い天使さま」で手に入った「黒竜丸」を撃破する。
  • これで低レベル地図は手に入るので…:
    • 「ハヌマーン」程度ならすぐに「簡単に撃破出来る」水準になるので、それこそ10回と言わず闘う。
    • 「ハヌマーン」2% 防具は「むてきのズボン」で、これはデスピサロ戦で役に立つとも考えられる。
      • ちなみに「むてきのズボン」は最強錬金で「ぜったいのズボン」までいければ「眠り、麻痺、即死、幻惑耐性、守備力+30、攻撃魔力と回復魔力+15」。
      • ほんとに魔王戦だとデスピサロ戦でくらいしか使わないけれど、高レベル宝の地図の探索では結構な安心感になる。
      • とはいえ最強錬金までの道のりは「パープルオーブ≒ドルマゲス」から始まる超絶に長いものだけれども。
    • 繰り返してれば「スライムジェネラル」にも簡単に勝てるようになる。
    • ので「呪力のモト」ゲット(つまり「ほしのカケラ」ゲット)を繰り返す。

ここいらのルーチンはもう、Lv40代の宝の地図が得られるまではひたすらの繰り返しという感じになるに違いない。Lv40代ならアトラスやブラッドナイトにも普通に出会えるので、出会ってすぐは「繰り返して闘う」ことは簡単には出来ないであろうが、このレベルなら「多少は繰り返して潜ってオイシイ青宝箱」もチラホラ出るので、この繰り返しで少しは経験値稼ぎに使える。(このくらいだと青宝箱のランクは最良でも D で、普通は「良くてランク E」。ランクE からは「あぶないビスチェ」を狙うことになる。ランク D なら「じごくの弓」「あくまのムチ」で、これは Lv40 代なら割と出るし、モンスターランクが高めであれば Lv30 代でも出る。)

あぁ、言い忘れてたが無論「クエストを活用する」のは無論正解で、グビアナでは結構繰り返すことが出来るクエストを受注出来るので、それをゴールに稼ぐと気分がいい。今ワタシが中心に書いてるのは、そうした「クエストを活用する」をやり切ってしまった場合の話ね。いくら繰り返せるクエストだって、何度もやってりゃ飽きるだろ、そりゃ。

こうやって「すれ違い通信」なしで自力でやってると、Lv40 代地図を超える地図が得られない期間、Lv70 代地図を超える地図が得られない期間、が非常に長期間になる。具体的には Lv40 代地図はクリア直後すぐに手に入るのに、Lv50 が全く手に入らない期間が主人公が Lv50 を大きく超えるまで続き、ここで一気に Lv50 代と Lv60 代が揃うのに主人公 Lv60 を超えるまでずっと Lv70 代地図が手に入らず、主人公が Lv89 になってもまだ Lv80 代地図が手に入らない、という具合。実際「『(最大の職のLv+最大転生回数×5+潜った地図のLv)×±0.90~1.10』に基づいて地図のLvが設定される」とドラクエ wiki で解説されているのだが、「基づいてどうするんだよ」てことである。計算式は「基づくモト」についての説明しかしてないのであって、この計算結果を「どう使って、設定レベルがどうはじき出されるのか」は全くわからない。だから「Lv89 になったんだから Lv80 代の地図が手に入って然るべきでしょう?」といくら思ってみたところで、手に入らないものは手に入らない。確かに主人公のレベルが上がるほど「最低レベル」が上がることだけは実感は出来るのだけれどもね。

ちなみに Lv97 だろうが Lv80 代が手に入らないときは手に入らない。Lv99 だろうが同じ。ただし、「形容詞部分」(「はかなき」など)と「名詞部分」(「星々の」など)は、良い(高い)ものが主人公レベルに応じて出やすくなっていく。このため「地図レベルの最高」は出しにくくても、「宝の地図全ボスコンプリート」もしくは「グレイナル以外の全ボス」は先に到達しやすく、また、B、A ランクのザコくらいになら比較的すぐに出会える。

(モンスターランク、青宝箱の両方の) S ランクはやはり Lv70 代までではまずお目にかかれない。一応「とどろく光の世界 Lv61」という S ランクの入手経験があるが、これは順番にレベルが上がっていって取得したものではなく、先に Lv70 代以降の地図が簡単に入手できるレベルになった後に入手したものである。つまり「世界・奈落」といった、階数の多いものというのもやはり、「基づくモト」が高くならないと簡単には入手は出来ない。

一応「転生しなくても最高レベルの宝の地図入手は可能」と説明はされているけれども、経験上やはり転生してしまった方が遥かに入手しやすい。というより相当のリアル運がないと転生なしで S ランクは手に出来ない。

宝の地図だけで効率的に稼げるようになる、最善のものは「低層階からはぐれメタル・メタルキングが出る火山の地図」を手にしてから。はぐメタ、メタキンともに、出るのは火山だけではないが、ともにお供がエグくなくて、一番楽。例えば水の地図の「メタキン + うみうしひめ」なんかかなり鬱陶しくて、当然メタキンから倒せば即座にザオリクが飛んでくるので、かなりウザい。はぐメタだって、遺跡の地図なら大抵お供はあのにっくき(ベホマラー使いでもある)スライムマデュラである。自力取得しかやったことがないが、ひとつだけ、遺跡の地図の「はぐメタオンリーフロア」の地図を持ってる。が、そんななので全然効率的に稼げる地図じゃない。火山の方のお供は結構楽。Lv50 代なら 1F からはぐメタが出る火山の地図はある。もっと高レベルになれば 1F からメタキンが出るが、これは S ランクの地図クラスで、こうなると最下層では最強ランクのザコが出没する…、ので、今の話題にはそぐわない、よね、「そこに至りたくてレベル上げしたい」話ですもの。この場合は「「放たれし、けだかき、わななく」「残された」「見えざる、あらぶる、とどろく、大いなる」」といった、低層階モンスターレベルが高い地図の最下層に期待することになるが、まぁかなり粘らないと出ない、そういうのは。(火山の出現確率が 10% なので。もちろん「うみうしひめ」を問題なくサバけるようになってからなら、水の地図のメタキンもそう非効率でもなくなるので、あまりに火山の目的のが出ないようであれば、活用すればいい。さすがに出現率が「ス○イムの森」の比ではなく、圧倒的に稼げるのは確かなので。)

なので、そういう「停滞期」はほんとにヘコたれるわけよ、飽きるし、飽きるし、ほんとに飽きる。上述の色んな場所を気分によって切り替えて飽きないように工夫しながら「耐える」わけだけれども、それでもどうしても新鮮さがなくてどうしようもない気分になることがある。こうした場合たまに「アギロホイッスルでしか行けない高台・孤島巡り」をするといいかなぁと思う。特にお気に入りは「アイスバリーかいがん」にある孤島(クエスト「しかばねのきおく」でお世話になる場所)。ここのモンスターで得られる経験値はクリアレベルそのものなのだが、ナイトキングが結構徒党を組んで現れるという、ほかの場所での登場パターンとは少し違う現れ方をするので、一回戦闘で割と「効率的に稼げている気分」にはなれる。「しんこうのたね」狙いでワイトキングを狩るのもいいし、そのナイトキングはかなりの低確率で「ドクロのかぶと」をドロップする(通常枠は「ダークシールド」)ので、「あわよくば」狙うのもいいだろう。また、非常に稀にマッドブリザードが出る(病魔パンデルム、エビルフレイムの色違い)。これはクリア直後なら強烈に強く、高レベル氷の地図入手前に出会えて楽しい…、かもしれない。

「アイスバリーかいがん」以外で楽しい場所は個人的にはないが、そもそも「どこで何が出るのか」の旅そのものは楽しいと思う。おそらく「うみうしひめ」なんぞは、宝の地図より先に「ビタリ海岸の高台」で出会うプレイヤーの方が多いだろう。少なくとも「ときのすいしょう」購入目当てで何度も行くだろうし、初回は赤宝箱のために訪れるであろうし。アユルダーマ島の高台も、多分クエストのために訪れるプレイヤーがほとんどだろうが、レッドドラゴン、ギガントドラゴンに気軽に会いたければ便利だろうし。結構クエストで特定の個体に出会うために高台を巡るというのが多いのかもね。

Lv80 代地図を手に入れるためにひたすらレベルを上げるであるとか、転生すら見据える場合のレベル上げはもうほとんど「メタルキングが出る火山の地図」しか選択肢はない、よほどの忍耐力がない限りは。Lv80 代後半は次のレベルにあがるまで 4人パーティならメタキンを2回撃破しないと上がらない。なので、ここまで論じてきたことだけ繰り返しててもほんと埒が明かなくて、「低層階」で出なくてもいいがとにかく「メタキンが出る火山」を手にしないとどうしようもなく効率が悪い。転生まで踏まえる場合は、一人旅ないしは二人旅が効率がいい。一人旅なら Lv90 代ですら二匹撃破するだけでレベルが上がる、ハズ、確か。ただ、「高レベル宝の地図を手にするため」ではなく「高レベル宝の地図を手にしている」ならば、正直メタキンを倒しまくるよりは「その高レベル地図に繰り返し潜る」方が(メタキン祭りより非効率でも)遥かに楽しいので注意。

言うまでもなく、それこそ「まさゆきの地図」「川崎ロッカーの地図」が手に出来るプレイヤーは、ある程度のレベルになったらそれらを経験値稼ぎに使うといいだろうし、出回っているオンリー地図を入手すればいいだろうから、基本的にここに書いたことは「それが出来ない/したくないプレイヤー」向けではあるのだが、そうした「すれ違い通信を利用できるプレイヤー」でも同じことを繰り返していれば飽きる…でしょ、そうした場合はワタシとおんなじようなことをきっと考えるのだろうなと思う。まさかそれでも「スライムの森、オススメでっすっっっっっっっっっっ」と言い続けます? バカなの?

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クリア前についても一応

ここまでは「クリア後」だけの話だったが、じゃぁクリア前はどうなのか。多分終盤ならこうだろうなぁ:

  • エルマニン到達直後は素直にエルマニオン周辺
    • ヒャダルコ野郎など冷気系で消耗はするが、イヤらしい相手はいないので楽。
  • ナザム到達直後も、戻ってエルマニオン周辺
    • ナザム周辺は到達直後は「レッドサイクロン」と「ブラッドアーゴン」のせいで消耗が激しい。特に後者が危険。
  • グレイナル撃破前ならドミール火山そのものと「魔獣の洞窟」
  • グレイナル撃破直後もドミール火山そのものと「魔獣の洞窟」、エルマニオン周辺
    • このケースは「ガナン帝国城」周辺が使えるが、ラリホーマ野郎・メダパニーマ野郎ばかりで非効率。
  • クリア直前ならば「魔獣の洞窟」と「閉ざされた牢獄」、あるいは「絶望と憎悪の迷宮」そのもの

いずれもこの局面だと、「秘伝書」だとかの関係で、少しは「クリア時パーティ」以外の職業を経験させたい時期だったりもして、比較的「ストーリー上のリアルタイムの場所」から少し戻って稼ぐ場所が欲しい時期なんだろうなと思う。少なくとも個人的にはほとんどの周回でそうしてる。

対して、エルマニオン学院到達前ってのはどうなんだろうねぇ? これも「個人的に」の話になるが、無理して稼いだ経験が少ないんだよね。初回はあんまり事情がわからなかったので「攻略サイトを鵜呑みにして」、転職可能になった直後に「多くの職業のレベルを 15 以上にする」なんてことをしたけれど、2周目はこれが「本編では明らかにやりすぎ」と知ったからやってないわけで。つまり進行に合わせて、足りないと思えば進行で「いる、そこ」で素直に稼ぐと。例えばカルバド編ならカルバドで、グビアナ編ならグビアナ砂漠とグビアナ地下水道。

例えばベクセリア編直後に「メタルスライム狙いで封印のほこら」なんてのは、職業クエスト・武器クエストをクリア前にこなそうとする以外だと「あまりにも効率悪過ぎて使う気にならない」だろう。とにかく出没率が低い。おそらくほとんどのプレイヤーが「【魔結界】をはった状態で3匹倒す」をこなすのに、「封印のほこら」で一時間近く(以上?)「辛抱し続けた」に違いない。

あるいはベクセリア編に入る前に「ルディアノ城」? 初回プレイヤーはこれは考えてもいいが、周回プレイヤーはまずこんなこと考えない。実際「妖女イシュダル」戦がキツくてそれを突破出来たなら、普通「そのままベクセリアに直行」出来るししていい。というか、ボス戦のキツさでいうと、序盤はやはり

  • 妖女イシュダル
  • 病魔パンデルム
  • 魔神ジャダーマ

ということになるが、これらの「前に鍛える場所があるか」てことか…。原則として「これまでのドラクエと同じく周辺フィールドで」でいいんじゃないか、てことだよね。あるいは中盤最後の「魔教師エルシオン」前は、というのも、というかその「地下校舎」の前に稼ぐ場所は、てのも、まさしく「周辺フィールドで」が素直だしそれでいいと思う。「稼ぐのに取り立てて便利な場所」はないと思う。(石の町の「石の番人」、サンマロウ編の「妖毒虫ズオー」、グビアナ編の「アノン」についても全て同じ。)

ある意味「サンマロウ北の洞窟」でメタルブラザーズを狙うのが「よさげ」に思うだろうが、ここで「稼いで意味がある」ような時期の場合は、オーシャンクローのザキとメーダロードのドルクマが痛くてあんまり効率良くない上に、それらが怖くない時期ならメタルブラザーズから得られる報酬はヘボ過ぎるし普通こいつら以外の選択肢がある。メタルブラザーズのお供は別に怖くはないので狩りやすいが、うれしいのは相当期間限定だろう。つまりはまさにサンマロウ編クリアのために稼ぐのに使えばいいし、サンマロウ編突破後にわざわざここに戻ってこいつらで稼ぐ意味はないであろうと。(要するにエンカウント出来る確率・勝利出来る(逃げられない)確率・討伐に必要なターン数を考えた場合に、ほかの敵を数回倒す方が早いならばこいつに執着するのは「バカ」なわけだが、一体あたり3000程度で倒すのに4ターンかかるなら…、あとはわかるよね?)

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メタル系スライム出没場所比較

「火山の地図がいい」と言ったけれど、一応それの詳細。異論ある人は多いと思うし、アタシだってこんなん考え方次第だとわかって言ってるとこもあるし。

ここでは「メタル」の名前が付く(うちメタルライダー除く)スライム系だけ扱う。のでゴールデントーテムとかゴールデンスライム、プラチナキングについては除外。以下が出没場所。宝の地図は、タイプと、括弧内はランク:

名前 宝の地図以外 宝の地図
メタルスライム 封印のほこら、ウォルロ地方高台(スライムの森)
メタルブラザーズ サンマロウ北の洞窟 遺跡(I)
はぐれメタル 魔獣の洞窟、ウォルロ地方高台(スライムの森) 遺跡(E)、火山(H)
メタルキング アルマの塔(お供のみ) 自然(B)、火山(C)、水(D)

メタルスライムはスライムの森のほぼ一択なのは異論なかろう。無論クリア前はここには行けないので、その場合は「封印のほこら」で頑張るしかない。

メタルブラザーズをあえて選ぶ理由は、時期的なことを考えるとほとんどないはずだが、クリア後に狙う場合、ランクIの地図は普通「捨て地図」になるので案外持ってないだろうし、そもそもサンマロウ北の洞窟でも特に出没率が低いわけでもないので、そちらで良かろう。というか上でも書いた通り、「本編のリアルタイムな時点」では結構危ない場所だし、クリア後はメタルブラザーズを狙う意味が普通は薄いので、まぁ…どっちにしろいらんよね、こいつらは。

次、はぐれメタルに関して。

まず「魔獣の洞窟」は、そんなに出没率が低いわけでもなくて、なんなら「スライムの森」と大差ない。しかも「魔獣の洞窟」の方が単独(一体)での出現なので、仕留めやすかったりする。上でも書いた通り、スライムの森では「ベホマスライム」らがほぼ確実にお供にいる。しかも滅多に一体のみで登場しないため、「全員でデーモンスピア + さみだれ突き」などの、一気に複数を一撃必殺出来ないうちは、かえって非効率。(一体のみなら、一人が「キラージャグリング」習得しているだけでも叩ける。)

宝の地図では、遺跡(E)が嬉しくないのは上で書いた。一撃で倒せないお供がいれば「さみだれ~」などのランダム攻撃の対象が散るために非効率になる、という点ではどのタイプも同じだが、遺跡(E)で問題となるのはやはりスライムマデュラ。散るのがイヤなら「一閃突き」など単体の会心狙いで行かざるを得ないが、スライムマデュラのマデュライトビームを連発されようが「はぐれメタル」に集中出来るほどの体力がないとダメなわけである。のみならず、スライムマデュラはノーダメージでもベホマラーするほどのバカで、しかもそれの頻度は滅茶苦茶高いので、「メタルキングのヤリ + さみだれ突き」「風林火山 + おうぎのまい」を習得していてさえも確実に「はぐれメタル」討伐の邪魔をしてくれる。つまりそうであっても「会心狙い」一択となる。

火山(H)はそもそも「ランクH」である、ということだ。遺跡(E)よりも4つも下のランクなのであって、はぐれメタル以外は「ドミール火山」水準の相手しかいない。つまり、仮にお供がいてもクリア後の力の強いキャラなら一人が一撃で倒せる相手である。ここに出没するのはアンクルホーン、じごくのよろい、はぐれメタル、ようがんピロー、メタルハンター、りゅう兵士(お供限定)。ちょっとどれがお供でありえたか記憶がないが、どれでも特に問題なかろう。のみならず、経験上火山タイプは、お供を連れるパターンが少ないように思う。

最後、メタルキングについて。

アルマの塔については、例えば「ランクA 青宝箱狙い」をルーチンワークにしているならば、必要最小限だけ済ませるだけでは、10回程度ではまず出会えない。20回繰り返せば2回は出会えるかもしれない、という程度。長時間貼りついて粘るつもりなら、1時間粘ってやっと1~2回出会える程度。それに2体以上で現れるパターンは見たことがない。多分このパターンはないんだと思う。

宝の地図だと、一応最も早く出会える可能性が高いのは水(D)ということになるのだが、地図の出現確率から言えば自然(B)に先に巡り合うプレイヤーも多かろう。残念ながら「火山(C)」はかなり入手に難儀する。各タイプごとの出現モンスターは以下の通り:

地図タイプ 出現モンスター
水(D) うみうしひめ、ギガンテス、クラウンヘッド 、マジックアーマー、マポレーナ(お供限定)、メタルキング
火山(C) ギガントドラゴン(お供限定)、じごくぐるま、ダークトロル、ちていのばんにん、メタルキング、れんごく天馬
自然(B) ギリメカラ、スターキメラ、大王クジラ、ヘルミラージュ、メタルキング

ランクの高さから考えて周囲の厳しさが水(D)が最小で自然(B)が最大、かというと必ずしもそうとも言えず、プレイヤーによっては火山(C)は自然(B)より闘いにくいと感じるかもしれない。

先に水(D)がいかに「最悪」かについて。上でも書いたが「うみうしひめ」のザオリクが一番最悪なのだが、「クラウンヘッド」のメガンテ、へんな顔もかなり最悪で、マポレーナのメガザルダンスに台無しにされることも結構多い。つまり、どれと組まれてもやたらに時間がかかるのだが、やはり「うみうしひめ」が一番ウザい。そもそもこいつが一体で現れた全員攻撃でもあまり一ターンでは倒せない。パーティによってはたった一体でも3~4ターンかけてやっと倒せる相手。とにかく HP がやたらに高いし、土属性に強いのでゴールドシャワーでもちょっとしか削れないのがツラい。そもそもメタキンが3ターン目まで逃げずに攻撃してくることそのものが稀なので、その前にメタキンだけにすることが絶望的な「うみうしひめ」は、それだけで十分に邪魔。そしてそれに輪をかけてのザオリク、てこと。(そもそも「うみうしひめ」が道を塞ぐパターンが多いので、メタキンに出会う前にこいつらとばかり闘うハメになることが多い、てのもウザい理由。)

しかるに、水(D)をメタキンによる稼ぎに使いたい場合、少なくとも「うみうしひめ」がイヤでない強さはないとダメで、しかも「会心狙い」(一閃突きやまじん斬り)しか道具がないとすぐにザオリクが飛んでくることになるので、水(D)しかなくここで稼がざるを得ないのであれば、「全員にデーモンスピアで全員さみだれ突き」くらいした方がいい。そうでないと最悪のパターンでは低レベル魔王戦並みの10ターンなんてかかることもザラ。

実は火山(C)と自然(B)では、この階層同士だけであれば大差はなく、自然(B)の方が楽だと感じる人も多いかもしれない。けれども、そもそもランクB は最浅階とはなりえず必ず4階層は潜らなければならない。1F からメタルキングが出る可能性があるのは火山の方。自然タイプだと大王クジラ、スターキメラ、ラストテンツクなど戦闘回避がしずらい相手ばかりなのと、マップの構造上狭い道が多いのとで、メタキンに出会うまでが時間がかかりがちである。のみならず火山はランクD までは「れんごく天馬」くらいしか強敵といえる相手はいない上に逃げやすい相手ばかりなので、ランクC までサクサク降りていける。(火山で逃げにくいのはランクB から。エビルフレイムがやたらに接触しやすい。)

火山(C)と自然(B)だけを比較した場合に大差ないのはお供についても同じ。お供だけみれば、自然の方がマシかもね。火山の方は、「れんごく天馬」はなかなか死なない上に稀に「体当たり」なんてとんでもない行動もしてきて危ないちゃぁ危ないし、「ちていのばんにん」はつうこんも痛いわバイキルトまでしてくるわで、一筋縄ではいかない、とも言える。が、なんならそれだけのことで、体当たりやつうこんに耐えられる体力さえあれば、さすがに水タイプのように10ターンなんてかからない。それと「はぐれメタル」がそうだったように、やはりお供なしのメタルキングだけでの登場が多いように感じる。

やはりこの2つのタイプでの決定的な差は、火山のランクC は戦闘回避しやすい相手ばかりである、てこと。(はっきりいってもっと低ランクの「じごくのメンドーサ」が唯一逃げにくい鬱陶しい相手だが、こいつらは一ターンキルできろう。)

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セクハラ装備は今作でも強い、のか?

結論から言えば「登場時期はさほどでもなく、進行するほど相対的に強い」。

たとえば DQ7 の「うさみみバンド」はこれは「時期尚早」という意味で強かった。けれども時期を外せば無論あっという間に用済みになる。そりゃそうだ、と思うであろう。

けれども、DQ9 では職業によっては「いつまで経ってもうさみみ(ねこみみ)」なんてことが平気で起こってしまう。これを最初に錬金出来るタイミングでは飛びぬけて強いものではないし、同時期にもっと強いのを作れてしまうので、登場時期は適正かもしくは手遅れな性能なのに、である。具体的には「ファントムマスク」「たいようのかんむり(アポロンのかんむり)」「もうぎゅうヘルム(バッファローメット)」あたりが手に入る前のレンジャーあたりがなかなかの不遇で、武道家に至っては…。

  • うさみみバンド:
    • 守備力 10、攻撃魔力 5、回復魔力 8。
    • カラコタ橋で購入出来る。
    • レシピさえ知っていれば、最速では錬金釜稼動開始直後に作れる(素材はエラフィタとセントシュタインで手に入る)。
  • ねこみみバンド:
    • 守備力 10、攻撃魔力 8、回復魔力 5。
    • サンマロウ、カラコタ橋で購入出来る。
    • 購入がもったいないなら、グビアナまで行けば錬金で作れる。

最速入手でも別にほかに強いものがあることはいいだろう。そうではなくて、「アップデートするに足るだけの頭部防具がいつ手に入るか」となった場合、レンジャーを例にすると(しっぷうのバンダナみたいなのを除けば):

  • ハンターぼうし:
    • 守備力 15。
    • カルバドの集落に行かないと買えない。
    • 被物理ダメージ換算で 1 ダメージしか「~みみ」と変わらないし魔力が上がるわけでもないし特殊効果もなし。
    • ゆえ、「誰が買うんだこれ」。
  • ぬくもりのシャプカ:
    • 守備力 16、氷耐性。
    • 市販はカルバドの集落。
    • 「けがわのフードx1 + うさぎのおまもりx1 + やわらかウールx1」なので、市販前には作れる。
    • ただほぼ「氷耐性」のためだけ。
    • 「~みみ」からアップデートしてもいいが「是が非でも」なんて誰も思わない。

なので「ぬくもりのシャプカ」を採用しようと思うのはまぁいいのだが、普通は

  • ファントムマスク:
    • 守備力 20、素早さ 25、攻撃魔力 16、回復魔力 14
    • クエストの関係で、早めに作ろうとがんばるプレイヤーは多いだろう。
  • バッファローメット:
    • 守備力 30
    • 素材の「もうぎゅうヘルム」市販がナザム村、ごうけつの腕輪が勿体無くないなら…

の2つが手に入る頃にやっと「アップデートしようか」と思うわけである。

ファントムマスクは行動順を最速にしたいキャラに装備させるものなので、レンジャー職のキャラに装備させたいかどうかは別問題、なので今除外するとして…。守備力10と30なら被ダメージで5違うので、まぁ違うちゃぁ違うので、「氷耐性」を重視するかどうかの差なのだが、「頭部防具でやることか?」という考え方、あるでしょ、あるはずだ。盾・鎧(服)で耐性を補えるなら、帽子に耐性持たせなくてもいい、ので、「バッファローメットか魔力重視で「やっぱり」うさみみ(ねこみみ)」。あぁ…。(そもそも「バッファローメット」は戦士、盗賊、バトルマスターも装備出来るので、レンジャーに最優先にまわすかどうかは…。まわさない場合も結局「やっぱりうさみみ」。(レンジャーを後衛と考える場合は最優先ではまわさないであろう。)

当然ながら「たいようのかんむり(アポロンのかんむり)」はクリア前にほいほい簡単に入手出来るシロモノではなく、レンジャーのキャラにまわってくるとは限らない。のでやっぱり「いつまで経ってもうさみみ」。あるいは「ヘッドドレス」。「ヘッドドレス」もレンジャーにとってはある時期まで最強に近いほど強い。エロい。かわいい。

レンジャーを中心に考えればこんな具合。ほか「セクハラ」ではないが「女尊男卑」なものとして相変わらず「おうごんのティアラ」は頼りになる。クリア後さえもしばらくはお世話になれる。(どころか、2% 防具などのレア防具を人数分そろえるほどのやり込み時以外は、結局最後までコレ、ということもあるだろう。)

「言うまでもない」ことだが、クリア直前くらい(具体的には最後の鍵入手後)から錬金出来るようになる「きわどい水着(上/下)」(上だけはレシピを知ってれば一つはグビアナ編クリア直後)。これは当然、下半身防具としては守備力は最強に近い上に炎属性への耐性がある。「きわどい水着上」はほかにも選択肢が多いので着っ放しは(エロい気分になりたい時以外は)あまりないが、「きわどい水着下」はボスによってほかのに変えたい場合以外は結構履きっぱなしにさせてることが多い。そしてエロい。

「あぶないビスチェ→シルクのビスチェ→しんぴのビスチェ」に関しては、「あぶない~」はこれだけだとただのネタ装備、名前と見た目通りの「守備力1」という驚異的な性能で、なおかつ「宝の地図青宝箱ランクEのレアアイテム」なので、滅茶苦茶入手難易度が高い。しかしながら「しんぴのビスチェ」は「守備力 58、身かわし 3%」というとんでもない性能。「しっこくのマント」の「守備力 42、身かわし 3%」ですら驚異的だったのだから、これこそが「女尊男卑」。無論これさえあればオッケーというわけでなく、宝の地図の性質やボスに応じて使い分けるうちの一つではあるもの、物理攻撃主体のボス戦では「いつまでも長いこと」使っていられる。特に「オベロンのくつ(など) + しんぴのビスチェ + ラッキーペンダント + 混スキル(など)」みたいな組み合わせで、なんと、みかわし率は 8% にもなる。これは12~13回に一回は回避するということであって、長期戦となるボス戦(特に顕著なのがアトラスやイボイノス)では、はっきりと体感出来るレベルでみかわしてくれる。ただし「しんぴのビスチェ」、あんまりエロくはない、カワイイけれど。

バニースーツやジャガースーツはこのエロさが好みかどうかは人それぞれだろう。どちらも別に強くない。ニーソックスもエロくて好きだが、これも強いわけでもなく。網タイツも同じくだが、ニーソックスも網タイツもともに錬金の素材になっていて、特に後者は最終的には「女帝のムチ」「女王のてぶくろ」「クインローブ→エンプレスローブ」を作れる。結構な地雷錬金のエンプレスローブはともかくとして、特に「女王のてぶくろ」はとても有用。ただし「女王のてぶくろ」は女キャラ専用ではない。

強い強くない度外視で、スーパースター装備の「カラフルチュチュ」「レインボーチュチュ」が大好きである。AK○48 的というかなんというか、スーパースターらしく、なおかつ「等身でない」からこそなんだか絶妙にカワイイ。無論「メイドドレス」も滅茶苦茶カワイくて、「メイドドレス + うさみみ」「メイドドレス + ねこみみ」「メイドドレス + 天使のわっか」のどれもイケる。そもそも「存分に強いパーティ」となれば、魔王戦ですら「全員フルメイド装備」でも戦えて、なんかエロい。

というか…、DQ9 ってやっぱり「コスプレ」ゲームでもあるんだよね、クリア後は特に。魔王戦からの報酬(ドロップ)も「歴代勇者装備」なわけだし。

ドラクエは 3 あたりからずっと「女尊男卑」の伝統で、DQ9 は「少し格差が減っている」ことにはなっている。実際「似た性能のものが男女用別々にある」ものがほとんど。なのにも関わらず、そこはやっぱりドラクエ。「おうごんのティアラ」相当の女人禁制頭部防具はないし、「きわどい水着」相当の防具も「しんぴのビスチェ」相当の防具もない。無論「ビクトリーパンツ」「ブーメランパンツ」は単なるネタ装備で、コスプレにすらならない。かくも「やっぱり女尊男卑」。

なお、「等身でないのでエロくない」論がドラクエ wiki に見られるが、なんというかオリジナル DQ7 の「マリベルのゆめのキャミソール」もエロく感じるワタシのような趣味嗜好ならば、「むしろ等身でないからこそエロい」と思うのだ。思わない? そうですか、思わないですか。

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石の町は~最短でアクセスできるルーラポイント?

ドラクエ wiki の説明「その後いよいよお役御免……かと思いきやところがどっこい、やりこみプレイヤーは足繁く通う場所となる。実はここは【ときのすいしょう】を購入できる洞窟や【せかいじゅのは】が拾える【雨の島】まで【天の箱舟】で最短でアクセスできる【ルーラ】ポイントなのだ。」。

ドラクエ wiki を読んでるといつも思うことなのだが、どうにも「客観性」に欠くやたらに主観的な主張が展開されていることが多くて、これもそれ。

少なくとも大半の「天の箱舟、操作しずれーんだよなっ」と思っているプレイヤーにとってみれば、「【ときのすいしょう】を購入できる洞窟」へのルーラポイントとしては「近過ぎ」て、かえってサンマロウの方が遥かに使いやすい、と「感じる」。そして…、なんなら計測してみろやっ、てことである。「石の町にルーラして階段を上がると画面と BGM 切り替えが発生してからどうぐふくろを開いてアギロホイッスル使用して洞窟へゴーっ!」という手順の意外な多さと、そして実際この行為は洞窟前に着地するまで 15 秒はかかる。これはサンマロウにルーラして飛ぶのと まったく大差ない (コントローラ操作も圧倒的に少ない)。「やりこみプレイヤー」になるほどのプレイヤーになってもこういった当たり前の客観的事実に気付かないというのも…。(雨の島でも話は同じだが、箱舟の操作は最小限なのでサンマロウより少し楽、それでも自信満々に最速だ最適だいうほど劇的に近いと感じるほどの差はなく、ほとんど誤差。)

「距離が近い」という「客観的」事実ばかりにとらわれて、箱舟のスピードと操作性に目を向けられない、てことなのか? あるいは「やりこみプレイヤーなので猛烈操作で強烈高速にアクセス出来るのだっっ」て自慢? それこそが「やりこみプレイヤーの証」なの? 普通の素直なやりこみプレイヤーなら「わっしゃサンマロウ派だ」が相当多いハズだぞ。(おそらくこんなのどっちが好きかは半々だろう。)

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「船を手に入れたら世界中をくまなくまわり、いちばんいい武器を選ぶのがDQの鉄則である」のか?

上と似た話。同じくドラクエ wiki への文句。これは「さんぞくのサーベル」の解説に書かれている主張。

「そりゃそうかもしれんけどさぁ」て話である。書いた当人はまさに「誰しもがそう思っているので異論なんてあるはずがない」というつもりで書いている。無論「んなわきゃぁない」。

こういうのを鵜呑みにしたプレイヤーが、DQ8 で「やったー船だーわーい、聖地ゴルドに行くんだもんねーっ」なんてことをしでかして、平気で全滅するハメになるわけだ。「普通の感性」を持ったプレイヤーが取る行動はもっと「普通」だ。そう、「普通」に、 危険を感じない範囲で世界中をくまなく まわるのだ。なんで「危険をおかしてまでくまなく回るのが常識だ」なんて断言するんだか。バカなの?

あのね、当然「そういうプレイヤーがいてもいいし個人の自由」なんだよ。だけど、明らかに客観的にみてマイナーなそうしたプレイスタイル「だけが常識」と押し付けるような言い回しはどうなんだ。

なお、DQ9 に関してはこれはほとんど可能で、そういうゲームバランスにはなってる。だから DQ9 に限ればこの主張はあたかも正解だが、ウソだと思うなら DQ2 でこれと同じことを試みてみればいい。あっという間に教会ゆきとなる。

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職業の極める順番

この話、DQ9 でワタシが一番イヤな仕様についての話なので、正直好き好んで書きたいネタではないのだが、毎度苦労したり後悔したりするので、まさに自分用メモ。

他でも書いた内容のおさらい:

  • 転生の目的の一つは「証」。
  • もうひとつ「主人公が」転生する目的は、高レベル宝の地図取得の確率を上げること。
  • 錬金大成功に関係する職業の場合、主人公は Lv99 維持がベスト。高レベル宝の地図取得の確率も上がる。

宝の地図のレベルが選ばれる基準値は『(最大の職のLv+最大転生回数×5+潜った地図のLv)×±0.90~1.10』なので、転生するだけでは確率は上がらなくて、転生しつつなおかつ主人公の職の最大レベルが高いというのも条件。

ということなので、原則として:

  • 「証」が欲しいだけの職業については、主人公以外が極めるのがいい。
  • 錬金大成功に関係する職業は主人公で Lv99 を目指すのがいい。

ということになる。

「証」で確実に戦闘能力に貢献する有用なものは:

  • 武闘家: 素早さアップ
  • 盗賊: ぬすむ確率アップ
  • レンジャー: きようさアップ
  • バトルマスター: 会心の一撃率アップ
  • 魔法戦士: 必殺技の確率アップ

レンジャーのは好みだろう。オオカミアタックと会心率両方を気持ちよくしたいなら、バトルマスターのよりいい、という考え方もある。魔法戦士のは「スーパールーレット」をひたすら回したくなるか、高レベル魔王戦での「パラディンガード、精霊の守り待ち」戦法を多用したくなるまでは別にいらんだろう。

対して、錬金大成功については:

  • ちから(バトルマスター): ぎんがのつるぎ、ゴッドアックス、アマテラスのこて、てんていのブーツ
  • すばやさ(武闘家): 神竜のツメ、ハイパーノヴァ、イデアのサンダル
  • みのまもり(戦士): ほしくだき、ウロボロスの盾、しんぱんのかぶと、しんわのよろい
  • きようさ(レンジャー): トリリオンダガー、セラフィムの弓、かみわざのてぶくろ
  • みりょく(スーパースター): さいしゅうおうぎ、そうてんのトーガ
  • かいふく魔力(僧侶): じごくのまそう、にょらいのこん、セラフィムのローブ
  • こうげき魔力(魔法使い): オーロラの杖、超グリンガムのムチ、ぜったいのズボン

という具合。ゆえ、「証」のうち:

  • 僧侶: 回復魔力アップ
  • 魔法使い: 攻撃魔力アップ

もあると、大成功確率を高めやすい。

基本的には「証のために真っ先には武闘家と盗賊の転生」を考えるのが以後楽しいのだが、神竜のツメ、ハイパーノヴァ、イデアのサンダルがどうしても欲しい場合は「主人公で武闘家転生」はもったいないということになり、証欲しさには主人公以外のキャラに転生させるのがいい。盗賊の転生は主人公でも良いか。

レンジャー、バトルマスターの両方についても証が欲しいなら武闘家と同じで、転生は主人公以外でやらせるのがいい。魔法戦士なら誰でも良く、主人公でも別にいいだろう。

基本的には「4人仲良く」、つまり4人のレベルは似通っていた方がわかりやすいとは思う。ので、たとえば「主人公のバトルマスター Lv99 育て中」には他キャラは欲しい証の転生を目指すのがわかりやすいだろう。

宝の地図のレベルが選ばれる基準値は主人公の転生回数にのみ影響するため、「2回以上の転生」がスキルポイント稼ぎ以外の価値を持つのは主人公だけ。ゆえに、「主人公の二度目の転生」を目指している最中の他キャラは、二度目の転生にこだわる必要はない。この場合はひょっとしたら「興味本位で役に立たない戦士の証も取ってみる」とかすればいいかしらね。

どの職業で「二度目以降の転生を目指すか」については、無論錬金大成功に無関係のものがオトクということにはなるので、該当するのは:

  • 旅芸人
  • 魔法戦士
  • 賢者
  • パラディン
  • 盗賊

てことになる。

最後に一言。「なんでこんなこと考えねばならんのだぁ」。何度でもいうけど「魔王戦の本命パーティ」以外のことは本当はごちゃごちゃ考えたくねーんだわぁ。

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職業秘伝書の優先度

意見がかなりバラつく性質のものだと思う。あくまでの個人的な意見。

まず第一に、「どの職業秘伝書も、本編では全然いらない」というのが大前提。強いて言えばあっても良いかも、というのは「ひかりのはどう」くらい。以外は「オーバースペック」という意味でいらない。これを前提とした上で、以下の表の意味:

  • 「魔」: 魔王戦向けでの価値。低・高は低レベル魔王、高レベル魔王の区分。
  • 「宝ザコ」: 宝の地図ザコ戦向けでの価値。低~高は宝の地図のレベルの高低(厳密なものでなく感覚的なもの)。
  • 「宝ボス」: 魔王以外の宝の地図ザコ戦向けでの価値。低~高は「宝ザコ」と同じ。
  • ○が「役に立ち、是が非でも欲しい」で、△が「役に立つが、不可欠ではない」、×が「役に立たないかもしくはシンプルに「いらない」」

こんなだろうと思うのだ:

秘伝書 スキル 魔(低) 魔(高) 宝ザコ(低) 宝ザコ(中) 宝ザコ(高) 宝ボス(低) 宝ボス(中) 宝ボス(高)
戦士 オートカウンター × × ×
僧侶 ひかりのはどう ×
魔法使い つきのはどう × × × × × ×
武闘家 テンションキープ × × × × × × × ×
盗賊 オートぬすむ ×
旅芸人 たたかいのうた ×
バトルマスター ダブルこうげき × ×
パラディン グランドネビュラ × × × × ×
魔法戦士 フォースマスター ×
レンジャー ひん死時かいしん率アップ × ×
賢者 やまびこのさとり × × ×
スーパースター ゴールドシャワー × ×

「~のはどう」はかなり明暗分かれてると個人的に思ってる。

「つきのはどう」が、ほかに攻撃力低下の手段を持っていない場合の「身の丈にまだ合ってない」な相手と闘う場合くらいにしか使いどころがなく、具体的には「クリア直後でまだほとんど鍛えていない」時点でのハヌマーンと対戦するのにようやく価値があるかないか、くらいのもの。本編水準でこの職業クエストは結構危険で、苦労して取ったら「なんか一度も使ったことないわぁ」となりがち。ライバルが多いのですわ。そもそも本編水準でこなすのがキツいなら本編以降で使えて欲しいもんだが、実際は真逆で、「本編で取れたら使える」程度のスペックでしかない。ゆえ、本編で活用する気がないならスルーするのが吉。

対して「ひかりのはどう」は後になるほど効いてくる。宝の地図ではレベルが高いほど、階層が深くなるほどエゲつない状態異常の敵が増えてくる。特に遺跡タイプの地図。宝の地図ボスでも結構役に立つケースは多い。アウルートなんぞもさすがにディバインスペルが2度とも効いてしまうと、かなりのダメージを喰らう。魔王戦の場合はおそらくムドー戦が一番顕著。かなりしつこくルカナンをかけてくるので、これが相当危険。

「オートカウンター」「ダブルこうげき」「瀕死時かいしん率アップ」はどれも性質は似ていて、原則どれも「あるに越したことはないし、あれば時々強い」点についてはいつでも同じ。真っ先に必要なものではないし、不可欠と言えるシチュエーションもかなり限られている(高レベル魔王戦くらいだろう)ものの、これらを手にしていればかなり気持ちは良いだろう。(ダブルこうげきは言うほど低確率発動でもなくて、ボス戦ではかなりのターンで発動したりする。)

「フォースマスター」もこれも「あれば強いし楽しい」ものだが、不可欠とまで感じるのはやはり中程度の宝の地図ボスあたりから。ハヌマーン相手にこれをやっても普通全然面白くない。普通クリア後すぐにでも「MP つかうなのままボタン連打」で脳みそ空っぽにしたまま勝てるようになっちゃう相手ですから。目安としてはスライムジェネラルあたりから。宝の地図ザコでも、中のレベルではもう一ターンキル出来ない相手ばかりになってくるので、こうした相手にフォースマスターがあると楽出来ることも多い。

「やまびこのさとり」は本当にパーティ構成次第だが、呪文アタッカーを要するパーティ、賢者を要するパーティでは、これがあるのとないのとでは、戦略のバリエーションに結構な違いが出てくる。つまりは「あると楽しい」。

「たたかいのうた」は原則として「脳筋パーティ」ほど活用できるタイプの秘伝書で、普通「僧侶+魔法使い」を擁するパーティなら無用の長物、一部特定の状況を除いて。「僧侶+魔法使い」を擁するパーティでも、高レベル宝の地図ザコ戦の戦闘時間短縮のために使うと良いこともある。

「ゴールドシャワー」はまさに高レベル宝の地図のためにあるといって良い。これの有無で、高レベル宝の地図の攻略時間は半分以下になるといっても過言ではない。また、一部魔王は土属性が弱点であることもあって、魔王戦でのダメージソースとしても役に立つ。(特にドルマゲス戦。)

「オートぬすむ」は、これがないと楽しくない。原則それだけ。ただそれこそが大事なことで、大変長時間プレイし続けるのに、出来る限り常に何か楽しみが多い状態で楽しんだほうが、そりゃいいに決まってる。

「テンションキープ」は「言うまでもなくいらない」。ただしハンマーのクエストを遂行するのにだけは使えるので、基本それだけのためだろう。

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「テンションキープ」についての詳細

ドラクエ wiki の解説は「本編ボスに平均Lv40以上で挑む時点でゲームバランスもへったくれもない」あたりのくだり以外はまともなことを言っているのでそちらを読んでもらってもいいのだが、「使う前からつかえねー気がする」論と「実際使ってみたらやっぱりつかえねー」論の両方をワタシなりに。

その前に、秘伝書クエストだが、これは「「ゴーレム」を通常攻撃の「会心の一撃」で10匹」。ドラクエみたいなゲームは「~コンプリート」が楽しみのひとつでもあるのだから、どれだけ「テンションキープ」があらゆる攻略サイトで否定されていようが、実際一度くらいはやってみてもバチは当たらないと思う。どんだけ大変なのかはまさに「やってみてからのお楽しみ」。

「使う前からつかえねー気がする」はずなのである。こうなのだから:

  • キープ出来るのは、前戦闘終了時テンションの一段階下
  • 画面切り替えが発生すると持ち越せない

後者の理由によりボス戦では使えないということになっている。薄い記憶でギュメイ将軍(初戦)がフロア切り替えなしで闘った気がするが、そこでも使えなかったっけ? やろうとしたことがないのでわからない。無論前者こそが「やってみたことがなくても」大問題に感じるハズ。つまり「おうえんやきあいためでテンション5になったが他キャラがとどめをさしてしまった」ではダメだということ。

無理やり価値を見出そうと思うなら、「竜のもん」~「ドミールの里」までの道のりがかなり長いので、そこでひょっとしたら発動もありえるかも、宝の地図では使えるんじゃないかしら、と「期待することは出来る」。実際そういったことも起こらないこともない。

「実際使ってみたらやっぱりつかえねー」とやっぱり結論付くことになる本質的な理由はこれは…。以下の通り。

「ラッキー頼み」秘伝書はこれのほかに「オートカウンター」「ダブルこうげき」「瀕死時かいしん率アップ」がある。特に「瀕死時かいしん率アップ」だがましく「いざというときの生命保険」そのもの。発動率が比較的高いのは「ダブルこうげき」のみで、「オートカウンター」はそもそも単体への物理攻撃が向かってこない限り発動しない上に発動率は 100% ではないので、めったにこれの発動をみることはない。ただそれでも宝の地図ボス戦を何度も繰り返していると、これがとどめになってビックリすることも結構多い。なんにせよこれらはプレイヤーは発動タイミングを制御出来ないため、たとえるなら「運気があがる幸運のお守り」である。

「テンションキープ」は「運気があがる幸運のお守り」であるのと同時に、プレイヤーが発動タイミングをコントロール出来るという点が違い、「なのでとってもオススメでっすっっっ」…なわきゃぁない。

考えてもみて欲しいが、これを意図して起こすというのはつまり「次の戦闘に備えて無理やりテンションを上げて消化しない」ということである。「今の敵は弱いからテンションを上げておいて次に出会うかもしれない強敵に備えておこうっ」? 宝の地図の場合、現実にはこういう「弱い敵→強い敵」が交互に現れるようにコントロール出来ることは、DQ9 のシンボルエンカウントの性質上はまず考えられない。考えられるとすれば階層が変わるタイミングだが、もちろんこの場合「テンション」はリセットされるのでいずれにせよ使えない。

なので事実上はテンションキープも「幸運のお守り」としてしか使わない。ところが少なくとも心情的にこれが大変気分が良くないのは、その「幸運」の種類である。これ、わかると思うが「幸運な不幸、もしくは不幸な幸運」なわけである。つまり「せっかくテンションを上げたのに、他キャラにとどめをさされてしまった」ということ。とりわけバトルマスターの「テンションブースト」や「テンションバーン」利用時であろう、こうした幸運が起こるのは。なので「前回戦闘でたまったストレスを発散してやるっ」ってことなのだ、発動出来たとしても。

極めつけはやはり「一段階下がった状態でキープ」ということ。特にテンションバーンとの組み合わせの場合が一番残念なことになる。シビアな戦闘でテンションバーンでたまったテンションを消化せずに貯めておくなんて、よほど強烈にこちらが強い(もしくは相手が強烈に弱い)んでない限りはやろうとは思わない(つーかそんなケースならバカバカしくてテンションバーンそのものを使わない)。テンション5だろうがバンバン攻撃して消化していかないと必要以上にターン数を稼いでしまって、かえってパーティが疲弊することになるからだ。

ゆえ、この「不幸な幸運」がまかり間違って起こったとしても、ほぼ十中八九テンション5、テンションキープの対象にならない。「もっと不幸な幸運」でないとダメということだが、「テンション20で終えればテンション5ではじめられる」だけなので、これがまぁ悲しいほどヘボい。つまりは心情的には「テンション50以上で終えてテンション20以上ではじめられる」んでない限りは「なんかショボい、なんかショボい、なんかショボい」でしかなく、そうなるには「かなり不幸な幸運」が必要だ、というジレンマである、ということ。

簡単に言えば「嬉しいはずの状況は、ストレスそのものがトリガー」という点が、「実際使ってみたらやっぱりつかえねー」と感じる一番の理由。

ただ実際問題この「クエストの超難易度に見合わない心情的な残念さ」で感じるよりは遥かに高確率でこうした「不幸すぎる幸運」は起こる。ので、「持たせとくだけ持たせとけ」なノリで「持ってて良かった」と思う状況は、思ったよりは起こる。

これが発生しやすい状況は限定的で、「テンションバーン、テンションブーストを好む」場合に限る。これはマニュアル戦闘のスタイルで2つを好んで発動するタイプか、もしくは AI 戦闘で「MP つかうな」以外を好む場合。後者の場合 AI は結構好んでテンションバーンするし、ほかの場所で書いたように「お宝ゲット」でさえも AI はここぞと発動するほど必殺技好きなので、「通常攻撃してりゃぁそのターン以内で殲滅出来た」というとんでもなく残念なタイミングで「テンションブースト」するというおバカなことも、結構起こる。おそらく高レベル宝の地図に10回潜れば1回くらいは、どんなに不運でも20回潜り続ければ1回くらいは起こる。(もっと詳しくいえば、「もう少しで階段にたどりつくのでキープは無意味」というさらなる不幸なパターンも何度も経るはずだし、「残念な幸運な不幸パターン」(テンション5で戦闘開始)なら思ったよりは随分と多く経験出来る。)

以外で可能性があるのは、「魔法使いをおうえん」するのを好むスタイルの場合なのだが、どんなに高レベル地図の高ランク階層であろうと、「テンション20以上にしてから」は悠長過ぎてあまりやらないであろう。おどろくほどタフな相手と対戦する場合でさえ、「メガンテ→メガザル…」「メガンテ→ザオリク…」みたいな無限ループが発生しない限りは多くても5~6ターンで戦闘が終了し、ほとんどの戦闘が3~4ターン以内で終わるならば、魔法使いをテンション20にすることさえ稀。テンション20で終えても残念なのは前述の通り。(というか魔法使いは素早いので、戦士やバトルマスターみたいに消化できないまま戦闘を終了するなんて不幸そのものが起こりにくい。)

そんなわけで、「クエストの超難易度に見合わない」ことが気にならないのであれば、いろんなところで言われているほどには「少しもつかえねー」もんではないので、特に「~コンプリート」を楽しみとしているプレイヤーならば臆せず習得すればいいし、そうでなくても「どれだけ微々たる強化であろうと強化は強化」と思うタイプなら、まず間違いなく「ちゃんと強化」にはなるので、最優先で取ろうとするのはお勧めしないが余裕が出来たら取るくらいのことはしてもいい。(「一度はみてみたい」だけのつもりなら、「レンジャーの証」「バトルマスターの証」がゲット出来るほどの頃まで先延ばしにしてからレンジャーで取ると楽。そうまですれば「会心の一撃」は受注可能後最速タイミング時の何倍も簡単に起こせる。)

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武器スキルの優先度

意見がかなりバラつく性質のものだと思う^2。あくまでの個人的な意見^2。

これについても大前提が一つ。「本編で複数の武器を極めようと思うのはキチガイ」。無論武器スキルを振らずにその職業で使える武器を使うのは構わないが、本編ボリュームでの適正な戦闘回数から考えると、武器スキルは一つしか選べないのが普通。

という前提を踏まえ、まずは「じゃぁ本編ではどれを選ぶか」。

戦士・バトルマスターと、場合によっては魔法戦士は、間違いなく「剣」が最も無難だし「ボス戦では最強」。ただし「はやぶさ斬り」だけの話。はやぶさの剣(改)を装備して「はやぶさ斬り」は、普通は単体への期待ダメージが最大になり、なおかつ「クリア後でもそれは常に同じ」。なので、一択なら剣がベスト。本編でもクリア後でも最強を維持できるわけだから。

考え方として、本編の場合はさほどザコ戦向け中心の考えをしなくて良いということがある。そしてそここそが、クリア後宝の地図をこなすようになってきてから違ってくるまさにその点。ゆえにクリア後になって初めて戦士職が「ザコ戦に便利」な武器を考え始めることになるだろう。

魔法使いを採用しているならば、個人的には「杖」が好みである。DQ8 からの伝統(?)で「双竜撃ち」は相変わらず魅力的ではあるものの、むしろザコ殲滅能力としては魔力を高めた全体攻撃呪文の方が爽快なんではなかろうか。というか魔法使いを本編で採用する意味は普通は「ザコ一掃役」なので、他の職とキャラ被りするような武器を選ぶ必要はあるまい、と思うんだけど。違う?

僧侶の場合、「いずれは杖も」(特に「ひかりの杖」入手後)とは思うのではあるが、「ザコ戦を考えるとヤリ、ボス戦を踏まえれば棍」の二択で悩むところ。個人的には本編ではヤリ、クリア後に棍とすることが多いかなぁ。やはり魔王戦での僧侶の「盾の秘伝書 + 棍」は非常に心強いのだが、本編では「絶望と憎悪の迷宮」でのデーモンスピアの大活躍があって、やはり捨て難い。

これ以外の職でこれ以外の武器を選ぶ場合、「扇」「弓」が良いと思う。

が、「扇」は選ぶ職にもよるがクリア後でもいいかもしれない。のちのち手に入る武器(特に「風林火山」)の魅力、「といきがえし」の有用性、また、ハッスルダンスが結構長期間役立つ点など、扇を選ぶ価値は高いものの、扇の攻撃力そのものは他と比較して物足りないし、「といきがえし」も本編ではオーバースペックだし、ほかの特技も微妙だし。(「波紋演舞」は実は結構強いのだが、何せこれのお相手の「水系モンスター」なんて本編ではあまり出会えないわけで。)

「弓」はほかの場所で書いてるが AI に使わせても全然嬉しくないので、主人公以外もマニュアル戦闘を好むプレイヤーか、もしくは主人公に使わせたほうがいい。AI は絶対に「天使の弓」でせっせと MP を補充するなんてことはしないし、「さみだれうち」でザコを一掃しようという発想もしてくれない。AI はこれを「威力最小の攻撃としてとどめに使う」(つまり4発連打の1発分でとどめをさせるので、と判断してから初めてこれを選択する)。という点を踏まえれば、弓使いは MP 枯渇することがあまりなく威力の強い特技を連発出来て気持ちがいい。

ブーメランはかなり長期間「つかえねー」が続くと思われるので、少なくともスキルポイントをブーメランに振るのは本編ではお勧めしない。

職が武道家の場合が個人的に毎度弱るのだが、2パターンあって、一つが「主人公が武道家」のケースで、もうひとつが「専門の物理アタッカー職として主人公以外に武道家を採用」するケース。後者は個人的に滅茶苦茶嫌いなパターンなのだが、仮にそうしている場合、転職して一個の武器スキルを丸々極めた状態の武道家ならともかく、そうでないならツメ、扇、棍の三択になり、どれも「専門の物理アタッカー職」に期待するものとしては物足りないというかちょっと残念な気分になる。棍のビジュアルがかっちょいいから好きだというのもこれは「僧侶」での本質的な意味での活躍が見込めるからこそであって、「最大の物理ダメージを期待するキャラ」に持たせるつもりならヘボくて残念な気分になる。扇も同じ。ツメ…なのかね? ビジュアルは嫌いだけど単体へのダメージ期待値は悪くはないか…。対して「主人公が武道家」の場合は、本編はクリア後を見据えて「扇」がいいかもしれない。(無論その場合はエースアタッカーとして戦士やバトルマスターがいるとして。)

どの職であれ「短剣」「ムチ」を本編で採用するのは個人的にはないかなぁと思う。別にそれらを採用したからといって本編のクリアに支障が出るわけではないので、好みなら使っても良いが、どちらも本編の水準だと気分良くはないと思う。

続いて、クリア後に「複数の武器スキルを取るなら」の話。

前述したように、「宝の地図レベルが一定以上」になってから初めて必要を感じ始めるわけである。実際問題、二つ目の武器として選択する際は、扇と棍以外は主として宝の地図ザコ戦向けだ。

戦士系職のキャラは、「オノ」から始めると気分が良いかなと思っている。そもそも「オノ」の「MP つかうな」は大変優秀で、適宜「かぶとわり」してくれるし「オノむそう」してくれるので、高レベル宝の地図の最下層においてすら頼りになる。本来はオノは戦士キャラ以外がやった方が合理的なんだとは思うが、やたらに撃たれ強くて徒党を組んで現れるこいつらに対しては、剣を持たせっぱなしにして(AI が鬱陶しいからと)「MP つかうな」しているよりかは遥かに精神衛生上良い。また、剣では難しい「メタルキング(やゴールデンスライム、プラチナキング)狩り」要員にもなれるというのも大きい。

僧侶・賢者は、本編でヤリだったなら棍、棍だったならヤリ、と言うのも考え方ではあるものの、本編で棍を採用したなら、「ヤリ以外」でもいい気がする。ヤリ使いの AI が癪に障るてのもあるが、いっそ先に杖を極めてしまうのは悪くない気がする。いずれ魔王戦では必要になるだろうし、と思うならまさに。ヤリは無論メタルキング狩りで使えるので、いずれはヤリ、は良い。ただ「二番目に最優先」と考える必要はないと思う。当然のことだがマニュアル戦闘しかしないプレイヤーなら、「弓」を検討するといい。魔法使いよりは力が強いので、魔法使いが吸収率の高い杖でぶん殴るよりも多くの MP を奪えるはずである。

魔法使いなら「ムチ」と言いたいところだが、最近のお気に入りは「短剣」で、ほかのとこで散々書いてる「ソウルブレイカー」の存在が大きい。また、遺跡・自然タイプの高レベル宝の地図での「キラーブーン」の活躍ぶりも見逃せないところ。(なお、戦士系職キャラが二つ目に選ぶ武器としてもこれはアリである。)また、ドラクエ wiki などでも力説されている通り、魔法使いに持たせる「ハンマー」は滅茶苦茶強い。個人的な好みとは違うが、こちらも検討してみると良い。(僧侶の説明の方で書いたことからわかる通り、力が弱いので「天使の弓」に期待して「弓」を持たせるのはあんまし嬉しくない。力の強いキャラなら 30 程度、テンションを上げたり会心で 50 とか 60 奪えるけれど、魔法使いの力だとどんなに大きくても 10 未満しか奪えず、ほとんどの場合は吸収率の高い杖で殴るのと大差ないし、どちらでも一番奪いたいような状況(つまり相手が強い)ほどミスすることが多いので、だったら持ってるだけで MP 節約出来る杖を持たせてた方が普通は良い。)

本編で扇を採用したキャラなら、おそらく役割から言って棍が良いのではないか。「盾の秘伝書 + 天地のかまえ」は僧侶キャラに持たせるであろうから棍の魅力は半減するものの、それですらなお「ゆめみのこん + 氷結らんげき」が使え過ぎて笑える。

ほか、「それでもまだスキルポイントが余る」ほどになってきたら、主人公以外には素手スキルを取らせまくるとよろしい。これは「高レベル宝の地図の浅層階」で滅茶苦茶使える。「MP 使うな」が。武器を持たないわけだから「ボス戦での最強」とはなりえないし、「高レベル宝の地図の深層階」でこれを固辞する意味は薄いので、基本的には「あくまでもサブ」という感じにはなると思うが、別に弱いわけではなく、「ばくれつけん」は単体相手に結構なダメージを叩き出してくれる。宝の地図ボス程度なら、そんなに不満はないであろう程度のダメージは与えられる。(主人公がこのスキルを習得する意味はあまりないと思うし、AI 戦闘をしないスタイルなら、あんまりおいしくないスキルだと思う。)

ツメを本編で採用せずに、クリア後に「必要性を感じて」このスキルを最優先に育てる意味はほとんどないと思う。なのでこれはむしろ「青宝箱で意図せず良いツメを早々にゲットできてしまった」場合か、もしくは素手スキルと同じノリの理由でオマケで取ればいい。たとえば「サタンネイル」の猛毒効果が「魅力的」だったらねぇ、もっと積極的に採用する動機もあったんだろうが、いかんせん DQ5~8 の猛毒とはこれは全く比較にならんほどヘボい(※1)ので。この話は「短剣」のポイズンダガーにも共通。ツメに関しては、最初から愛着を持って使うつもりなら別に弱い武器ではないのだが、ほかの武器スキルを既に持っている状態で二つ目に選ぶ武器としてはあまり魅力的とは言えない。無理やり価値をつけるとするなら「マシン系への特効」があるのはツメのアイデンティティなので、それこそ「ゴールドマジンガ」「ファイナルウェポン」向けにはなる、ハズ。ゴールドフィンガー(単体相手のいてつく波動効果)だって無論本編から育てて使うならお役立ちだが、クリア後なら普通は他のキャラが既に近いことが(下手すりゃほぼ全員)出来るはずで、「ゴールドフィンガーのためにツメ」ということを「クリア後早期に」考えなくても良いはずである(※2)。

※1. DQ5 の猛毒は毎ターン最大 HP の 1/6、DQ6~8 が 1/8、DQ9 は 1/16。つまり、最大 HP が 500 の場合、DQ5 では毎ターン 83 ダメージを喰らう。ベホイミの回復量くらいは喰らってしまうわけである。DQ9 ならこれは 31。ホイミの回復量にすら届かない。なので大抵の場合「あーん? もうどくぅ? めんどうくせぇから解毒しんでもええわぁ」が通用する。戦闘が終了すると「ただの毒」になるのは全作品共通なのだが、歩行中のダメージも小さいので、「ザシっ、ザシっ」という効果音とフリッカエフェクトを鬱陶しいと感じないなら、そのまま解毒せずに特攻、なんてことも良くあることだ。なんなのそれ。(しかも DQ9 の猛毒はボス相手には無効だそーな。)

※2. ゴールドフィンガーの使いどころが乏しいって話ではないので注意。カチカチにスカラで固めたがるムドー戦でほかのキャラが「いてつく波動」してる暇がない、なんて状況は頻発するので、はっきりいって滅茶苦茶役には立つ。特に魔法使いに「いてつく」役をやらせるのはまさにその状況ではもったいないなくて、つまり呪文アタッカーを擁するほど使い勝手が良いということになる。ただほかにも宝の地図探索向けに役立つ武器スキルを差し置いてまで最優先で取る必要があるかといえば、やはりそんなにない。ムドー戦だって例えば Lv16 くらいまでで「ゴールドフィンガーさえあればっ!」なんて悔やむことなんぞ皆無。誰か一人「いてつく波動」出来れば大抵十分だし、呪文ダメージは通るのだから魔法使いがいればダメージ蓄積し続けられるわけで。

ほか、さらにスキルポイントがあり余り、「いずれは全員が」でオイシイのはやっぱりなんといっても「扇」。スーパールーレットのためだったり、あるいはブレスちゃん系魔王戦での「全員でといきがえし」なんてのは夢がある。無論棍も「全員ゆめみのこんで氷結らんげき」はほんとに高確率でアトラスに完封出来る、みたいなのはあるにはあるけれど、「全員盾の秘伝書、全員天地のかまえ」が出来ない以上、「おもろいけど強いわけではない」であろう、魔王戦では。

地雷云々のところでも書いたけれど、「ブーメラン」は、さすがに「ペンタグラム」や「メテオエッジ」をゲット出来てしまってもなおスルーするほどのものではないだろう。ドラクエ wiki など攻略サイトでの言われようはなかなかヒドいが、個人的にはそこまでヒドいとは思わない。特に魔法使いを採用しないパーティの場合、意外とグループ攻撃手段には困らなくても全体攻撃手段に欠くケースも多い。そうしたパーティであればブーメランも悪くはなく、特に力の強いバトルマスターに持たせるのは魅力的である。(当たり前だが他の職ではいくら全体攻撃でもヘボ過ぎて使い物にならない。)とはいえ、「高レベル宝の地図の深層階」でもブーメランを固辞してもいいことはない。なんというか「面倒だからブーメランで一掃」が通用する場所でしか嬉しかない。バトルマスターでさえ。なので、武器の持ち替えを億劫に感じないプレイヤーが、例えば 1F~8F まではブーメラン、以降はオノや剣、とする、みたいな使い方をする感じだろうと思う。(少なくともワタシがそう。)

「魔法使いなら「ムチ」と言いたいところだが」と書いた通り、現実問題魔法使いに持たせるムチはあんましおいしかぁなくて、持たせるならバトルマスターなんぞの力の強い職のキャラ、ということになるのだが、じゃぁバトルマスターに持たせるムチは魅力的か、と言うと、これも最強ムチを入手出来てないなら「そうでもない」と言ったところ。少なくともグリンガムのムチを手にしていない状態で「二つ目に選ぶ武器」にはまずしないだろう。余程スキルポイントが余ってから4つ目、5つ目の武器として選べばいい。(最強ムチの入手タイミング次第。)

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剣は強いがつまらない

正確には「つまらない期間が、ある時期からかなりの長期間続く」。

「さいごのカギ」を入手すると船の中の檻に囲まれていた赤宝箱から「はやぶさの剣」をゲット出来るため、これによりめでたく DQ9 での最強攻撃手段の「はやぶさの剣 + はやぶさ斬り」可能になり、ラスダンで大活躍させられる、というわけだ。これはクリア後でさえも単体相手にはずっと最強であり続け、だからこれを知っているならほとんどのプレイヤーは「さいごのカギ」入手後を踏まえて「はやぶさ斬り」を目指すわけだ。

気分がやたらに微妙になるのはまさにその「さいごのカギ」入手タイミングが最初。プレイスタイルにもよるのだが、「きせきのつるぎ」は小さなメダル32枚景品になっていて、「よーっしゃ、小さなメダルを集めるぞーっ」と本編プレイ時間の適正よりも結構多めに青宝箱・ツボ・タルを開ける機会を作らないと、「はやぶさの剣」と「きせきの剣」の入手タイミングがかなり似通ってしまうことがある。必要最小限のことしかしないスタイルならば、下手をすると先に「はやぶさの剣」を手にしてしまうこともありえる。(もちろんリアル運もあって、赤宝箱に入っている小さなメダルはかなり少ないので、手にするのがほぼそれらのみだと、32枚には遠く届かない。)

つまり「きせきのつるぎ」のありがたみをほとんど享受出来ないまま DQ9 最強攻撃手段を手にしてしまう可能性が結構高い、ということ。少なくともワタシの直近のプレイがまさしくそうだった。こうなるともはや「きせきのつるぎ改」は「レシピ埋め」にしかならない。「はやぶさの剣改」を普段装備していて、HP がピンチになったら「きせきのつるぎ改」に換装するつもりなら使えろ、と思っても、めんどうくさくて案外そんな機会、望んでは作らない。それに MP がピンチでないなら「ミラクルソード」もあるので、ますます換装が億劫になる。ゆえ、やはり「はやぶさの剣改」ばかり使うことになる。

真の憂鬱はクリア後から始まる。すなわち、「はやぶさの剣改」を超える魅力を持つ剣がいつまで経っても手に入らない、ということだ。

クリア後「アギロホイッスル」入手してこれでしか行けない場所に何個も赤宝箱があるが、この中にはない。「2% 防具」という言い方からもわかるように、宝の地図ボスは「レアな武器」はドロップしてくれない。通常枠で唯一スライムジェネラルが「きせきのつるぎ」を落とすがいらんだろう。(まぁ「攻撃力が低いキャラ」には「はやぶさの剣 + はやぶさ斬り」よりもほかの剣の方が得策なので、そのつもりなら「あってもいい」のではあるけれど。)

なので「レアな剣」は宝の地図青宝箱から狙うことになる。

けれども、

  • ランクF の「ゆうわくの弓」
  • ランクD の:
    • 「あくまのムチ→バスターウィップ」
    • 「まじんのかなづち→ギガクラッシャー」
    • 「じごくの弓→オーディンボウ」
  • ランクB の:
    • 「えいゆうのやり」
    • 「こがらしのダガー」
    • (「ドラゴンの杖」(ヘボ))
    • 「カルベロビュート」
    • 「まじゅうのツメ→じゅうおうのツメ」
    • 「風林火山」
    • 「ふんさいのおおなた」
    • 「メガトンハンマー」
    • 「ペンタグラム→ヘキサグラム」

と、どいつもこいつも「剣以外」。ようやっと「魅力的かもしれない剣」が手に入るのはランクA。が…:

  • 「メタスラの剣→メタルキングの剣」
    • 攻撃力は一応高い(137)。
      • が、「当然」相変わらず「はやぶさの剣改 + はやぶさ斬り」を超えない。
    • メタル系へのダメージ増。
      • が、元々剣スキルが「メタルキング」以上のメタル的相手に対抗する特技を持たない、
      • ゆえ、「はぐメタ狩り」が少し楽になるだけ、という気分。
      • ところが「メタルキングの剣 + メタル斬り」の与ダメージは「はやぶさの剣改 + メタル斬り」と同じ。

つまり「専門の剣使い」のつもりのキャラ(つまり戦士・バトルマスター)にはこれは全く嬉しくない。無論きせきのつるぎと同じく「力の弱いキャラ」に使わせるつもりなら「あってもいい」程度のものではあるが、そうであっても「ロトのつるぎ」(158)の方が攻撃力そのものは高いので、やはり気分は相当微妙であろう。

そもそも「はやぶさの剣」が一品ものだったならまだしも、これはクリア後にセントシュタインで購入できてしまうため「はやぶさの剣改」は量産可能。しかも MP 消費の観点から「はやぶさの剣改 + メタル斬り」の方がお得なので、「はぐメタ以下狩り」目的のつもりならばメタルキングの剣は「ゲットしよう」というモチベーションすら沸かない。

あまり深く考えないとこの状況は「メタルキングのヤリ」に似ているかのように思うが全然違う。「デーモンスピア + さみだれづき」と「メタルキングのヤリ + さみだれづき」の使い分けはこれは「確実性」に大きく開きが出る。つまり前者はメタルキング以降向けに強く、後者ははぐメタ以下向けに強い。要するにちゃんと棲み分けが出来ていて、ちゃんとどっちも嬉しい。

つまり、「やっとオレさまのでばんだわん」となるのはランクS。ランクS には剣以外の武器も錚々たるメンツが揃うが、剣では「ほしくずのつるぎ」。錬金での強化なしでも「攻撃力145、時々ルカニ効果」。この特殊効果の付与により、やっと「はやぶさの剣改との使い分けの出来る武器」を手に出来ることになる。

…手に出来る、なら。

当然のことながらまず「ランクS 宝箱」、「それが出現する地図」を入手することそのものがまず高難易度。というか地道なレベル上げ(等)が必要。自力入手するつもりなら。

「それが出現する地図」を手にしたとしても、そもそもが「ランクS 宝箱」のほとんどが「ランクS モンスター」が出るフロアなので、そいつらの相手を出来るほど強くなっていなければならない。そうでなければ、そうした宝箱に辿り着く前に全滅する。

ランクS 宝箱に辿り着いてからも、まずは「パンドラボックス」に最低でも「全滅はしない」程度には強くなければならない。運が大変よろしいと、ランクB 以降の宝箱全部がパンドラボックス、なんてこともザラにある。

「パンドラボックス」に問題なく勝てるところにきても、当然今度は「ほしくずのつるぎ」どころか他の武器さえも出現せず、「オリハルコン、ゲットっ、やった!」という自虐の繰り返しに耐え続けなければならない。これは「天使のソーマだっ、大当たりぃ」でもいいし、「きんかい、貴重品、ありがとっ」でもいい。とにかく剣以外の武器狙いでも起こる同じ屈辱を繰り返して味わわなければならない。

というわけで、どういうわけだか宝の地図青宝箱は「剣以外を使えっ!」と言っているかのごとく、剣にだけヘンに厳しい。あまりにも「ほしくずのつるぎ」が手に入らなければ、自分が剣にこだわっていたことをすっかり忘れてほかの武器ばかり多用するようになっている、なんてことも。魔王戦に戻ってきて「そういや剣」とふと思い出す、というわけだ。

実際問題「クリア後に剣以外の武器も極めたほうがいい」のは、こういう事情もあるからだったりもする。

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最強防具武具についてのメモ

毎度必ず狙うヤツ以外はどうしても忘れちゃうので個人的メモ。

オーブと魔王の関係

下表の太字は通信要素(追加クエスト)なしで闘える魔王。

オーブ 魔王
レッド 竜王 、シドー、ダークドレアム(Lv1~3)
シルバー バラモス 、ゾーマ、ダークドレアム(Lv41~56)
グリーン デスピサロ 、エスターク、ダークドレアム(Lv16~25、Lv81~90)
ブルー ミルドラース 、オルゴ・デミーラ、ダークドレアム(Lv4~8、Lv57~68)
イエロー ムドー 、デスタムーア、ダークドレアム(Lv9~15、Lv69~80)
パープル ドルマゲス 、ラプソーン、ダークドレアム(Lv26~40、Lv91~99)

2%防具

ボス 2%防具 錬金に必要なオーブ 錬金での強化後 錬金大成功に影響する主人公ステータス
黒竜丸 カグツチのこて レッド ツクヨミのこて、スサノオのこて、アマテラスのこて ちから
ハヌマーン むてきのズボン パープル ふめつのズボン、ゆうきゅうのズボン、ぜったいのズボン 攻撃魔力
スライムジェネラル わざしのてぶくろ シルバー めいじんのてぶくろ、たつじんのてぶくろ、かみわざのてぶくろ きようさ
Sキラーマシン えいゆうのブーツ イエロー おうじゃのブーツ、ていおうのブーツ、てんていのブーツ ちから
イデアラゴン りせいのサンダル ブルー しんりのサンダル、えいちのサンダル、イデアのサンダル すばやさ
ブラッドナイト りんねの盾 グリーン えいえんの盾、メビウスの盾、ウロボロスの盾 みのまもり
アトラス そらのトーガ ブルー てんのトーガ、おおぞらのトーガ、そうてんのトーガ みりょく
怪力軍曹イボイノス じあいのかぶと パープル しゅくふくのかぶと、きせきのかぶと、しんぱんのかぶと みのまもり
邪眼皇帝アウルート はるかぜのぼうし グリーン なつぐものぼうし/あきさめのぼうし/ふゆぞらのぼうし
魔剣神レパルド しょうりのよろい レッド えいこうのよろい、でんせつのよろい、しんわのよろい みのまもり
破壊神フォロボス 天使のローブ イエロー 大天使のローブ、ケルビムのローブ、セラフィムのローブ 回復魔力

錬金大成功のステータスに関し、「最高値の職の Lv99 + 装備品 + スキルでの底上げ」でも最小確率になるのは「ちから」「みのまもり」「みりょく」らしい。なので少しでも大成功確率を上げたい場合のドーピングは、ほぼ「ちからのたね」「まもりのたね」「うつくしそう」だけで良い。(ゆえ、「まりょくのたね」「しんこうのたね」は本来与えたいキャラに食べさせて良い、てこと。)というか個人的には「所詮確率でしょっ」と、ドーピングまではやらないことがほとんどだけど。

これらのうち、「いかなる検討をしようが全然まったく少しもいらない」のは黒竜丸の「カグツチのコテ」のみ。「アマテラスのこて(守備力+30)」のライバルは「げんまのコテ(守備力+15)」「メタルキングのコテ(守備力+24)」と「女王のてぶくろ」、「やみわだのミトン」ということになり、これらの特殊効果に目をつぶって「守備力最高値」を採用するならば、「やったーっ、メタキンコテよりダメージを 1.5 も減らせるぜっ、強い、さっすが黒竜丸!」って悲しいことを叫ばなければならなくなる。のみならずそもそも守備力の上がらない「女王のてぶくろ」と比較しても被ダメージ差は 7.5 でしかない。ウォルロ村のストーリーを進めてるんじゃないんだから。

ほかは「少なくとも多少は」以上の価値、ものによってはまさに最高峰。

「少なくとも多少は」なのは以下:

  • 「むてきのズボン」:
    • 強化までいけば、魔王戦のうちデスピサロ戦では使っても良く、以外では宝の地図探索の友、にはなる。
    • 趣としては、「かっちょ良くて耐性の範囲も広い、グリーンタイツの大幅強化下半身防具」。
    • 要は「即死耐性」を他の防具・装飾品でまかなえない状況なら検討の余地がある、てこと。
    • 錬金大成功して「ぜったいのズボン」にしなければ手に入らないものの、「幻惑耐性」は「はげんのリング」を装備出来ない事情があるキャラなら遺跡タイプの地図ではありがたいだろう。
  • 「わざしのてぶくろ」:
    • 盗みをはかどらせるためとオオカミアタックの威力を上げるため(と、会心率を上げるため)、と考えるなら悪くなくて、無価値ではない。
  • 「えいゆうのブーツ」:
    • 特殊効果は戦闘向けじゃない(歩行によるHP回復)が、宝の地図探索の友にしたければそうすればいい。

ゆえ、これらはあまり無理に狙うようなものたちでもないかもしれない。「むてきのズボン」はワタシは好きで良く狙うけれど、魔王戦での価値が限定的過ぎるので、億劫なら別に狙わんでもよろしいかと。

これら以外は全て「職によっては最上級もしくは最強」もしくは「全職業にとって最上級もしくは最強」のどちらかで、なので頑張って入手すればリターンも大きい、ハズ。

ただし DQ9 アイテムの例に漏れず、「これらで身を固めればどんな状況でも最強」ってことではなくて、使い分けるうちの一つとなる。耐性に関するものはデータシートをみて相手に応じて適宜選ぶしかないが、「りせいのサンダル」の話ならわかりやすかろう。これは「みかわし率が高くて最大MPを底上げしてくれて、歩行時 MP 回復もつく」という至れてて尽くせてるサンダルだけれど、メタルキングブーツは「みかわし率と守備力が高い」というブーツ。両方装備出来る職業であってもどちらがいいかは場合による。てな具合。(ちぅか、MP を浪費出来ない物理アタッカー職が「りせいのサンダル」を装備出来ないのが地味にいやらしい。)

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宝の地図ランクS宝箱武具

青宝箱武具 錬金に必要なオーブ 錬金での強化後 錬金大成功に影響する主人公ステータス
ほしくずのつるぎ シルバー りゅうせいのつるぎ、すいせいのつるぎ、ぎんがのつるぎ ちから
きしんのまそう レッド らせつのまそう、えんまのまそう、じごくのまそう 回復魔力
サウザンドダガー パープル ミリオンダガー、ビリオンダガー、トリリオンダガー きようさ
ひかりの杖 ブルー かがやきの杖、せんこうの杖、オーロラの杖 攻撃魔力
グリンガムのムチ グリーン 続グリンガムのムチ、真グリンガムのムチ、超グリンガムのムチ 攻撃魔力
しゅらのこん ブルー みょうおうのこん、ぼさつのこん、にょらいのこん 回復魔力
竜王のツメ レッド 竜神のツメ、竜神王のツメ、神竜のツメ すばやさ
ひっさつのおうぎ グリーン むそうおうぎ、ちょうぜつおうぎ、さいしゅうおうぎ みりょく
グレートアックス パープル ギガントアックス、グラビティアックス、ゴッドアックス ちから
大地くだき イエロー たいりくくだき、プレートくだき、ほしくだき みのまもり
メテオエッジ シルバー コメットエッジ、スーパーノヴァ、ハイパーノヴァ すばやさ
天使の弓 イエロー 大天使の弓、ケルビムの弓、セラフィムの弓 きようさ

これらは相対的には当然「当たり外れ」があるが、「相対的にハズレ」ほど早めに入手出来がちなので、なんだかんだ結構活躍させられたりはする。さすがにメテオエッジを活躍させようとすると無理やり感はあるが、サウザンドダガー(先制攻撃の特殊効果)を例えば風林火山(ランクB)よりも早く入手してしまうなんてことは良く起こるので、先制が重要な局面で活躍させることは出来たりする。

どういうテーブルになっているのかの詳細はわからないけれど、経験上「ほしくずのつるぎ」「きしんのまそう」「竜王のツメ」がほんとに出ない。「メテオエッジ」「しゅらのこん」あたりは結構ガンガン出るので比較的すぐに人数分揃ったりするのに、この3つ以外が人数分以上揃い、「ほしくずのつるぎ」「竜王のツメ」をひとつずつ入手出来ていてもなお「きしんのまそう」が出ない、なんて経験をした。

なお、2段階目の錬金に価値があるかどうかはものによると思う。

たとえば「ひっさつのおうぎ」は結構人数分揃うのだが、であれば「むそうおうぎx4」でも超必殺技だけが目当てなら十分にストレスなく発動出来る。無論「魔法戦士の証」とチャージしやすい職がいれば、というのは多少あるが、「むそうおうぎx4」なら、一人がチャージしてからほぼ確実に4ターン以内で超必殺チャージに持ち込める。どうしても最後の一人がチャージしないとかなら「やまびこのさとり」を併用すれば、もう確実に。

「ひかりの杖」の場合、回復魔力を出来るだけ高めたい、てことでないなら、2段階目の錬金は無駄。ドラクエ wiki ではバグなんではと言ってるが、殴った際の吸収量の限界値は 16。うん、バグな気がする。それにそもそも「杖」に攻撃力を求めること自体、発想が間違っておるわけで。

あと進め方によるけれど、「当たり外れ」のハズレが「もっと良い当たり」を引き当てた後なら、別に2段階目の錬金はこだわらなくても良いわけで。なんせそれらは「アタリ」を引き当てるにつれ、どんどん使わなくなる。例えばサウザンドダガー。グリンガムのムチなんぞもそうかな。

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賢者の石

従来のどの作品においても「入手できるのはかなり後半だが本編なら有用」というスペックでこれまでは一貫していた。DQ7 はちょっと入手が早過ぎて、DQ8 は「もっと早過ぎる上にある程度量産可能」というヌルさもあったけれど、どんなであれ「クリア後は役不足」という特徴はずっと同じで、これは「ハッスルダンス」系の無消費全体回復と完全に同じ。

が、DQ9 のはこれは…。

「クリア後に初めて手に入る強力アイテム」なんてのはたとえば「やまびこのぼうし」など、これまでの作品でも結構あって、 めでたくそれらの仲間入り 。本編では絶対に入手出来ない、てことだと思う。魔王の地図がすれ違い通信で手に入るなら別だけど、手に入るの? しかも「クリア直後くらいなら超絶に入手が大変 なのに超絶にロースペック 」。ヲィ。

ドラクエ wiki の解説が詳しいので引用:

回復量は、使用者の【かいふく魔力】により変わる仕様になった。 … かいふく魔力が高い僧侶や賢者が使用すれば効果が高いが、どれだけかいふく魔力が高くても75~95で打ち止め。 一方ベホマラーの回復量は最低でも90、かいふく魔力が高ければ310~329に達する。 かいふく魔力の高い僧侶や賢者はどちらもベホマラーを覚えるので、正直お呼びではない。 … これまでは回復手段を習得していない仲間に持たせるのが有効だったが、DQ9ではかいふく魔力0の仲間に持たせてもホイミ程度の回復量になってしまう。 …

つまり従来作のノリで持たせたいようなキャラに渡すと、ほんとにビックリするほどヘボい。僧侶や賢者に持たせない限りは常にハッスルダンスを大きく下回り、普通僧侶になんて持たせたいわけがない。こちとら「ベホマラー出来ないキャラが持つことで保険にする」ためにこそ使いたいのに、「全員にホイミ」程度ではほとんどの窮地を救えない。

今作でも一品ものではなく量産可能なので、「全員に持たせる」くらいのつもりなら僧侶や賢者にも持たせて MP 節約の役にも立つだろうが、問題はこの素材の「シルバーオーブ」。

通信要素(配信クエストとすれ違い通信)を活用できないプレイヤーの場合、これは「バラモス」からしか入手出来ない。「バラモスの地図」の最大の問題はこれが「一品もの」であるという点で、調子に乗ってバラモスのレベルを上げ続けていると連戦が容易でなくなってきて、シルバーオーブ集めがサクサク進まなくなってくる点。だから「4つ欲しい!」と、調子に乗って4つここで浪費してしまったあとに、「ぎんがのつるぎが欲しいっ、ハイパーノヴァが欲しいっ、かみわざのてぶくろも欲しいっ」という本当にシルバーオーブが真価を発揮する局面で非常に苦労するハメになる。そもそもバラモスがシルバーオーブを落としてくれる確率は、ゾーマ、ダークドレアムよりも低い。

こんななので「作る価値なしっ!」てことなら話は簡単だったのだけれども、全然そんなことはなくて、一定以上のレベルの宝の地図では少しは安心感に貢献するし、宝の地図ボス戦の「スーパールーレット待ち」などでは滅茶苦茶使える、てわけで、実際問題、従来作のどの作品よりも遥かに使用機会も多く価値も高い。

個人的に最もストレス低減に貢献してくれる振る舞いがまさしく「お前は攻撃しろっ」な AI の「(微)ピンチ時の過剰な回復行動」に関係するもの。青宝箱から「いやしそう」を拾ってしまって、たまたま戦士キャラが持ってしまったために「次ターン開始時に最速キャラが100%安全に全快出来るにも関わらず、なおかつ一体くらいにはとどめをさせるために次ターン開始時は余力が出来ることが明らかであろうと、是が非でもいやしそう」(「上どくけしそう」とか「やくそう」はもっと気分最悪)。正直これが「賢者の石」に変わるだけで、イラつき度は相当軽減される。怒りの原因は回復量ではなく「その行動パターンそのもの」だから、いやしそうの方が回復量が多いとか少ないなんてこちとら全然関係ないのだ。特に「いやしそう」は錬金素材としてそこそこ重要だからこそ、腹が立つわけだから、この消費アイテム「浪費」がないだけで怒りは半減する。

実際にこれが複数欲しくなってくるのは、地図のボス戦でのスーパールーレット待ちを除けば、特に「僧侶・賢者なしの(裏)パーティ」の場合の、スライムマデュラが出没し出すレベルに Lv40 代~50代中盤くらいで挑んだり、あるいはもっと熾烈なたとえば「ギリガメラ」やらとお相手出来るようになってきてから。無論僧侶・賢者がいるパーティなら「せいぜいハッスルダンスがあればいい」のだが、裏パーティではこのどちらもいないケースも結構多くて、こうした場合はもう「3つ欲しいっ」と思うほど。この場合は「普段はハッスルダンスだけで回復する」が、最大のピンチの場合に総力戦で回復したり、AI 任せの局面ならそのまさにイラつく振る舞いが功を奏す。

「クリア直後だと」大変、とは言え、相対的に言えばほかのレアアイテムに較べれば何十倍も入手が容易であり、(「バラモスの地図」を大事に育てる限りは)そう量産は大変な方ではないので、3つ(人によっては4つ)作っちゃえばいい、と思う。シルバーオーブ集めに「バラモスの地図」しか使えないプレイヤーの場合は、バラモスのレベルをあまり調子に乗って上げ過ぎないよう注意ね。たぶんいったん Lv9 (ゆうしゃの服20%、オーブ6%)か Lv16(ムドーの地図10%、オーブ6%)で止めるのが正解と思う。

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必殺チャージ

以下はドラクエ wiki からの引用:

【やまびこのさとり】を使った状態だと呪文1回ごとにチャージされるかの判定がある。

【ひっさつのおうぎ】(錬金するとさらに確率UP)や【魔法戦士の証】の装備で確率が上がる。

【武闘家】【レンジャー】【スーパースター】は他の職業より3%高い。

パーティ内にすでに必殺チャージした者がいると確率が上がる。

【HP】が少なくなると確率が上がる。特に残りHPが最大HPの2割を切ると、確率は+95%。

単独のキャラがチャージする機会は本編でも頻繁に目にするハズ。特に武闘家を連れていると。ただ、ワタシがそうだったように、本編で超必殺技を発動出来たプレイヤーは、思うに相当少ないだろう。たぶんラスダンで壊滅的ダメージを受けた際に3人までチャージ出来たのが最大で、ずっと多くても二人チャージすればいい方、てくらいだったのでは?

引用した条件からわかる通り、意図してまで超必殺技に持ち込めるようになるのは、やはり「ひっさつのおうぎ」系を 複数 入手してから。複数といっても二つくらいではまだまだ「ストレスフル」で、あまりに「あと一人がチャージしないっ!」ばかりでイヤになることだろう。三つ以上入手してはじめて「自由自在」に超必殺技を発動出来るようになる、と思っていい。(全員「むそうおうぎ」を装備していれば、「4体全部からぬすむのに4~6ターンかかる」(たとえばレッドサイクロン)なんてのを繰り返すと、8~9割くらいの戦闘で超必殺技発動出来る。)

なお、「ひっさつのおうぎ」の錬金を二段階目までやるかどうかは目的と入手数による。あくまでも超必殺技(特にスーパールーレット)が発動できればいいだけであれば、経験上「むそうおうぎx4」でも十分である。そうではなく、例えば魔王戦でパラディンガードさえ発動できればいい、という目的ならば、全員が「ひっさつのおうぎ」系を装備するよりは、「ちょうぜつのおうぎ」「さいしゅうおうぎ」を一人か二人にだけ持たせる方がいいかもしれない。この場合、「パーティ内にすでに必殺チャージした者がいると確率が上がる」ことを利用し、パラディン以外がチャージするまでは他の武器を持たせておき、誰か他のキャラがチャージしてから「ちょうぜつのおうぎ」「さいしゅうおうぎ」に持ちかえると良かろう。

「やまびこのさとり」(俗に言う「やまびこチャージ」)は、当然呪文が使えるキャラにしか使えない。つまり武闘家と戦士では使えない。こうした場合に、最も手軽にチャージしやすくする方法は「HPパサー」。最後の条件に引っかかりやすくなるので。無論強敵相手には危険なテクニックだが、ある程度のレベルに達していれば、フォロボス相手ですら「HPパサー」連発出来るので、(もともとチャージしやすい武闘家は特に)比較的簡単にチャージ出来る。

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残念アイテムコレクター

従来作ならこれはせいぜい「なんと! こんぼうを手に入れた!」に脱力する、と言った程度だったが、DQ9 はこの種類が多彩な上に状況に応じて時々刻々と変わるのが面白い。そんな「あるある」ネタ。

がっかりアイテム筆頭はもちろんアレだ

たぶん 99% のドラクエプレイヤーが共感してくれると思う。当然アレである。

「グビアナ硬貨」。銅貨、銀貨、金貨とあるが、金貨だからとても嬉しい…わけはなく。グビアナ金貨はたった 1000G にしかならず、要するに「換金の手間が必要なオカネ」でしかない。しかもこれ、相対的な価値として「たった一つのあるクエストでのみ価値が高い」というものであって、基本的には「常にハズレアイテム」:

本編青宝箱だと:

  • ランクA では 1000G そのものが出る。
  • ランクD の 52G よりは「銅貨」が遥かにいい、って? いやぁ、天使のすずやまんげつそうの方が嬉しいって。

ランクA の場合はそもそも狙っているアイテムが強力(最上が「しにがみの首飾り」)なので、誰がどう考えてもハズレなのはわかるだろうが、後者のランク D はほんとにこれは気分の問題で、「天使のすず」も「まんげつそう」も、店で安く買えるものなのだから、金銭的には硬貨がオトクなわけだが、これら素材を必要とする錬金では「ほんとに大量に」これらを使うため、こうして拾ったものだけで少しずつ錬金することが多いわけだ。つまり「なんか店で買うのがダルい」ものたちなのだ。実際何十個もまとめ買いしてもいつのまにか使い切ってたりするようなものなので、「気付いたら溜まってたそれら」で済ませたいわけである。そしてこのランクD 以外では常に「小さなメダル」が小さなライバルだ。普通はそっちの方が嬉しいだろう。

そして宝の地図青宝箱の場合は、たった一つの価値しかない。つまり、「硬貨が出ることでランクの範囲を絞り込める」という点で、特定の地図に最初に潜る際には、これが出ることで地図の価値を少し確定できるというわけだ:

  • 銅貨が出ればそれはランクI~G
  • 銀貨が出ればそれはランクG~C
  • 金貨が出ればそれはランクB~S

確定出来る絞込み範囲の広さは「小さなメダル」よりは狭いが、当然「そのランクでしか出ないアイテム」があるので、硬貨が最適なわけでもなく(例えば「あやかしそう」が出れば即座にランクEと特定できる)、初回すら気分は微妙だが、当然繰り返し潜っている際にこれが出るのは純然たる「大ハズレ」なわけだ。だってさぁ、「金貨=1000G」のライバルは例えば「ひっさつのおうぎ」なんだぞ? その価値はまったくの比較にもならない。

してまぁ、なんというか「しにがみの首飾りx2、オリハルコン、せいじゃのはい、一気にゲットっ」みたいに滅茶苦茶幸運(※)な回がある一方で、大半は「硬貨とあやかしそうとげんこつだけと小さなメダルコレクター」になり、もっと幸運なケースなら「うがぁ、ひとくいばこ、あらま、今度はミミック、あ、またミミック、あーらら、まだ出るかミミック、あげくパンドラボックス三連戦」なんて凄まじい回も。これ、全然少なくないんだよね。どうにもシンプルな乱数ではなく、何かパターンに従っているっぽい。

※ちなみにこれはあとで言うが「幸運ななかでも最も不運なパターン」。

「グビアナ金貨」の相対的価値が最も高いのは、クエスト「至高の野菜」においてである。無論クエストに必要なのは「うまのふんx3、うしのふんx7」なので、素材はすぐに調達出来る上に一切カネがかからない。これはただ売却するなら 12G にしかならんので、実に 83 倍。(ほかで書いている通り「金欠になるかならないか」は純粋にプレイスタイル依存なので、金欠にならないプレイスタイルでは無論このケースですら「気分は相当にビミョー」。)

無理やりこれの価値を見出そうと思うならば、「オカネは持ったままだと全滅時に奪われるが、グビアナ金貨なら奪われなくてハッピー」。いや、銀行に預けろよ…。

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小さなメダルがハズレだと思う季節

トータルで見るならばこれはいつだって「そうハズレではない」わけである。特にある程度宝の地図を大量に(8ページ目に至るくらい)こなしている時点では、「オリハルコン」やら「せいじゃのはい」のために大量に必要になるわけだから、少なくとも「げんこつだけ」だとかみたいに「もうどこにも用途がないし売っても高く売れない」みたいなほどには無価値ではなく、ずっといつまでも「本来はアタリ」なわけだ。

けれども、ある特定の宝の地図に最初に潜る際は、基本的には「大ハズレ」だ、少なくとも気分的には。つまり、その地図に潜る初回は宝のランクを特定したいわけであって、つまり、「その地図は何度も潜る価値があるか(捨てずに残す価値があるか)」を知りたいわけなのだ、お初モンスターやらがない限りは。そういう意味でこいつは実はグビアナ硬貨よりタチが悪くて:

  • 小さなメダルが出ればそれはランクG~A

つまりほとんどまったく特定にならない。高レベル宝の地図の最下層でまさかランクG なんてあるまい、と、もしかしたら未プレイの人は思うかもしれないが、実際はそんなことはなくて、Lv99 地図の最下層でランクI (こんぼうが出るヤツ)が2つ出る地図を持ってる。(基本的に下に行くほど良いアイテムが出る「傾向がある」が、「下に行くほど必ず良いものが出る」とはなってない。) まぁ、小さなメダルが出た時点でランク S 狙いの時期なら「S じゃない」とわかるだけでもいいって考え方もないでもないけれども。

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「ひとくいばこ」が大当たりだと思う季節

「ひとくいばこ」を一ターンキル出来るようになるまでの時間は短いので、普通は本編クリアレベルなら既にこの水準にある。

まさにその「小さなメダル」、やたらに余る時期と絶望的に欠ける時期が交互に現れて、つまりは「アタリを全然引き当てられない」期間が続いているとやたらに「小さなメダル」が溜まっていき、平気で100枚以上持っていたりする一方で、レアアイテムを一気に複数入手して、大量の「せいじゃのはい」「オリハルコン」が必要になって一気に小さなメダルがなくなったり、と、その繰り返し。(というかメダルは 99枚でカンストするので、100枚持ってるということは、1枚以上ドブに捨ててるってこと。これ、かなり起こる。)

ゆえ、その「絶望的に小さなメダルが欠けている時期」は、まさしくこの「ひとくいばこ」がカモ。というのも、直接小さなメダルが出るケースの「最大3倍」ゲット出来る上に「ほっといても50%くらいの確率で一つはゲット出来る」から。まずザキは無論問題だが、簡単に措置出来るようになってるなら、「全員で盗む」すれば、体感では7~8割の確率で一ターン目に盗める。そして「オート盗む」でもうひとつゲット出来ることがあり、さらに通常ドロップも手に入る。計3つ、最も幸運なケースではこうなるが、特に「盗賊の秘伝書」を手にしてからならほんとに結構2つは盗めることが多い。

同類として「ミミック」もこちらが強くなってからはそこそこカモだが、「ひとくいばこ」の「きんのブレスレット」よりも遥かに「きんのロザリオ」率が高いのが鬱陶しかったりする。やはりメダル狙いなら「ひとくいばこ」が最善。

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欲しい時期は入手が大変なのにある時期から「もういらねーよ」てくらい手に入るものたち

最も印象的なのがたぶん「あくまのタトゥー」で、本編中は「ごうけつの腕輪」、「バッファローメット」、「バスターウィップ」、「デーモンスピア」なんぞを作りたくて、「どうしても欲しい、たくさん欲しい」というシロモノなわけである。

この「あくまのタトゥー」、ガナン帝国城に突入後に作ることになる「デーモンスピア」用を除けば、基本的にはアーゴンデビルから盗むのが最も順当なのだが、まぁ「こうもりの羽」ばかりでなかなか数を集めるのが大変。(デーモンスピア用も、絶望と憎悪の迷宮に入ってから戻って錬金するつもりならアーゴンデビルにこだわらなくてもいいけれど。)

ところが…。まず「ヘルバトラー」を簡単に倒せるようになってからは、これは滅茶苦茶簡単に手に入る。クリア直後くらいなんかはアルマの塔でこいつを狩れば、すぐに必要数分揃う。というくらいの時期ならまぁいいのであるが…。

問題は「ヘルバトラーとまおうの仮面の両方がいる遺跡の地図」を手にしてから。「盗賊の秘伝書」を持ってた日にゃぁ、「まおうの仮面」なんぞほっといても通常ドロップでほいほいこいつを落とすので、それこそさっきの「ひとくいばこ」の例と同じく、「なんと! ~はあくまのタトゥーをぬすんでいた!」「なんと! まおうの仮面はあくまのタトゥーを…」「なんと! ヘルバトラーはあくまのタトゥーを…」と、一回戦闘で「いらないのに」何個も何個も手に入り、しかも「まおうの仮面」との戦闘回避が非常に難しいこともあって、とにかくやたらに「あくまのタトゥー」が溜まる。いや、いらんて…。

ほかにはきっと誰にとっても印象深いのは、アイアンブルドーのプラチナ鉱石であろう。レア枠の癖にやたらにゲット出来る。プラチナ鉱石なんか、基本的に本編内でさえすぐに「いらないもの」になってしまうものなので、宝の地図をやりこむようになってから必要となる局面なんか皆無。しかもミスリル鉱石ほどにはカネにならんし。まぁ金欠プレイヤーなら何か錬金術に使う手もあるかもしれないけれど、普通は「うわぁいらんよ、取るなよ」と思うわけだ。(しかも通常ドロップが「まじゅうの皮」なのも痛い。)

「買えるし拾えるし安い上にやたらに落としてくれて迷惑ないらないもの」代表は言うまでもなく「デスタランチュラ」「ボーンスパイダ」の「まだらくもいと」だ。ある時期までは「しんぴのビスチェ」やらのためにある一定数までは欲しいものなのだが、「ボーンスパイダ」の「まだらくもいと」のドロップ率は滅茶苦茶高く、体感では90%の確率で落とす。いや、いらんて…。

「いつまでも需要は減らないがそれでも手に入りすぎ」というちょっと変わったパターンなのが「スターキメラ」で、こいつの「ひかりの石」のドロップ率も尋常じゃない。「ほしのカケラ」を作る素材として、だからやたらにアンバランスになり、なんというか見かけ上「絶望的によるのとばりが欠けている」と見えてしまうほど。こいつの場合は「いらねーよ」てほどではないのだけれど、さすがにここまで増えると「さすがにもういらないかも…」という気分になる。

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欲しい時期が限られていて、入手もやたらに簡単で、クリア後も延々溜まり続けるものたち

なんといっても筆頭は「まじゅうの皮」「まじゅうのツノ」「こうもりの羽」だろう。これらを落とすモンスターが本編のみならず宝の地図にもやたらに多い上に、これを落とすヤツらは軒並みこれらのドロップ率が異常に高い。本編なら「やわらかウール」もこれに順ずるが、こちらは一定レベル以上の宝の地図でこれを落とすヤツはいない。

このいずれも、本編ではそれなりに数が必要で、数が足りていない際にわざわざ盗みに行こうとするとそれなりに大変ではある。特に「しっこくのマント」「ファントムマスク」あたりの錬金とそれに関係するクエストのために慌てて調達しようとすると、かなり大変に感じる。クリア後にこんなに余るなんて初回は思いもせずに、ひたすら頑張るわけだ。

「欲しい時期が限られていて」にすら人によっては該当しないのは、「てつのクギ」「べっこう」「ヘビのぬけがら」かもしれない。こいつらも、落とすモンスターはクリア後には多くはないのだが、クリア前の落とすヤツはやはりドロップ確率が異様に高く、また、本編宝箱・ツボやタンス・宝の地図の宝箱のハズレアイテムとして、恐ろしく高確率で出てくる。これらいずれにも共通するのが、「早期にレシピを知っていて、偶然拾えていれば序盤から中盤手前に少し強いものが作れる、というかそれしか作れない」という点で、本編終盤でこれらを必要とすることはないってこと。つまりそうした序盤から中盤手前に必要性を感じなかったり「気付かなかった」ら、あとは「レシピ埋め」用途でしかないわけだ。(辛うじて「やいばのよろい」が比較的強い方だが、何せそのウリである反射があまりにヘボいので、これは「硬いだけ」のヨロイ、普通は興味本位かレシピ埋めでしか作らない。)

「竜のうろこ」は「まじゅうの皮」「まじゅうのツノ」「こうもりの羽」にかなり状況が似ているが、一つだけ決定的に違う。落とすヤツの異常な多さ、ドロップ率の異常な高さが共通していて、「いらねーっ」てほど収集出来てしまうのは全く一緒だが、「ロイヤルバッジ」が(「しにがみの首飾り」の出現率の低さから)必要数分錬金出来るまでには相当な長期間かかるため、つまりはクリア後相当経ってからもまだ使うことが結構多い。後述の「ぶどうエキス」と同じく本編水準だとほぼ「シェンロンローブ」が最高峰(になりがち)ではあって、やはりどう考えても「ロイヤルバッジ」の入手難易度の高さがデカ過ぎる。

これ以外では「げんこつだけ」「ぶどうエキス」「ヘパイトスのひだね」であろうか。

「げんこつだけ」はまさに「ぶどうエキス」(と「とうこんエキス」)の素材であり、本編中は色々使うが、本編だけだろう。小さなメダル収集がはかどっていないと、クリア後にやっと「シェンロンローブ」を作るなんてこともあるかもしれないが、「ぶどうエキス」を使う最高峰はまさにこの「シェンロンローブ」で、これ以降何一つ用途がない。「とうこんエキス」も、人によっては「ごうけつの腕輪」を作ったら用済みなんてこともあるかもしれない。(普通は「ごうけつの腕輪」を素材とするものを少しは作るとは思うけれど、どれも別に最強ってわけでもないので、作らない人も結構いるんではないかと。)

「ヘパイトスのひだね」は無論ダーマ編前後から「はがねシリーズ」「たまはがねシリーズ」で結構使うのであろうし、最強クラスの錬金にも少し関わるのであるが、無論クリア後に何十個も必要なわけはない。「オリハルこん」、「オリハルコンのツメ」を作ったらもういらない(混・ツメに興味がないなら無論それらもいらない)。

という具合に「げんこつだけ」「ぶどうエキス」「ヘパイトスのひだね」は本当に必要な期間が短いのだが、これらもやたらにしつこいくらいに手に入る。幸いこれをドロップするモンスターに辟易するというタイプではないが、いずれも「最も高確率で出るハズレアイテム」として、なんなら「Lv99 宝の地図」の最深階で出る。(「ぶどうエキス」は若干高く売れるのだけは救いか。)

「てっこうせき」「ばくだんいし」も概ね似た感じだが、幸い宝の地図青宝箱の場合これはランクG、H なので、Lv40 代以降の地図ならそれほど高頻度ではない。それでも出るからやっぱり無駄に溜まるは溜まるのだが、「げんこつだけ(ランクG)」「ぶどうエキス、ヘパイトスのひだね(ランクE)」ほどではない。(ちなみに「とうこんエキス」もランクE なのだが、どうもランクE の中では少しレアらしい。)

ちなみに自力で地図を入手するタイプのプレイヤーが「低レベル地図ばかりに潜る」(目安としては Lv20 代以下)なんて行為を好んでするわけはないと思うが、仮にそういうことをすれば、おそらく「ちからのゆびわ」「はやてのリング」コレクターになれる。「てっかめん」も大量に手に入ってウホウホなことでせう、合掌。

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「はやぶさのツメ」地獄、「まほうの盾」地獄、「あさのぐんて」地獄、「ピンクパール」地獄

「あさのぐんて」ですぐにピンと来るヒトが多いかもしれない。無論「欲しい錬金素材でない方のレアドロップ」の話。

共通するのはどれも、「欲しいのは通常ドロップの方なのに、レアドロップの方の確率が異様に高い」という点。

  • 「はやぶさのツメ」は、「かぜきりの羽」欲しさに「デッドペッカー」を狙うと大量に手に入る。
  • 「まほうの盾」は、「きよめの水」欲しさに「ガオン」を狙うと大量に手に入る。
  • 「あさのぐんて」は、「よるのとばり」欲しさに「かまっち」を狙うと大量に手に入る。
  • 「ピンクパール」は、「ひかりの石」欲しさに「おどる宝石」を狙うと結構手に入る。

フィールドの宝の沸き方のパターンは「ぼうけんの書」作成時に決まるとのことで、「かぜきりの羽」「きよめの水」「よるのとばり」「ひかりの石」のどれが絶望的に欠けるかはプレイヤーによって違うわけだが、上のどれ一つとも未経験のプレイヤーは案外少ないんじゃないかと思う。(ちなみに直近のプレイでは前者2つが全然沸かないパターンだった。後者2つ(と「こおりのけっしょう」「いかづちのたま)は腐るほど沸くパターン。)

「おどる宝石」のピンクパール以外はかなりの高確率で、「4連続あさのぐんて」なんてのは日常茶飯事だし、4匹のガオンのうち2体が「まほうの盾」なんかしょっちゅうで、デッドペッカーの「はやぶさのツメ」も、「かぜきりの羽10枚は欲しい」と粘っていれば、普通3つか4つは手に入ってしまう。

ツメ使いは本編ではどちらかといえば稀だろうから純粋に「はやぶさのツメ」は邪魔であろう。「まほうの盾」は市販はグビアナであって、普通は(地下水道で手に入る一つ以外は)購入するだろう。「せいれいの盾」やら「げんまの盾」やらを作りたいであろうから。なので「ただで拾えるから買い控える」プレイヤーはきっと稀だろう。なので、普通は「もういらねーよ」であろう。まぁ「本命盾以外をレシピ埋めだけの目的で作る」のには買うのはバカらしいから、その向きには少しは嬉しい可能性もないではないけれど、それでも素材の欠け具合によっては「きよめの水が10個欲しい」なんてやってる間に2つ3つは平気で落とすので、「いや、そんなにいらんし」。

ちなみに「にじいろの布きれ」が大量に欲しい時期(主として「きわどい水着」のため)に「よごれたほうたい」を狙う際に、レアドロップの「うらみのほうじゅ」が鬱陶しいというパターンもあったりする。「うらみのほうじゅ」はほぼ「デーモンスピアとバスターウィップとやみわだのミトンのためだけ」で、ほかの用途は「レシピ埋め」(解呪したものを再度呪いをかけるレシピ)にしか使わない。ので大量にあっても困る。そして案の定無駄にたまる。666G にしかならない。

それと、カルバドまでストーリーを進めていない場合、「まりょくの土」はアユルダーマ島で数個沸くだけなので、ビッグモアイ狩りをした人も結構いるかもしれない。この場合の「つけものいし」も結構なんだかんだヘコむ。(「まりょくの土」も沸き方に開きが大きいヤツで、なのでクエスト「エラいのはワタシ」の2回目以降が嬉しいかどうかがこれで決まったりする。)

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需要がなくなることはずっとないが人によっては「もういらねー」てほど手に入るものたち

「フィールドの宝の沸き方のパターンは「ぼうけんの書」作成時に決まる」に関係するものでもうひとつ。

「こおりのけっしょう」は「エルマニオン海岸」ただ一箇所、「いかづちのたま」は「アシュバル地方」の東の小島と「竜のつばさ地方」の二箇所で沸くのだが、この沸き方のパターンの差は相当激しい。「腐るほど沸く」パターンなら、「こおりのけっしょう」は一回に8個、「いかづちのたま」も同じく8個採集出来、これで(「おかしなくすり」が足りていれば)一気に4つの「せいれいせき」を錬金出来る。対して「絶望的に沸かない」パターンだと、「こおりのけっしょう」は「やった、今回は3つだ」が嬉しいほどに、いつもたった一つしか沸かず、「いかづちのたま」も「アシュバル地方」の方で良くて一つ、「竜のつばさ地方」で良くて二つ、といった具合で、一回の採集だけでは「せいれいせき」が作れないことが多い。

クエスト「王さまのお香」(モーダメ王)が嬉しいのは、この「絶望的に沸かないパターン」でプレイしているプレイヤー。「王さまのお香」以外の手段で素材調達したければ:

  • いかづちのたま:
    • くもの大王
      • 結構落とすが出没場所が便利でないのであまり使わない。
    • ヘルクラウダー
      • 便利な場所に出没し、結構落とす上に、レアドロップが「まりょくのたね」。
  • こおりのけっしょう:
    • スノーデビル
      • ドロップ率は低いがレアドロップが「あやかしそう」なので「あわよくば」狙いで使う。
    • ふゆしょうぐん
      • レアドロップの方の「こおりの盾」地獄になりやすいのが難だが、スノーデビルよりは落とす。
    • フロストギズモ
      • ヘルクラウダーとともに、便利な場所に出没し、結構落とす。

ここいらから盗むことになる。ほかにも「ひょうがまじん」も「こおりのけっしょう」を落とすが、出没場所の関係からあまり使わない人が多いだろう。つまり「便利な出没場所」はこれはまさしく「アルマの塔」で、クリア後ならばここに通う動機の一つになるわけだ。もちろん、氷タイプの地図を入手後はそちらでもいい。氷の地図の場合は、ワイトキングからあわよくば「しんこうのたね」も狙える。

というわけで、「せいれいせきの素材が絶望的に欠けている」プレイヤーにとってはこいつらのドロップは非常に嬉しいのであるが、まさにその「腐るほど沸く」パターンでプレイしているプレイヤーにとっては、特に「ヘルクラウダーのいかづちのたま」が手に入り過ぎて辟易することになる。ワタシのように「アルマの塔」を経験値稼ぎ場所に使う人は多いだろうし、「絶望と憎悪の迷宮」に通うプレイヤーも多いだろう。そこでも通いつめれば結構溜まってしまうし、氷の地図では、ヘルクラウダー出没ゾーンが最頻ランク(自然タイプのEと氷タイプのE、F)であり、氷の地図なら「最高ランク」(最低ランクが D)のものでない限り、まずこいつに出会うことになる。

「まじゅうの皮」あたりと違い、これらほどのドロップ率の高さではない上に「いらないわけではない」のが救いではあるものの、フィールド採集だけで十分に足りているプレイヤーはやはり「いや、いらんよ、足りてるし」という気分満点になれる。

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ハズレの中ではアタリ、アタリの中ではハズレ

後者の方がわかりやすいかもしれない。

例えば「しにがみの首飾り」は、宝の地図の青宝箱ランクA の中では「最も高確率で出るアタリ」だ。コテ以外のメタスラ装備の方が普通は「大当たり」である。

そのまさしく「しにがみの首飾り」の話が面白い。というのもこれ、「必要と思う期間が非常に長い」わけである。そもそもが本編の青宝箱ランクA からはほんとに絶望的に出現しないので、ノーマルなプレイなら、本編クリアまでに2つゲット出来れば十分に幸運だ。(赤から一つ取れるので、計3つ。)つまり、「おうごんのティアラ」を本編中に二つ欲しければ、「ラッキーペンダントをラッキーペンダントのまま」持てるのは相当に幸運で、大抵「やむなくロイヤルバッチにして「おうごんのティアラ」などを作り、ラッキーペンダントそのものは諦める」ことになる。

これがクリア後すぐに解消するかといえば、無論「青宝箱ランクA」は、少なくとも自力で入手するのは非常に難儀で、ランクA を開くチャンスすらない期間が長いわけだ。だからこの「大ハズレ当たり」はまさに「かなり長い期間嬉しい」わけである。例えば本編では諦めた「女王のてぶくろ」を、「しかも人数分作れるぜ、やった」て具合。余る頃になってきてもまだ用途はあって、くだんの「地雷錬金」が2つもある。これにまたいくつも「しにがみの首飾り」を釜に放り込める。なので、これら全てやり切ってから本当に「正真正銘のハズレ」になるのだが、「最も確率が高い」と言ったって「けんじゃのせいすい」「ちいさなメダル」「げんませき」「オリハルコン」「天使のはね」「3000G」「パンドラボックス」「グビアナ金貨」の方が「遥かに」確率が高いわけである、簡単には「正真正銘のハズレ」化することはない。

前者の「ハズレの中ではアタリ」はほぼ錬金素材。たとえば「ゆうわくの弓」を取り尽したり既に「オーディンボウ」を持ってたりするなら、「ゆうわくの弓」はハズレであろう。これが出るくらいなら「花のみつ」という大ハズレの方が遥かにありがたい。もちろんこの場合「花のみつ」よりも「せいじゃのはい」が当たりだが、「花のみつ」は錬金素材として相当長期間不要にはならないので、「ゆうわくの弓」より遥かにマシ。

「ゆうわくの弓」の方がカネになるだろっ、って? いや。そもそも、「金欠になるプレイヤー」は要するに「中断即開け」「ホイミテーブル」的な裏技だとか、すれ違い通信だとかを駆使して「早期に強力武器・防具をゲット出来る」からである。この場合「必要戦闘回数が少なめになるので、早期に「しんかのひせき」が大量に必要になる」わけだ。けれども「金欠にならないプレイヤー」が経るのはこうした「欲しいものが手に入らない非常に長い期間」である。オカネが全然たまらないまま「しんかのひせき」が必要になるシチュエーション自体が皆無、皆無、皆無である、ホント。「欲しいものが手に入らない期間が非常に長い」プレイヤーにとっては、「カネは湯水のように使えるほど溜まる」ものであって、強いて言えば「ゴールドシャワー習得後に高レベル宝の地図に潜ると、全然カネがたまらない」ことくらい。それでも銀行には数百万ゴールド貯金してあったりする。だから「ゴールド」を基準に合理的に考える行為自体が「無駄無駄無駄ぁ」だったりするわけである。

話は戻って「アタリの中ではハズレ」な気分になる期間が長いのがまさに「天使のはね」「ほしのカケラ」「せいじゃのはい」「オリハルコン」で、これらをどれだけ大量に手にしていようと「相手がいなければただの箱」。「オリハルコン」が10個手に入ってもその相手となる武器・防具が全く手に入らない時期はほんと精神的に参る。まさに「いや、今はそれじゃなくて…」。

似ているがちょっと違うのが「きんかい」で、これは「大当たりの中の大ハズレ」だ。なにせ「きんかい」を必要とするレシピは大変少ない。本編では非常に貴重で重要なこれも、用済みになるのが存外早く、あっという間に「ただの金策アイテム」となりはて、しかも「思ったよりカネにならない」。5000Gというのはこれは、ミスリル鉱石が3000Gということを考えれば、その入手難易度に見合う額ではない。「パンドラボックスの恐怖を潜り抜けた挙句に5000G」ということである。(ヘビーメタルは 1400G だが、これは「用途が少ないのにやたらに素材が手に入り、大量に錬金出来て大量に余る」代表で、「金塊」より何百倍もコストパフォーマンスが高かったりする。)

あと、凄まじく微妙な気分になれるもうひとつが、「ひょうがまじん」が落とす「リサイクルストーン」(だいまじんも落とす)。これをクリア前に「絶望と憎悪の迷宮」で意図せず入手出来てしまい「絶望した」。こんなもん、魔王の地図を最低でも Lv50 代くらいまでやり込むくらいになってからはじめて「いるかもしれないしいらないかもしれない」と思うもんであって、こんなに早期に入手出来てどーする。

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シュプリンガーのレアドロップ「ドラゴンキラー」とか

リアルタイムにゲット出来れば多少は嬉しいのかもしれないが。

要するに「クリア後にシュプリンガーと対戦するハメになる機会が異様に多い」わけだ。閉ざされた牢獄なんぞを経験値稼ぎ場所に採用していると。しかも宝の地図(自然タイプ)にも登場するので、ますます良く出会う。なので「そこそこなレアドロップ」なのにも関わらず、結構ドラゴンキラーが手に入ってしまう。いらん…。当たり前だが「ぬすむ」を仕掛けようと思ったことなど一度としてない。

同類としてはウィングデビルの「ドクロのゆびわ」、ナイトキングの「ダークシールド」。ナイトリッチの「ソードブレイカー」は場合によっては嬉しいか。ナイトキングの「ダークシールド」は通常枠だが盗みにくく、だけれども「オーガシールドは一つあればいい」のが普通なのでいらない、ということなわけだが、レアドロップの「ドクロのかぶと」ならば、人によっては嬉しいだろう。言うても「宝の地図青宝箱ランクCのレアアイテム」なので、こちらから取るのはかなり難儀だ。

「てっこうまじん」のサタンヘルムも似た感じか。サタンヘルムは何個もいらない代表みたいなもんであって、クリア後ならますますいらない。「リアルタイムで取れてたらっ!」と悔しいかどうかさえ微妙で、基本的にサタンヘルム(→グレートヘルム)は「妥協案」的なポジションの兜なので…。

いずれのパターンも、本編でゲット出来ることは普通にやってればまずなくて、そうしたいならかなりそればっかりと長時間闘い続けなければならないだろうが、このように「自然と戦闘機会が多い」とレアなのにサクっとゲット出来てしまって「拍子抜け」もしくは脱力することになるわけだ。

なお、死霊の騎士のレアドロップ「プラチナソード」も、同じ要因でやたらに入手頻度が高い。「魔獣の洞窟」のお世話になる機会が多いため。「プラチナシリーズ」の例に漏れず、リアルタイムでゲット出来てもかなり微妙だが、クリア後にこれが嬉しいとするならば「お受験に協力」クエストの際くらいだろう。

氷タイプの地図が入手出来てからは、低レベルの地図なら「アイスビックル」の「うろこのよろい」に辟易すること請け合い。こいつのレアは「はやぶさのツメ」で、こっちもかなり手に入る。どっちでも鬱陶しいだろう。「アイスビックル」は「本編では出会うことそのものがレア」だったがゆえに、宝の地図で出会うようになってはじめて鬱陶しさに気付くパターン。

ちなみに本編内で「どうしても戦闘機会が多いために意図せずやたらに手に入る」のは、まず間違いなく「りゅう兵士」のドロップする「さんぞくのサーベル」であろう。こいつを相手にする(もしくは相手にすると楽)なクエストが多いため、やたらと「りゅう兵士」と闘うことになるため、気付くと「さんぞくのサーベル」を3つも4つも持ってる、なんてことに。無論これを手にする時点ではこれより遥かに強力な剣を持っているはずなので、「いらん」。

あとはグビアナで受けられるクエストが多い関係で、「ウパパロン」から「てつかぶと」「はじゃのつるぎ」パターンも最頻、かも。「はじゃのつるぎ」は時期さえ良ければ「ひかりのつるぎ」やら「ほのおのつるぎ」、「インフェルノソード」の素材でもあるので嬉しい人もいるだろうが、だとしてもこいつのドロップ率も相当なもの、間違いなく「もういらんよ」てくらいたまる。

「かぜきりのはね」関係で「サンマロウ北の洞窟」に通うプレイヤーの場合、「メタルハンター」の「クロスボウ」も迷惑な落し物代表。今データをみるに、通常枠の「てっこうせき」を1個しか落としてないのに、「クロスボウ」は5つも落としてやがる。91匹しか倒してないのに。

エルマニオン学院周辺を経験値稼ぎフィールドに使うスタイルでプレイしている場合は、上述の「こおりの盾」以外では「キラーリカント」が妙に高確率で「みかわしの服」を落とすのに辟易することになる。「みかわしの服」はスーパーテンツクもかなりの確率でドロップするため、気付くと10やら20もこいつを持ってたりする。「みかわしそう」と「やわらかウール」が余ってるなら「かくれみの服」にしてしまおう。本編なら少しは活用期間はある。

潜る機会の多い宝の地図の種類によっては、サイクロプスの「けがわのベスト」地獄にも陥るかもしれない。まぁサイクロプスが執拗に追いかけてくることはないので、意図せずやたらに戦闘機会が多い、てこともそんなにはないだろうけれども。というか宝の地図の話をしだすと余りに多過ぎるか。「スライムマデュラ」の「ちりょくのかぶと」、「マジックアーマー」の「まほうのよろい」「ハルベルト」、「うみうしひめ」の「うみなりの杖」、「まおうのかめん」の「おやぶんの盾」、「ビュアール」の「だいまどうぼうし」「だいまどうローブ」など挙げだしたらキリがない。全体通してどうも「とんでもなくレア」なアイテムを保持しているモンスターは DQ9 ザコでは稀有で、どいつもこいつも結構高確率でホイホイ落っことす印象がある。多分そうしたアイテムでは「ゴッドライダー」の「おうじゃのマント」が最高峰で、そして「女尊男卑だと知ってる(しエロい)ので女キャラしか使わない」プレイヤーには用がない一品。

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昔は貴重だったのに…たち

たとえば DQ7 まであたりの印象が強いプレイヤーなら、「はやてのリング」あたりのものが腐るほど手に入ることにびっくりすることになるわけだ。無論これが「しっぷうのバンダナ」やら「ほしふるうでわ」の素材になっていくので、かつての作品ほどの貴重品だとバランスが保てないからだとは思うが、だとしても「レッドサイクロン」あたりのこいつのドロップ率も結構高い上に、青宝箱からもやたら出てくる。「いのりの指輪」もそうで、従来作のノリで考えれば驚くほど大量に手に入る。

こうしたものの中でも一番極端なのは「まほうのせいすい」だろう。気を抜いてるとカンストするほど溜まる。チマチマ行動中や戦闘で使うなり、「けんじゃのせいすい」の素材なりにしていかないと、溜まるスピードが尋常じゃない。特に「けんじゃのせいすい」を作るための素材「まりょくの土×1+花のみつ×3」の収集スピードより圧倒的に高速に溜まるため、正直これの素材で使っていくだけでは全然減らない。まず間違いなく「最も所持している数と期間が多いアイテム」。

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オリハルコン11、せいじゃのはい12、しんかのひせき9、きんかい1

ある日のワタシのセーブ時状態。ちなみに「スライムのかんむり13」「げんませき53」「ほしのカケラ22」。

人によってはこの状態が「やり尽くして余ってるんでしょ」と思うのかもしれないけれど、「きんかい」関連以外は全然作りたいもの作れてない。特に 2% 防具関係は一切手付かず、宝の地図青宝箱のものだと、「やたらにじごくの弓とあくまのムチとメガトンハンマーばかりが手に入っていて、究極的に嬉しいレベルだとメタキン盾一つとメタキンブーツ一つのみ」という状態。無論宝の地図巡りしないで出来ること(たとえばオベロンのくつやシェンロンローブ)はほぼやり尽くしてはいるけれども。

当たり前だが「欲しいものが大量に手に入ったのでオリハルコンを大量に見繕った」んではないし、「一気にしんかのひせきを量産した」のでもなくて、まさに地道にコツコツやってたら「結婚相手のいないしんかのひせきがいつの間にか溜まってた」だけ。オリハルコンも「小さなメダルげっとー、やったー(涙)」を延々繰り返し、気付いたらメダル99枚になっちゃってたので、仕方なくオリハルコンに換えた、てのと、「やった、オリハルコン、ゲットっ、せいじゃのはいゲットっ(涙)」も繰り返してた、ってだけの話。

ランクA 宝箱が出る宝の地図はとっくに手に入ってるわけである。そこから延々「小さなメダル」「グビアナ金貨」「1500G」「オリハルコン」を引き当て続け、少し下位ランクからも「小さなメダル」「せいじゃのはい」を引き当て続ければ、まさしくこうなる。(ランクA 宝箱が出る宝の地図入手そのものまでも長いのでなおさらである。)

まぁそういうこと。裏技なしの、全部自力で、て場合、まず間違いなくこうなる。

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0.7%防具、あるいは 100% 防具

もちろんこれは「2% 防具」の話。ドラクエは内部システム上は単なる擬似乱数ですらない作為的なものらしいが、仮にそうでなく「本物のランダム」だと思い込んでここの話を読んで欲しい。

たとえば「りせいのサンダル」欲しさにイデアラゴンと何度も何度も闘うわけである。ところが「何度も闘おうか」と思った矢先、「初回で」りせいのサンダルをドロップする、なんてミラクルは、まぁ結構起こる。ので「100% 防具」。

ひとまず一つあればそれだけで結構助かるので、しばらくこれで満足していたものの、高レベル宝の地図を入手し、「主人公と僧侶キャラ二人でゆめみのこん装備の氷結らんげき」を多用するようになり、しかも「装飾品は状態異常耐性を重視したいので女神の指輪は最善ではない」なんてことになり、「あぁ、そろそろ「りせいのサンダル」二つ目ゲットしようか」と。

出ないわけだ。148回闘ってもなお二つ目が。ゆえ「0.68% 防具」。

「そろそろ出るはずだ」というギャンブラーの心理、つまり心理学の話、そして統計学の基本をちゃんと知っていれば、「2% なんだから 100 回戦闘すれば2つゲット出来るに決まってるじゃん」が誤りなのはわかるのだが、わかっているからといって精神面からも納得できるとは限らない。やっぱりそれでも「そろそろ出なきゃオカシイ」と間違った思考を続けるわけだ。

先に「100個の玉のうち98個が白、2個が赤で、一個引いたら玉は戻さない」、つまり「100回引けば必ず2回赤が出る」としたケースを考えた方がわかりやすい。100だと多いので7つで赤が2つとすると、つまりは引いた当人の精神状態が「●●○○○○○」と「●○○○○○●」では全然違う、ということだ。前者では2つ目までは「なんだよく当たるなっ」とホクホクになったあとどん底状態を味わい、後者では「常に1/6の確率で当たるんだねっ」と感じる。どちらも事実とは違う感想を抱くわけである。

問題は、現実は「一個引いたら玉は戻さない」ではない、ということ。つまり、1万回繰り返そうが「2%当たる」ままであって、「繰り返せば確率が上がる」ということは決してない。これが「そろそろ当たるはずだ」というギャンブラー心理が誤りである理由。

もうひとつ「統計学」から学べる話。「リアル運」なんていう「非科学的にみえる」ものは本当は確実にある、という話。「2%」と言うが、この2%が「真に2%」となるのは、「試行者数が統計学上の有効母数に達した際」。要するに「あなたにとっては 2% ではないかもしれない」て話。1万人の統計を取れば、10万人の統計を取れば…、と、母集団が多くなるほど「真の2%」になるだけの話で、リアルにも「釣鐘型分布の両端」にも生身の人間がおり、ゆえ、「何度引いても引き当てるラッキーガール」もいれば、「1万回引いてもハズれるボンビーガール」も現実に存在する、てこと。(ただし「2%」の例の場合に、「2% 当たるクジを1万回引き続けてもハズし続ける確率」という別の問題があるので、さすがにここまでヒドいものはまさしく天文学的確率になり、あまり起こらない。)

要は「繰り返せば真の確率に収束する」というのが真相であり、統計学的にはこれは「中心極限定理」という。言葉が難しいなら、単に「1万回繰り返してみたら確かに2%だった」ことだけ思い浮かべればよろしい。この一万回繰り返しの真っ最中は「4連続ゲットっ!」みたいな極端な経験もありつつ、「300回連続ハズレ」も相当数経験することとなり、それでも一万回トータルなら「やっぱり2%」なのだ。

なんてことはわかってるんだよーっ。「倒した匹数 148、どハデなスーツx2、マジカルメガネx18、りせいのサンダルx1」。頼むから「そろそろ出て」…。

やった人ならわかると思うが、これと同じ構造は魔王戦での「オープ集め」でも起こり、「6%なら100回闘えば6つ手に入るんでしょっ」と思ってもそうはいかない、てことになる。DQ9 は結局こういう「忍耐を要する作業」が過剰なため、なんというか「ホイミテーブル」みたいな裏技を使いたくなるのはしょうがないことだよなぁ、と一方では思う。無論ワタシはどっちかといえば「一期一会」な感じが好きだし、アンフェアなのは心情的にはやっぱり抵抗があるので、やり方を知っててもやろうとは思わないのだけれど。それでもなお「いくらなんでもこれは」とは思う。

なお、ワタシは同じ周回で、ハヌマーンから147回戦闘で「むてきのズボン」を4つ取得出来ている(2.7%)のだが、苦労したのは4つ目だけで、3つ目までは40回戦闘程度で取れた(7.5%)。そんなもんだ。

※ちなみに上で例にした「0.68%防具」の件、158度目の挑戦で「オートぬすむ」の方でゲット出来た。つまり「from 0.63%防具 to 1.27%防具」。ちゃんちゃん。

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従来型がっかりアイテム集

ヘルクラウダーの「いかづちのたま」の話を書いたのでそのついでで、「欲しいのはレアドロップの方」ってな、従来作までは普通はこっちしかなかった、の、DQ9 で印象的なものたちについて。きっと心当たりがあるプレイヤーが多いはず、ないくつか。

DQ9 の場合レアアイテムは宝の地図からゲットするのが「本題(本命)」なので、モンスターから武器防具狙いで狩りをすることは稀であろう。「ナイトキング」から「どくろのかぶと」(or 「ダークシールド」)、「サタンメイル」から「はめつの盾」を盗みたいプレイヤーもいるだろうし、個人的にも両者入手経験がある。けれども、やはりそうしたドロップ狙いはやはり稀だろうし、ワタシのケースだって、どちらも意図せず取れちゃったパターン。狙ってはあんまし取らんのでは?

ゆえ、DQ9 ではほとんどの場合は「ドーピングアイテム狙い」の狩りになる、ハズ:

  • 「ちからのたね」狙いで「ブラウニー」を狩る際の「かわのこしまき」
    • ちなみにトロルから狙うなら「こんぼう」
  • 「まもりのたね」狙いで「キラーアーマー」を狩る際の「まほうのよろい」
  • 「まりょくのたね」狙いで「ヘルクラウダー」を狩る際の「いかづちのたま」
  • 「しんこうのたね」狙いで「ワイトキング」を狩る際の「にそうのころも」
  • 「きようさのたね」狙いで「ホワイトランサー」を狩る際の「うまのふん」

ここいらまでが最頻のはずね。いずれも「錬金大成功」のためにこれをするプレイヤーが多いわけだ。なので錬金大成功とは無関係の以下はあまりやる人はいないと思うが:

  • 「命のきのみ」狙いで「アンクルホーン」を狩る際は「まじゅうの皮」
  • 「ふしぎなきのみ」狙いで「ようじゅつし」を狩る際は「まほうのほうい」

てのもないでもない。「ようじゅつし」は初見のタイミングで通常ドロップの「まほうのほうい」なら結構嬉しい可能性もないでもない。というか結構ドロップ率高いので、きよめの水欲しさにガオン狩りしてるとお供のこいつがやたらに「まほうのほうい」落とす、て話の方がよっぽどネタになるか。

前述の通りドーピングアイテム以外では(錬金素材以外の)アイテム欲しさの狩りはさほど意味はないのだが、個人的に「好き」なのが、「にじくじゃく」のレアドロップの「カラフルチュチュ」。これとその強化版の「レインボーチュチュ」がめちゃくちゃカワイイので、(クリア後セントシュタインで)購入してまで欲しいとは思わないが、意図せず落としてくれるとなんか嬉しい。そして当然「つきのめぐみ」で落ち込む。

それと、狙って狩ってまで取ろうとはまず思わないだろうが、れんごく天馬、レジェンドホースがレア枠なのに結構な頻度で「きりんのおうぎ」をドロップするのも印象的。一応本編水準なら攻撃力ではこれが最高峰なので、ちょっと豪華な気分にだけはなれる。扇使いならイマサラだが、そうでなかったならこれの入手を機会に扇使いになってみるのも悪くないかもね。

あとほかの場所でチョロっと書いたが、ワタシは「女キャラしかいないから」と、せっかく手にした「ぎょうじゃのほうい」を売却してしまって、レシピ埋めしたいのに出来ない事態が発生してしまい、やむなく「デスプリースト」狩りをした。当然「きんのロザリオ」が大量に手に入る。

「きんのロザリオ」もそういえばやたらに手に入る代表みたいなアイテムだよなぁ。本編でもクリア後もしばらくはそこそこ需要はあるからいいっちゃぁいいんだけれど、それでもいくらなんでも40も50もはいらない。

序盤は「ちからのゆびわ」が貴重に見えるので、ひょっとしたら「くさった死体」狩りをしたプレイヤーもいたりするのかしら? この場合「どくどくヘドロ」だが、まさに中盤から終盤まで「どくどくヘドロ」はそれなりに需要あるので、そんなにガッカリ感はないはずなんだけれど、事前情報の少ない初回プレイヤーはガッカリと思った可能性もないではないのかな。ただ実際のところ、狙ってないのに勝手に落とすパターンの方が多いと思う。今討伐モンスターリストをみてみたら、「81匹討伐、どくどくヘドロx12、ちからのゆびわx2」。これ欲しさに狩った事は一度としてない。

ちなみに「かぜきりのはね」収集にはデッドペッカーが一番効率が良いのだが、実はキメラもレア枠でこれを落とす。もちろん通常枠は「キメラのつばさ」。当然嬉しくない。が、デッドペッカーが効率が良いのを知っていて、そちらばかりを狩っているなか稀に不意にキメラに接触してしまって、「かぜきりのはね」を落としてビックリすることがある。討伐モンスターリストをみるに、18匹しか倒してないのに1個手にしてる。率から言えば結構高い。

同じく錬金素材では、「花のみつ」収集に「ピンクモーモン」を狩るパターンもあるかもしれない。ストーリーを進行していれば「花のみつ」は3箇所で沸くので普通は必要はないのだが、不慣れだとどの場所もわかりにくいし、アギロホイッスル入手前はどこも徒歩で結構遠出することになり、盗んだほうが早い、なんてこともあるか。初回のワタシはその3箇所を1箇所しか知らず、だから狩ってたが、周回以降はそんなことはしてない。で、「ピンクモーモン」は通常枠は「まんげつそう」。「まんげつそう」は買えば 30G で、大量に購入しようとすると結構な額になってしまうので、別に「嬉しくない」ってほどではないのだが、狙ってるのが「花のみつ」なので、てことならやっぱりヘコむ。実際「レア」といっても体感的にはかなり同率くらいに出るのでなおさら。(おそらく 1/8 と 1/16 か、あるいは 1/16 と 1/32 程度。)

「狙って取るプレイヤーはいないであろうが」の例のもうひとつ。一番直近のプレイで、リザートマンから意図せず「あつでのよろい」をゲットできてしまった。当然初見のタイミングならこれはそこそこ強く、しばらくの間お世話になってた。「かっこ悪い」けど。当然これを狙う場合は「竜のうろこ」がガッカリ通常ドロップ、てことにはなる…が、まぁそんなプレイヤーはいないだろうね。

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がっかり報酬コレクター

労力につりあっていない報酬集、的な。

クエストNo12「上品ファッションで決めろ」

海辺の洞くつクリア後に受注出来る、つまりかなりストーリー序盤で受注出来るクエストにも関わらず、これのクリアは恐ろしく難易度が高い。

攻略サイトの情報を参考にしてもなおこれをクリア出来るのは、最速でもエルシオン学院到達前後と思われ、攻略サイトの詳細情報なしでこれを早期にクリアするのはまず無理。にも関わらずこれの報酬は「ノーブルなマント」。

入手時期にもよるがこれ単品では「守備力26」でしかないただのマント、「ビロードのマント + ちょうネクタイ + ひかりの石×3」で錬金出来るが、その先の「さとりのマント」に興味がないならスルー確定。

「さとりのマント」はそもそも男専用装備だし、「マホトーン系、マホトラ系への耐性」の付く装備全般に言えることとして、呪文職はその性質上 MP があり余ることが多くて、まずは「マホトラ耐性」はさほどおいしくなくて、マホトーン耐性は本編水準であれば嬉しいが、クリア後は「魔法使いなのに呪文以外の攻撃手段も多彩で呪文封印状態でも出来ることが多い」というふうに育っていくので、ゆえに「魔力上昇」に興味がない場合はあまり魅力を感じないのが正直なところ。無論呪文職でも MP 枯渇するようなシチュエーションは、宝の地図ではあるにはあるけれど、多くの場合は「MP 補充手段」の方にこだわった方が楽に進められるので、ゆえにこのタイプの装備全般が、大抵「単なるコスプレ装備」になりがち。

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クエストNo20「あやしいマスク」

こいつの評価が絶妙に微妙。

「パピヨンマスク」と「ピンヒール、ジャガードレス」の交換となるのだが、受注時点(船入手後)では「パピヨンマスク」の錬金はかなりの労力を要する(か、「あやかしそう」のために、不可能)。

「ピンヒール、ジャガードレス」はどちらも「さいごの鍵」入手後にカラコタ橋の秘密の店で購入出来るが、安価ではないので早期に交換出来ればそんなに無価値ではなく、普通にプレイしている限りは「パピヨンマスク」を作れるようになるのは多くはエルシオン学院到達前後なので、その無価値ではないうちに交換出来る可能性は高いのではあるが、何せ両者とも「そのままでは単なるコスプレ(もしくはセクハラ)装備」であり、そして「ピンヒール」を素材とする「最上級クラスの錬金」は、「しにがみの首飾り」の絶望的な入手難易度の高さから結局はクリア後に持ち越しとなるハズなので…、であれば「べっつにカラコタ橋で買ったってええやん」となりがち。

ゆえ、「運よくしにがみの首飾りを本編クリア前に結構入手できたタイヘン幸運なプレイヤー」だけがこのクエスト報酬が嬉しい。運が普通なプレイヤーなら、こいつは本編内ならクリア目的ではなく「バタフライマスク」レシピ入手目的で満足しとけばいいんじゃないかしらね。(「バタフライマスク」レシピ入手が「ファントムマスク」早期入手の足がかりとなるってのもあって。)

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クエストNo21「ぜいたくな石やきイモ」

「地雷クエスト」スリートップのうちの一つ。「たいようの石」と「せいじゃのはい」の交換。本編、クリア後どちらにとっても釣り合ってない代表。

本編なら「たいようの石」も「せいじゃのはい」も同程度に貴重かつ重要で、つまり本編内での入手可能性数と必要数のバランスが両者ほぼ同じくらい。どちらか一方だけが一方的に余る、なんて幸運なことはまず起こりえない。そして残念ながら必要数入手という意味での入手の容易さは「せいじゃのはい」の方が若干上。これは「マポレーナ」あたりを狙えば(粘れば)そこそこ集められる。それにちょっと頑張って小さなメダルを集めれば、メダル景品として手に入る。

対してクリア後は一転、「たいようの石」はすぐに需要がなくなり、「せいじゃのはい」は腐るほど手に入る。小さなメダル景品でもいいし、宝の地図青宝箱からは「大ハズレ当たり」としてランクC・F からイヤになるほど手に入る。一番の問題は、「たいようの石」の素材の「ほしのカケラ」の需要が、後になるほどどんどん増えていくことだったりする。

つまり、この交換は「逆だったらよかったのに」(本編では)。て感じ。

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クエストNo22「服職人パラペーリ」

「クエストNo20「あやしいマスク」」と性質が似ているが、こちらは手元に「しっこくのマント」を残しても良いのは救い。

「しっこくのマント」、「ファントムマスク」のどちらも本編では非常に有用な防具で、後者なんぞはクリア後ですら全然用済みにする必要がないほど強く、なので「クエストNo20「あやしいマスク」」と同じく「レシピ入手」の意味では価値がある。(というかこちらはレシピを教えてくれるわけではないので、「レシピから錬金」で二つ目以降を作りやすくしたい、って動機であろうが。)

報酬は、「みせるだけ」の場合は「きようさのたね」なので微妙。「しっこくのマント」を手渡せば「つきのおうぎ」で、最速で入手出来るなら強いし「たいようのおうぎ」(さらに「きりんのおうぎ」)の素材にもなるので、扇使いがいるなら悪くない報酬。ゆえに「本編ならしっこくのマントも使える」ことがジレンマになりがち。

クリア後なら「どうでも良いクエスト」であろう。この時点になれば「しっこくのマント」は役不足であるし、セントシュタインで「たいようのおうぎ」を購入出来るし。けれどもまぁ「しっこくのマントはもういらねー」の使い道としてはアリか。

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クエストNo25「窓辺のダミ声男」

「地雷クエスト」スリートップのうちのもう一つ。「さえずりのみつ」と「グビアナきんか」の交換。

というかこやつの地雷っぷりは、事前情報がないままの初回プレイヤーにはわかりにくいのがますます地雷らしい。

「きよめの水x1 + ゆめみの花x5 + 花のみつx3」のうちの「きよめの水」「花のみつ」を、「こんなにも大量に必要とするのか」と知るのは普通はクリア後。そして、本編で例えば「おうごんのティアラを2つ欲しいっ!」と思うプレイヤーの場合、「さえずりのみつ」そのものが貴重かつ重要。

「グビアナきんか」そのものが残念アイテム代表であることは上述の通り。「事前情報がないままの初回プレイヤー」にとっては、「全部タダで拾えたものが 1000G なんて、ステキっ!」とすら感じてしまうのが凶悪。

とはいえクリア後なら、「さえずりのみつ」一個くらいなら無駄にしても別に痛くないので、(そんなレベルにまで進行してもなお)「1000Gなんてステキっ」というおめでたいプレイヤーには、オイシイ報酬…なのですか?

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クエストNo34「見知らぬ両親」

「純真美少年」「大自然のアイドル」称号と「古強者のかぶと」の交換。

これも攻略サイトの情報に頼らずに獲得するのは難易度が非常に高い上に、報酬は「ただのコスプレ装備」。宝の地図で「まかいファイター」と戦闘機会が多いと知らずに結構溜まるのもガッカリ感マシマシ。

まぁ「コスプレ」も DQ9 の目的の一つでもあるので、出来る限り早くコンプリートしたいプレイヤーにとってはそんなに悪くないのかもしれないが、普通は「頑張る」んではなくて、「気付いたら称号獲得してたのでこのクエストをクリアできちゃうね」とようやっと思う程度。

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クエストNo42「しわくちゃの手紙」

ゴールドタヌから遺言を取り返すのと「ふしぎなボレロ」との交換。

そもそも「ゴールドタヌ」が出没する地図を入手するのがかなりの高難易度、自力取得にこだわるプレイヤーなら特に。

当然ながらそんな地図を入手出来るレベルなら「ふしぎなボレロ」が嬉しいなんてまずありえないし、ドラクエの伝統として「もったいつけてやたらに終盤に手に入るポンコツ装備代表」が「ふしぎなボレロ」なので、「本編終盤に手に入った場合でさえほとんど嬉しくない」。

追い討ちをかけるかのごとくこの「ふしぎなボレロ」、宝の地図青宝箱ランクF から腐るほど「おおあたり~」っと出てくる。「ゆうわくの弓」狙いで何度も開けてると下手すると10個も20個も平気で手に入る。

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クエストNo51「母へのおくりもの」

「天使のソーマ」と「げんませき」の交換。

クリア後に受注出来るクエストに共通する特徴として、「素材入手の難易度がプレイヤーによって違う」ことへの救済になっているクエストが多い。これは「あたかもそれ」である。

ただ、「天使のソーマ」と「げんませき」のどちらが揃うのが早いかと言えば、普通は後者のほう。特に両者が重要となるほどやり込んでいる時期だと、ランクA青宝箱の出る宝の地図は大抵持っているはずで、そこで「ハズレ当たりアイテム」として、きっとイヤというほど「げんませき」を引き当てるハズ。ランクA を持ってなくても、ランクB で同じように「せいれいせき」を、「またかよ…」と辟易しながら何個も入手することになるはず。一方「天使のソーマ」の方は、そのものはランクSのハズレ当たりとして出るものの、そもそもランクS の出る宝の地図そのものが入手難易度が高く、大抵それ以下のランクで出る「天使のはね」「ほしのカケラ」経由になるので、ひと手間以上多いし必要数も多い。

ゆえに「天使のソーマばかりが溜まっていてげんませきが絶望的に欠けている」という状況に陥るプレイヤーは、かなり稀有なはず。そうでなくてもプレイヤーによっては「せいれいせき、げんませきの素材はフィールドに腐るほど沸く」。この場合下手するとカンストするのではと思うほど「げんませき」を持ってるなんてことも。

確かに「せいれいせき」を作りにくいパターンのプレイヤーは、「モーダメ王」が嬉しいほどに集めにくいのは事実なのだが、その場合に「じゃぁ天使のソーマなら全然貴重じゃない」となるかといえば、なるに1票、ならないに1万票、まずならず、「天使のソーマも絶望的に足りない」。のでやっぱり結局釣り合わない。

つまり、「釣り合ってないクエストのスリートップ」にして、なおかつ釣り合っていない度数としてはこれがワースト。

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クエストNo58「元気のない巨人」

アトラスからクスリを盗むと宝の地図が手に入る、てヤツ。

初回プレイでなおかつ地図を自力入手するプレイヤーだと、「これをクリアすればさぞいい地図が手に入るんだろうなっ」と期待するのだが、現実は「単なるランダム」。幸運なプレイヤーは品質の高い地図を手に出来る「可能性が皆無ではない」だけであって、そもそも自力入手タイプならアトラスの地図を手にしている時点ですでに「それ以下の地図なら全部ハズレ」になるはずで、そして案の定普通そうなる。

まぁクリア後しか出来ないクエストなので、「オマケ要素」としてのお楽しみの一つとしては、嫌いではないのだけどね。なんかほのぼのしてるし。「ねぇ、なまえ」には思うところも多いであろう。

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クエストNo59「メタスラダッシュ!」

これはまぁ「誰がどうみても入手難易度最高峰のメタスラ装備」を渡さなければならない時点で、「地雷かもしれない」ことは予感するだろうから、言うほど地雷でもなくて。だってさすがに「メタスラブーツ」を手放しても良いくらいランクA 宝箱から当てまくったプレイヤーしか「クリアする資格はない」ものなんだから。

で、「メタスラブーツを当てすぎちゃって余ってるのよねぇ」な場合に報酬「ビーナスのなみだ」が嬉しい…わけはなく、アイテムコンプリートを目指すプレイヤー以外には全く価値がない。

一応追加クエストがプレイ出来るなら、それの前提となる一品なので、そのための価値はある。

まぁ「アイテムコンプリート」以外の目的としては DQ8 のストーリーを懐かしむ、てこと。これを入手してゲルダとヤンガスの青春ラブストーリー(?)を思い出すがよかろう。

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クエストNo53~120 の秘伝書以外の相当数

受注してクリアする時期にもよるのだが、まぁびっくりするほどガッカリするものが多い。

個人的には、まず「非常に有用」:

  • Np.087「プリスナーのお気に入り」の「ホワイトシールド」:
    • クエストはかなり簡単にこなせる。というか「無意識にこなせる」。
      • 多分職業関連・武器関連のクエストの中では、剣のものに次いで難易度が低いクエスト。
    • ホワイトシールドそのものも錬金で作れるものの、優秀な「みかがみの盾」の素材なので、大抵は嬉しい。
      • ホワイトシールドは「ライトシールド + 白いかいがらx5 + せいすいx5」で作れる。
      • 購入出来るライトシールドとせいすいはともかく、アギロホイッスル入手前は「白いかいがら」収集は結構億劫。
      • しかも「白いかいがら」は、くだんのセクハラ最強装備「きわどい水着(の前の「いけない水着」)」のために大量に使う。

「みかがみの盾」は本編なら二人分~三人分は作ってもバチは当たらないし、一部魔王戦ではこれを選んでもいい。宝の地図ボスの「フォロボス」戦ではこれが一番良かったりする。つまり、クリア後なら人数分あってもいい。(そもそも「みかがみの盾」を超える盾はどれも一品ものだったり入手難易度が最高峰だったりするので、大抵は「かなりの長期間使い続ける」ハズ。)

次に「そこそこ嬉しい」:

  • No.069「ワシのコリをほぐして」の「まてきの杖」:
    • 「杖は持ってるだけで十分」スタイルでプレイしてる場合に限り。
    • 「ガナンのおうしゃく」までの繋ぎとしてはかなり十分。
  • No.071「黄泉送り」の「ぶしんのこん」:
    • 「えんぶのこんx1 + ごうけつのうでわx1」で作るよりは良いだろう、本編なら普通は。
  • No.093「タマゴの守り人」の「ぎょうじゃのほうい」「にそうのころも」:
    • 非常に簡単にクリア出来るクエスト。
      • 「プリスナーのお気に入り」より少しダルい程度。
      • 「プリスナーのお気に入り」みたいに無意識ではなかなか達成出来ないが、それでも滅茶苦茶簡単。
    • ゆえ、リアルタイムで入手しやすい。
    • その最速タイミングなら別に悪くない。
  • No.101「芸人パノンの大特訓」の「ダンサーのシャツ」「おどりこのドレス」:
    • 「タマゴの守り人」と全く性質が同じ。リアルタイム性。
    • 地味にかっこいい、かわいい。
  • No.107「パラディン勝負!!」の「ホーリーチェイン」「チェインドレス」:
    • 「闇属性耐性」はありがたいであろう。
  • No.110「スカリオさまのフォース道」の「フェンサーコート」「フェンサードレス」:
    • 耐性も優秀、攻撃魔力も上がる。
  • No.113「レンジャーの心」の「大地のキルト」:
    • 「土属性への耐性」は悪くない。
    • 見栄えもなかなかよろしい。

以外のガッカリ理由は3つ。

  • クエスト難易度が高すぎて見合ってない
  • 季節はずれ
  • コスプレ装備にしかなってない

「コスプレ装備にしかなってない」のは「ぎぞくのジャケット」「ぎぞくのチュニック」で、コスプレ装備としては結構かっちょいいので好きだが、なんというか「盗賊の秘伝書と分け前としてのゴールドのオマケ」にしかなってない。

「クエスト難易度が高すぎて見合ってない」のは:

  • 戦士の「戦士のよろい」:
    • しかもそもそもほんとに単なる単なる単なるコスプレ、以外の意見は受け付けません。
    • そしてこのクエストはおそらくアンケートを取ったら「最もイラついたクエストのワースト7」くらいには入るハズ。
  • バトルマスターの「コンバットアーマー」「コンバットメイル」:
    • 「すてみでストロングアニマル10匹」は、単なるコスプレ装備にかける労力としては高過ぎる。
    • ので「バトルマスターの書」の必要性を感じるほどになってから仕方なくこなす、になりがち。
    • 当然そんな時期なら「もういらない」。
  • スーパースターの「ドハデなスーツ」:
    • なんというか「ゴールドシャワーが欲しいという理由だけで必要な余分なクエスト」のオマケで手に入る「余計なオマケ」。
    • こいつ自身も「イデアラゴン」から腐るほど盗めるし。

「難易度が高過ぎる」わけでもないが、少しだけ別の理由がくっついた状態で「いらないよなぁ」なのが、魔法使いの No.095「杖の妖精」の「まじないしの服」「まじょの服」。結局この Lv15 クエストをこなすかどうかのモチベーションは「秘伝書が魅力的かどうか」なので、「つきのはどう」の使えなさっぷりが理由で、この「若干めんどうくさいクエスト」も億劫になる、てな具合。リアルタイムにゲット出来れば別に「まじないしの服」「まじょの服」は悪くもないのだが。

おそらく「しんそくのパオ」の評価は世間一般とワタシとは大きく乖離しているハズ。これは素早さが15上がる優れもの、ということになっている、が、「武闘家はすぐに使えなくなる」と思っているならば、武闘家しか装備出来ない素早さアップは魅力的なはずはなく、「錬金大成功」を狙う時期になってはじめて「そのためだけに」装備する、というシロモノ。つまりリアルタイムにはおろか、「装備して戦闘」する機会すら与えられない。少なくともワタシはそういうプレイスタイルである。(そもそもが、本編水準ならば「しんそくのパオ」を装備するまでもなく十分に武闘家は素早い上に、他に素早さアップする手段も多いわけで。)

評価が微妙なのは「けんじゃのローブ」で、そもそも賢者はほぼクリア後要素、という性格もあり、それでもなお受注出来るタイミングで最速で入手出来ればそう悪いものでもなく、単に「ほぼ同時期に錬金でも作れる」のが気分が微妙な理由。

それと「そこそこ嬉しい」として挙げたものたちもなんだかんだ活躍期間がやたらに短いことが多く、気付いたら一度も装備してなかった、なんてことも。(というかほぼほとんどそうなるので、それらさえ「やっほーぃ」とはまず思わない。)

武器はもう挙げた「ぶしんのこん」「まてきの杖」以外はどれも「季節はずれ」もしくは「(そう貴重でも大変でもない)錬金でもう手に入れちゃってるわ」もしくは「(そう貴重でも大変でもない)錬金ですぐに作れるわい」のどれか。なかでも短剣の「こおりのやいば」が一番ガッカリするかなぁ。というか、ストーリー進行具合から考えると「季節に合い過ぎている」のが実は気分的には一番最悪で、普通「これだけ頑張ったんだから、時期にしては強い装備、オクレよ」と思うでしょう、思うのが普通よ。これが「あまりに普通」だからガッカリするわけである。(しかもどいつもこいつも、武器クエストは軒並み(剣以外は)「ダルい」ので。)

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これら以外のクエストで微妙なものたち

これらクエストのどの微妙なものも、基本的に「レベル上げついで」「ゴールド稼ぎがてら」みたいに何かの「作業ゲー」状態の「モチベーション」に出来る、という意味では常に価値があるので、費用体効果からは「なんだかなぁ」であっても、そうヒドいもんでもなかったりする。

  • クエストNo.024「まもれ! 麦!」:
    • これだけをやろうとすると結構億劫なクエスト。
    • しかも「繰り返し可能クエスト」の例に漏れず、一回目の報酬しか嬉しくない。
    • けれども「やみのとばり」のための「かまっち狩り」のついでにこなせるのがオイシイ。
  • クエストNo.026「じじいとテンツク」、クエストNo.044「マダムのあかし」:
    • 小さなメダル集め目的ならかなり非効率。(特に後者。)
    • でも「転職したて」のキャラ育てだとここいらのフィールドが低レベル時鍛え場所候補になりがちなので、そのついでのつもりなら。
  • クエストNo.029「デザートクラブ」、No.029「ゴールドメッキマン」、No.030「マミーのほうたい」、No.032「デザートタンクの油」:
    • いずれも「そこそこダルい」クエスト。
    • どの報酬もショボい。
    • が、「マミーのほうたい」以外は完全同時進行も出来る。
    • 「じじいとテンツク」と同じく、転職したてのキャラ育て場所に使うつもりなら活用するといい。
  • クエストNo.035「ラボルチュの大事な人形」:
    • 「かたてグローブ」は普通はいらない。
    • のちのち青宝箱からイヤになるほど入手出来るし。
    • けれども「ひかりの石」欲しさに「おどる宝石」狩りをしたい場合についでにこなせる。
    • (これはクエストNo.033「おどる大先生」も同じで、しかも同時進行可能。)
  • クエストNo.041「おしゃれスライム」:
    • 初回報酬「すばやさのたね」、二回目以降報酬「花のみつ」ともに、嬉しい人もいればそうでない人もいる、てところ。
    • 実にダルい。「スライムおしゃれ花」ドロップ率はかなり低い。
    • が、「スライムゼリー」を集めたい時期なら、「ついで」と考えることが出来る。
      • というかどっちがついでかわからん、となりがちではあるけれども。
      • そもそも「スライムゼリー」集めだけなら、むしろ「スライムベホマズン」が出る地図で「スライムのかんむり」のついでを狙ったほうが気分は良い。

ちなみに「釣り合ってない」と言う意味でクエストNo.056「ビーン 愛のメモリー」がある。これは、水の比較的低レベルの地図を入手してない限りは「ヘルダイバー」に出会うことがクリア後は結構難しい。初出となる「閉ざされた牢獄」では出没率がかなり低く、以外では頑張って世界地図の四隅を長時間ウロウロするのはしんどいの極み。そうまでして「まもりのたね」「ちからのゆびわ」を入手する意味があるかといえば、まぁあんましない。けれども水の比較的低レベルの地図(具体的にはランクH、G)を入手出来てると途端に「おいしいクエスト」。全く労を要することなく得られる報酬としては「まもりのたね」は十分であろう。

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ぼよよよっぼよよよっ

ドラクエの効果音って、時としてやたらに独創的つぅか独特つぅか。狙ってるでしょ、てのは昔から結構多くて、例えば DQ4 (リメイク) のムーンサルトは「せぷてんばっ」と聴こえる、とかそんな話…ではなくて。「そんな話」なら、フォースの効果音は、アイスフォースは「ゆ~きっ、ゆ~きっ」言うてるでせうとか色々あるけれど。今ここでしたいのはそれではなくて。

特に高レベル宝の地図の深い階層でそうなのだけれど、従来までのドラクエと違って、戦闘時以外で「立ち止まって回復などの行為をする」場合でも、モンスターのシンボルは動き続けるわけだね。なので「如何に素早くコンパクトに操作するかが重要」、という、「リアルタイム性」にまったく関心を持ってこなかったドラクエではこういうことは「初」というわけだ。

で。「ぼよよよっぼよよよっ」は「まんたん」の時の音。「AI の話」でも書いた通り、この「まんたん」そのものの仕様がめっさ阿呆なことも更に拍車をかけて「なまらムカつく」ハメになる。

みたいな。

ほんとシャレにならんわけよ、遺跡タイプの S ランクなんて、「まおうのかめん」も「ビュアール」も「ボーンスパイダ」も「キマイラロード」も「ゴールドマジンガ」も「ファイナルウェポン」も「プラチナキング」も続々とポップし追尾され続ける中、高速に回復行動を取る必要があり、「そんな中でここまで阿呆な AI だと」。こんなシビアな状態なので、MP も相当ヤバい状態に陥っていることも多く、そんなときに

先頭キャラがベホイミ出来るんだもんねっ、HP が 1 も減ってるのは大問題だから先頭キャラから順に回復するんだもんねっ、 あれぇ? 先頭キャラの MP がゼロになっちゃったねぇ、仕方ないや、二番手キャラのホイミで我慢するかっ、 だって仕方ないでしょう? あ、二番手キャラも MP 0 になっちゃった、もういいよね、他にやりようないんだから。 二番手キャラは HP 120 だし三番手キャラは HP 20 だし最後尾キャラは HP 1 だけど先頭キャラは全快なんだからいいよねっ

なんてことになるわけだ、最悪のケースでは。そしてその最悪のケース、残念ながら「滅茶苦茶高頻度で起こりうる」。

まさしくこういうシビアな状況でこそ「まんたん」を使いたいわけだ、本来は。下手をすると既に気付かれて接触しているため、ワンアクションで済ませたいからだ。この場合コマンドウィンドウを閉じた時点で即戦闘が始まってしまうため、「マニュアルで精密に合理的に」なんてことが出来ないことが多いわけである。

というわけで余計に「ぼよよよっぼよよよっ」てな間の抜けた効果音が余計に癇癪の種になるんデスぅ。

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ぬり絵

DQ9 プレイヤーならこのタイトルだけで何のことを言ってるのかすぐにわかるんではないかと。

かなり人によると思うんだけれど、入手したての地図に初めて潜るのに、アタシの場合は二種類のモードで挑む:

  • クリア優先モード
  • 全宝箱探索モード

前者モードで潜る決断をするのは以下二つの場合:

  • 何度も潜る価値のある地図だと判断した場合
  • 何度も潜る価値の薄い地図だと判断した場合のうち、その地図が手持ちの最高レベルだった場合

つまりこのどちらのケースでも、結局は何度も潜ることになるため、初回に全部開けるのに固辞しなくてもいい、ってこと。

対して、後者モードで潜る決断をするのは:

  • 何度も潜る価値のある地図だと判断した場合でも、気分が乗ってる場合
  • 何度も潜る価値の薄い地図だと判断した場合のうち:
    • 「ヒド過ぎる」ほどでない場合
    • かつ、「即座に捨てる」決断をした場合

ちょっと具体的に言わないと伝わりにくいか。例えば「遺跡タイプで最高モンスターランクCは腐るほど持っていて、最浅階がランクFなのでそれだけで廃棄確定だが、「大いなる~の迷宮」なので真ん中以降の階からはそれなりの宝は期待できる」という具合。

そうそう、「ぬり絵」。

この「全宝箱探索モード」では、初回、オートマッピングの地図が完成していくのを見ながら進めば「もれなくくまなく」探すヒントになる、てわけね。最初から地図が完成している二度目以降にはない特典、とも言える。

なんだけどさぁ、なんでか「遺跡・自然」と「火山・水・氷」で「マップの見易さ」が違うのがねぇ…、毎度ストレス。後者は「ぬってないとこ」がすぐにわかるのだけれど、「遺跡・自然」は、とてつもなくだだっ広いフロア(エリア)では、通過してないとこが識別しにくいんだよなぁ。なんというか、こんなとこくらいは統一感があっても良かったんじゃないのかしら。

てわけで「遺跡・自然」(特に遺跡)タイプが気が滅入る理由コレクション追加の巻、でしたとさ。をしまい。

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にっくきほにゃらら

上の方で「あのにっくきスライムマデュラ」なんて言い方をしたのでそのシリーズ。

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にっくき「スライムマデュラ」

入手タイミングの悪さからトラウマになったプレイヤーも多数と思われる「黒竜丸」を除けば、スライムマデュラとアイアンブルドーが、ほとんどのプレイヤーにとって「宝の地図の最初の洗礼」になるのだと思う。人によってはキャノンキングにもイヤな思いをさせられたかもしれないが、こやつは本編でも登場するので、純粋に「宝の地図ならでは」となる最初はやはりこいつらだろう。そもそも遺跡の地図入手は40%の確率なので、自然・火山・水・氷のどの「洗礼」も、運の普通なプレイヤーならば例えば「クラウンヘッド」の方に先に出会うことは少ない。

アイアンブルドーが脅威でなくなるのは比較的すぐなのに、スライムマデュラはかなり長いことイヤだ。Lv70 代になればさすがに取り立てて脅威でもなくなってくるものの、(特にパンプアップがさほどでない)Lv50 代なら気を抜けばすぐに死亡者が出るし、徒党を組んで現れた際の「全個体が最悪な行動パターン」をとった場合は簡単に全滅出来、そして Lv60 代ですら「こちらが身構える前に…」時は壊滅を覚悟しなければならない。

全快状態ですらベホマラーするほどの、スライム系に共通のバカさを持っているので、最初のターンでいきなりベホマラーしてきて苦戦しないことも僅かばかりあるものの、3匹徒党で「マデュライトビームx3」されると一気に壊滅状態に追い込まれる。すばやさが驚異的で、メタルキングより素早いとのこと。ゆえ、「武道家の証」「ファントムマスク」程度では簡単に先行出来ず、まず間違いなく一ターンキル出来るようなレベルですらダメージを頂戴出来る。

最悪なのが「属性を持った攻撃に対する完全耐性」で、フォースがダメなのは当然のこと、以外と気付かずにやってしまうのが「ブリザードアックス」などの、属性を持った武器だ。これを使って攻撃してもノーダメージである。「なぜスライムマデュラ相手にこの子は攻撃失敗ばかりするんだろう?」と、結構長い間気付かないこともあったりなかったり。

高レベル宝の地図の友、「ゴールドシャワー」(土属性)もダメ。なのでまさしく「アイアンブルドーやラストテンツクとスライムマデュラ」という頻出登場パターンで滅茶苦茶困る。無論「オオカミアタック」「バックダンサー呼び」など、代替となる特技はあるものの、アイアンブルドー単体なら「ゴールドシャワー」があるだけでほとんど一ターンで殲滅出来るため、アイアンブルドーのシンボルに接触してしまってスライムマデュラが混じっていると非常にストレスになるしツラい。アイアンブルドーのシンボルの当たり判定はやたら大きいので回避しづらいのが問題で、スライムマデュラのシンボルだけ頑張って避け続けようが、結局遺跡の地図でスライムマデュラとの戦闘を回避出来ることはほとんどない。

(上述のように)別の意味でスライムマデュラが「にっくき」であることが多いわけだよね。メタル系のシンボルのお供で非常に高確率で登場、と。こやつのベホマラー行動を選択する確率は(無駄撃ちも含め)非常に高いので、「蓄積ダメージで倒すのがセオリー」なはぐれメタル討伐の野望を見事なまでに打ち砕いてくれる。その凶悪さはスライムの森の「はぐれメタル + ベホマスライム」の比ではない。

そんなわけで、こちらがどれだけ強くなっても、いつまでたっても「うわぁ、スライムマデュラ、やだぁ」なわけである。(「ビュアール」も相当イヤだろうが、こちらは「ゴールドシャワー」でゴリっと削れるので、これを習得してからならさほどイヤでなくなる。)

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にっくき「クローハンズ」

どこが?

プレイヤーによってはあまりの印象の薄さで、ほとんどビジュアルくらいしか覚えてないかもしれない。初見となる「閉ざされた牢獄」時に回転攻撃を受けた経験はあるプレイヤーも多いだろうが、地味に結構痛めの痛恨持ちで、よほど運が悪いと喰らったかもしれない。ただいかんせん、本編では「閉ざされた牢獄」の非常に狭いエリアでしか登場せず、スムーズに進行している限り、このダンジョン制覇の間に多くても数回しかこいつとの戦闘はないはずで、しかも痛恨頻度はかなり低いので、だから本編では相当影が薄いだろう。

ところが「宝の地図」になると一転、やたらに目にする機会が多いモンスターになる。出没する範囲はそう広くはなくて、遺跡タイプの F~E と自然タイプの F だけなのだが、問題はこのゾーンこそが、特に自力で地図を取得する場合は最も手にする機会の多い最頻エリアなわけだ。(詳しく言うと、遺跡タイプの入手確率は 40%、自然タイプが 30% なのでこの2つで 70% となり、Lv30~Lv70 代までの地図の場合、最低ランクは(体感で) 9割以上は G~E であるため、つまり Lv30~70代 の間は6割以上はこいつらに出会うということ。)

なので真っ先に「いまさらこんな弱いのと闘うのかよ」「をぃをぃ、いつまでこいつと闘わねばならんのだ」という気分的な面で存分に「にっくき」だったりするわけだ。

これだけの話なら取り立てて書こうとも思わないのだが、こいつに対して腹が立つのがこんなだからなのだ:

  • 弱い癖に身の程を知らずに執拗に追いかけてくる。
    • クリア後レベルならこいつらは普通一ターンキル出来る。
  • 「スライムマデュラ」を引き連れて。

つまり「追いかけてくるうち」はこのシンボルは見かけより遥かに危険で、つまりは「スライムマデュラと闘わせる」役目を担っているらしい。

追い打ちをかけるように腹立たしい(というかありがたい)のが、こちらのレベルがそう高くもならないうちに、「すたこらさっさ」と逃亡するようになることだ。壁を向いて「見逃してくださいっ」と震えているサマはなんとも情けないが、だったらあのしつこい猛突進はなんだったんだ、と思うわけである。

かなりレベルを上げて強くなってから宝の地図に初めて挑んだり、あるいはレベルが高くなってしまうまでそうした地図を入手できなかったプレイヤーは、そうした「情けない」方のクローハンズしか知らないなんてこともあるのかもしれない。

なんにせよ「スライムマデュラが脅威」な時期は苛立たしく、そうでなくなった時期は腹立たしいヤツなのであった。

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続・にっくき「クローハンズ」

続・どこが?

「地味に結構痛めの痛恨持ちで、よほど運が悪いと喰らったかもしれない」と言った。まさにこれの話。共通するのはゴーレム。ともに最高ランク級以外の宝の地図でやたらに出会い、まさに「喰らえば痛い」。こんな弱っちぃのと今更闘い続けるのやだよぉと思うのは、当然だが「ほぼ 100% 先行出来てノーダメージで勝てる」からなのであって、戦闘が「頭を使わないただのボタン押し作業」になるからだ。つまり「痛い痛恨持ちだろうが喰らわないので痛くない」。

ただ問題はその「痛恨」の種類の方。

【こうげき力】 によれば、通常のダメージ計算は

ダメージ = (攻撃力 − 守備力 / 2) / 2 × 乱数

というもの。

「痛恨の一撃」という敵側の行動選択が行われると、「当たった場合の」ダメージ計算は、モンスターによって3種類別々の計算が行われるんですと。で、滅茶苦茶痛いヤツがつまり:

ダメージ ≒ 攻撃力 × 乱数

となるというパターンで、「守備力貫通型」と呼ばれ、こちらの守備力をどれだけ上げても、一定のダメージを必ず喰らうというわけだ。これに対し、「ほぼ単なる強化攻撃」という痛恨もあって、こちらは守備力が高くなると「痛恨の一撃っ!」でビビるとダメージが 1 、なんて「恐るべきこと」が起こる。「守備力貫通型」と同じく脅威なのは「固定ダメージタイプ」と呼ばれるものだが、これは DQ9 にはないそうな。

というわけで、この「クローハンズ」と「ゴーレム」の痛恨、こちらが Lv99 だろうが「運悪く喰らえば」いつでも同じだけのダメージを喰らうため、少なくともいつまでもイラっとはさせられるのであった。(最大 HP が 500 を超えてたって、100 削られたらさすがにイラっとするだろう。)

対して「ほぼ単なる強化攻撃」な典型がトロル系、サイクロプス系なわけだ。だからダークトロルを除けば、あっという間に「HP が高いだけのヤツ」に成り下がるわけだね。ただ宝の地図のボスのアトラスのは守備力貫通型な気がする。(ダークトロルの痛恨も守備力貫通型ではないが、こちらが Lv70 代程度ならまだ結構痛い。) というわけでヘンな話、「一人旅でも一ターンキル出来るクローハンズの方がトロルキングより圧倒的に痛い」のであった。

念のため補足。「敵側の行動選択が行われる」というまどろっこしい言い回しが必要なのは、これは、「攻撃がたまにクリーンヒットする」というシステムではないため。引用先のドラクエ wiki を読めばわかるが、「痛恨(特技)」が存在する、ということ。こういうシステムであるがゆえに「つうこんの一撃がミスする」という、現実から考えたらヘンなことが起こる。(いわゆる修辞矛盾てやつな。)

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にっくき「まおうのかめん」

一つ上のランクで登場するボーンスパイダも共通することだが、こいつの特徴はとにかくこちらの戦闘能力を奪うことであり、やけつくいき、あやしいひかり、まぶしいひかりを被弾すると、こちらは何も出来なくなることさえある。

戦闘回避しにくさのトップが「ビュアール」だとして、シンボルと当たり判定のデカさから「アイアンブルドー」、執拗な追跡の「まかいファイター」など、回避しにくさがイヤらしいモンスターは他にも多いが、追尾の正確さと、この系列特有の「ワープ」が本当にイヤで、ステルス状態で慎重に進んでいても接触してしまうことが多い。「ボーンスパイダ」の回避しにくさは「アイアンブルドー」と同じなので、ステルスとコマンドウィンドウで回避出来ることも多いのとは対照的。

実際は戦闘に入ってしまえば先行されない限りは措置手段が豊富なので、それほどトラウマになるほどの相手ではないのだが、なんというか全キャラが赤字の「マヌーサ」になるあの気分の悪さったらない。ザキ系が効く、とドラクエ wiki で解説されてるが、「ゴールドシャワー」でも結構削れるので、まぁ冷静になればどうという相手でもなかったりするのがまた気分悪い一因。(ただしマヌーサ状態だと「ゴールドシャワー」も失敗するので、余計に鬱陶しいというのもある。)

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にっく…くもない「サタンメイル」

「ゴールドシャワー」習得前後でこれほど印象の違う相手もいない。

亀系と同じく「かばう」が鬱陶しいヤツだが、かばわれようが何しようが「お前から叩く」ことが「ゴールドシャワー」なら可能なので、「サタンメイルがサタンメイルをかばう」パターン以外なら楽な相手。それこそ「まおうのかめん」と一緒に登場するパターンが多いが、その「かばう」行動を選択してないなら真っ先にいなくなってくれる。

ただ「ガオンがガオンをかばう」みたいなのとは違って、ノーダメージで生き残られると途端に鬱陶しい。土属性に滅茶苦茶弱いから「ゴールドシャワー」で即死してくれるけれども、HP もそこそこある上に攻撃力・守備力ともに非常に高いため、こいつの「さみだれ斬り」で下手すると即死するキャラも出る。痛恨も、こちらの守備力がそれほど高くない時期に出会うと、即死することもある。

実際こいつらに全滅させられた経験もあり、「まぁまぁにっくき」という感じか。とりわけビュアールをかばわれると、こちらがどれだけ強くても壊滅状態に追い込まれることもあり、スライムマデュラほど「戦闘のたびにイヤ」というほどではないが、凄まじくイヤなこともあるわけだし。

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にっく…いのは「ラストテンツク」の方

ラストテンツクが登場する範囲は広くて、遺跡タイプならランクD、C、S、自然タイプならC、A に現れる。

「誘う踊り」「不思議な踊り」でさえそんなに気分のいいものではないが、凶悪なのが「2段階テンションアップのおうえん」で、しかも登場ランクからわかるように、ヤバいヤツとばかり組む。間違いなく最初に出会うのが「あの」スライムマデュラ、アイアンブルドーと一緒に登場するパターンだろうが、「あの」まおうのかめんとも現れ、いったいいつまで登場するんだこいつは、と、「あのゴールデントーテム」以上に思うわけである。スターキメラとの徒党もかなり危険で、スターキメラの通常攻撃力も結構高いが、テンションの上がった激しい炎、しゃくねつはかなりヤバい。というか一瞬で全滅出来る。

ゴールデントーテムのヤバさは単に「味方 AI のバカさ」起因なので、これは別に全手動にすればほとんど危険はないのだが、ラストテンツクは深層で登場するほどヤバい。「ラストテンツク + スターキメラ + ギリガメラ」にはほんと涙目になる。

「サタンメイル」がそう「にっくくもない」のはラストテンツクと組まない場合に限りで、ただでさえ「ゴールドシャワーで殲滅出来なかったサタンメイル」単体でも危険なのに、こいつのテンションアップが絡むと、比較にならないほど危険になる。ハッスルダンスはウザいだけでむしろサービス行動、なんてのはないではないけれど、ただこれだって「おうえんでテンション二段階以上アップの状態でのハッスルダンス」なんて来た日にゃぁ…、目も当てられない。

これで HP が低くて攻撃力が低かったならさほどでもなかったのだが、テンションが上がっていなくても 70~100 程度のダメージを与えてくるだけのなかなかの攻撃力な上に、ゴールドシャワー一発でも半分しか削れなくてしぶとい。しかも仲間呼びしてくるため、せっかく半分削ってあと一歩で殲滅出来るのに、全快のこいつが増えて、毎度「ゴールドシャワー撃ち損」感が漂うのも精神的にキツい。

あと、接触しやすさ、という観点からこいつがイヤらしいのが、シンボルが小さいのと、「遺跡・自然」タイプの背景にやたらに馴染んでしまうために視覚的に識別しずらく、まさに「いつのまにか接触していた」ことが多いこと。視界から消えてもう諦めたんだなと思った直後に戦闘が始まる、なんて日常茶飯事、「実はしつこく追っかけてきてたのね」と後から気付く有様。「足元から沸いてくる」ビュアール系統とは違うタイプのストレスになる。

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場合によりにっくき「イエローサタン」

「サタンメイル」に似てゴールドシャワーの有無で全然印象が違い、また、「ビュアール」に似て執拗な追跡が鬱陶しいヤツだが、単独で登場する分には、「初登場時期にしては拍子抜け」代表のようなモンスター。多分この印象になる主犯は同系下位種の「ブラッドアーゴン」の(メダパニダンスの)せい。同時期に初登場のモンスターなら「まかいファイター」の方が遥かに強烈。

ところがこやつも組む相手が相手だと、途端にとんでもないヤツになる。特に「デンガー」と組まれるとかなり凶悪。

「デンガー」は、かなりの確率で2ターン目までに「バイキルトx2」する行動を取る。伝統的に「自分にバイキルター」型のモンスターは「一回行動であるがゆえにサービス行動」であることが多かったが、こいつの場合は非常に素早い上に2回行動で、先行されて「バイキルト + さみだれ斬り」が既にかなり痛い。そして「イエローサタン」の「アゲアゲダンス」である。(なおこいつは「自分にバイキルター」ですらなく、他のモンスターにもバイキルトすることも多く、無論それが「ドラゴン・ウー」「シーバーン」なら…目も当てられないことに。)

例によって「まじゅうの皮」ドロップが迷惑なモンスター、という印象ばかりになるモンスターではあるものの、たまーにこういうヤバい組み合わせに出会って涙目になれる。

なお、「執拗な追跡」と言ってもこいつの場合はそういったタイプの中では結構諦めが早い方で、巻いてしまえることもある。

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にっくき「ビュアール」

「やだなぁ」がとかく多いのである、遺跡の地図は。それぞれの地図に個性があって、こんな具合:

  • 遺跡: 「イヤな気分になる敵だらけ」
  • 自然: 「遺跡に少し似ているが、よりパワーヒッターが多い」
  • 火山: 「基本ヤワで楽」
  • 水: 「物理攻撃力最大がいるのはここ」
  • 氷: 「ヴァルハラー、に尽きる」

最高ランクになると水と氷も相当なものだが、ともに「楽しい強敵」というかね、「正統派」感があるわけよ。けど遺跡タイプのはどいつもこいつも「イヤらしい」という感想ばかり出てくるのばっかで、背景の気持ちよくなさも手伝って、とにかく遺跡タイプの地図が手に入るとガッカリすることになるわけである。

「ビュアール」は、同系の「じごくのメンドーサ」などと同じくとにかく戦闘回避が非常に困難で、こいつと闘わないで済むことがほとんどない。徒党を組んで現れての「巨大なつなみ」連発は絶望感抜群。こちらが確実に先行出来るくらいのレベルになってからの、「ゴールドシャワー習得後」にはようやっとなんてことのない敵になるが、そもそも滅茶苦茶初見殺しだし、結構いつまでもイヤな相手。

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にっくき「キマイラロード」

遺跡タイプの宝の地図のランクA、S のなかで最高峰の難敵は、ゴールデンスライムでもないしプラチナキングでもないし、ゴールドマジンガでもファイナルウェポンでもなく、ましてや「キマイラロード」ですらない。ん?

ゴールデンスライム、プラチナキングともに、メタルキングを問題なく叩ける水準にあるなら、別になんてことなかろう。ランクA、S を入手出来ている水準(少なくとも自力で入手してるなら)なら、マダンテも取り立てて脅威でもなく面倒くさいというだけだ。

ゴールドマジンガ、ファイナルウェポンはシンボルのデカさにビビるし、そもそも道を塞いだまま全然動いてくれないので、戦闘しないと進めないのが印象悪いだけのことで、こやつらはお供を絶対に引き連れないのとやたらに能力低下(「やいばくだき」など)が効くのとで、ここに辿り着けるならまず強敵印象はない。

ゆえ、ランクB、A、S でお初の中では実は「キマイラロード」が最高峰に「イヤ」だ。

ハヌマーンの強化版でしょ、と思って甘くみると「最悪の行動パターン」時には一ターンで Lv99 パーティが壊滅状態に陥る。つまり「テンションバーン」で目いっぱいテンションアップ状態にされたのちに、続くターンで先行出来ずに暴走イオナズン。平均 HP 400 強のパーティならほぼジ・エンド。「鋭い爪で切り裂く」もハヌマーンの比ではなく滅茶苦茶痛い。かなり初見殺しの特徴を持っている。

とはいえスライムマデュラのおバカさと同じくらいこいつもおバカで「最悪の行動パターン」でないことも多いし、「高ランクのシンボルがデカいモンスター」に共通する問題として、基本的にほとんどの個体が単独で現れるがゆえに、一度対戦してしまえば措置手段の豊富さもあって「ちょっと弱めのボス戦」のつもりで挑めばすぐに楽な相手になる、という特徴があって、ゆえになんだかんだ「ランクS でさえやっぱりにっくきビュアール」なのであった。

氷・水タイプ以外の地図の A、S ランクって、ちょっと拍子抜けというか、確かに強いは強いのだけれど、実際のところ D~B ランクのモンスターの方がずっと印象に残るし苦労する気がする。

補足: ボーンスパイダをさらにエグくした「デスタランチュラ」が自然タイプのランクS に出るのと同じ関係性にあるのが、このキマイラロードのさらにエグくなった火山タイプの「じごくのヌエ」。火山のランクS だと「デスカイザー」のエグさが際立っているので下手すると忘れそうにもなるが、「じごくのヌエ」もランクS に相応しい凄まじさは持っている。こいつの印象が薄れがちになるのはまさに「キマイラロード」のせい。攻略方法が似通ることになり、既視感が先立つからと思われる。

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にっくき「うみうしひめ」

もう書いたからいいよね、と思わないでもないが。水タイプの地図に出現するほか、ビタリ海岸でも出没する。

後述の「ロードコープス」に似たタイプで、高い攻撃力の杖使い、というのが非常に問題で、こやつとの対戦後は一気に MP が枯渇状態にまで追い込まれていることも多い。特に「メタルキング」のお供で登場されると、こちらとしてはコストの高い「まじん斬り」やらも駆使しなければならない中で杖とマホトラで吸われまくるハメになる。

単体で登場する限りは HP が高くて攻撃力が高くて MP を奪ってくるだけの「シンプルな相手」に過ぎず、たとえるなら「ちょっと強くなったウドラー」。なのだが、とかく「組む相手が悪い」典型。スクルト、マジックバリアはともかくとして、やはり「ザオリク」が凶悪。

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にっくき「クラウンヘッド」

自然タイプと水タイプの宝の地図に登場する。おそらく自然タイプの方で先に出会うことが多いであろう。その場合はおそらく「自然タイプの最初の洗礼」。

まだこちらのレベルが低いうちは、その印象はとにかく「硬い、しぶとい」なおかつ、そのフザけた見た目にふさわしい「ヘンな顔」と、笑わされたキャラの「ヘンな笑い方」だ。攻撃力も、初見のタイミングならバカにならない。

かつての「ばくだん岩」ほどの頻度ではないものの、こいつの脅威は何と言っても「メガンテ」で、こちらの強さがさほどでもない頃にもたもた攻撃していると、そこそこの確率で喰らうハメになる。スーパースターの特技が非常に役に立つ相手なのに、まさしくその「スーパースター関連クエスト」で2度もお世話になるという悲劇。クエストはこの2つ:

  • クエストNo.118「さあ!キミもスターよ!」→火ふき芸でクラウンヘッドを倒す。
  • クエストNo.120「トップスターよ!再び!」→スポットライトでクラウンヘッドを怒らせ、メイクアップの効果中に倒す(10回)

メガンテ発動条件の性質上、「ちまちま攻撃」すればするほどメガンテを喰らいやすいため、実にメガンテを最も喰らうのがスーパースターへの転職条件そのもの(火ふき芸)だったりする。

めでたくスーパースターに転職出来るようになった後は、こいつ相手には「サイン攻め」が結構頼りになったりする。まぁ「かぶと割」だの「やいばくだき」だのの能力低下系も結構効くし、眠ってくれるので「ゆめみのこんで氷結らんげき」で完封出来たりもする相手だったりはするのだけれど、こちらの攻め手が欠けてるうちは、やっぱり単独でさえイヤな相手。

で、自然タイプで出没する方はまぁ単独でのイヤさだけで済むわけなのだが、水タイプで出没する方は、お供がとかく最悪。うみうしひめに苦労するうちは「クラウンヘッド + うみうしひめ」もかなりの凶暴さで、「メガンテ→ザオリク→メガンテ→ザオリク」連鎖は、泣けてくるよりはむしろ笑えてくる。「うみうしひめ + メタルキング」の鬱陶しさについては書いたが、「クラウンヘッド + メタルキング」も「メタル狩り」にとっては最悪の相手。こちらは「鬱陶しい」だけでは済まない。

なお、「ラストテンツク」や「イエローサタン」と違いクラウンヘッドの「たたかいのうた」は、お供の性質から言ってさほど印象はない。うみうしひめの攻撃力が上がるのは喜ばしくはないものの「うみうしひめx3 + クラウンヘッド」みたいな登場パターンは幸いない(少なくともワタシは経験ない)ので、単体攻撃しかない「うみうしひめ」の場合、「せいぜい一人が死亡」するくらいの被害しか出ない。さすがに MP はかなり持っていかれるけれども。

ん、そういや「マポレーナ + クラウンヘッド」もあるな…。こちらは「メガンテ→メガザルダンス→メガンテ→メガザルダンス」。これもヒドい…。これは自然タイプの方なんだよね。ただ「マポレーナ」はクリアレベルを超えてる限りは一撃で倒せることがほとんどなので、まぁ何かの不運な偶然がない限りは滅多に起こらない。(たぶん攻撃力の高くない全体攻撃をへたにかました場合だろう、危険なのは。)

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にっくき「ロードコープス」

こやつは氷タイプの地図に登場。

氷タイプの高レベル地図がそう易々とは手に入らないがゆえに、遺跡タイプの「にっくき」に出会う頃より遥かに強くなってから出会うケースがほとんどと思われ、そういう場合は印象にすら残らないなんてことも。

けれどもこやつ、暴走ドルモーア、ザラキーマ、メダパニーマ、とヤバい呪文のオンパレードな上に、「うみうしひめ」と同じく強烈な物理攻撃力を持っており、通常攻撃で100近く持って行かれる上に杖使いなので、一気に貴重な MP をゴッソリ持っていかれる。「ワイトキング」の強化版、ということなのだが、あちらが「しんこうのたね」の印象しかないのとは大違い。(DQ9 の特徴の一つに「マホトーン」「ディバインスペル」などのエフェクトが冗長で長いというのがあって、なのでワイトキングと闘うとやたらに冗長でストレスだけはめっさたまる。)

ただ…、ロードコープスのシンボルとの接触を回避するのはかなり簡単なので、お供で登場しない限りは「さわらぬ神に祟りな」く出来るのが救い。つまり、トラウマ度としては、エルシオン地下校舎の「デスプリースト」の方が遥かに凶悪、あちらはマップの性質上、戦闘回避がかなり難しい。

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にっくき「エルシオン地下校舎」

急に? ロードコープスで思い出したので。

かなりのリアル運にもよるので、プレイヤーによって印象はさまざまであろうが、ワタシの場合は、初回プレイ時に「アサシンドール」にいきなり「きゅうしょ突き」で一撃で殺された。そもそもビジュアルがコワいし。あの「かわコワいかまっち」を凶暴にするとこうなるのか、ということだ。

そもそもプレイヤーに与えるインパクトとしては、上位のメフィストフェレスを遥かに上回っている。あちらもお供とともに凶悪化するのは同じだが、単独でも即死を狙ってくるアサシンドールと違い、メフィストフェレス単独では結構ショボい。即死狙いがないので。(というかメフィストフェレス以上のインパクトを持つ輩がわんさかいるのが宝の地図なので、運よく(運悪く?)単独登場パターンでしか出会えなかったプレイヤーなら、きっと何の印象も残っていないだろう。

最近気付いたのであるが DQ9 本編は地下ダンジョン比率が低く、「エルシオン地下校舎」が珍しいうちのその一つ。そのためなのかどうなのか、とにかく演出として暗く、昇降がわかりにくく、なので初回はあんなに狭いのに迷子になる。そして「アサシンドール」「デスプリースト」にそれこそ「何度も殺される」。全然「エルシオン卿」に辿り着けない。(最近やり直した直近の周回はデスプリーストのザラキに殺される率が異様に高かった。というか「必中」で喰らってた。そういう日もある。)

ドラクエ wiki にも指摘がある通り、「アサシンドール + デスプリースト」やら「デスプリースト + トーテムキラー」と、危険な組み合わせも豊富である。思うのだが、この「エルシオン地下校舎」、全ナンバリング作品通して「マップの広さあたりの難易度が最大」なんじゃないだろうか。ここまで狭いマップが厳しかった経験というのは、さすがに従来作には一つもない。

なお、宝の地図の遺跡タイプにも「アサシンドール」が登場するが、当然そんな時期に出られてもコワいわけはなく、むしろこの子たちが出る地図はちょっとというかかなりほのぼのしている。というか「いらない」。つまり即効で「すてる」候補になる、大抵は。魅力的な地図は最低でも最浅階でキャノンキングが出るくらいでないとダメで、なので潜ってみてアサシンドールがみえただけで「あ、これは捨てる」と判断するハメになる。

そうやって苦労して辿り着いた挙句の「魔教師エルシオン」が強敵だったかどうかはかなりプレイヤーによるだろう。ワタシの場合は初回プレイは滅茶苦茶苦戦したし、死亡者も出したが、直近のプレイでは全く戦闘の記憶がないほどかなり楽に勝った。こちらのステータスや特技にはまったく大差がないのに。リアル運の差? わからない。リアル運だとすれば、「テンション」の差だろう、おそらく。

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にっくき「ゆうれい」

何が、どこが。

「取りたいスキルの前に取りたくないスキルが配置されてるパターン多過ぎ」の例として「みやぶる」の例を挙げた。「本編では 器用さ+80、HP+20 はオーバースペックだろう」と思うタイプのプレイヤーならば、いつまで経っても「みやぶる」を覚えない、というプレイスタイルになりがちで、DQ9 の「めいんえべんと」とさえ言ってよい「討伐モンスターリストの2ページ目コンプリート」はゆえに、「クリア後の楽しみ」となる。ならない? そうですか。

序盤をそこそこスムーズに進めていると、下手すると「みやぶるどころではなく出会ってない」第一位は多分こいつ。「キサゴナ遺跡と西セントシュタイン(夜・おとものみ)に出現」ということなのだが、キサナゴ遺跡は最初のダンジョンということもあり、ここの攻略に難儀すること自体が稀有なことなので、全く迷わずに寄り道もしなければ、まずかなりの確率で出会わない。また、セントシュタイン城の周りで戦闘を繰り返すのはほとんどモチベーションに欠けるがゆえにまずこれはしないため、ここまで拠点の近場で出会えることにも、滅多に気付けない。

序盤限定モンスターの中では続いて「出会ってはいるもののまだみやぶってない」ので出会うのに苦労するのが「まじゅつし」。封印のほこらとアユルダーマ島に出現することになっているが、たぶん前者で出会えた人はかなり幸運。魔法戦士のクエストでここを使って粘った人が辛うじて会うくらいか。アユルダーマ島でも結構レアである。この子については(あの)「うす暗き獣の地図Lv1」で出没することを記憶できていたかどうかで勝敗(?)が決まる。

意外なところだと「ゴートドン」。カラコタ地方とビタリ平原で出会えるのだが、ともに本編では一度素通りするだけの場所で、なおかつ錬金素材集めで通うのは「きよめの水」や「ちょうのはね」のための「ふなつき場」側の方であって、ゴートドンに出会える方へは、「ルビーの原石」収集に通い続けようとしない限りは、全然行かない場所になるから。特に周回プレイヤーなら「ルビーの原石」はかなり余ることを知っているし、クリア後ならここよりはオンゴリのガケを使うと思うし。

総じて「ゆうれい」以外は、本編ではレアでも宝の地図で出会えることが多いが、ランクH~K クラスの地図を好んで捨てずに持ってるなんてそうそうないであろう。そうしたもので「出会ってすらいない」モンスターについては、討伐モンスターリストのその前後のモンスターを見て、「どの子だったろうなぁ」と頭を掻き毟りながら前後モンスター出没地域にわざわざ出向くことになる。

ちなみに「ベホイムスライム」も結構後から出会おうとすると面倒なモンスターで、特に「エルシオン地下校舎」で出会おうとするならこれは「デスプリースト」のお供として極稀に登場するだけなので、危険な上に出会えないなんてことに。逃亡も早いし。「ぎょうじゃのほうい」を間違って売却してしまってレシピが埋まらなくなってしまって、であるとか、魔法使いの秘伝書(つきのはどう)のために、あえて「デスプリースト」を狙わなければならない用事がないなら、あえて「エルシオン地下校舎」を選ぶ必然性はないのであるが、ほかの出没場所が、通う動機の少ない「竜のあぎと」やアギロホイッスル入手後もなんだかアクセスしづらい「竜のつばさ」、「まほうのせいすい」「さとりそう」に用事がなくなれば行く機会がなくなるアイスバリー海岸なので…、要するに「出会うのが億劫なモンスター代表」。しかも恐ろしく逃げ足が速いため、「みやぶったのに逃げられる」ことを何度も繰り返すなんてことも。

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にっくき「ウパソルジャー」

何が、どこが。

ウーパールーパーをモデルにしたと思われる、めっさかわいらしいこいつも、「そうかこれが DQ9 なのか」と一番最初に知らしめてくれる、いわば「DQ9 最初の洗礼」ということにはなるのではないか。

一つに、「DQ9 のシンボルエンカウントとはどういうものなのか」を最初に教えてくれる。初めてなぞの黒騎士戦、エラフィタに向かう道中でこいつに執拗に追いかけられた挙句、ひたすら「うけながしの構え」で返り討ちに遭い続けるわけだ。

以後も同系の「かいぞくウーパー」「ウパパロン」には鬱陶しい気分にはさせられ続けることになる。

とはいえこの系列の一番の特徴は、(上掲の「クローハンズ」と同じく)「あれほどまでに執拗に追いかけてきたくせに、すぐに猛ダッシュで逃亡するようになる」ことなので、こちらのレベルが上がるとむしろ意図しない限りはやたらに戦闘機会が少なくなる種だったりはする。

そういえば、スライム系、テンツク系、モーモン系がやたらに上位種が終盤からクリア後まで登場機会が多いのに、ウパ系は「ウパパロン」が最後。ムキムキのウパ系がいたら楽しかったろうに、なんてことは思う。

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にっくき「ヘイヘイ、パラリラパラリラ~」

その行動パターンがこちらにもたらす被害、そのアクション、効果音全てにおいて「憎たらしい」タイプのモンスターの最凶なものは、多分 DQ8 のタップデビル。

DQ9 でそれに近いのがこの系統。初登場がベクセリア周囲でお目にかかる「とっしんこぞう」、続いてがドミール火山で現れる「エビルチャリオット」、最後が宝の地図で出会う「じごくぐるま」。

本編リアルタイムで出会う「とっしんこぞう」の「つきとばし」もその時点ではかなり憎たらしいが、「エビルチャリオット」の「ヘイヘイ! パラリラ パラリラ~!」はこちらに及ぼす被害も甚大な上に余りにフザけていて、心底憎たらしい。実にドラクエらしいモンスターである。効果音も例によって異常な力の入れ具合で、現実世界の「雨が降ろうがヤリが降ろうがハコ乗り」な愛すべきヤンキーたちを清く正しく連想させてくれる。

なお「ヘイヘイ! パラリラ パラリラ~!」は「全体攻撃 + 雄叫び」みたいなもんであって、特に最上位種「じごくぐるま」のはダメージもそれなりな上に、これが発動すると大抵二人、かなりの場合三人以上の動きを封じられてしまい、気分はまさに最悪である。

ちなみに個人的にこいつらをワタシは正式名称をほとんど忘れていて、「パラリラ」と呼んでいる。「パラリラ来た、パラリラやだ」、みたいな。

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にっくき「まだらイチョウ」

何が、どこが。

これも本編で印象に残るというよりは、「みやぶるコンプリート」みたいなことをし始めてからその鬱陶しさに気付く代表みたいな相手。

例えばこちらのパーティの平均レベル99なんぞになって闘ってみるとわかるのだが、こいつの回避率は尋常じゃない。メタル系並だ。同種族の「もみじこぞう」「デビルスノー」もかなりの回避率だが、ともに「まだらイチョウ」ほどではない。

つまり、適正レベルで相手にするのとレベル99で相手にするのとで、戦闘時間が全然変わらない。うむむにくたらしい。(とはいえ、呪文に長けたパーティなら一掃出来るのではあるけれど。)

ちなみにほかに回避率関係で憎たらしいのはやはり、早めに出会うものなら「ヘルクラウダー」系列(「くもの大王」「ヘルミラージュ」)、クリア後宝の地図なら「まおうのかめん」だろう。なんだろね、「盾ガード」がやたらに強い「ナイトキング」系列や「シュプリンガー」系列の場合、なんなら「良くやった、かっこいいぞ」とすら思うことも多いのだけれど、回避でガードされるとやたらにストレス溜まるんだよなぁ。

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にっくき「グリーンドラゴン」と「じごくのよろい」

この組み合わせには心当たりが多いプレイヤーは非常に多いことでせう。

両者に共通するのが、「かったるさ度マックスなクエスト」に関係しているという点。

前者がバトルマスターの職業クエスト「ゲルザー! 最後の勝負!」、後者がパラディンの「パラディン勝負!!」で、しかもこの2つ、「使い道のない特技を使って、なおかつとんでもなく低いダメージで倒さなければならない」という難題という点で共通している。

「ゲルザー! 最後の勝負!」で使用しなければならないのは「すてみ」「もろば斬り」、しかも猛毒状態にならなければならない。「パラディン勝負!!」では「やいばのぼうぎょ」。これら3つのうち、「無理やりにでも価値を見出せる」のは「すてみ」だけで、これですら「よほどの身の丈に合わない相手と出会った場合でバイキルトみたいな術を持っていない場合」なんて相当限られた局面になって初めて「使ってもいいかも」と言えるだけで、ほかにも強力な攻撃手段のある中あえて「もろば斬り」を選ぶプレイヤーは余程のマゾヒストだし、何より「やいばのぼうぎょ」の与ダメージのあまりのヘボさよ。

すなわち、「本編だろうがクリア後だろうがまず使わない特技」を駆使してこなす、という時点で既に鬱陶しさ満点な上に、相手にしなければならないこの2体の行動パターンが、とにかく癪に障る。

まずグリーンドラゴンだが、「ゲルザー! 最後の勝負!」ではまず「もうどくのキリ」を受けて猛毒状態にならなければならないのだが、そもそもこれこそが最大の難関だったりする。「あくまのタトゥー」装備で猛毒状態になりやすくすると達成しやすくなる、と説明されているが、遂行する職を誤ると、まぁ笑っちゃうくらい猛毒状態にならない。解説は見当たらないのだが、どうも「レンジャー」は猛毒耐性があるのじゃないか? レンジャーに「あくまのタトゥー」装備でこれをやらせたら、そう、「笑っちゃうくらいあくまのタトゥー装備のレンジャーだけが猛毒にならず、他キャラが猛毒喰らいまくる」。

というくらい、「もうどくのキリを吐かれてもなお難題」な上に、グリーンドラゴン、驚くほど「もうどくのキリ」率が低い。このクエストをやる前は、ターン開始時にこの行動を取る確率が高い印象があるため、この行動を取る確率が高いのだろう、と思って始めることになるわけだが、このクエストで「喰らうまで粘る」ほどターンを重ねると、何十回、何百回と「どんっ、どんっ、ぱーん」を聞き続けるハメになる。「どんっ、どんっ、ぱーん」でないならほぼ「なぎはらい」である。この系列全てがそうだが、やたらにこの通常攻撃のアクションがノロくて鬱陶しい上にこの耳障りな「どんっ、どんっ、ぱーん」は、もう夢に出ちゃうってば。

「じごくのよろい」の方は、クエストの遂行に「弱い職業になった上で装備を全部外す」くらいしないと簡単に達成出来ないという点から既にストレス全開な上に、「全然通常攻撃してこない」ことに悩まされることになる。ベホイミスライム呼び頻度が恐ろしく高頻度で、「地を走るいかずち」率も高く、ゆえ、クエストに必要なのはたった3匹なのに、とんでもなく時間がかかるクエストになっている。そして「ちゃかっ、ちゃかっ」と言う効果音とともにベホイミスライムを呼ぶアクションは…、これも夢に出るってばよ。

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にっくき「アウルート」

他の場所で書いたが、AI のバカさが最大化するのがこの一戦。というだけでなく。

公開処刑状態にすら出来た「ゲルニック将軍」の上位互換なので「さぞ弱いのであろう」と思って闘うと、思わず苦戦する。この子は宝の地図の中レベルボスの中では比較的早い段階で闘えるので、レベルが低いうちに闘うと結構な頻度で「ディバインスペル + 暴走ドルモーア」に一人くらいは即死させられ、同じく「ディバインスペル + 暴走バギマ」で2~3人は一気に大ピンチに陥れる。レベルが高くなってくれば楽勝…、かと言えば必ずしもそうでなく、Lv70 程度だとまだ結構苦しく、Lv60 代ならまず間違いなく「うわぁやだぁ」である。

行動パターンもムドー並みにイラっとさせられる。ムドーのルカナンもそうだが、こやつの「ディバインスペル」はとにかく「しつこいっ」と怒鳴りながら闘うことになり、なんかやけにストレスが溜まる。こちらも「ひかりのはどう」ばかりやってると鬱陶しいので、「少し弱くなった」くらいなら、と放置すれば、やっぱり「暴走呪文」は結構痛い。

しかしながらこいつを最も「にっくき」と感じるのは、「ある時期から最頻出のボスになる」からだったりする。これはプレイヤーの遊び方にかなり依存して、具体的には「ワタシの初回時」の進め方をすると、ほんとにシャレにならんほどこいつとばかり対戦するハメになる。

宝の地図の「名詞部分」と出現可能性ボスの関係は以下の通り:

名詞部分 ボス
花、岩、風 黒竜丸、ハヌマーン、スライムジェネラル
空、獣、夢 黒竜丸、ハヌマーン、スライムジェネラル、Sキラーマシン、イデアラゴン、ブラッドナイト
影、大地、運命 Sキラーマシン、イデアラゴン、ブラッドナイト、アトラス、 怪力軍曹イボイノス、邪眼皇帝アウルート
魂、闇、光 アトラス、怪力軍曹イボイノス、邪眼皇帝アウルート、魔剣神レパルド、破壊神フォロボス、グレイナル
魔神、星々、悪霊、神々 魔剣神レパルド、破壊神フォロボス、グレイナル

「あらぶる獣の奈落 Lv68 (ランクS、自然タイプ、黒竜丸)」なんてとんでもない地図もあるにはあるが、こんなのは超絶に貴重な地図。普通は地図レベルが一定以上からは黒竜丸が出る最初の2つは少なくなっていくにつれ「影~」率が増えていき、だんだん「魂~」も出だし、さらにレベルが高くなってきてようやく「少しは「魔神~」が出る」ようになる、という順番で入手頻度が変化していく。

アウルートは地図レベルが Lv52 以降 Lv95 まで出現。

クリア直後くらいだとこのレベルの地図はよほど運が良くないと出ない。数回周回での経験上、主人公の職の最大レベルがやはり50を大きく超えないと安定しては出ない。なのでこれに出会えない間は「またハヌマーンだよ、なんだよSキラーマシンかっ」を繰り返すハメになる。この時期はイデアラゴン、ブラッドナイトさえ貴重。

Lv50 代の地図が安定して出るようになってくれば、プレイヤーのメンタルとしては当然「花~、空~」は手持ちの最高レベル(もしくはザコモンスターレベルの最高)でない限りは「出来る限り捨て地図」にしたいため、「影~」ばかり選んで潜るようになるであろう。これの初期段階は「なんだよ、またアトラスかよ」(または「Sキラーマシン」)率が経験上高い。

Lv60 代以降からが地獄の始まり。このレベル帯あたりから「影~」率が高くなってくる上に、この中ではアウルートが一番強いランクに位置するため、「潜ればほぼアウルート」てほどにアウルート地図ばかりになりだす。しかも多くなってきた「魂~」では、ランクが真ん中に位置するからなのか、このレベル帯だとやはりアウルート率が高い(逆にこのレベル帯前に手にするとやたらにアトラス)。

Lv70 代以降になればアウルート地獄が終わるかというと、これがまぁ終わらない。そもそもが「魂~」以降の地図出現確率は「影~」に較べると遥かに低く、Lv90代だろうが平気で「影~」が出る。つまり「運命Lv95」なんてのは、最高峰であるがゆえにアウルート率が最も高いわけである。

本当の問題はまさに「Lv80 代以降そのものが簡単に出ない」ことで、ゆえ、「Lv70 代以降になれば」と言っているが、現実は「Lv70 代ばかりを繰り返す」時期こそが本当の地獄。転生してようやく安定して Lv80 代も出るようになるが、転生しない場合主人公レベルが 99 でもなかなか Lv80 代地図が出ず、「やったー、Lv71 だ」のあとのしばらくの停滞期、「やったー、Lv73だ」のあとのしばらくの停滞期、という具合に、本当にかなりの時間このレベル帯を足踏みする。

狙いの地図を出すにはとにかく主人公レベルを上げるしかない、転生も考慮した方が出やすい、ということを実感としてわかっていない初回、魔王戦とのバランスを常に保ち続けたかったワタシは、「出来るだけ急激にレベルが上がることは避けたいし、転生なんかするわけないさぁ」と思って少しずつ少しずつ地図レベルをあげていこうとしていたわけだ。だから今なぞったこの「推移」を、本当に尋常でないほど「ゆっくり」辿るのである。これをやると本当に「またかよアウルート」印象が凄まじい。

周回以降は「高レベル宝の地図を入手するにはレベルを上げるしかない」ことを受け容れ、クリア直後に一定以上は「過度のレベル上げ」をするようになったので、Lv70 代以前の「アウルート地獄」は割とすっ飛ばせるようにはなった。ただそれでも Lv70 代以上のアウルート地獄はそう大差はなく、相変わらず「にっくきアウルート」。

(ちなみに「魔神~」を選んで潜れるようになれば「レパルド」率が当然高い。ただこっちはプレイヤーからも人気の高い「ギュメイ将軍」の上位互換、アウルート戦のようなストレスは感じにくく、さほどの悪印象にはならない。まぁ人によるとは思うけれど。)

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にっくき「あらぶる獣の奈落 Lv68 (ランクS、自然タイプ、黒竜丸)」

グレイナルに逢いたくて狙ってるなら本当ににっくきになりかねないが、そうでないならネタである。「獣」な時点で、ザコと宝目的にしかならない。

遺跡タイプほどではないが、自然タイプのランクSモンスターも結構「拍子抜け」(※)で、ガメゴンレジェンドの全体攻撃も単体攻撃も確かにエグいし、デスタランチュラの強烈な「硬さ」はなかなか鬱陶しいが、そもそもここに自力で辿り着けているなら、初見時点での「クラウンヘッド」やら「ギリガメラ」に苦労させられたほどには強烈な印象はない。

それでもやはり「腐ってもランクS」、ガメゴンレジェンド、レジェンドホースには Lv90 代パーティでも簡単に壊滅状態にさせられうるし、デスタランチュラはこちらが能力低下の術を欠いていて呪文アタッカーもいないと、とにかくダメージが通らないことにイライラさせられる。つうこんでは 500 喰らうし。

そんな中で出会う「黒竜丸」である。

「獣??」時点で何が出るのか楽しみに潜ったが、さすがに開いた口が塞がらなかった。「MP つかうな」の全員通常攻撃で2ターン撃破…。一ターンキルも出来るだろう、やろうとさえ思わんけど。

※別の場所で火山の地図が「全体的にヤワ」という言い方をしているが、ランクS だけを較べれば、自然よりエグい。特に「デスカイザー」。ランクA・S の厳しさがダントツなのはやはり水と氷。水ではランクA から登場する「ドラゴン・ウー」とはとにかく闘いたくないし、氷では同じくランクA からの「あんこくまじん」から既に出会いたくない(つーかランクBからの「ホラービースト」からして既にイヤだ)。ともにランクS はステータスもしくは能力の高さが最強レベル。(ちなみに「攻略時間がかかる」トップは遺跡。ランクSには戦闘回避しやすいタイプが一体もいないためでもあるし、ランクE以降が最浅であるなら全てのランクで「硬い」相手とばかり闘うことになり、一回戦闘時間も長いため。というかはっきりいってスライムマデュラのせい。)

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にっくき「エンカウントしないフロア」

ヘンな地図の話のついで。

自力でしか地図入手をしたことがないなか、一つ上で書いたようなアンバランス地図以外だと、2つだけ特殊な地図を持っている。

一つ目は「みんな大好きオンリー地図」で、はぐメタオンリーフロアのある遺跡タイプの地図を持ってる。これは上の方で書いたが、「はぐメタ程度の経験値でありがたい水準」だとお供のスライムマデュラが大問題過ぎて使い物にならない。スライムマデュラが問題にならない水準ならメタキン地図も狙えるところにいるはずなので、やっぱり使い物にならない。こんなものを喜ぶプレイヤーの気が知れない。まぁ「火山タイプのメタルオンリーフロア」ならウホウホだろうとは思うけどさ。

もう一つがタイトルにした「エンカウントしないフロア」を持つ地図。

手にしたのは「とどろく闇の世界 Lv91 (自然タイプ)」で、非常にワタシにとって問題だったのは、これが初の「自然タイプのランクS」可能性だったこと。ランクS の可能性があるかどうかは「とどろく~世界」であることから、1F に潜った時点で 5割以上は確定する。つまり:

形容詞部分 B1Fモンスターランク
はかなき、ちいさな、うす暗き K~J
ゆらめく、ざわめく K~H
ねむれる I~H
怒れる、呪われし I~D
放たれし、けだかき、わななく G~D
残された G~C
見えざる、あらぶる、とどろく、大いなる E~C

なので、1F でランクC ならば、ザコフロアが13F まであればランクS ということになるが、「世界」なので:

遺跡 自然 火山 フロア数
地下道 洞窟 洞窟 洞窟 洞窟 3~8
坑道 坑道 坑道 沼地 雪道 3~12
アジト アジト 火口 地底湖 氷穴 5~14
牢ごく 湿原 雪原 7~16
墓場 墓場 墓場 墓場 墓場 9~16
遺跡 水脈 凍土 11~17
世界 世界 世界 世界 世界 13~17
迷宮 奈落 じごく 眠る地 氷河 15~17

つまり13~17F、実際1F がランクCだったので、「これは間違いなく初ランクSだっ」と意気揚々と潜ったわけだ。(なお上表はボスフロアを含むので、実際はこれでも確定はしてない。この場合1F だけで確定するには「奈落」である必要がある。)

ところが13F に潜ったところで何か様子がおかしい。行けども行けどもシンボルが現れない。何? これ?

初ランクS 可能性でないならこんなでも「ランクS宝箱もあるかも」なフロアなので便利なのであろうが、そんななので「これで14Fがなかったらぶっ殺す」と思いながら徘徊した。なんとも気分がよろしくない。

幸いこの地図、14Fまであったので、めでたく「初の自然タイプのランクS」に出会えた。そうでなかったらほんとに迷惑な地図だったところだ。

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にっくき「浮いてるやつ」

他作品では「浮遊系」に分類されるタイプね。

宝の地図だと「まおうのかめん」くらいしか印象的ではないのだが、こいつは今から言うような意味ではない「やだ」なので、話としては除外。

特にダンジョン内ではなく外のフィールドの方なのだが、立体感の関係なのか、どういうわけかこいつらに意図せず「突進」してしまうことが多くて。最も印象的で鬱陶しいのは「アイアンクック」で、こいつらはそもそも向こうから執拗に追いかけてくるのでよくよく思い出してみないと気付かないのだが、「自分から当たりにいってしまう」ことがかなり多い相手でもあったりする。

にょきにょきと足元から沸く上に長い足のために見かけ以上に当たり判定が大きく、さらには足を伸ばして当たってくるヘビ系(スネークロード、じごくのメンドーサ、ビュアール)に「こちらから突進してしまう」のは、直前まで存在に気付かないケースが多く、そうでない場合もやはり「長い足」に突進してしまうからなわけだが、「アイアンクック」系の場合、確実に視認していてもなお向かっていってしまうのは、やはり「浮いているから」らしい。つまり距離感を誤ってしまうわけである。

リアルタイムで適正時期に闘う際はまさに「追いかけてくる」上に「闘うのが当然」と思っている時期だからこういうことはあまり気付かないのだが、アイアンクックが出没する「カルバド周辺」は錬金素材集めで通う場所になっているので、慣れた道順で「特攻」的にまっすぐ突き進んで目的地まで行こうとすると、まぁよく当たり屋化する。

なお、「浮いている」系ではなく「空から沸く別のヘビ系」(ウィングスネーク系)も突進しやすいタイプ。幸いこいつらは、宝の地図がその界隈にない限りは通わない場所にしか出没しないけれど。(辛うじて「グビアナ地下水道」が該当するものの、背景の関係なのか、こちらの場合はあまり感じない。感じないどころか突進事故はほとんど発生しない、ので、狙いのモンスター(アーゴンデビルやマミー系)だけ狙える。)

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にっくき「シンボルエンカウント」…ゲット出来たのはなんなのよ

DQ9 でお初な、「ゲット出来た宝がなんなのかわからない」パターンの話。

フィールドのキラキラを取るのにかがみ込む場合もそうだが、「宝箱を開ける」という行為がトリガーで戦闘が始まってしまう、というわけだ。DQ8 の感想で「ぴったり宝箱を開けられる位置に止まれないことが原因でエンカウントしてしまう」なんてことを書いたが、DQ9 のこれもなかなかである。

そもそも「宝箱を挟んで対峙しているモンスター」と「接触」扱いになるのが良くわからないのだが、そういうパターンでなくとも、「宝箱を開けようとしているとモンスターが気付いて近付いてくる」パターンは日常茶飯事であり、いずれにしてもそうして「ぴろーん」と宝が飛び出すエフェクトと「~をゲットしたっ」なメッセージを「読む暇もなく戦闘開始」する、ってわけだ。

こういう場合はもう慣れしかなくて、宝のグラフィック(アイコン)のおおまかな形を記憶出来てれば、「あ、あの形はたぶんじごくの弓だ」とわかるし、ほとんどそれしかない。メッセージの方は高速過ぎてまず読めやしない。つまり「ちょっとした動態視力検査」状態。もちろん「未知のアイテム」だったらもう、それこそ戦闘終了後に「ふくろ」や手持ちから探るしかないが、普通は「ふくろ」は10ページ以上になっていることが多いであろう、なかなかどれが今入手したものなのか知るのに骨が折れる。

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にっくき「ばくだん石」とか

特にまだ不慣れの時期がそうなのだが、青宝箱から「ばくだん石」が出ると、なんだかやたらにカラフルでゴージャスにみえるアイコンが「なんかいいもん取れた?」と期待し、「なんだよばくだん石かよ」となる、って話。これは特に本編青宝箱からは出ないからこそ起こる勘違いだったりもする。

もっと高ランクのものになってきて似たものが「ドラゴンの杖」。これも「ガッカリ大当たり」代表みたいなもので、「歴代勇者コスプレ」に興味がないなら、「歴代いかづちの杖」そのもの、すなわち「役不足過ぎる割には高額で売却出来る金策アイテム代表」。なのだがこいつもやたらにカラフルかつゴージャスにみえてしまい、「さぞいいものがゲット出来たんだろうなっ」と期待するとこいつだ、てわけで。そもそも「パンドラボックス」の危険をおかしてまで取りたいシロモノなはずがないのであって。

「うらみのほうじゅ」も、全然嬉しくないハズレアイテムのくせに出現頻度がやたら低いため、初ゲット時は(「毒々しい」とは感じずに)「カラフルでゴージャス」にすら見えてしまい、まさしく「さぞやいいものが…」と期待してしまうにっくき大当たり。

これとは完全に逆パターンなのが「あぶないビスチェ」。慣れてれば即座にわかるが、不慣れあるいは「お初」だと、飛び出した瞬間には大当たりを引き当てた実感がない。なんか地味な色使いに見えるため。装備すると地味とは程遠い、無闇やたらにエロかわいいんだけれども。これ以外にも「えいゆうのヤリ」も、初めて引き当てた際はやたらに地味で、当たり感がない。「えいゆうのヤリを手に入れた」を読んで初めて良いものをゲットしたことが理解出来る。(というか総じて「とてつもなくいいもの」ほど、アイコンが地味でわかりにくかったりする。)

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にっくき「ぼうぎょ」「にげる」

どちらも「操作ミスの結果選択してしまいやすい行動」ワースト。

「にげる」については、戦闘時に頻繁に装備替えをするスタイルのプレイヤーにはお馴染み。「にげる」は「さくせん」の真上にあって、そして「さくせん」と違って「選択」して決定するだけで即座に「逃げようとする」のが問題。「さくせん」はその後の操作があるため、これを選択したつもりになって「タカタカタカタカっ」って効果音が流れると、ひっじょーに落ち込む。ましてや「逃亡成功する見込みがほとんど考えられないシビアな戦闘」だからこそ装備替えをするのであって、この操作ミスの結果はほぼ 100% が「集団リンチにあう」である。

「ぼうぎょ」も実は全く同じ「さくせん」に関係している。つまり、「たたかう→方向キーの上」で「ぼうぎょ」にポインタが合うが、「さくせん→さくせんがえ→方向キー上」で「ぜんいん」に合わせる癖が付いてしまっていると、時々ほとんど無意識に「たたかう→方向キーの上」してしまうことがある。宝の地図ボス戦でこれをしてしまうとかなり落ち込む。ありがちなのは「普通は AI 戦闘のままで問題ないが、時々マニュアル」というスタイルの場合の、「AI からマニュアルに切り替えたい場合」。「全員結 構ピンチだからここはベホマラーだっ」と意気揚々と「ぼうぎょ」する。あらら…。

なお、この操作ミスを最もおかしやすいのは個人的には「メタルキングがあらわれた!」際。この場合に武器をもちかえて全キャラをマニュアルに切り替えることがほとんどなので、まぁ1割くらいの確率で一ターン目を無駄にする。そしてめでたく逃亡される。もう一パターンが、魔王の地図前に不意にザコ戦をやっちゃった場合。ザコ戦でマニュアル戦闘はダルいので AI 戦闘にわざわざ切り替えるほどだが、そしてめでたく魔王戦で一ターン目を「にげる」で無駄にする。(まぁこちらの場合は「マニュアルに切り替え忘れる」だけの場合がほとんどだけれども。)

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にっくき「こちらに気づいていない」

まず間違いなく初回プレイ時にもっともツッコミを入れた回数の多い、DQ9 のヘンチクリンな仕様。「おどろき、とまどっている」も同じ。

いわゆる「先制」の件。シンボルエンカウントでなかった従来作の場合はこれは単に「ランダム」であったわけだ。だから「運よく先制出来た」「運悪く先制された」ってだけの話。(「うんのよさ」に関係する作品もあったりするのかな? いずれにしてもプレイヤーにはラッキーかアンラッキーのどちらかでしかなく、違和感を感じようがない。)

この従来作からある仕様と DQ9 初の仕様3つとの兼ね合いがなんだか妙なことになっている。

  • 「きようさ」の高さで先制率が変わる
  • 接触の仕方でも先制率が変わる
  • シンボルが追跡してくる

この3つが DQ9 初なわけだが、おそらく最初の2つにこだわったからなのだろうと思うが、シンボルが執拗に追いかけてきて接触されてしまった挙句に「おどろき、とまどっている」「こちらに気づいていない」なんてアリエヘンことが起こる。なんなのそれ。

つまりこの「アリエヘン」ことが起こった場合って、「単に通行の妨げになっただけ」なのよね。宝の地図ではこれが大層迷惑。高レベル宝の地図なんか、一度潜ると(特に初回)実時間で1時間とか2時間帰ってこれないこともあるほどに時間がかかるので、地味にこの「ラッキー」がウザったい。(比較的特攻で進みやすい水タイプで「イエローサタン」にこれをやられるのが一番イラっとするかも。)

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にっくき「コンボ」

なんの話だ?

これも AI の話なのだが、上で書いた細かな「バカさ」ではなくこいつに関しては「無駄に賢い」ことが癇癪の種になる、って話。

たぶんこれを最も感じるのは「オノ」を持たせたキャラを AI (「MP つかうな」)にしている場合。

宝の地図の B ランク以降のザコは、倒すのにまぁ3ターン以上かかるヤツらも多いわけである。なんなら5ターン、6ターンかかることすらある。こうした場所でオノ使いに期待しているのは「下がりきるまで諦めずにかぶと割し続けてくれぃ」なわけだ、能力低下に弱い相手なら特に。

けれどもどうやら AI はこの「コンボ」にだけは律儀に従い、オノ使いよりも前の行動順に引きずられて通常攻撃を選択する確率が高いらしい。こういったケースだとプレイヤーは「うーん、以後のターンも踏まえれば、今のターンのコンボは合理的じゃないんではないのか?」疑惑で頭がいっぱいになるわけである。実際問題「最も力の弱い(うえ呪文にも長けていない)キャラは守備力低下しない限り一桁ダメージしか与えられない」ようなケースでもコンボを優先されたらこれはもうたまらんわけだ。確実に討伐ターンが一ターンは増える。(上の方で書いた「刹那的」というのはまさにこれのこと。基本的に現在ターンの思考しか出来ない。)

この逆パターンもないではない。すでに一回守備力低下は成功していて、オノ使いが通常攻撃をしてくれさえいればコンボが繋がるのに、というケースで「かぶと割」行動を選択してしまうこともある。なので「コンボが最優先」というロジックが組まれているわけではなさそうだ。ここいらへんのなんだか一貫性のない行動選択が、どうにも使いづらいと感じる一因ともなっている。

ちなみに「かぶと割」については DQ8 の数億倍賢く使ってくれるので助かる。というか DQ8 からはっきりと進化したと感じるのは「かぶと割」くらい、てほど。よっぽど評判悪かったので是が非でもと改善したのであろうなぁ。

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にっくき「いてつく波動」

「AI はいてつく波動が大好きである」の話ではなくて。

昔からそうだが、「いてつく波動」が解除するのは「あらゆる補助効果」なので、例えばボスがルカナンやらマヌーサやらを多用してきてこちらが状態異常だらけの場合に「いてつく波動」されるとこれは「ありがとっ」だったりする、って特技なわけだ。

ただ「ひかりの波動」が「こちらの悪い効果だけをクリア」するのだから…、と考えるとこいつの仕様はちょっと腑に落ちないというかなんというか。つまり、「かぶと割りややいばくだきで弱くした相手のテンションバーンとテンション20を解除すべきかどうか」みたいなジレンマは、かなり頻繁に起こるのだ、てことだわね。

特に「やいばくだきとテンション」の関係の方が悩むわけである。「守備力低下」の方はこちらの攻撃能力がそれなりにあれば、まぁ「比較的」ではあるけれど「もったいない」感はそうでもないのだが、「攻撃力低下」については、「そうしないと危険な相手」だからこそ奪ったわけで、だいたいの場合は「一回奪った程度ではまだまだ痛い」相手である。ましてやテンションバーンを使ってくるような相手ならばなおさら。

具体的には、攻撃力低下をしないならダメージ 150 は当たり前、奪ってようやく 100 を割る、こちらの平均 HP は 500 未満、という場合、テンションバーンの性質上放置すればすぐにスーバーハイテンションになるので、やいばくだき一回分の剥奪は完全に帳消しとなり全キャラ即死級になる。けれども2回剥奪に成功していれば、「ひょっとしたら大したことがない」になるので、このケースで悩むことになる。(「レパルド」の場合、2回やいばくだきが成功していると通常攻撃ダメージは1桁になるので、一ターンくらいなら放置しても全く痛くない、など。)

ワタシは「必要のないスポイルや度を過ぎたヌルゲー化」は好まない方だけれど、「マホカンタ」をプレイヤーに優しくしたのなら、「いてつく波動」も「相手に都合のいい効果だけ解除」に改変してくれても良かったんではないのかな、なんて。(というかこれは敵にも有利になるわけで、ゲームバランスとしても良い改変だと思うわけよね。)

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にっくき「おもいでのすず」

まぁ要するに「残念アイテムコレクター」の話だが、ちょっとだけ観点が違う。

この「おもいでのすず」、知っている人は知っている。こいつ、ランクI とランクS、つまり「最低ランクと最高ランクの両方」で出る。なので、ランクS が出る可能性があるような地図に初めて潜っている際にこれが出ると「どっちだ?」となるわけだ。

「まさかそんな高レベル地図でランクIなんて出るまい」と、未プレイのプレイヤーなら思うだろうし、プレイ経験者でもあまりやり込まなかったプレイヤーは思うのだろうが、そう、上の方でも書いたように「Lv99 ランクS地図最下層でランクI x 2」なんて地図は現実にあるし、そうした地図は確率的にはかなり高い。

話として面白いのはここから。

「高レベルほど、モンスターランクが高いほど、階層が深いほどええもんがゲットできるんべ」にはなっていない、ということなわけだが、この「程度問題」がかなり作為的に作られていて、腹立たしいもしくは面白い。つまり、「品質のいい地図をすれ違い通信でばんばんじゃらじゃら手に入る」プレイヤー以外は、ほとんどこういう経験をするのだ:

  1. この地図の名前は「あらぶる闇の世界 Lv83」なので、かなりいい宝が手に入るんだろうなっ
  2. を、1F がモンスターランクC だ、これはランクS が出るなっ
  3. をぉ、ウホウホだぁ、ランクC 宝箱がわんさか、ランクBも一個あるっ、これは潜るほど期待出来るなっ
  4. を、「おもいでのすず」だっ、これはランクS に違いない! もう一度潜る価値があるなっ
  5. 潜りなおしてみたら「こんぼう」が出たっ…

こういう「期待値が高い地図」ほど、下層にやたらと低ランクの宝箱がたくさん配置されていることが多い。経験上どうも真ん中の階層の方が「確実に当たり」宝箱が多い。ランクI よりはむしろランクG くらいのハズレがやたらに下層に置かれてるパターンが多いかな。

「大当たり地図」は本当にウホウホで、ランクS が3つ、ランクA が5つ、ランクB が3つ、なんてのさえザラにある。一方でほとんどの「大当たりを期待させる地図」が、こういうガッカリ地図だったりする。

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にっくき「ポップする場所」

宝の地図限定の話。本編ではたぶんこれはない。

モンスターがポップする場所なのだが、基本的に「階段」と「青宝箱」の位置は必ずポップするようにプログラミングされているらしい。まぁそれはゲームらしくて良い、のだけれども。

地味にイヤらしいのが、「あまり動かない」という条件と「デカい」という条件が揃うモンスターの場合、青宝箱に気付かないことも多いという点。無論、階段を下りたいのにどいてくれない、てのもある。

これに該当するモンスターで鬱陶しいのはやはり「クラウンヘッド」。こいつは基本的に、こちらに気付かない限りは微動だにしないので、視認してもらえる位置に移動して気付いてもらって逃げるか、もしくはこちらからわざわざ接触して戦闘するしかない。

まぁ「戦闘するしかない」のはこのタイプだけのことじゃないからそんなに言うほどは気にならないのだけれど、青宝箱の真上に鎮座されるのが本当にウザい。

「微動だにしない」ことはないけれど、シンボルがデカくて、階段・宝箱ともに覆いかぶさって鬱陶しいのは「うみうしひめ」がなかなかのもの。この子、横幅があるのよね、横綱並みに。なのでポップした瞬間は宝箱も階段も絶対視認出来ない。

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にっくき「地形の立体感」

本編だとこれは「迷子になりやすさ」に関係してるので「にっくき」。この傾向は DQ7 あたりからの特徴なのでまぁいい。

問題は、「視野角度変更」という操作をこの作品では(便利でもないので)あまりしないというのもあって、特に自然タイプの宝の地図で、東西方向に伸びる細道に青宝箱があると、手前背景に宝箱が半分以上隠れるかっこうになるのね。これ、かなり視覚的にはキビしくて、「!」の吹き出しが出てもなお気付かないことすらある。

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にっくき「封印出来ない特技」

この作品に限ったことではないが、「MP つかうな」でさえ封印出来ない特技が本当に鬱陶しい。

繰り返しになるけれどやはりこれに該当する筆頭が「おたけび」。

攻撃力がやたらに低いキャラに「ソウルブレイカー」を持たせてるとする。当然「与えるダメージが 2 やら 3 でもいいから攻撃せぃ」のつもりでこれを持たせているのだ。けれども AI は「自分がどんな武器を持っていて、それがどんな効能をもたらすか」なんて我関せずなので、いつも通り「与ダメージ期待値が低いので攻撃したって意味がない」と判断し、「MP 使うなと言われてる、愛してやまない必殺技もチャージしてないし、大好きな MP 浪費 も出来ないから、えいや、だったらおたけびっしょ」とおたけぶわけだ。のみならず、「攻撃力トップのエースアタッカー」に最強武器を与えていてもそれでも「おたけぶ」わけだから、これの封印が出来ないのは本当に致命的。

「MP つかうな」にしない場合に地味にうっとうしいのが「スキャンダル」。確かにマヌーサよりは成功率が高いということで、時々運よく効果的なこともないではないのだが、当然「攻撃しろっ」は「おたけび」と全く同じ構造。「ソウルブレイカー」を持ってようが、「ゆめみのこん」を持ってようが、はたまた「風林火山」を持ってようがやっぱり「スキャンダル」を選択しがちなのである。あー、もうっ。

実際問題どれだけ AI が「オオカミアタック」や「バックダンサー呼び」を多用したがろうがこれらはちゃんと相手に大ダメージを与えてくれる行動なので、「冗長だっ!」というストレスがあろうとも実質はコストパフォーマンスの観点以外からは有害とは言えない。けれども「成功するか失敗するかわからない」という性質の「おたけび」「スキャンダル」は、プレイヤー自身が博打を打とうと明示的に考えないで「勝手にやられて」嬉しいわけがなく、そして案の定ほとんど失敗するので、「そらみたことか」としか思わない。

どこだったか、ドラクエ wiki だったかいね? 「個々に使用可否を制御できたらええのに」みたいなことを書かれてるのを読んだ記憶があるが、大いに御意。定常的に封印したい特技は大量にある。(DQ9 の場合はほぼ全て「行動封じ」系。DQ7 あたりだと「やすらぎのうた」なんぞもあったね。)

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にっくき「ガンガンいこうぜ」

この作戦、「MP むだづかい」に改名した方が良い。

本来プレイヤーがこの作戦に期待することは当然「攻撃こそ最大の防御」、つまり攻撃優先で与ダメージを最大にせよ、ということである。なので、マニュアルで「ガンガン」行くつもりならば、「相手の弱点フォースをかけ、たたかいのうたやらバイキルトも活用し、なんなら魔力かくせいも使いつつ、やまびこのうただって使ってやるわい」とまで考える。

AI がこれに近い「与ダメージ期待値最大、最適」を目指す志向だったならば、プレイヤーはこの作戦にこんなに文句を言わない。

現実は AI は、「相手の弱点フォースをかけ」ると判断する場合も「エースアタッカーでないひ弱なキャラ(≒主人公)相手に、エースアタッカーがフォースをかける」という無駄行動をし、「たたかいのうた」は AI の志向が刹那的であるがゆえに絶望的にこれを選択せず、「魔力かくせい」も滅多にしない。代わりに AI は「必殺チャージ」されていればドヤ顔で「お宝ゲット」し、秘伝書を持っていれば、たとえ「フォース + バイキルト + おうえん」状態であろうが「ギガブレイク」ばかり連発し、あるいは「バックダンサー呼び」する。要するに「ダメージ期待値計算」よりも「MP むだづかい」を優先しようとする。

なので特に宝の地図では、ザコ戦はともかく、ボス戦で「ガンガンいこうぜ」するとびっくりするほどショボいことになる。

この作品に限らないが、この作品も例によって単独で(弱点を突かずに)4桁ダメージを出せる手段が一つしかない(高レベル賢者のマダンテがギリギリ届くか届かないかくらい)。例えば「土属性が弱点で200%のダメージ」という相手にゴールドシャワーを使って、やっと一発で4桁ダメージとなるが、そうでないいずれも、どれだけ高くても 500代、通常は 200代のダメージを出せれば御の字である。これら「ガンガンいこうぜ」で対象になる特技全てがこの程度の威力に収まるので…:

  • オノ使いの「森羅万象斬」または剣使いの「ギガブレイク」
  • 僧侶のグランドネビュラ
  • 魔法使いでムチ使いの「地這い大蛇」

どれもどんなにステータスが上がっても600に及ばず、250~500 がいいところである。当然 AI は賢いので「たまにはやぶさ斬りを使う」。そう、賢いので、「やっぱり MP を浪費する方が正しいっ」とギガブレイクを固辞する。賢いよ…。

なお、マダンテが最強となる状況は考えづらい。MP 底上げなしだと賢者の最大 MP は Lv99 で 500 なので、これだけでは単発マダンテは4桁に全然届かない(残MP の 1.5 倍なので)。Lv99 に至らない、あるいはあまりパンプアップしていない状態であれば、まぁ最大800くらいを夢見れれば順当という感じだろうから、確かに「AI が大好きなガンガン」タイプよりは遥かに大ダメージに見えるが、当然「マダンテぶっぱなしたら後は何も出来なくなる」ので…あとは言わずもがな。(そもそもゴールデンスライムの話でも触れたが、「敵から喰らうマダンテ」も、他作品の経験者ならあまりにヘボくてびっくりするハズ。初登場作品から比較して、マダンテも年々弱体化している。) で、記憶にないので多分間違いないと思うが、AI はさすがに「マダンテ」をぶっ放すことはないはず。ボス戦のとどめに「賢く」使ってくれたら褒めてやってもいいところなんだけどね…、そういうことはなく、単に「こういう博打はさすがに AI も控える」という賢さだけ持っている、てことかと思う。

「はやぶさの剣改 + はやぶさ斬り」は、最強と言われるだけあって、コンスタントに4桁ダメージを最も手軽に叩き出しやすい攻撃である。「フォース + バイキルト」のサポートがあれば、1200 程度なら本編クリア前後でもすぐに出せるようになる。フォース役とバイキルト役が別であれば、1ターン目で威力最大に出来る。無論バトルマスターや戦士が前提とはなるが。だからプレイヤーがマニュアルで「ガンガン」行きたければ、まず間違いなく最優先でこの攻撃手段を選ぶであろう。これを知っているなら、上で例にしたような「AI が最強だと思い込んでいるガンガン」がどれだけガンガンじゃなくバカバカしいかがわかるであろう。(実際 MP 消費の観点でも大差が付く。)

上の方でも書いたのだが、どうにもこの DQ9 の AI、「MP 消費の多さ = 強さ、優先度」というバカロジックになってるんじゃないかという気がする。少なくとも「最大」とか「最適」に考えようとはしてくれない。

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にっくき「バッチリがんばれ」?

考えようによっては「「いのちだいじに」よりよっぽど命大事にしてくれる」し、「「ガンガンいこうぜ」よりよっぽどガンガン行ってくれる」、MP 使用を許す作戦の中では実際一番使い勝手が良いものだったりする。

ただ、「ガンガンいこうぜ」が「MP むだづかい」だからとこの作戦を選んでもこれは改善せず、「MP を浪費するほど良いものだ」癖は大差ない。グランドネビュラ習得キャラは MP が枯れるまで唱え続けるし、スーパースターがバギムーチョを覚えれば「バギムーチョマシーン」化し、酷い場合は3回程度の戦闘で MP がゼロになる。一番の違いは「ガンガンいこうぜ」が、言い換えれば「オレがオレがぁ」なのに対して、こちらは他を立てることも優先してくれるので、「たたかいのうた」なんかも積極的に使ってくれる点。単体の補助を「前から順に」かけるバカさは健在だが、それでも「ガンガンいこうぜ」に較べれば、随分マシに感じる。

同じように、「いのちだいじに」がやたらに「魔結界大好き」なのを嫌っても、これも改善しない。つまり、感じようによっては「とっとと攻撃しろっ」となる。ほかで文句を言ったように AI はパーティ全体の状態を見渡すのが苦手なので、マジックバリアや「りんねの盾」所有者がいようがおかまいなしに「自分だけはっ」と魔結界をかけたりするので、(重ねがけがいくら有効だからといっても)気分のいいものではない。なんならこの作戦、最初の数ターン、全然攻撃してくれない。しかもほかでも書いたが「いてつく波動大好き」だったり、アウルート相手にスクルトかけたり「やいばくだき」をせっせとかける癖は共通なので、結局優秀といっても「他と比較すれば」なだけで、ほかの作戦でストレスを感じるようなら、この作戦でも同じようにストレスは減らない。(アウルート戦なら、こいつは何度もマホカンタをかけるのでこれに AI は 100% 反応し、なので「魔結界→いてつく波動で解除された→魔結界→マホカンタされた→いてつかねヴぁっ→ヘナトス(無駄行動)→いてつかれたっ→…」と、全く攻撃に参加しないキャラさえありえるほどヒドいことになる。)

結局「MP つかうな」以外の作戦はかなり微々たる違いしかないようで、ガンガンとバッチリの差は「他人への攻撃向け補助の差」、だいじにとバッチリの差は「「だいじに」は MP 消費(「浪費」でなく)を控える」ということらしい(魔法使いの杖使いが「いのちだいじに」で通常攻撃しかしなくなることについては上で書いた)。なので「他人への攻撃向け補助がある」ことで「かえってむしろガンガン」、「強い攻撃した方が被害が小さい」という点で「よっぽどいのちだいじに」。良く言えばそうだが、見方によっては「二つの作戦の悪いとこどり」に見えることさえある。

「「いのちだいじに」に限らず微ピンチ時回復行動が過剰」に関して、当然これは「MP つかうな」「ガンガンいこうぜ」でさえもそうなのだから、「バッチリがんばれ」はさらに過剰となり、ベホイミやベホイムで十分なのに「ベホマで一人を全快」ばかり優先しようとするし、何より回復行動選択の閾値が高過ぎるし、相変わらずまわりを見渡せないので、「とうぞくがホイミ」してくれたおかげで、僧侶のベホマラーやベホイムの発動を阻害するという構造が、「ガンガンいこうぜ」よりも遥かに過激になる。つまり「いのちだいじに」と全然変わらない。

あと蛇足だが、「弓使いの AI」についての文句を書いたが、なんでか「ガンガン」よりも「バッチリ」の方が「さみだれづき」率が高い。なんの冗談だ? まぁそれでもほとんどこれを撃ってくれないけど。

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にっくき「スーパースター」

これまでも相当イロモノだったし、本作でもかなり独特な位置にいる職業。

そもそも「スーパースター」の場合、戦闘面では「職に就く必要がないがお役立ち」の最高峰で、全キャラ「スーパースターLv1」のまま「バックダンサー呼び」習得するのもいいし、「サイン攻め」もある時期は非常に役立つし、秘伝書「ゴールドシャワー」はこれの有無で宝の地図ランクC以降の難易度が変わるほど使える。

「なので職に就く必要はないし全く価値がない」かというとそうでもない。

ドラクエ wiki の解説が詳しいのでそちらを参照してもらった方が多分いい。個人的にはやはり「スーパールーレット要員」だと思っている。スーパールーレットを、しかも「効率良く」発動させるには、以下が必要:

  • 「とうぞく」か「魔法戦士」のどちらかがパーティに必要 (これが最低条件)。
  • 「必殺チャージ」の火付け役の存在。(チャージ状態にあるキャラ数に比例してチャージ率が上がるため。)

この2つ目の条件に、スーパースターは当てはまる。

実際問題 100 回も 200 回も粘って宝の地図ボス戦で 2% 防具を狙いたいと思う場合、さすがに一回一回の戦闘に要するターン数は少しでも少ない方が良く、なので、「スーパールーレット用パーティ」を作るつもりならやはり Lv99 を狙った方がいいことになる。なので、「スーパールーレット用パーティ要員」としてスーパースターを採用するつもりならそこまで育てたい。どうやって育てるかによるが、当然「宝の地図」を繰り返し潜ることで育てるつもりなら、かなりの長時間スーパースターと付き合う必要がある。

主人公以外にやらせた場合に不愉快な職業は、個人的には「ぶとうか」「とうぞく」「スーパースター」が三強。前二者は「素早さ」に関係する。無駄に素早いので、それを戦略に組み込むつもりでない場合は「主人公の行動を邪魔する」になりがちだから。個人的に好むスタイルが「主人公が最速のサポート要員」だから、てのが最大の理由ではあるんだけれど、ただ特に「ぶとうか」は(そのまさに2%防具を手にするまでは)とかく装備に恵まれないので、やたらに打たれ弱いというのも評価が低い理由。「とうぞく」は素早さとホイミの合わせ業が最凶。これが理由で僧侶の回復行動をめっさ阻害してくれやがる。「スーパースター」の話はのちほど。

主人公を「スーパースター」にしサポートに徹するスタイルの場合、これは実際問題「ぶとうか」より遥かに良い。特に防具の優秀さが顕著で、なおかつ MP も低くはない上に回復魔力も高く…というか「ザオラル以外について基本旅芸人の上位互換」。主人公がザオラル出来ることにこだわりがないなら、旅芸人より良いこともある。素早さも高く、きようさも高い。要するに「力や攻撃魔力がヘボでも威力の高い技」を連打するのに向いている職業。(レンジャーにかなり似ているが、あちらは防具の弱さで困るパターンで、なのでレンジャーの使用感はむしろ「ぶとうか」のほうに似ている。)

ところが主人公以外(つまり AI)を「スーパースター」に就けると、途端にストレスMAXの職業と化す。

「みりょく」の高さでみとれ率が上がる「ことになっている」が、そもそもみとれ率が高いモンスターは「みりょく」が全然最大じゃないキャラに平気で見とれるほどで、全然これの効果は実感出来ない、ゆえ、この点で「さすがスーパースター」と思うことは皆無。

「ばっちりガンバレ」「ガンガン行こうぜ」で使えばどうなるかと言えば、既に述べたように基本「バギムーチョましーん」化する。別にバギムーチョの威力はそんなに悪くはないのだが、攻撃魔力依存のくせにスーパースターは攻撃魔力が高くないので、威力は上がっていかない。そして滅茶苦茶燃費が悪く、ターン数を要する戦闘を3回も繰り返せばすぐにガス欠になる。バギムーチョでないならほかの浪費特技を連発するが、MP は要するに「普通」であって、やはりそれらでもすぐに MP が枯れる。

なので心の友「MP つかうな」なのか、と。これがイケない。力が魔法使い並みに弱く、高ランクモンスターを相手にするとすぐに「おたけび」ばかり連発しようとする。上で「AI がおたけびばかり使うのがウザい」ことについて文句を言っているが、はっきりいってこれが一番顕著なのがスーパースター。ある意味「魔法使いに MP つかうな」なんてことはあまりしようとしないので、かえって魔法使いの方がこれを目にする機会が少なかったりする。

スーパースターの AI が唯一褒められるのは、まさに「必殺技大好き」そのもの。「ダンスフィーバー」は、そもそもチャージ率がやたらに高いので頻繁に発動し、そして滅茶苦茶役に立つ。効果はぶとうかの「一喝」と全く同じで、これの行動封じが多くのピンチを救ってくれる。

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にっくき「停滞期」

上の方で散々「宝の地図自力取得プレイヤーが経験する停滞期」の話を書いているが、そのちょっと細かい話。

実際この「停滞期」は、3~4種類のものが順番にやってくる。

ひとつ目がまさに上述の「欲しいレベルの地図が手に入らない長い時間」。上述なのでこれはもういいだろう。で、当たり前だがこれに連鎖する形で「欲しいランクの宝箱が見つからない(or 本当に手に入らない)長い時間」。これを二種類目とみなすかどうかだが、みなさないものとする。

続く形でやってくるのがもちろん「欲しいランクの宝箱から欲しいアイテムが手に入らない長い時間」、同じく「欲しいアイテムをドロップするボスからお目当てのアイテムが手に入らない長い時間」。そして言うまでもなく「グレイナルに出会えない長い時間と、グレイナルが竜王の地図を落としてくれない長い時間」。

そして「お目当てのオーブが魔王から手に入らない時間」。

オーブと2%防具、Sランク宝箱アイテムのどれが早く手に入るかも、どれも入手難易度が(オーブについては「必要数」という意味で)同等なので、これらどれかで必ずつまづく。なので相手にする魔王によっては「なんかイエローオーブばかり溜まってんなぁ」であるとか、その逆の「りせいのサンダルは人数分持ってるんだが…」みたいに、結婚相手がいない停滞期が滅茶苦茶長いわけだ。

これはもうほんとにずっとプレイしていると極端に感じるタイミングで「一気にレアアイテム3個ゲット! オーブも3回戦闘で4つ取れちゃった」なんてのに続く形で一週間だの一ヶ月だのほとんど何も進展しない、なんてのも経験する。後者みたいなヒドいときは「あぁ、もうやめてもいいかな」とすら思うのだが、前者みたいなのがたまに来るので、まぁこういうのが中毒性になって、プレイを続ける、ということになるわけだ。

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にっくき「貧乏性」

そもそも「レシピ埋め」という行為も、貧乏性のなせるわざだと思う。

この貧乏性が最も顕著に現れるのが、「レア度がそこそこなアイテム」を手にした場合。

宝の地図で、ランクC くらいが最高峰、てくらいの時期で特に印象的なのが:

  • あくまのムチ
  • まじんのかなづち

で、これらはどう考えても「あっても一つで十分」なのだが、狙いのランクだけを開けるスタイルでなく全部開けるスタイルでやってれば、思わず何個も手に入ってしまう。こうして手にした際に何を考えるかといえば、「そのまま売る」「錬金して高値で売る」というドライな性格でない限り、「せっかく入手したんだから」と貧乏性が目一杯発動し、「だったら人数分持っててもいいか」と。長期的に考えればこれは「せいじゃのはい」などの素材の無駄遣いとなって、得策ではない行為。うむむ、にっくき。

実際に人数分あっても本当にいいかも、といえるのは、このクラスでは「じごくの弓」くらい。ただこいつもそんなにレアでもなくて、開け続けてれば人数分以上を簡単に入手出来てしまって、その際も「もったいない」気分だけはいっちょまえ、あんまし気分良くない。

さすがにワタシでも以下は惜しげもなく(必要数分以上は)捨てる(というか売る)のは厭わない:

  • しわよせのくつ
  • しわよせのぼうし
  • サタンヘルム
  • ドクロの指輪
  • はめつの盾
  • ドクロのかぶと

これは無論「どれも最強クラスではない(本編水準)」であるのとともに、出現率が(はめつの盾を除くと)どれも高いから。ドクロの指輪に至っては本編でも結構入手出来るし、しかも用途ないし。先の2つは「ちょっとレアで、しかもちゃんとちょっとクリア後水準」なのよね、だからやたらもったいない気分になるのだわ。(はめつの盾は、強化後の「女神の盾」素材の貴重さとそれに見合わない中途半端さがあり、なおかつ「オーガシールド/ロトの盾」を持てなかったキャラが「メタキン盾(や、りんねの盾)」入手までの繋ぎとして使う盾なので、人数分さえいらない。)

ランクB だと、やはり「ペンタグラム」「まじゅうのツメ」で、どちらも「ハズレ大当たり」として出現確率が高く、本当に欲しい「風林火山」らとは出現率には月とすっぽんほどの開きがあり、人数分集まってしまうのも比較的すぐ。けれども特に「ペンタグラム」なんて、アウルート戦で「バーニングバードが効く」以外ではやはり「チョロい場所専用武器」の側面が高く、一人持ってれば十分なシロモノだろう、ふつー。それでもやっぱり「とはいえレア」なので、案の定貧乏性大爆発。ヘキサグラムにしてしまう、つい。

ほかの場所で書いたが、「風林火山」よりもよっぽど「メタスラ装備」(ランクA)の方が入手が容易で、大変優秀な「メタキン盾」を人数分そろえるのは、案外簡単だったりする。そして案の定「人数分以上集まる」。当然ワタシでさえ余ったものは惜しみなく売却はするけれど、「もったいない」気分はやはり相当なもの。

幸いランクS は「開けることそのものが幸運」、つまり「宝箱そのものがレア」なので、よほどの時期にならない限りは「そんな事態」(余って仕方ない)なんてことは起こらない。けど「高レベル魔王」に挑戦するなんて時期になれば、さすがに余るほどになる…、かもしれない。(さすがにそこまでは経験ない。ワタシは「中レベル魔王」まででやめたので。)

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にっくき「ゴールドシャワー資金」

1000Gで土属性の大ダメージ、てわけだ。

本編、クリア後ともに、施設がやたらに整っているセントシュタインを拠点にするプレイヤーがほとんどだろうと思う。「ただ宿」なエルシオン学院派もいるかもしれないが、ベッドまでの距離、教会までの距離、設備のなさで、便利と思うのは少数派だろうから、やはりセントシュタイン派が圧倒的と思われる。

であるならば、「1000G超えてたらすぐにゴールド銀行に預ける」派もかなり多かろう。

これが「ゴールドシャワー習得後」で、なおかつ高レベル宝の地図ばかり潜るようになってくると、このスタイルを変えざるを得なくなる。低ランク階層から始まる高レベル宝の地図なら浅階層でゴールドを稼ぐことも出来るし、それこそ「ゴールデントーテム」を狙いつついけば、素寒貧で出かけてもなんとか持ちこたえることもあるけれど、1F がランクC となるような最高レベルの場合、下手をすると 1F モンスターからゴールドシャワーを連発することにもなるので、1万ゴールド未満で出かけるのは心許ない。ので、3万、5万ゴールドといった大金を持ったまま挑むことが多くなってくる。

この癖が染み付いてしまうと、「あまりレベルの高くないパーティ」(主にスキルポイント稼ぎパーティ)で挑めば全滅頻度も結構高い上に、魔王戦にまで大金を持ったまま挑んでしまい、平気で何度も全滅してみたりもする。ので、いくら金満パーティでも資金の減り方が激しくなってくる。

ワタシのプレイスタイルでは他の場所で書いてる通り「絶対に」金欠にはならないのだけれど、それでも手持ちは大抵地図をこなすと減っているし、銀行からおろす必要さえあることもある。

これに関して「貧乏性」が役立つこともないでもない。同じくワタシのプレイスタイルだと「結婚相手のかたわれ」ばかりが一方的に溜まっていく。つまりやたらに「オリハルコン」やら「せいじゃのはい」、そしてレア度がそうでもない「まじんのかなづち」あたりのものを大量に持っていがちなので、これらを錬金しまくっておいて、「少し売り払って手持ちを数万ゴールドにして宝の地図に挑む」のを繰り返せば、まぁ少なくとも銀行から引き出す頻度は減る。

ちなみに「ゴールドシャワー頻度」は、魔法使いを擁するかどうかで結構違うように思う。魔法使いが一人いると、これに頼る頻度はちょっと少なくなる。まぁプレイヤーによって色々だとは思うけれども。

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逃げるが勝ち

経験値やら熟練度を稼ぎたくない、みたいなことがない限りは、これまでの作品では「適正レベルの相手なら逃げずに闘ったほうが大抵お得」、だったはずである。

シンボルエンカウントになった DQ9 では「逃げる」には2種類あって、無論従来作と同じ戦闘が開始してからの「にげる」コマンドで、もう一つは言うまでもなく「シンボルから逃げる」。

この「シンボルから逃げる」でさえ、この行為がもっと危険なモンスターへの接触を誘発することも多いので得策とは限らないわけなのだが、3つだけ「逃げたほうが得策(かもしれない)」なパターンがあるのが面白い。

一つはまさに「もっと危険なモンスターへの接触を誘発」の裏、つまり「追いかけてくるヤツより先に無害なモンスターに先に接触してしまう」ことが楽なケースが結構ある。宝の地図はランク C より前は平気でクリアレベル以下のショボいモンスターもうろついているので、例えばスライムマデュラが道を塞いでいるのであえてヘルバトラーに接触する、なんてことをするわけである。ゆえ、「ラストテンツクから逃げ回って近場のヘルバトラーがいたらこれ幸い」と逃げようとあがくわけだ。 (まぁヘルバトラーのお供にスライムマデュラ、なんてのもあるからかえってヒドいことになるケースも多いのではあるけれども。)

もう一つが「MP 自動回復」関係。「りせいのサンダル」系やら「女神の指輪」装備時の「MP がそろそろヤバい」ケースでは、出来るだけ歩行距離を稼ぎたいわけである。なので、ラストテンツクが追いかけてきたような場合でも、「先制されてもいいから歩行距離を稼ぎたい」と思うわけだ。特に「オカネで解決」出来る術、つまり「ゴールドシャワーとサイン攻め」を習得しているならなおさら、「先制されてもカネで解決するからいいやっ」と。

もう一つ、地味におそらくこれが一番効果的な「考え方」。つまり「先制率」。追跡されて追いつかれれば、この場合「先制される確率」が格段に上がってしまう。けれどもこちらから接触した場合、特に「背後から」接触出来れば、むしろこちらが先制出来る。ゆえ、「とにかく追っかけてくるこいつ」よりも「近くにいたソイツ」に自らぶつかってしまった方がマシだ、と。案の定「ややマシ」にはなってくれる。

まぁ特に2つ目は効果的だとか有利だってことではなくとかく気分的な問題だったりはするのだけれど、ただ少なくともこういうことは従来作では考えもしなかったことなので、「シンボルエンカウントならでは」でオモロイなぁと。

ちなみに「にっくき「こちらに気づいていない」」で書いた不思議な状況は、多少であれば意図して起こすことも出来る。つまり、「いったん逃げ回っておいて、急に振り向いてこちらから突進する」と結構な確率で「おどろき、とまどっ」てくれるし、場合によっては「気付いていない」になる。(たぶん意図しないでこれが起こる場合に「なんつー不可解な」と感じる、という構造なんだろう。)

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ただ宿

どのナンバリング作品にも必ずといっていいほど登場する「ただ宿」。DQ9 ではどうか?

ちなみに DQ1 には本物のただ宿はないが、ホイミ習得後はラダトーム城の「光あれ!」じじいが MP 回復してくれるので、事実上これがただ宿。また、本当の意味でタダ宿が最初から最後までずっと使えて数も多いのは DQ7。(どうでもいいが ドラクエ wiki の「タダ宿」解説 は不完全。DQ7 では海底都市攻略直前の山奥の塔のが抜けている。)

言うまでもなく最初に使えるのが、天使界から落っこちてきた直後の「リッカの自宅」。見かけ上はこれは「期間限定」、セントシュタインの一連のイベント後は「しばらくただ宿が使えない」。

ほんと?

まず「リッカの宿屋」はこれは、「DQ7 の封印解除後ダーマ神殿(8G)」に次いで、ストーリーの進行具合にしては相当の安宿(12G)である。しかも、セントシュタイン城の入り口には「すぐに錬金素材として用済みになる「どくがのこな」をほぼ常に数個拾える」。「どくがのこな」はなんと 45G。一つ拾うだけで 3回宿泊出来る。少なくとも3つくらいは沸いているので、それだけで 11回宿泊出来る。

なので、本物であろうとなかろうと「タダ宿(相当)」が使えない期間はこの作品でも短く、「リッカが宿を開くまで」の期間だけ。つまり「謎の黒騎士」とお相手している間(黒騎士戦そのものからルディアノ城攻略まで)だけの短い期間だけ。

なお、取説の類を一切読まずに遊び始めるせっかちなプレイヤーの場合、下手をするとこの「どくがのこな」が、プレイヤーが最初に気付く「キラキラ」の可能性もある。ウォルロ地方で沸くどれも、基本的に徒歩で遠出しないと収集出来ない場所にあり、イベントに促されるままこなしてきた場合はまず間違いなく最初の「キラキラ」だろう。「キラキラしているもの」が無敵アイテムなり回復アイテムだったりするのは、ドラクエ誕生前の横スクロールシューティングを例にするまでもなく伝統である。それがなんなのか知らなくても拾うであろう。おそらくセントシュタイン城のこんな目の前で沸いているこれは、そうしたプレイヤー向けに「フィールドには宝が沸く」ことを知らしめる目的もあるのであろう。(つまりは「事実上ただ宿」のため、てことではないのであろう。)

本当の意味でクリア後含め「ずっと使い続けられる」のは、無論「エルシオン学院の寮」なのだが、そんな理由で、特定のケース以外ではあまり使わないだろう。

「特定のケース」というのは、まぁプレイヤーにもよるだろうが、「ダーマの悟り」習得後に、複数キャラの職業を一気に変えたい場合だ。特に、どの職業に変えるか、変更前に明確に決めていない場合。主に「余っているスキルポイントを割り振る」場合ではないだろうか。この場合、消費 MP 3 の「ダーマの悟り」が何回必要かわからずに「作業開始」するし、目的が「スキルポイントを割り振る」である場合、何度も転職をしたりあるいは「し忘れたり」するので、下手をするとトータルで10回を超えるほど「ダーマの悟り」を繰り返すことも多い。

こんな場合に、「あ、ゆうかんスキルにも振るつもりだったんだった、失敗したぁ」と、いくら 12G でも結構ヘコむ。ので、「エルシオン学院の寮」のベッド前でこの作業をするわけだ。

このケース以外だと、「エルシオン学院」にルーラしてベッドまでは結構遠くて、ゆえ、まぁそんなに便利に感じるものでもないし、なにせライバルは「12G」、序盤ですら大して痛くないこの額は、中盤にはもう常に誤差、通常はリッカの宿屋を使うであろう。

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ただ宿、part II

リッカの宿を「どくがのこな」を理由にただ宿とみなすんであれば、と。

「女神の指輪」、「りせいのサンダル(→イデアのサンダル、等)」などを入手後は、事実上「セントシュタイン城前」や「グビアナ城門」をただ宿みたいに使える。

そんなゴージャスなアイテムを手にしている時期なので、セントシュタイン城前もグビアナ城門もどちらも、「モンスターが出没する場所」なのにエンカウントしない場所、てことになり、これらのアイテムの常により、「壁に突進し続ける」ことで MP なり HP を気が済むまで回復出来る。

ん? もちろんネタです。こんなこと、思いついてもやったことないもん。